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遠くても近くても。

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彼女と僕。出会いから永遠の別れまで…

僕はこのかた生まれて恋をしたことがない。だから友達と楽しく遊んだりしているのが楽しかった。勉強ぶりはかなり上出来、成績優秀。将来的には医者になりたくて頑張っていた。父も母も賛成してくれた。妹の春鈴も春からミッション系女子校の進学校に通う。ある日転入生がやってきた。彼女は高羽藍奈。父は有名な銀行頭取で令嬢。母は有名女優の高羽亜美菜。彼女は馴れ馴れしい。僕の隣の席に座った。彼女は勉強の時に「潤くん、潤くん」ってうぜえんだよ!!と吐き捨てた。彼女は涙を流していた。その日は彼女と目を会わせなかった。僕はさらに勉強に励んでいた。彼女は学校に来ない。芸能人の母に付いて芸能界デビューするなんて噂があった。そして…夏ごろに学校に来た。大人っぽくなっていた彼女は「潤くん、また勉強を教えて…くれる?」仕方なく彼女に勉強を教えていた。すると「槙本君は医学部なんでしょ?私同じ大学行くんだよ!!」驚き、「芸術学部だよな、落第しないように頑張れよ。」彼女は嬉しそうにした。入学してさらに忙しくなった。彼女に勉強を教えてあげれなかった。それから1年後、彼女が「槙本君、私と付き合って。」彼女は告白してきた。別にいい。と答えた。彼女と大学に行って時間が会えば、ご飯を食べた。彼女の親、僕の親公認。そして…僕は大学5年の時に僕のすべてを捧げた。彼女は大学卒業。女優としてデビューした。人気女優として注目されて僕の存在もマスコミに知られた。僕は大学卒業した。首席で。僕は救急救命医になり、多くの患者を見て、患者を失った。僕は悲しみに明け暮れた。彼女はそばにいて、抱きしめてくれた。僕と彼女は結婚した。彼女は女優としてさらにパワーアップした。僕は救急救命医として活躍していた。結婚して10年後。撮影していた彼女の体に異変が起きた。診断結果はステージ1の乳ガン。彼女は妊娠していたからまだ治療したくないと答えた。彼女の希望で出産した。女の子で名前は槙本麻奈美と名付けた。それから彼女は治療を始めた。その時はステージ2で大変だった。子育てをしながら。だが、悪くなって彼女は治療を嫌がる。だからこそ頑張っていた。でも…末期になっていた。彼女は治療を辞め、自分らしく生きる事を決めた。子育てをしながら、女優としてさらに忙しくなった。撮影を少なくして次第にベッドの上にいることを多くなった。彼女は弱っていた。彼女は「治してさ、女優としてさらにパワーアップしたいわ。あなたが治療に関わってなかったら…なにもないわ。」と笑っていた。でも…わずか37歳の若さで亡くなった。僕は幼い娘を抱えながら喪主を務めた。終えたあと救いようのない悲しみ、後悔を感じた。僕は彼女に何が出来たのか?医者として夫として。自問自答した。そして「うわぁー!俺、藍奈になんも出来てない!!どこも連れてやれんかったー俺くそすぎる。」声を挙げて泣いた。彼女は俺でよかった?なんて問うてみたい。彼女はどんな事を言ってくれるのか?僕は今高校生の娘と暮らしている。僕の恋は彼女だけだ。彼女との関係は遠くて近くて。僕はそう思っている。
終わり 
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