異世界系暗殺者
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A・Tの時間・1時間目(2016/05/16 一部修正)
前書き
今話冒頭はイッキのデレ成分で構成されています。ぶっちゃけ、キャラ崩壊です。(笑)
まえがき(2016/03/22)
リードの登場を少しばかり早めることにしました。
【視点:樹】
今日で俺と有希子が付き合い始めて10日が経った。有希子と付き合い始めてから、俺の見る世界は生まれて初めて色付いた様な気がする。何をするにしても有希子がいるだけで、それが今まで以上に楽しいと感じる様になった。
それ以外の変化といえば、下校時有希子が必ず俺の家に寄ってくれることだろうか?まぁ、俺の家ですることなんてA・Tの練習か、ゲームをするか、勉強するかのどれかなんだが……。
念の為言っておくが、俺と有希子はまだキスすらしたことが無いからな。この付き合いを超健全交際と名付けようと思う。って、そんなことはどうでもいい!兎に角、俺にとって有希子は活力源といっても過言ではないってことだ。
有希子と付き合い始めてから初めて作った牙の試験型玉璽。今まで開発してきた試験型玉璽は試作型疑似玉璽の開発工程を含めても最短で1週間は時間が掛かっていたんだが、これは僅か3日で作り上げた。
これはもう、有希子が俺のスペックを強化しているとしか考えられないだろう。今では義肢として使える多駆動A・Tギプスまで作れてしまう始末だ。
このことを2日に1回のペースで有希子と一緒に俺の家に来て、A・Tの練習をしている不破が知った時、律の身体として遠隔操作が可能な汎用玉璽内蔵型義体・ファントムを作れるんじゃないかと言われた。
そして、俺は現在律が自由に動き回れる身体として、ファントムを他の玉璽開発と同時進行で行っていたりする。現時点での進行度は20%。
これでも驚異的速度だからな。天気のいい日の昼休みに校庭で有希子に膝枕をして貰ったり、弁当を作ったりして貰って有希子分を受電していなければ不可能なことだ。
ちなみに、義肢系A・T製作費は相変わらず海外投資で稼いでいる。現時点での俺の総資産は80億を超えたが、義肢系A・Tや玉璽を作っていなければ、既に殺センセー賞金額を超えていることだろう。
あっ!あと、戦LV測定器であるリードの開発も始めた。クラス全員の形態やスマフォに強制ダウンロードされたモバイル律――通称:モバ律のサポートもあって、A・T開発よりこっちの方が順調だったりする。
と、そろそろ彼女自慢も兼ねた前置きを終えて本題に入ろうか。今日は有希子や不破以外にA・Tを始めたクラスメイトの指導をする日なんだ。
ってか、いい加減E組にも馴染んできた訳だし、クラスメイトに関しては名字の呼び捨てでいいか。カルマとか一部の生徒は名前で呼び捨てにしてるし。これ以降、クラスメイトは女子も基本的に名字を呼び捨てでいくんで、よろしく!
ん?ビッチ先生の進退問題的な話はどうなったか?そういえば、3日くらい前にそんなこともあったな。けど、別に詳しく話す事柄でもないだろう。そんなことよりA・Tの話だ。
有希子と不破は才能があったみたいで、既にウォークの課程を修了し、ダッシュに移行しているので、ウォークの指導を手伝って貰ってたりする。
「だから、中村さん!ウォークの基本は手を前にして腰を落とす!そして、足を開いてそのまま歩くって言ってるでしょ!!」
「いや、言ってることは分かるけど、うら若き乙女として野郎どもの前でそんな醜態晒すのはどうかと思うんだけど?」
「私も少しだけどそう思う」
基礎中の基礎を教えている不破が、文句ばかり言う中村と矢田に若干キレ気味で、不破と一緒に女子組を指導している有希子はその光景を見て苦笑している。
まぁ、中村達の言い分も分かるけど、しっかりと基礎をやってないと怪我に繋がるから、擁護などはしない。取り敢えず、女子組はそんな感じだ。対する男子組は――――
「カルマと悠馬、陽斗、正義は才能あるな。練習開始から僅か10分足らずでバランスを崩すことなくウォークができてる。逆に渚と友人、岡島はバランス悪過ぎ。
女子の前で力士の真似事っぽいことをするのが恥ずかしいとか思ってるのか?新しい力を手に入れたいって決めたんなら、恥も外聞も捨てろ。男だろうが」
こっちもこっちで、てめぇ等のメンタルは女子並か!とオブラートに包むことなく言いたくなる様なのが若干名いた。こんなんじゃ、調律によるA・Tの専用化なんて夢のまた夢だ。
