FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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虹の桜
ハコベ山にて・・・
「開け!時計座の扉、ホロロギウム!!」
ルーシィさんがそういうと振り子時計の形をした星霊、ホロロギウムが現れる。でも特に敵などは出てきていません。
「「あたし、またここに薄着で来ちゃった・・・寒すぎる~!」と申しております」
「寒いですね~」
「これ着る?」
「ごめんシリル。ありがとう」
今俺たちは仕事でハコベ山というところに来ている。今は季節的には春!っで明日は妖精の尻尾名物の花見らしい。
のだが、ハコベ山はなぜかものすごい吹雪になっている。
ルーシィさんはホロロギウムを使って暖をとろうとしてるようだ。ちなみにウェンディはノースリーブのワンピースという、寒そうな格好をしていたので、俺は上に着ているパーカーの一枚をウェンディに渡す。
ちなみに俺はハコベ山が寒いところというのをマカオさんから聞いたのでかなり厚着をしているのでそんなに寒くはない。
「「ウェンディもどう?風邪引いちゃうよ?」と申しております」
「そうですか?じゃあお言葉に甘えて。シャルルとセシリーは?」
「全然平気よ!寒さなんて心構え一つでどうとでもなると思うけど?」
「僕も平気!シリルからマフラーもらったし!!」
シャルルはいつもと対して変わらない服装なのに寒くないのか。タフだな・・・セシリーはかなり震えていたからマフラーを渡したら寒さは感じないようだ。いっぱい防寒具持って来ててよかった。
「空模様も落ち着いてきたな」
「腹へったなぁ。どっかに火でもねぇかな」
「さすがに雪山じゃ無理だと思いますよ」
エルザさんの言う通りさっきまでの吹雪より雪は収まってきている気がする。
ナツさんは炎が一番の大好物なのか。雪の滅竜魔導士とかいたらここは天国だろうな
「「暖か~い」「早く帰りた~い」と申しております」
ホロロギウムさん・・・そんなのいちいち代弁しなくてもいいような・・・
「くそっ!こんだけ積もってると歩きづれぇな」
「それ以前に服を着ろ」
「うおっ!」
グレイさんは相変わらず脱ぎ癖が出ているようだ。こんな雪山で上半身裸なんて自殺行為以外のなにものでもないのに・・・全然寒そうじゃないからまたすごい。
「ねぇナツ。そんな便利な薬草って本当にあるのかな?」
「さぁな。依頼書に書いてあったんだからきっとあんだろ」
そう。今回の俺たちの仕事はこのハコベ山にあるすごい薬草を取りに来たのだ・・・けど
「お茶に煎じて飲んだり、ケーキに練り込んで食べれば魔導士の魔力が一時的にアップする薬草なんてなぁ・・・」
そんな便利なのありなのか?
「オイラは眉唾物だと思うなぁ。ほら、うまい魚には毒があるって言うでしょ?」
「それって河豚のこと~?」
ハッピーがとんちんかんなことわざをいいセシリーもそれに乗ってしまう。
「それを言うならうまい話には裏がある、だ」
「うわぁ!エルザに突っ込まれた!!」
エルザさんに突っ込まれハッピーは驚いている。でもエルザさんが突っ込むのはそんなに珍しいことじゃないよね?
