明日の日記
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神(しん)生活スタート
棚から牡丹餅とかいろいろ
前書き
牡丹餅:読み「ぼたもち」
「 ・・・あら? 」
毎日の習慣である朝の散歩を終え家に帰った私は、いつものように朝食を食べていた。サラダを咀嚼しながらゲームの進展をを知らせるメッセージが届いている事に気がついた。
「 ログの更新は初めてじゃない? どうしたのかしら 」
最近手に入れたとあるコマが相手のコマを討伐したという内容のメッセージで、その時の状況や時間などが詳しく記載されていた。そしてその下には、その際に相手からドロップしたアイテム名が書いてあ・・・
「 ・・・ッ!? げほっ・・・ふぅ 」
アイテム名を見た私は口に含んでいた新鮮なサラダを吹いてしまい、テーブルの上には無残な姿となった野菜たちが散りばめられる結果になった
表示されたアイテム名は
「 亞剣 」 :レアリティ☆☆☆☆☆
とりあえず何でも切れます。
「 招風ノ鎧 」:レアリティ☆☆☆☆☆
これであなたも風とお友達。
・・・わー ってナンダコレ!?
レアリティ☆5って、神器?それとも宝具なの?
なんでこんな物騒な物が手に入っちゃうの? どこで拾ったのかしら(←錯乱)
さっそく当事者に電話してみる
・・・・
・・・
・・
ガチャッ
『 もしもし? 』
「 私ですが、どうしたんですかこれ? 」
『 今電車の中なので、後から折り返しまーす 』
「 あ、はーい 」
ツーツーツー・・・
ってあれ? おかしい 電車の中で相手を討伐したはずなのに、たかが電話ぐらいで切られてしまった。通話>討伐が成立するなんて・・・今度私も電車に乗ってみようかしら
-----10分後-----
『 もしもーし 』
「 はーい 」
『 さっきはすいませんでした。・・・で、どのようなご用件でしょうか? 』
「 あなた、さっき討伐しましたよね 」
『 ? ・・・ああ、しましたね 』
「 すごい物が戦利品として手に入ったんですが、かなりの猛者だったんじゃないですか? 」
ここまで貴重な装備を持っているとしたら、相当のハイレベルプレイヤーのコマかもしくはお兄様くらいしか想像がつかない。後者ではないことはログで確認したので間違いなく前者。つまり、かなりの強敵と戦ったということは容易に想像できた。
『 ううーん、それほどでも無かったですけど・・・ 戦利品ってどんなのが手に入ったんですか? 』
そ、それほどでもなかった? この子そこまで強かったっけ
「 売ったら神界の一等地に豪邸が建つくらいの値段になるアイテム・・・いえ、装備ですね 」
『 ほぇー! あのおっさん、そんなにすごいの持ってたんですね 』
「 見た目はどんな感じでしたか? 」
『 んー、そうですねぇ。普通の中年のむさいおっさんにしか見えなかったんですけど 』
「 あー、そうなんですね。やはりコマは見た目は関係ないんですね 」
『 地味にひどい事言いますよね~笑 そういえばその装備って、名前とかついてたりしますか? 』
「 もちろん、えっと『 亞剣 』と『 招風ノ鎧 』ですね 」
『 ・・・ 』
「 聞こえなかったですか? 『 亞剣 』と『 招・・・ 」
『 あの 』
「 はい? 」
『 ひとつ聞いてもいいですか? 』
「 どうぞ 」
急に改まってどうしたというのだろうか。
『 相手のコマの名前って分かりますか? 』
「 ええ、ログにでてますから。えっと、これなんて読むんですかねぇ・・・『 我雅ZA 』われがざ?われみやび?・・・ごめんなさい、漢字難しいです 」
『 まぁ多分当て字なんでしょうね ちなみにその字で『 ガガザ 』って読めちゃう感じですか? 』
「 あー! そうですね そうも読めます 」
『 あぁ・・・そうですか 』
「 どうかしましたか? 」
『 いえ、話すと長くなりますので・・・ 』
話すと長くなる? そんなに込み入った事情があったのかしら。でも知り合いだったのならどうしましょうか。まだ人間だった頃の感覚や感性、価値観が残っている彼には、少しダメージが大きかったのかしら。なんにせよ、電話で済ませる話ではなさそうですわね
「 そうですか。では今日の夜にでも直接聞かせて下さいね 」
『 ですね。 では、僕は仕事がありますのでこれにて 』
「 はい、いってらっしゃい 」
『 いってきます 』
ツーツーツー・・・
電話が終わった後も、私はしばらく受話器を握りしめていた
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