あっ!言い忘れてたが、新しくA・T始めた面子のA・Tは未調律のノーマルA・Tだったりする。興味本位とかで始めた場合、途中で練習を投げ出す可能性もあるからだ。
その場合、調律するだけ無駄ってもんだからな。俺がそんなことを考えていると、カルマが話し掛けてきた。
「ねぇ、イッキ」
「ん?何だ、カルマ?」
「ほら、イッキって修学旅行の時にA・Tで炎出してたじゃん。あれって、どの位練習したら出来る様になるの?」
「………カルマ。お前、エア●ギアのコミックは読んだことあるか?」
「え?一応、不破さんが教室に持って来て全員で回し読みしたことはあるけど?」
「なら、単純に戦LVで説明したほうが分かり易いな。自在に炎を出せるとなると、最低でも70台後半じゃねぇと無理だ。
今のお前らはほぼ全員がLV1。有希子と不破ですらLV5か6だ。1日2日で習得できるもんじゃねぇよ」
「………ちなみに、イッキの戦LVってどの位なの?」
「俺は体調不良だったとしても300前後って所だろうな。快調な時の正確な数値はリードでも無きゃ分からんが、それでも400は確実に超えてる筈だ」
「………上等。なら、取り敢えず1学期終了までには戦LV100は超えてやる。そして、年越すまでにはお前のLVに辿り着いてやる」
「そりゃ楽しみだ。けど、自分に合った道でないと力は発揮されねぇぞ。炎の道はスピード系ライダーの道だ。LV100超――王の中の王とも言える暴風族なら自分の走る道以外の力もある程度使えるが、それでも程度は知れている。
衝動的なもんじゃなくて、ちゃんと自分に合った道を探して、力は手にした方がいいぞ」
カルマが半年以内に俺と同等の暴風族になると俺に告げて来ると、他の面子も苦笑しながら頷いていた。
まぁ、エア●ギアに登場していた小烏丸の半分も、1年足らずで王の中の王の域に達していたから、カルマ達なら十二分に可能性のある宣言でもある。
いや、カルマだけじゃない。E組のほぼ全員に可能性のある話だ。何故ならE組の生徒は全員が毎日暗殺の訓練をしているからだ。日々行っている暗殺組手からも、一般的な中学生より身体能力が高いことが窺える。
このA・Tを始めた奴ら、またこれから始める奴らの中から王が生まれることを、俺は確信してもいる。そうなれば、殺センセーが望む理想の暗殺教室にも近付くだろう。
もう暫くしたら、烏間先生に体育ならぬ暗殺授業にA・Tも加えて貰える様、俺から進言してみよう。そんなことを考えていると―――
「そういえば、イッキが得意としてる道って何なの?」
「ん?」
「不破さんから基本である8本の道やそれから派生した道も走れるって聞いてるけど、やっぱり得意分野とかあるでしょ?それが少し気になったんだよね」
「俺が得意とする道か。………やっぱ、炎の道だな」
「へぇ~。何か意外だな。その容姿や名前から風系の道かと思ったんだけど」
「名前が同じで容姿が似ていても、俺は物語の主人公当人じゃないからな。同じ道を得意とするとは限らない。ってか、俺はスキル的にもカズ寄りの存在だ。
って、無駄口叩いてる暇なんてねぇだろ。ウォークができる様になった奴はできない奴に教えてやれ。じゃねぇと、只でさえ教える側が少ないんだ。いつまで経っても次のFクラス:ダッシュにクラスアップできねぇぞ!」
「はいはい。全く、素人に毛が生えた程度の初心者に教官役をさせるとか、空の王様は人遣いが荒いな~」
俺がそう指示を出すとカルマが笑みを浮かべながら文句を言い、磯貝達と一緒にウォークができない面子の指導に着いた。
後書き
今話のA・T練習に参加していたメンバーと適性のある道を説明しておきます。
【男子組】
出席番号1:赤羽業・血痕の道
出席番号2:磯貝悠馬・翼の道
出席番号3:岡島大河・色欲の道(腐海の道の亜種)
出席番号9:木村正義・炎の道
出席番号11:潮田渚・炎の道
出席番号13:杉野友人・轢藍の道
出席番号22:前原陽斗・大地の道
出席番号28:南樹・嵐炎の道(炎の道ベースの凱嵐の道)
【女子組】
出席番号4:岡野ひなた・荊棘の道
出席番号6:片岡メグ・荊棘の道
出席番号8:神崎有希子・荊棘の道→○○の道
出席番号10:倉橋陽菜乃・閃律の道
出席番号17:中村莉桜・荊棘の道
出席番号21:不破優月・翼の道
出席番号25:矢田桃花・炎の道
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