「効果はともあれ、依頼はこの山にある薬草の採取だ。ついでに多めに取れたら、明日のビンゴの景品にしよう。皆喜ぶぞ」
「うおーい!!薬草!!いたら返事しろ!!」
ナツさんが薬草に呼び掛ける。
「するかよバーカ」
「んだとコラァ!!」
「思ったことなんでも口に出しゃいいってもんじゃねぇだろ」
あ、これはケンカが始まるパターンかも・・・
「しかもおめぇのは意味わか「は~い!」シリル!!こんな奴のボケに付き合わなくていいぞ!!」
「だってこのままだと二人ケンカ始めるじゃないですかぁ?」
「「うっ・・・」」
二人は図星をつかれた顔になる。たまにならケンカしてもいいと思うけど、こんなしょっちゅうケンカしてたらこの人たちの魔力だと街とか消しかねないからな。止めれる時は止めておこう。
「「あぁ、早く仕事終わらせて帰りたいな。明日のお花見の準備したいのに」「私もすごく楽しみです!」「すんごいきれいなんだよ!マグノリアの桜ってね!しかも夜になると花びらが虹色になるのぉ!そりゃあもう超きれいで!」「虹色の桜!?うわぁ、想像しただけできれい!!」「でしょでしょ!!」と申しております」
虹色の桜か・・・すごいきれいなんだろうなぁ・・・想像しただけですごそうだもんなぁ。
その後もルーシィさんとウェンディはマグノリアの虹の桜についてやら、お花見についてやらの話をしている。
俺たちはその間に薬草を探したり、バルカンに遭遇したりしたが、ナツさんたちが簡単に倒してくれて全然問題なく進んでいく。
ちなみに俺が魔法を使おうとしたなぜかミゾレみたいな魔法が出てきた。寒すぎて魔法がちょっと凍っちゃったのかな?その分威力は上がってたけど・・・複雑・・・
その後もルーシィさんとウェンディは花見の話で盛り上がっていたが
「時間です。ではごきげんよう」
ホロロギウムは時間が来たため帰ってしまう。
「さむ~~!!」
「ひぃぃぃ!!」
そのため外に強制的に出てきた二人は抱き合いながら顔を真っ青にしている。
「おいおい・・・」
「お前たちもちゃんと探さないか!!」
「だって~!」
しょうがないなぁ・・・
「ウェンディ。こっち来て」
「な・・・何・・・」ガクガク
震えながらこっちに来るウェンディ。俺はかなり大きめの服を間違って持ってきていたので、それを裂いて毛布みたいなしてウェンディを包み込むように抱き締める。
「ほら、これで寒くないでしょ?」
「う・・・うん・・・///」
あれ?ウェンディの顔が赤いけど・・・風邪引いたのかな?
「プレイボーイね」
「それも天然のな」
「多分自覚はないな」
「まぁいいんじゃない?」
「仲良いことは美しきかな~」
「でぇきてぇる」
上からルーシィさん、グレイさん、エルザさん、シャルル、セシリー、ハッピーが俺たちの方を見ながら言う。
あれ?寒いならこうするんでしょ?前に何かの本で読んだ気がする。
「クンクン・・・お!?匂うぞ!!これ絶対ぇ薬草の匂いだ!!」
「相変わらずすごい鼻だね」
ナツさんが何かの匂いに気づく。俺も匂いを嗅いでみる。
「確かにそれっぽい匂いはしますね」
「シリルの鼻もすごいよねぇ」
「鼻だけだけどね」
ウェンディは俺を誉めてくれるがシャルルはなんかバカにしてくる感じに言う。悪かったなぁ!!鼻だけで!!
「ていうかナツくんとシリルはその薬草の匂い嗅いだことあるの?」
「いーや、嗅いだことねぇけど間違いねぇ」
「俺もないけど・・・それっぽい匂いはするよ」
「いくぞハッピー!!」
「あいさー!!」
二人はそういって走り出す。
「あ、ちょ・・・ちょっと!」
「ったく、せっかちやろうめ」
「とにかく、ついていくことにしよう。あいつの鼻は侮れないからな」
「気のせいかしら?何かすごくいやぁな予感がするんだけど・・・」
「シャルルの勘はよく当たるもんね」
「悪い予感は特によく当たるよね~」
「というか、早く追いかけないと見失いますよ?」
俺がそう言うと皆さんもナツさんの後を追う。ちなみにウェンディは毛布みたいにした服を羽織っています。
「あったーー」
「あいーー」
するとナツさんとハッピーの声が聞こえる。本当にあったのか
「はやっ」
「早ぇことはいいことだ」
「デスネ~」
驚くルーシィさんとレーサーみたいなことを言うグレイさん、セシリーもなぜかホットアイの真似してるし・・・なんかこの間も六魔将軍の真似をしたような気がする。
「さすがだな」
「ナツさんすご~い!!」
「本当に薬草の匂いだったのか」
「やっぱり獣だわ」
ナツさんは確かに獣って感じがするな・・・この間の時はドラゴンの幻覚まで見えたし・・・
「お~し。さっさと摘んで帰んぞ!」
「あいさー」
ナツさんたちが薬草を摘もうとすると、上から何かがやってくる。
「ギャオー」
白い色をしたワイバーン・・・確かブリザードバーンだっけ?通称白ワイバーン。
確か草食動物って聞いたけど・・・この山に住んでいたんだ・・・あれ?草食?・・・まさか。
ブリザードバーンはナツさんとハッピーを翼で生み出した風で吹き飛ばす
「うわ!」
「うお!」
ブリザードバーンはそのまま薬草の前に着地する。まさか独り占めする気か!?
