FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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友は屍を越えて
「グレイ!!」
エルザさんがグレイさんを呼ぶ。グレイさんは近くにあった石の塔へと飛び移る。
「貴様が妖精の尻尾を裏切ったと言うなら、訳があるはずだ」
エルザさんがそう言うとグレイさんはこちらを睨む。
「ねぇよ。そんなもん」
「何・・・?」
「グレイ・・・」
グレイさん・・・音無の街っていうのが理由じゃないのか?なんでエルザさんたちには言わない?
『ハイハイハイ。こうして私の研究の成果が実を結んでドラゴノイドが完成したってわけ。お前たちはそれを祝福すればいいんじゃな~い?』
「この声がダフネという奴か?」
「そうですよ」
エルザさんの質問に俺が答える。
「速やかにナツを返せ!」
「それはできない相談ね。このドラゴノイドがナツ・ドラグニルの魔力を吸い取って動いてるって知ってんでしょ?」
そういえば魔力吸収開始的なことを言ってたな。つまりナツさんがいないと動かないのか。なんだそれ動力源も作れないとかただのダメ科学者なんじゃないの?
『そこのお嬢ちゃん・・・今失礼なこと考えなかった?』
「?考えましたけど?」
「そこは否定しなさいよ!!」
俺がダフネの質問に答えるとシャルルが突っ込みを入れる。いや・・・だって事実だし・・・てか俺なんでお嬢ちゃんで返事しちゃったんだよ~!!
『まぁいいわ。とにかく!魔力を吸い尽くすまでナツ・ドラグニルは返してあげな~い』
「魔導士にとって、魔力とは命にも等しいもの」
それを全て吸い尽くされれば死んでしまう!!
「ナツを返しなさいよ!!」
「ねぇ・・・どうしよう・・・このままじゃナツが・・・」
ハッピーが不安そうな声を出す。一体どうすればナツさんを助けられるんだ?
俺たちはドラゴノイドを見つめる。とりあえず攻撃でも加えてみるか?
「邪魔するつもりならやってみろよ。
もっとも、お前らごときの力じゃあ、チャージ完了までもたねぇだろうがな」
「グレイ・・・」
グレイさんを見るエルザさん。その表情は怒りに満ちている。しかし俺たちの力じゃあもたないのか・・・まずいなぁ・・・
「あ!ドラゴンマニアがこうして人工的にドラゴンを作り出そうとしている危ない魔導士がいるって聞いたことがあるけど・・・」
「それがあなたなの!?」
『その失礼な噂はこう変わるのね。天才科学者ダフネが人工的にドラゴンを作り出すことに成功したってね』
ダフネは得意気にそう言う。しかし他人の魔力を利用している時点でそんな噂は立たないだろうと俺は思ってしまう。
確かに人工的にドラゴンを作ったのはすごいけど、肝心要の動力源を自力で作れないんじゃあはっきり言ってダメだよね・・・
『ふふふっ。完成に至るまでは本当に長い道のりだったわ。その第一歩は人工ドラゴンの卵を孵化させるとこから始まったわ』
ダフネはドラゴノイドについて語り出す。
『私の住んでいた街はデータを取るにはもってこいだったんだけど、私を含む街の住人はみんなヒドゥンが使えちゃうのよね。
で、そんな実験データの取れない街なんて私には用なし。罰として彼らのヒドゥンを解けないようにしてやったわ。
そしてヒドゥンで消えた住民は感知できない。不完全なドラゴノイドにも罰を与えたわ。
そしてその街はやがて音無の街になった』
自分の都合でこの人はそんなひどいことをするのか!?でも・・・だったらグレイさんはなんでこの人に肩入れするんだ?
『その後も研究を続けた私はついに気づいたの。ドラゴノイドを動かすには滅竜魔導士の力がいるってね』
だからドラゴン見たってウソをついたの・・・そう言えば俺たち滅竜魔導士が話を聞きに来るのは明白だからな
『ハイハイハイ。ナツ・ドラグニル。火竜よ!!命を閉じて働くがいいわ!!この私と私の野望のために、燃え尽きろー!!』
ダフネが叫ぶとドラゴノイドはその場で一回足踏みをする。
「ぐっ」
「きゃああああああ」
「何すんのよ!」
「危ないでしょ~!?」
「大きい上に、」
「ものすごい迷惑!!」
「あい!」
俺たちはその砂煙を浴びてしまうが別にダメージ的なものはない
「貴様!こんなものを作り上げて、一体何をしようとしているのだ!」
『ハイハイハイ。私の野望。それは究極のドラゴノイドを完成させることよ。
これもまだ試作品に過ぎないわ。まずは現段階での能力を、テストテスト!!』
「きゃああああああ」
「うわああああああ」
ダフネがエルザさんの質問に答えるとドラゴノイドはその場で何度も足踏みをする。
俺たちはそれに寄ってバランスを崩し倒れる。
『ハイハイハイ、脚部の動きがぎこちないわね。ハイハイハイ!徒歩での移動は無理っと!』
「迷惑!ものすごく迷惑な奴!!」
ルーシィさんがドラゴノイドを見ながら言う。はっきり言って同感です!
