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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
黒の剣士
  第6話

 
前書き
黒の剣士の47層の説明の辺りまで書きます。 

 
エイプを掃討したキリトとサチは武器を収めた。
サチ『ゴメンね、大切なお友達を助けられなくて……。』
シリカに近付いたサチは、ピナを助けられなかったことをシリカに謝った。
シリカ『いえ、良いんです。私がちゃんとしていれば……。』
一方のシリカは涙を浮かべながらそう返した。

すると今度はキリトがシリカに近寄った。
キリト『大切な友達だけど…蘇生させる方法があるよ。』
シリカ『えっ⁉︎』
キリトの言葉にシリカは驚いた。
サチ『この間、アルゴが言ってた使い魔蘇生用の……?』
キリト『ああっ、47層のな。』
2人の会話から察するに情報屋のアルゴから聞いた様だ。
シリカ『47層…ですか……。』
2人の会話を聞いたシリカは落ち込み、表情は暗くなった。
幾ら中層でトップクラスのシリカとはいえ、47層は流石にレベルが高過ぎる。
サチ『でもどうするの、キリト?使い魔の蘇生は、死んでから3日までだよ。』
シリカ『そ、そんな……。』
サチの言葉を聞いてシリカは更に落ち込んだ。
キリト『うーん。』
キリトは少し悩んだが、直ぐに立ち上がり、システムウインドウを操作した。
すると、シリカの目前にウインドウが表示され、体防具,短剣等がウインドウに表示された。
キリト『これらの装備で、大体5,6レベルくらい上げることが出来るよ。』
シリカ『あ、あの〜。何故、そこまでしてくれるんですか?』
キリトの言葉にシリカは驚いた。幾ら何でもここまで良くしてくれるプレイヤーは今まで居なかった。

キリト『え〜と、笑わないって言うなら言ってもイイけど……。』
シリカ『笑いません‼︎』
シリカの言葉に、キリトは重い口を開いた。
キリト『俺の妹に、君が似てるから……。』
シリカ『ぷっ、ふははははは……‼︎』
キリトの答えに、シリカは大笑いしてしまった。
この時、サチはクスクスと笑っていた。
シリカ『ゴメンなさい。』
キリト『イイんだけど……///。』
キリトは顔を赤くしながら言った。
サチ『キリトは可愛いね。』
キリト『からかうなよサチ///。』
するとサチがキリトをからかい始めた。

シリカ『宜しくお願いします。ここまで良くして貰ったのに……。』
キリト『良いんだよ別に。』
サチ『困った人は助けるのが、私達の流儀だから。』
シリカは、改めて理解した。この人達は悪い人じゃないのだと。
キリト『後、お金は要らないから。』
シリカ『⁉︎本当に、ありがとうございます。私、シリカって言います。』
シリカは、2人のご好意に驚いたが、とりあえず自己紹介した。
サチ『えっ⁉︎キリト、シリカって……』
キリト『ああ、この前、クラインが言ってた娘だ。』
キリトとサチは、シリカの事は知っていた。(前回作を参照)

キリト『宜しくシリカ。俺はキリト、コッチは俺の相棒のサチ。』
サチ『宜しくね、シリカちゃん。』
キリトとサチは、シリカに自己紹介した。
シリカ『はい、宜しくお願いします。キリトさん、サチさん。』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから3人はフィールドを出て、35層の主街区に入った。

サチ『キリト、何だが…視線を感じない?』
キリト『無理もないさ、シリカの人気っぷりは、現実世界のアイドル並何だからな。』
サチの問いにキリトはぶっきらぼうに返した。

3人が宿に向かって歩いていると…、
『君…シリカちゃんだよね、良かったら俺達と一緒にパーティーを組まない?』
『そうそうっ、勿論損はないよ。』
2人の男性プレイヤーがシリカに話し掛けて来た。目的はシリカの勧誘だ。
シリカ『あっ、あの〜…実は私、この人達と暫くパーティーを組むので……。』
シリカはキリトの腕を掴んで男性プレイヤーに言った。するとその男性プレイヤーはキリト達2人を嫉妬深そうな目で睨んだ。
『オイオイ、何処の馬の骨だか知らないが、抜け駆けは良くないな。』
『そうそう、ただで済むと思ったら、大間違いだ。』
そう言って、男性プレイヤーは、武器を装備した。
シリカ『待って下さい‼︎私は……』
サチ『いいわ。その勝負受けてあげましょう。』
シリカの言葉が終わる前にサチが横槍を入れ、槍を装備した。
キリト『おいサチ……』
サチ『キリトは黙ってて‼︎』
キリト『はい……。』
サチの行動にキリトは止めようとしたが、サチの気迫に圧倒され、キリトは縮こまった。

ーーーーーーーーーーー

こうして、サチと男性プレイヤーはデュエルする事となった。
サチの相手をする事になったのは、サチより背の高い両手剣使い。デュエルのオプションは、《初撃決着モード》。
そしてカウントダウンが始まった。
サチは槍を、男性プレイヤーは両手剣を構え、DUELの文字が弾けたと同時に2人は動いた。