「確かこういうのを一石二鳥とか棚ぼた、て言うんだな」
いつの間にか戦闘体勢に入っているグレイさんが言う。棚ぼたって何が?
「白いワイバーンの鱗は、結構高く売れるって知ってっか?」
なるほど!!だから棚ぼたか!!
「おーし!!薬草ついでにこいつの鱗全部剥ぎ取ってやんぞ!!」
「やったー!!ブリザードバーンの鱗いただくぞー!!」
「ここは私たちに任せて、ルーシィたちは下がってろ」
「あっ・・・」
「オイラも戦うよ!」
やる気満々の俺たち三人とエルザさんとハッピーも参加するようだ。
するとエルザさんは換装する。その鎧は水色っぽい色合いで、手には巨大な槍を持っている。
「私たちはあれの注意を引き付ける。その隙を伺って、ルーシィたちは薬草を採取するんだ」
「はい!」
「仕方ないわね」
「任せて~」
「えぇ・・・なんか一番危険なポジションではないかと・・・」
「頼んだ!!」
「はい!やります!喜んで!!」
ルーシィさんがやりたくなさそうにしてたけどエルザさんの一睨みにビビってしまったようだ。ドンマイです、ルーシィさん・・・
「行くぞ!!ナツ!グレイ!シリル!」
「「「おうよ!!(はい!!)」」」
俺たちはブリザードバーンに向かって突っ込む。こいつの鱗で作ったお金で、ウェンディに何か買うぞ!!
「キャオオオオ」
「うわぁぁぁぁ!」
「ひゃぁぁぁぁ!」
「急いで急いで!」
「情けない声も出さないの!」
「バレないようにね~!」
ウェンディとルーシィさんはブリザードバーンに見つからないようにハイハイ歩きで頑張っていた。
というかハッピー!!お前さっき戦うって言ってなかったか!?
「火竜の煌炎!!」
ナツさんが炎の球体を作りブリザードバーンに向かって投げ飛ばす。
しかしブリザードバーンはそれを翼で風を吹かせて跳ね返す。
「え!?」
「ナツさんの炎が!!」
「風圧で跳ね返された!?」
その跳ね返された炎の球体はウェンディたちの方に飛んでいく。ってあぶない!!
「水竜の咆哮!!」
その炎の球体を俺の水で消火する。あぶないあぶない・・・ウェンディたちがケガするところだった。
「ありがとうシリル!!」
「シリルありがとう!!」
「ほら、今のうちに!」
「急いで急いで!」
「また何か飛んで来るかもしれないよ~」
ウェンディたちはまたまたハイハイ歩きを始める。
「アイスメイク、ソーサー!!」
グレイさんもブリザードバーンに攻撃するがそれも風圧で跳ね返され・・・
「うわぁぁ!!」
ルーシィさんの目の前に落ちる。
「これならどうだ!!」
今度はエルザさんが槍から雷を出して攻撃する。しかしそれをブリザードバーンはよけて・・・
「おいおい・・・」
「待てこら!!」
「「ぎゃああああ!!」」
グレイさんとナツさんに命中する。あんなの俺食らったらひとたまりもねぇ・・・俺の属性水だから効果は抜群だからな・・・
「バカもの!ちゃんとよけないか!」
「つーかあれだな・・・」
「先に謝れっつうの・・・」
そんな二人のことなどお構い無しにブリザードバーンはエルザさんを踏み潰そうとする。エルザさんはそれを槍で防ぐ。
でも・・・あれなら俺作戦あるぞ?
「グレイさん!!手を貸してください!!」
「あぁ!?作戦でもあんのか?」
「もちろん!!」
俺はそういって手に水を纏う。
「水竜の洪水!!」
ブリザードバーンに向かって俺の手から出た水が飛んでいく。ブリザードバーンは風で飛ばそうとするけど・・・
「グレイさん!!水を凍らせてください!!」
「わかった!!」
グレイさんが俺の水を先端から凍らせていく。そして俺の水の勢いでその氷ごとブリザードバーンにぶつければ・・・
ドガァン
「ぎぃやぁぉぉぉぉぉ」
ブリザードバーンの風なんて関係なくぶつかるって訳!!