「オイラ知ってるよ。こういうのマッドサイエンティストって言うんだ!」
「なんとかして止めねば、しかし」
「中にナツさんがいたら、迂闊に手出しできません!」
「そう?別にいいんじゃない?」
「ナツくん丈夫だしね~」
「お前らなぁ・・・」
ドラゴノイドを止めようにもナツさんが中にいたら攻撃はできない・・・シャルルとセシリーの言う通りナツさんは丈夫だけど、それでも仲間が中にいるのに攻撃なんかできない!!
「グレイ・・・これがお前の望んだことか?」
エルザさんは岩の上に立っているグレイさんを見上げる。
ドガガガガ
すると後ろから何かの音が聞こえてくるので俺たちはそちらを見る。そこには魔導四輪がこちらに猛スピードで走ってきている
「グレイてめぇ!!」
「とんでもねぇことしてくれたな!!」
「漢として、お前をギルドに連れ戻す!」
魔導四輪を運転しているマカオさんとそれに乗っているワカバさん。そして上に立っているエルフマンさんが言う。エルフマンさんは魔導四輪からグレイさんの方へと飛ぶ。
「ぐおっ」
エルフマンさんはグレイさんの懐へと強烈なパンチを入れる。グレイさんはそのまま崩れ落ちそうになるがそれをエルフマンさんが抱える。
「悪く思うなよ。マスターの命令だからな」
「マスターの!?」
「あぁ、どっからかダフネの情報をつかんできたんだ」
「あのデカブツの処分についてはグレイの話を聞いてから決定するんだと」
マカオさんとワカバさんがそう言う。エルフマンさんはグレイさんを抱えて岩から降りる。
「エルザ!!こいつ・・・まさか!」
ルーシィさんがドラゴノイドを見ながら何かに気付く。俺たちもドラゴノイドを見るとドラゴノイドは翼を広げ空に飛び立とうとしていた。
「飛んだー!!」
「飛ぶなんてずるいよ~!!」
「あんたが言わない!」
ハッピーとセシリーの発言にルーシィさんが突っ込む。ドラゴノイドはそのままゆっくりと空を飛んでいく。けど・・・その飛んでいく方向は
「大変!!あの方角は・・・」
「マグノリアの方角ですよ!!」
ウェンディと俺はドラゴノイドの見ながら言う。まさかマグノリアに何かするつもりか!?
「おのれ・・・」
『このドラゴノイドはもはや何にも止めることはできないわ』
ドラゴノイドはそのままマグノリアへと向かっていく。しかしそこまでの速度は出ていないようだ
「ルーシィたちは、ギルドに戻って皆に出動を要請してくれ。皆でマグノリアをの街を守るんだ」
エルザさんはドラゴノイドを見送ったまま俺たちに言う。
「でも!そしたら」
「あのドラゴノイドは私が止める」
ルーシィさんが何か言おうとしたがエルザさんは剣を換装しながらそう言う。
「わかった。ハッピー!」
「あいさー!!」
ハッピーはルーシィさんを掴み空に飛び立つ。
「俺たちも行こう!」
「うん!!」
「任せて!」
「早くギルドに行こう~!」
俺をセシリーが持ち、ウェンディをシャルルが持ち俺たちもギルドに向かって飛んでいく。しかし・・・
『ハイハイハイ。行かせないわ。リザードマン!!』
ダフネがそう言うと俺たちの前に一体翼のようなものが生えたとかげが現れる。あれはエルザさんの黒羽の鎧か?でも一体だけだし俺でなんとかできるか?
「こいつは俺がやる。ウェンディたちはギルドに急いでくれ」
「わかった!!」
「気を付けてね」
俺はとかげの頭に鉄拳を入れ、その隙にウェンディたちは飛び去っていく。するととかげは一度魔方陣に消えると次に現れたのは俺くらいの大きさのとかげとそれを持っている翼の生えた小さなとかげ。なるほど・・・俺たちと同じ属性ってことか・・・でも・・・
「いやぁ・・・一回俺の属性ってのを相手にしてみたかったんだよなぁ」
「え?どういうこと?」
俺の発言にセシリーが疑問を持つ。まぁ普通に考えておかしいだろう。けど!
