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真剣で私に恋しなさい! 槍使いの少年

作者:ユリア
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第8話

時間は少し流れる。
ドイツからFクラスにクリスティアーネ・フリードリヒが転入し、Sクラスにマルギッテ転入してきた。
ということでSクラスではテストが行われている。Sクラスはエリート集団だ。
俺は自分がエリートとは思ってないのでAクラスでもいいのだが、いまさらAクラスに行っても知り合いなんていないのでなるべくSにとどまりたいと思う。まあ勉強ぐらいは実力を発揮しているわけだ。
今回のテスト結果は1位、葵。2位、九鬼英雄。3位、マルギッテ。4位、俺。となった。
5位はモブである。そしてAクラスに落ちたのもモブである。

「さすが葵だな。俺が知る限り1位から落ちたことないんじゃないか?」

「それほどでも、普段から勉強していますから。ですが貴方だってすごいじゃないですか。5位から下になったことがないんじゃないのではありませんか?」

「どうだったかな。それを言ったら英雄も同じだと思うけど」

「彼はどんなに忙しくても勉強の時間を取っている人ですから。努力家なんですよ」

このクラスの武ではマルギッテが一応頂点に君臨しただろう。
英雄もかなりできる方だと思うがマルギッテとは比べられない。
小雪もこのクラスでは上位だ。心は・・・・たぶん上位だろう。
マルギッテには目を付けられたくないと思ってしまった。






















恋が今日クラスの友人を連れてくると言う。
由紀江以外の友達がいるそうなので一安心だ。

「ただいま」

「「おじゃまします」」

来たのは由紀江とたしか・・・・。

「こんにちは、由紀江。えっと・・」

「大和田伊予です」

ああ、あの野球好きの。

「よろしく、恋の兄の龍夜だ」

「はい!こちらこそ」

ちょっと緊張しているようだ。

「ゆっくりしていってくれ」

俺が部屋に戻ろうとすると恋が服の裾を引っ張る。

「りゅううにぃ、お菓子の隠し場所教えて?」

「・・・・・・持っていくから部屋で待ってなさい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった」

お菓子は基本かくしてある。気づいたらお菓子が全部ないのだ。
恋も結構無意識に食べていることがあるらしく全部なくなるから困ると隠し場所を探していない。






自室で本を読んでいるとそろそろ晩御飯の支度を思い出した。
彼女たちも食べていくのかと聞きに恋の部屋を訪れる。

「由紀江、伊予ちゃん。晩御飯は食べていくか?」

「え、良いんですか?」

「ああ、恋がたくさん食べるのは知ってるだろ?実際何人分作ろうが同じなんだよ」

「でしたら。食べていきます、まゆっちは?」

「お願いします」

「了解、由紀江、まゆっちって呼ばれてるのか?」

「え!?これは・・・」

「よかったな。あだ名つけてもらってさ」

「はい!」









「これ全部先輩が作ったんですか?」

伊予ちゃんが聞く。本日はコロッケだ。コロッケの他に野菜だってちゃんとある。
ただ量がおかしい。因みにコロッケは100個ほどある。

「まあね、慣れた。母さんもよくこんな量を作ったもんだと今なら思うね」

「こんなにたくさん。・・・食べ切れるでしょうか?」

「恋がこここの7割は食べてくれるから大丈夫だよ」

「7割って・・・・」





感想はおおむね良かった。好きな味付けと云うモノがあるからもしかしたらとおもったけど。
由紀江も伊予ちゃんもおいしいと言ってくれた。
他人の驚いた顔を見るのは好きだがおいしいと嬉しそうにしてくれるのもなかなかいいものだ。

ちなみにコロッケは8割が恋の中に消えた。


 
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