「今です!!ナツさん!エルザさん!」
「おうよ!!」
「わかった!!」
二人はブリザードバーンに向かっていき、
「はぁぁぁぁっ!!」
「火竜の鉄拳!!」
ブリザードバーンに攻撃をぶつける。
二人の一斉攻撃を受けたらさすがにブリザードバーンも・・・
「取ったぁ!!見てみて!!あたしだって妖精の尻尾最強チームの一人なんだから!!」
薬草を取って大喜びのルーシィさん・・・でもそれどころじゃない・・・
ドドドドドドド
「雪崩ーー!!!?」
ドーーーーーーーーン
雪崩が俺たちのいたところを襲う。俺とウェンディはセシリーとシャルルに持ち上げてもらったおかげで難を逃れたけど・・・ナツさんたちはもろに雪崩を受けたようだ
「みんな!!無事か!!」
「お・・・おう・・・」
「そりゃああんだけ暴れりゃこうなるか」
ナツさんたちもブリザードバーンの上に乗っていたために難を逃れたみたいだ。ナツさんは顔色悪いけど・・・
「やっぱり獣ね」
「あ~あ・・・すごいことになったね~」
あきれるシャルルとセシリー。でも俺とウェンディはあることに気づく。
「あれ?」
「ルーシィさんがいないですよ?」
「ルーシィどこ?」
ハッピーがルーシィさんを呼ぶと雪の中から手が出てくる。
「さ・・・さ・・・寒い・・・」
ルーシィさんは雪に埋もれてしまい、ガクガクと震えていた・・・
翌日・・・花見当日
「さぁみんな。どんどん食べてね」
「これは私のだからね!」
「樽ごと持ってきたんかい!!」
「誰もとりゃあしねぇっての」
カナさんがお酒の入った樽を大事そうに抱えて言う。ワカバさんとマカオさんはそれを見て驚きとあきれているようだった。
しかしカナさんはよくあんなに飲めるなぁ・・・
「花見は・・・漢だぁ!!」
「意味わかんないよ」
「レビィ、何食べる?」
「レビィ、何飲む?」
エルフマンさんはいつも通り漢を強調し、レビィさんはそれに突っ込みを入れる。ドロイさんとジェットさんはレビィさんに食べ物やら飲み物やらを勧めている。
一方、俺たちはというと・・・
「風邪ひいたって?」
「ひどいんですか?」
「う~ん・・・」
「鼻はグショグショ、顔は真っ赤でそれはもう・・・」
ルーシィさんが見当たらなかったのでナツさんたちに話を聞いたら、ルーシィさんは風邪をひいて寝込んでいるらしい・・・原因は間違いなく昨日のあれですね・・・
「なぜ風邪をひくんだ?」
「気づいてないのね・・・」
間違いなく原因は俺たちにあるのだが・・・エルザさんは全然心当たりがないようだ・・・
「ルーシィさん・・・あんなに楽しみにしてたのに・・・」
「そうだ!ウェンディとシリルの魔法で治してもらえばいいんだ!」
ハッピーが思い付いたように言う。だけど・・・
「ゴメンハッピー・・・もう治癒魔法はかけてあるんだよ・・・」
「明日には良くなると思うんですけどね」
「明日か~・・・」
残念そうにするハッピー。明日じゃ花見も終わってるからなぁ・・・ルーシィさん本当に可哀想です・・・
しばらくすると・・・
「それではこれより、お花見恒例のビンゴ大会を始めま~す!」
「「「「「「「「「「ビンゴ~!!!」」」」」」」」」」
ついに皆さん楽しみにしていたビンゴ大会か~。一体どんな景品があるのかな?
「にょっほっほっほい。今年も豪華な景品が盛りだくさんじゃ!!皆気合い入れてかかってこ~い!!」
「「「「「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」」」
マスターの言葉で皆さんが盛り上がる。俺とウェンディもその流れに乗って盛り上がる。
「みんな、用意はいい?」
「「「「「「「「「「あいさ~!!」」」」」」」」」」
なぜ返事がハッピーに?
「それでは真ん中に穴を開けてくださ~い」
言われた通りにビンゴカードの真ん中に穴を開ける。よし!!なんかいいの来い!!
「レッツビンゴ!!」
「まずは一発目じゃ!!」
ビンゴマシーンが回転して数字が現れる。
最初に出たのは・・・
「24番!!」
24・・・24・・・ないな・・・
「やった!!いきなり来たよ!!」
「すごい強運・・・」
「レビィ頑張れ!!」
カナさんがいきなりきたのか!すごいですね
その後もどんどん数字が出てくるがほとんど開かない
「続いて5番」
5・・・おっ!あった!
