最強の武神をも超える男
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第3話
束から情報を貰ってから数日、俺の屋敷にチャイムが響き渡る。
拓人「誰だ?」
グレイフィア「何方でしょうか?」
俺とグレイフィアは、書類に目を通しながらそう言う。そして、部屋の扉がノックされる。
『失礼します』
入ってきたのは、セバスチャンであった。
拓人「どうかしたのか?」
セバスチャン「はい。以前旦那様のお車を壊した事の謝罪にと九鬼の方が」
拓人「今頃かよ」
セバスチャン「如何なさいますか?」
拓人「会うだけ会ってやる。客人をもてなせ」
セバスチャン「御意に」
拓人「グレイフィア、ついてきてくれ」
グレイフィア「かしこまりました」
俺とグレイフィアは、応接室に向かった。中に入ると、九鬼財閥のトップの九鬼帝、その妻の九鬼局、そしてその二人の子供である九鬼揚羽、九鬼英雄、九鬼紋白が座っている。後ろには、俺の車をお釈迦にしたヒュームと、白髪の老人、そしてあずみがいた。
拓人「待たせたな」
帝「いや、此方が急に押し掛けたのだ」
拓人「ま~座れ」
俺が座ると、セバスチャンが全員に茶を出す。
拓人「で、何のようだ?」
帝「ウチの執事が、お宅の車を壊したと聞いてな。遅くなったが謝罪に来させてもらった」
拓人「本当に遅いな」
俺がそう言うと、ヒュームの眉がピクッと動く。
局「帝様」
帝「ああ」
すると帝は、指を鳴らす。
拓人「・・・これは?」
帝「一応お詫びの品というやつだ」
拓人「いらん」
俺はバッサリと言う。
帝「そう言わずに、受け取ってくれないか?」
拓人「・・・グレイフィア」
グレイフィア「はい」
俺が言うと、グレイフィアが受けとる。
帝「本当に申し訳なかった」
拓人「・・・謝罪はついでだろ?本心はなんだ」
俺がそう言うと、九鬼家が驚きの表情になる。
帝「分かっていたのか」
拓人「あんたが、謝罪だけで来るはずないからな。用件はなんだ?」
帝「単刀直入に言う。貴方はあのドリーム株式会社のトップだな」
拓人「だったらなんだ?」
帝「日本と中国の間にある、唯一何処にも属さない島があるのは知ってるか?」
拓人「知ってるぞ」
帝「あの島は、日本と中国がお互いの領土だと主張してる」
拓人「それがなんだ?」
帝「あの島をウチの傘下したいと考えてる」
拓人「・・・・・・」
俺は、あまりのアホな言葉に黙ってしまった。
拓人「・・・無理だろ?あの島は、ドラビットが管理してるんだろ?」
帝「ウチは世界の3分の1を支配してる。しかし、あの島が原因で中国にあり事業が拡大できない」
拓人「だから傘下にすると?」
帝「そうだ」
拓人「はっきり言うが、無理だろうな」
俺はハッキリと言う。
帝「それは何故かな?」
拓人「あの島には独立してるし、島に入れるのはウチの企業だけだな」
帝「ならば、君から社長や会長に交渉の席を設けてくれないか?」
拓人「断る。何でウチより小さい財閥の言うことを聞かないといけないんだ」
ヒューム「貴様!いい加減にしろ!!」
キレたヒュームが、俺に殴りかかる。当然セバスチャンとグレイフィアが止めるけどな。
拓人「・・・帝さんよ、お宅の執事が手を出す度に、あんたの財閥が打撃を受けるぞ?」
帝「それはないだろ?」
そう言い切った帝。なら、俺は束に連絡する。
拓人「束か?九鬼財閥の資産を5分の1減らせ」
携帯を切って数分後、後ろで待機してた執事に連絡が入る。電話に出ると、執事の表情が驚きに変わる。
「帝様・・・九鬼財閥の資産が、5分の1減りました。そして、九鬼が展開してる店舗などがドラビットに買収されました」
帝「何で今ドラビットが出てくるんだ!?」
拓人「だから言っただろ?」
『!?』
その言葉に、全員が驚く。