「見てればわかるよ!!水竜の咆哮!!」
俺がブレスを出すと相手も同じように水を口から出してくる。互いの攻撃はぶつかり合うが力が均衡しているのかすさまじい爆音と爆風を残し消滅する。
「うおおおお」
「ひゃあああ」
俺とセシリーはその風に少し押される。でも相手も押されてるし本当に俺と同レベルぐらいなんだな。
「互いの力が同じなら問題ないでしょ?水竜の鉄拳!!」
今度は俺ととかげの拳がぶつかり合うがなぜか俺の方が押し負けてしまう。
「「うわあああ」」
俺とセシリーは地面へと落ちていく。さっきよりもとかげの力が上がったのか?そんなのありなのかよ!!
俺とセシリーは地面に着地するととかげも地面に降りてくる。あれ?これって・・・
「セシリー・・・翼消してみて」
「え?うん。わかった~」
セシリーが翼をしまうと小さなとかげも翼をしまう。なんだ・・・単に俺たちのものまねをしているだけなのか。
「まぁ・・・だからと言って対処法があるわけではないんだけど・・・」
さっきこいつは俺よりも威力のある鉄拳を繰り出した。となると俺の発言に能力よりも上を行っている可能性がある・・・純粋な力でぶつかり合ったら俺が負けるなぁ・・・
「だけど・・・作戦考える頭とか俺にはないし!!正面から行かせてもらうぜ!!水竜の翼撃!!」
俺ととかげの翼撃がぶつかる。しかしまたも相手の魔法が打ち勝ってしまう。俺はそれをよける。
「一回やれるかやってみよう。水竜の咆哮!!」
相手も咆哮をしてまた相手の咆哮が俺の咆哮に打ち勝ち、それが俺をめがけて飛んでくる。しかし俺はその水を吸い込む。
「な・・・なるほど~!!同じ属性同士ならシリルはいくらでも飲めるからね!!」
「そういうこと!飲んだら力が湧いてきた!!水竜の鉤爪!!」
さっきよりも威力のある俺の魔法。とかげも同じように繰り出すがそれが今の俺の力に勝るはずがない!!
とかげは俺の蹴りで体が裂かれ消えてなくなる。
「よし!!」
「やったねシリル~!!」
あのとかげの力が上げることができるなら俺がそれよりも力を上げて先に勝負を決めればいい!!ようは勝てばいいんだから手段なんてどうでもいいんだよ!!
「セシリー!!俺たちもギルドに向かうぞ!!」
「おっ「うあああああ」この声!!エルフマンくんじゃない!?」
「あれ?グレイさんをギルドに連れていったんじゃ・・・」
俺たちは声のした方へと向かうとそこには傷だらけのエルフマンさんとマカオさん、ワカバさん、グレイさんがいた。とかげの一人がエルフマンさんの獣王の魂化してるってことは・・・エルフマンさんが押し負けたのか!?
「水竜の咆哮!!」
俺が獣王の魂化してるとかげにブレスをぶつける。ビーストソウル化したとかげは消滅したが他に2匹のとかげがいる。
「シリル・・・お前・・・ギルドに戻ったんじゃ・・・」
「俺たちもとかげに邪魔されたから相手してたんです。ウェンディたちは先にギルドに戻りました」
俺はエルフマンさんに駆け寄りながら説明する。しかし・・・見た感じとかげはマカオさんとワカバさんか?炎と煙の魔法なら俺でなんとかできる!!・・・かも
「水竜の鉄拳!!」
俺がリーゼントのとかげに鉄拳を入れるとそのとかげは消える。なんだ、楽勝じゃん!
「シリル!!後ろた!!」
「え?ぐあっ」
エルフマンさんの言葉で後ろを振り返るとそこにはさっき消えたはずのリーゼントのとかげがいて俺を煙の拳で攻撃してくる。ワカバさんのスモークフェイクだっけ?このとかげなんでもできるのかよ!!
続けざまにマカオさん似のとかげが炎を放とうとしてくる。
「ビーストアーム!!鉄牛!!」
しかしそれをエルフマンさんが防いでくれる。
「すみません。エルフマンさん」
「礼はいらねぇ!!漢ならこいつらをとっとと倒してグレイを連れてギルドに戻るぞ!!」
「はい!!水竜の鉄拳!!」
俺がマカオさん似のとかげを攻撃するがそれを炎によって阻まれる。
「隙あり!!ビーストアーム!!黒牛!!」
しかしその隙にエルフマンさんがとかげに拳を叩き込みとかげは消滅する。あと一匹!!