「うおっ!!開いた!!漢だ!!」
「漢は関係ねぇだろ・・・」
「・・・全然来ないなぁ・・・」
エルフマンさんが叫びガジルさんが突っ込みを入れる。ナブさんはあまりに来なくてぼやいているなぁ。
「68番!!」
「ビンゴだぁーー!!!」
エルザさんが一番乗りでビンゴになる。すごい強運だなぁ。
「のりのりだなぁ・・・」
「リーチが3つも!!」
ジュビアさんも何気にかなり当たってるんだなぁ・・・俺はリーチにすら届いてないぞ・・・
「初ビンゴはエルザね!」
「運も修練の賜物だ!で、景品はなんだ?」
ミラさんにめっちゃそわそわしながら聞くエルザさん。なんかいつもと印象変わるなぁ。
「は~い!これ!一時的に魔力をアップさせると言われる薬草で~す!!」
「何ーっ!?」
それって昨日俺たちが取ってきたやつじゃ・・・しかも枯れてるし・・・
「それは私たちが取ってきたもの・・・しかもすでに枯れている・・・」
「急に暖かいところに持ってきたからかのぅ」
「私の・・・ビンゴがぁ・・・」
「あらあら」
膝をついてがっかりしているエルザさん・・・残念ですね・・・
「ビンゴ~!!!」
「マジか!?俺一個も来ねぇ!!」
「おめぇは爪が甘ぇんだよ」
「父ちゃん頑張れ!!」
続いてカナさんがビンゴかぁ・・・俺も一列だけリーチあるんだけどなぁ・・・しかもその一列以外何も空いてない・・・
「絶対当たらない気がする」
「シャルルの予感はよく当たるけどね」
シャルルがそう言うと大体当たるからなぁ。シャルルの六感はなかなかのものだ。
「うぅ・・・景品がそろそろなくなっちゃうよ・・・」
「僕も当たらない気がする~・・・」
ハッピーとセシリーもしょげてるな・・・俺もなんか当たらない気がする・・・
「シリル・・・あんた多分当たると思うわよ」
するとシャルルがそんなことを言ってくる。ウソ!!マジで!?
「それ本当?」
「わかんないけど・・・そんな気がする」
おおっ!!シャルルに言われると自信が出てくるなぁ!!ちょっと楽しみに待ってよぉっと
「115番!!」
「「「ビンゴー!!」」」
すると今度はエルフマンさん、ジュビアさん、レビィさんがビンゴになる。
「「「あれ?」」」
「あらあら・・・」
「三人同時か!?じゃあ一発芸で一番おもしろい奴に景品をやろうかの」
「「「一発芸!?」」」
マスターの一言に驚く三人。でも一発芸なんてなんかお花見っぽいぞ!!どんなのやるか楽しみ!!
「景品はなんと!アカネリゾートの高級ホテル、二泊三日ペアチケット」
「すごい・・・」
「ペアで旅行!?」
まさかの景品にレビィさんは嬉しそうにして、ジェットさんとドロイさんもなぜか喜んでいる。
「アカネリゾートか!!姉ちゃんにプレゼントしてやる!!」
「グレイ様と二人きり・・・二泊三日!?ジュビア、まだ心の準備が・・・」
ミラさん思いのエルフマンさんとグレイさんと行く気満々のジュビアさん。さて誰に当たるのかな?
ビロロォン
なんて思っていると突然ギターの音が・・・
「一発芸・・・それは一度きりギリギリの戦い。つまり、俺の出番ってことさ。相棒」
「「またお前か!!」」
「引っ込め!!てか、リーチもしてねぇだろおめぇは!!」
まさかのガジルさん登場・・・しかし速攻で退場というなんとも言えない展開・・・
結局優勝したのは・・・
「よっしゃー!!漢だぁ!!」
エルフマンさんだった。
「グレイ様との旅行が・・・」
「あ~あ・・・残念だったなぁ・・・」
「「くっそ~!!」」
ジュビアさんとジェットさんとドロイさんはがっかりと肩を落とす。なぜレビィさんよりジェットさんたちの方ががっかりしてるんだ?
「惜しかったな、ジュビア」
グレイさんがジュビアさんを慰める。けど多分そんなことすると・・・
「うわぁ~ん!!グレイ様!!」
ジュビアさんの大号泣。いつもほどじゃないけど・・・グレイさんは青ざめてるけど・・・予測できてなかったのかな?