拓人「さてどうする?お前が俺に攻撃をする度に、九鬼財閥の資産が減っていくぞ♪」
ヒューム「・・・貴様!!」
拓人「弱い奴がガタガタ抜かすな。ミジンコ野郎が。次は殺すぞ」
俺は、ヒューム達を睨み付けた。あずみ以外は震えている。ヒュームや白髪の老人は冷や汗をかいていた。
拓人「もういいな。あずみ、帰ってこい」
あずみ「了解しました」
あずみが俺の後ろに待機したのを見て、九鬼英雄が驚く。
英雄「あ、あずみ!どういう事だ!!」
拓人「どうもこうもない。あずみは、元々ウチのメイドなんだよ」
英雄「なっ!?」
あずみ「申し訳ありません英雄様。いえ、九鬼英雄」
英雄「あ、あずみ・・・」
拓人「今頃、アイツ等も戻ってきてるだろ」
あずみ「はい。ステイシーと李も、既に脱退しています」
揚羽「ステイシーや李までもか!?」
拓人「残念だったな♪」
英雄「何故だあずみ!!あの時、我を助けただろう!!」
拓人「それはな英雄、俺が指示したんだよ。ステイシーもそうだ。わざと九鬼財閥に行かせて潜入させた。残念だったな金髪執事♪お前が招いたせいで、九鬼に大きなダメージだな♪ま~、見抜けなかったお前が悪いがな。さて、話は終わった。セバスチャン、お帰りいただけ」
セバスチャン「かしこまりました。それでは皆様・・・」
セバスチャンとグレイフィアが俺から離れた瞬間、ヒュームが再び襲い掛かる。しかし・・・
拓人「バカの一つ覚えみたいに突っ込んでくるな」
俺はヒュームを床に叩き付けた。
『ヒューム!!』
拓人「こっちの忠告を聞かないからだ。まっ、全治二ヶ月くらいだろ。じゃあな、赤子♪」
俺はそう言い残して、応接室を後にした。
拓人「言い忘れてた。お前らあるプランを遂行するみたいだな」
『!!』
その言葉に、帝と局と後ろの老人が驚きの表情を浮かべる。
拓人「お前らがやってる事は、死人を冒涜する。だから・・・」パチン
俺が指を鳴らすと、セバスチャンが扉を開ける。そこには、3人の女性と1人の男が立っていた。
帝「義経!?弁慶!?清楚!?与一!!」
局「クラウディオ!!どうなっているのだ!!」
クラウディオ「わ、私にも何が起きたのか・・・」
「それは、私達がお話しします」
拓人「戻ってきたか」
揚羽「ステイシー、李」
やって来たのは、九鬼の従者で序列15位のステイシーと16位の李静初がいた。
揚羽「ステイシー!李!!」
紋白「お主ら・・・」
英雄「ステイシーに李よ、1つ聞きたい」
李「何でしょうか?」
英雄「あずみやお前達が・・・九鬼を裏切ったのは事実か」
「「「・・・・・・」」」
英雄の言葉に3人は何も言わない。
クラウディオ「事実なのですか?」
あずみ「・・・事実だ。あたいらは、拓人様にスカウトされたんだよ。ヒュームやクラウディオが来るずっと前にな」
セバスチャン「私とグレイフィアがスカウト致しました」
英雄「・・・そうか」
英雄はソファーに座り込む。
揚羽「何故だ」
拓人「何故かって?原因はこいつだ」
俺は倒れてるヒュームを顎で指す。
拓人「こいつが、俺にちょっかいをかけなきゃ、あんたらの計画すら分からなかったからな」
俺は、義経や弁慶達の頭を撫でる。
紋白「義経・・・」
義経「確かに義経達はクローンだ」
弁慶「でもさ~、九鬼の何かの企みに使われるのは勘弁かな~」
清楚「私達を産んでくれた事には感謝しますけど・・・」
拓人「心配するな。今まで通り川神学園には通わせる。あずみ、ステイシー、李を護衛に着けるがな」
俺は義経達と部屋を出ていく。
拓人「セバスチャン、グレイフィア、お客様のお帰りだ。見送ってやれ」
「「御意」」
二人は九鬼家を家から追い出すように出すのであった。
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