男性プレイヤーは両手剣ソードスキル"アバランシュ"を持って突進。
それに対し、サチは"テクニカル・ビースト"を発動してから突進して距離を詰め、槍のソードスキル "ツイン・スラスト"で先制相手を吹っ飛ばした。
スピードではサチの方が遥かに勝っている。

ーーーー

『何なんだ、あの女性プレイヤー‼︎』
『〈閃光のアスナ〉に劣らず勝らずのスピードじゃないか⁉︎』
デュエルを観戦しているギャラリーが騒ぎ出した。

実はサチ<血盟騎士団>副団長のアスナを超えるスピードを持つプレイヤーで、非公認ではあるが〈俊足の槍突(スピアー)〉と言う二つ名を有する程の実力者で、以前デュエルでアスナをスピードで持って負かした。
それ以来、アスナはサチをライバル視しているが、サチは全く気にしていない。

ーーーー

一方デュエルの方は、男性プレイヤーが両手剣ソードスキル "イラプション"を発動しようとしたが、サチの"ウェポンバッシュ"で動きを止められた所を、サチが槍の上位ソードスキルにして奥義技 "ディメンション・スタンピード"を発動した事で、サチがデュエルを制した。

ーーーーーーーーーー

『すげえ、槍の奥義技を使えるなんて……。』
『攻略組…だとしても、こんな中層に降りて来る筈もないし……。』
『?待てよ、あの子もしかして…〈黒の剣士〉と一緒に居るって言う槍使いの……。』
『まさか、〈青の槍壁〉⁉︎』
『確か、54層のフロアボスの攻撃を槍で全て躱し、奥義技で撃破したって言う、あの?』
ギャラリーがサチの噂を話していた。

無論、この話は嘘でも何でもない。
実際にサチは、54層のフロアボスの攻撃を槍で全て躱して、"ディメンション・スタンピード"で撃破したのだ。

ーーーー

サチ『行こ、キリト。』
キリト『そうだな。シリカ、行こう。』
シリカ『はい。』
槍を収めたサチはキリトに言った。
サチの言葉にキリトは同意して、3人は騒ぎ立てるギャラリーを掻き分けて進み、その場を後にした。

ーーーーーーーーー

宿に着いた3人は夕飯を摂った。キリトがラーメンで、サチとシリカがパスタであった。
夕飯を食べ終えた後、サチとシリカは雑談を始めた。
シリカ『サチさん、凄かったですね。さっきのデュエル、見惚れちゃいましたよ。』
サチ『イヤイヤ、キリトに比べたら、私はまだまだだって。』
サチとシリカはスッカリ打ち解けて仲良くなった。キリトは暖かい目で、2人を眺めていた。

ーーーー

その後、部屋に入ったシリカは武装解除すると、ベッドの上に座り込んだ。
それから数分後…、
≪コンコンッ≫
ドアを軽くノックする音が聞こえた。
シリカ『はーい。』
サチ『シリカちゃん?』
キリト『47層の事で話がしたいんだけど……。』
声の主はキリトとサチだった。
シリカ『はーい……』
ドアノブに手を付けた時点でシリカは気付いた。シリカは今、上下共に下着姿だったのだ。
シリカは急いで部屋着を着ると、キリトとサチを部屋に招き入れた。(この時、キリトとサチは部屋着。キリトが黒で、サチが青のTシャツとスボン。)

そして、キリトはオブジェクト化した水晶球を部屋にあるテーブルの上に置いた。
シリカ『これは……?』
シリカは、その水晶球が気になった。
サチ『<ミラージュ・スフィア>だよ、シリカちゃん。』
サチが軽く説明した。
キリトが操作すると、円形のグラフィックが姿を現した。
シリカ『綺麗。』
シリカは暫し見惚れたが、キリトは説明を始めた。
キリト『ここが主街区、コッチが目的地の‘思い出の丘’。この道を通るんだけど……。』
キリトが47層の説明をしていると…、
サチ『……。』
サチが、何かに反応した。
キリト『……。』
キリトも同じだ。
シリカ『キリトさん?』
キリト『し……。』
シリカがキリトに聞くと、キリトは指を唇に当てた。
するとサチが槍を装備して、目にも留まらぬ速さでドアを引き開けた。
サチ『誰なの……⁉︎』
外には誰もいない。だが、誰かが階段を降りる音がサチには聞こえた。
キリト『どうだサチ?』
サチ『駄目、取り逃がしたみたい。』
キリト『そうか……。』
シリカ『どうかしましたか?』
サチ『誰かに聞かれたみたい。』
シリカ『しかし、ドア越しでは聞こえない筈。』
サチ『普通はね。でも……』
キリト『【聞き耳スキル】なら、話は別だ。そういう奴は、滅多にいないけど……。』
その会話の後、サチはドアにもたれかかり、キリトは説明を続けた。
説明が終わったのは夜10時頃。説明の終わった2人は部屋を出た。
2人が出た部屋を出た後、シリカはベッドに潜り込んで眠りに着いた。

因みに、部屋に戻ったキリトとサチは寝巻きに着替えると、1つのベッドの上で互いを抱き枕にして眠りに着いた。
 
 

 
後書き
1日に2,3話続けて公開しました。
次回作は、速くとも今週中に公開します。 
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