「さぁ!あと少しじゃぞ!皆心してかかれ!!」
マスターの一言で再開するビンゴ大会。でも今さら心してかかったところで結果は変わらないような・・・」
「89番!!」
89・・・89・・・お!?
「ビンゴだぁーーーーーーーーーー!!!!!!」
「シリル叫びすぎ・・・」
ウェンディに注意される。だって嬉しかったんだもん・・・
「やっぱりシリルに来たわね」
「うぅ・・・僕なんかまだリーチにもなってないのに~・・・」
予想通りって反応のシャルルとがっかりしているセシリー。なんかごめんなセシリー。
「何がもらえるのかな?」
「珍しい水とかならいいなぁ」
魔力のめちゃくちゃ上がる水とか。もうジュラさんを越えるくらいの奴!!
「よかった~。これシリルとウェンディにぴったりだと思って買った奴だったのよ」
「へ?」
ミラさんにそう言われ変な声を出してしまう。俺たちにぴったり?
「景品はこれよ!」
そういって出してきたのはどう見ても指輪箱・・・しかも二つ・・・
一つは水色の宝石のついた指輪・・・もう一つは青と緑の宝石のついた指輪
ミラさんはまず水色の指輪を指差して言う。
「この宝石はアクアマリンって宝石で石言葉は勇敢。シリルにはウェンディを勇敢に守るナイト様になってほしいからね」
な・・・ナイト様!?
続いてミラさんは青と緑の指輪を指差す。
「この宝石はオパールって宝石で石言葉は純粋無垢。ウェンディみたいな子にぴったりだと思って買ったのよ」
ミラさんは笑顔でそういうけど・・・もし俺かウェンディに当たらなかったらどうするつもりだったんだ?
「はい!じゃあウェンディにはシリルから着けてあげてね」
ミラさんはそういって指輪の入った箱を俺に手渡す。
おおっ!なんか緊張するような・・・
俺はそんなことを思いながらウェンディたちのところに戻る。
「何が当たったの?」
「食べ物~?」
ウェンディとセシリーが戻ってきた俺に聞いてくる。というかセシリーってそんなに食い意地の張った奴だったかな?
「指輪だよ・・・」
「へぇ・・・え!?」
当然驚くウェンディ。まぁ景品で指輪とか驚くわなぁ・・・
俺は箱から指輪を取り出す。ちなみに周りはビンゴ大会に夢中でこっちを見ている人はいない。
「二つもらったから一つあげるよ。手、出して」
「えぇ!なんかドキドキするぅ!」
「さりげなく左手を出すあたりあんたも怖いわよ」
左手を出したウェンディにシャルルが突っ込む。俺はウェンディの薬指にオパールのついた指輪をはめる。
指輪はちょうどのサイズだったようでウェンディの手に見事にはまる。まさかミラさんそこまで計算してたのか?恐るべし!!
「ありがとうシリル!!この指輪、大切にするね!!」
「うん!!」
その後ウェンディも俺に指輪をはめてくれた。俺の手にもアクアマリンの指輪はジャストサイズだった。
こうして俺たちは夕方まで花見をワイワイ楽しんだ。
――――――――――翌日・・・
「こりゃあ!!街の大切な桜の木を引っこ抜いたのは誰じゃ!!町長はかんかんじゃぞ!!」
マスターが突然そんなことを叫び出す。でもそんなことする人いるわけ・・・
「「・・・・・・・・・」」
わぉ・・・ナツさんとハッピーが真っ青になってるよぉ・・・間違いなくやったのはあの二人だな。
「やっぱりナツさんはすごいね!!」
「やっぱり獣ね・・・」
「でもいいんじゃないかな~」
ウェンディたちがそう言う。俺もセシリーの言う通り別にいいんじゃないかな?って思うな。
だってルーシィさんあんなに嬉しそうなんだもん。きっとあの二人はこれからもずっとうまくやっていくんだろうなぁ・・・
後書き
いかがだったでしょうか。ビンゴのシリルの上がりの数字にした“89”は私が高校野球をしていたので、野球=89ということでやらせていただきました。
シリルとウェンディの指輪は天狼島編でちょっとした力をシリルに与える予定になっております。
次回はオリジナルストーリーをやらさせていただきます。うまくできるかわかりませんがよろしくお願いします。
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