「水竜の翼撃!!」
ワカバさんとかげはまたスモークフェイクでかわす。芸がないよ!!芸が!!
でも・・・煙なら対策はある・・・煙といえば、風でしょ!!
「モード水天竜!!」
俺が水天竜モードになると俺の周りに風が出てくる。これなら煙を飛ばせるでしょ?
狙い通り煙は風に流されていき本物らしきとかげがどれかはっきりわかる。
「これならいけるぜ!!獣王の魂!!」
全身テイクオーバーにより獣化したエルフマンさんがワカバさんとかげを殴り、それによってとかげは消滅する。
「やりましたね!!」
「あぁ・・・じゃあ・・・グレイを・・・」
バタンッ
すると力尽きてしまったのかエルフマンさんが倒れてしまう。て・・・え!?
「ウソ!!エルフマンさん!?」
「大丈夫だ・・・ちょっとふらっときただけだ」
ふらふらと立ち上がりながらエルフマンさんが言う。ワカバさんとマカオさんたちも立ち上がるけど・・・すごいふらふらしてるし・・・ヤバイな・・・
「そんなこと言ってられないか・・・セシリー・・・手分けして・・・」
俺がセシリーの方を向くとマカオさんの上に乗っかっていたグレイさんが立ち上がってエルフマンさんに肩を貸す。
「グレイさん?」
「手伝ってやるよ・・・ったく、ギルドに連れていこうとしてた連中が、連れていかれる側に連れていかれるってどういうことだよ」
グレイさんはそう言いながら一歩一歩歩いていく。俺はマカオさんに肩を貸し、セシリーはワカバさんを持ち飛ぶ。俺はグレイさんの隣に付いて歩いたが、なんでこんなことをしたのか怖くて聞くことが出来なかった・・・
―――――――――妖精の尻尾にて
ようやく俺たちはギルドの前へとたどり着き、ギルドの前にいた皆さんがこちらに駆け寄ってくる。その中には先にいったウェンディとルーシィさんたちもいる。
「シリル!!」
「おい!大丈夫か!?」
「俺は大丈夫だけど・・・」
俺はそう答えてマカオさんたちの方へ視線を移す。三人ともかなり傷が深いし・・・
「とりあえずこっちに来て!」
「レビィはミラを呼んできて!」
「わかった!」
カナさんに言われレビィさんがギルドへと走っていく。他の皆さんに手伝ってもらいギルドの前までようやくたどり着く
「マカオとワカバを中に!!早く手当てを!!」
「エルフマン!!」
ギルドからミラさんが大慌てでエルフマンさんに駆け寄る。
「シリル!!ケガの治療をするよ!!」
「いや・・・俺はいいからエルフマンさんたちを・・・」
ウェンディが俺のケガを治そうと来たがエルフマンさんたちを先にやるように言うとエルフマンさんが力尽きて倒れる。
「エルフマン!!」
「ウェンディ。エルフマンさんを・・・」
「うん!!任せて!!」
ウェンディはエルフマンさんに駆け寄り治療を始める。それにしても・・・あのとかげ・・・強かったな・・・
「答えないなら」
「やめてください!!」
俺たちの後ろではグレイさんをカナさんが肩をつかんで激しく揺すっていたが、ジュビアさんがそれをやめさせる。ジュビアさんはそのままグレイさんをかばうように前に立つ。
「グレイ様が妖精の尻尾を裏切るはずがありません!!ジュビアは信じてます!例え世界中を敵にまわしても、ジュビアは」
「ジュビア・・・いい」
グレイさんはジュビアさんの肩に手を置き話を止める。そして座っていたグレイさんはその場に立ち上がる。
「じーさんのとこに連れてくんだろ?ぐずぐずしてる暇はねーはずだ」
「あぁ。ついてこいよ」
「変な気を起こさないよう、見張ってるからね」
グレイさんはアルザックさんとピスカさんに連れられマスターの元へと向かう。
ジュビアさんはそれを心配そうに眺めていた。
「うぅ・・・」
「エルフマン!!」
「もう大丈夫です。はっ・・・」
「ウェンディ!!」
「大丈夫か!?」
こちらではエルフマンさんの治療が終わったのだが、ウェンディが疲れで倒れそうになってしまうのを俺とルーシィさんで支える。
「大丈夫です。早くマカオさんとワカバさんも治療しないと」
「やめなさい!!これ以上天空魔法を使ったら、あなたの命も危なくなるわ!!」
「私のことはいいの」
「よくないわよ!!」
「私は役に立ちたい!!そしてちゃんと妖精の尻尾の仲間になりたい!!」
「・・・全く、頑固なんだから」
これ以上の治療をやめるように言うシャルルにウェンディが真剣な表情で答えると、シャルルはそれに負けて納得するとウェンディは笑顔になる。
本当・・・頼もしくなったな・・・ウェンディ
ルーシィさんは立ち上がると皆さんの方を向く。
「みんなお願い!!力を合わせて、ナツを助けて!!」
「あぁ。俺たちみんな、ナツには世話になったからな」
「そうそう。今度は俺たちがナツを助ける番だ」
「ナツ・・・私たちと一緒に戦ってくれたよね」
ルーシィさんの言葉にシャドーギアの皆さんがそう言う。
「俺も、ナツに勇気をもらったよ!みんなだってそうだろ?今度は俺たちがナツを助ける番だよ!」
ロメオくんがそう言うと皆さんうなずく。
「よーし!!みんなの力でナツを助け出そー!!」
「「「「「「「「「「あいさー!!!」」」」」」」」」」
ハッピーの掛け声で俺たち全員手を突き上げて返事する。さぁ・・・ナツさんを助けるぞ!!
「待つんじゃ!!」
皆さん一致団結したところでギルドの上の階から声が聞こえたので俺たちはそちらを向く。そこには腕を組み、仁王立ちしているマスターがいた。
「マスター!」
ルーシィさんが言う。マスターは俺たちを見ながら話始める。
「妖精の尻尾はマグノリアを共に生きるギルドじゃ。今は街の崩壊を食い止めるのが先決!!」
マスターは無情にもそう言う。つまり・・・
「あれを攻撃するんですか!?」
「中にはナツがいるんだよ!?」
「そんなことしたらケガしちゃうよ~!!」
ルーシィさんとハッピーとセシリーがマスターに向かって言う。しかしマスターはそんなことお構いなしに話を続ける。
「妖精の尻尾のマスターとして全員に命ずる。手段は問わない!ドラゴノイドを食い止めろ!!な~に、あいつなら心配いらない。頑丈な体しとるからのぅ」
マスターは俺たち全員を見ながらそう言う。マスターのことだから何か算段があるのだろう。
俺たちは全員がその言葉に納得する。するとほどなくしてドラゴノイドがマグノリアの上空に降りてくる。
「来たか・・・」
ドラゴノイドはマグノリアに降り立つ。
『ふはははははは!!ペチャンコにしてあげるわ!!エルザ・スカーレット!!』
ドラゴノイドが片足をあげ、何かを踏み潰そうとしている。よく見るとそこにいるのは・・・エルザさん!?
「ブラストショット!!」
「スティンガーシュート!!」
アルザックさんとピスカさんの攻撃が当たりドラゴノイドの動きが遅れる。
「マジックカード“爆炎”!!」
「ウォータースライサー!!」
「サンドスピアー!!」
「水竜の咆哮!!」
俺たちもその隙に魔法をドラゴノイドに打ち込む。
「エルザさん連れてきたよ~!!」
セシリーがエルザさんを連れてこちらに戻ってくる。エルザさんは俺たちの前に来る。
「これはどういうことだ?」
「マスターの命令でドラゴノイドの止めろって!」
ルーシィさんがエルザさんに言う。エルザさんは驚いた顔をする。
「ドラゴノイドの破壊が最優先・・・それがマスターの決定だと言うのか?ナツのことは?」
「頑丈だから大丈夫だって」
「そうか・・・」
エルザさんはそれを聞くと納得する。ナツさんよっぽど皆さんから多少のことじゃあ死なないと思われてるんだな。まぁ確かに死なないだろうけど・・・
「ナツ!!マスターの命に従い、我々は全力でドラゴノイドを止める!!その前に、お前の意思を確かめたい。声を聞かせろ!」
『へへっ・・・あぁ・・・聞かせてやんよぉ・・・』
ドラゴノイドからナツさんの声が聞こえる。
『いいか、耳の穴かっぽじってよーく聞きやがれ。』
そう言ったナツさんは目一杯の声で叫んだ。
『こいつを・・・俺ごとぶっ壊せ!!』
後書き
いかがだったでしょうか。シリルがリザードマンを割りと簡単に倒せたのは私的に滅竜魔導士のデータをダフネは完全に集められてなく、予想よりの上を行ってしまったという形でこんな感じにしました。
次でドラゴノイド編が終わる予定です。次もよろしくお願いします
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