FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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追憶のジェラール
前書き
題名が思い付かなかった……すみません……
シリルside
「あれ? あれ?」
エンジェルを倒したルーシィさんが辺りをキョロキョロと見回しているけど……なんか少し様子が変なような……
「ルーシィさん!!」
「あ!! シリル!! うっ」
ルーシィさんは俺が近づくのに気づき立とうとしたが魔力を使いすぎたみたいで立ち上がれない
「なに…コレ…力が全然入らない…」
「大丈夫ですか? ルーシィさん」
「ありがとうシリル」
俺はルーシィさんに手を出すとルーシィさんは手をつかんでやっとの思いで立つ
「大丈夫ですか? 大分フラフラしてますけど……」
「平気……てかシリル口調元に戻ったわね!!」
「え? あぁ……まぁエンジェルは倒しましたしね……」
俺はただ頭に血が上ったからああなっただけで目的が達成できれば怒る必要もないしね
俺はフラフラのルーシィさんと一緒に岸まで戻ろうとする
「あ!!」
「どうしました?」
しかしルーシィさんが何かに気づいて立ち止まる
「ナツのこと忘れてた!!」
「あ!!」
ルーシィさんの視線の先を見るとイカダの上で真っ青な表情のナツさんが突っ伏していた
「ナツ!! 大丈夫!?」
「ナツさん!!」
「おおお……」
ザバァ
俺たちがナツさんを助けようと駆け寄ろうとすると後ろで水が跳ねた音がするのでそちらを向く。そこにはルーシィさんの魔法によってボロボロになったエンジェルがカエルムを持って立っていた
「負け……な……い……ゾ……六魔将軍(オラシオンセイス)……は……負け……ない……」
「まだこいつやる気かよ!!」
あまりの執念深さにあきれてしまう俺
するとエンジェルの持っているカエルムが魔力をためていき
「一人一殺……朽ち果てろぉ!!」
俺たちにレーザーを放つ
「きゃっ」
「うわっ」
とっさにかがむ俺とルーシィさん。しかしそのレーザーは俺たちの横を抜けていき……
ゴガッ
ナツさんのイカダを止めていた木に当たってしまう
「は……外した……」
「おお……おおお……」
イカダを止めていた木が壊れたことによって当然の如く川の流れに乗って動き出すイカダ。ナツさんはいまだにイカダの上で苦しんでいる
「ナツ!!」
「ナツさん!!」
俺とルーシィさんがイカダを止めようと走り出すが
ガッ
「え? ひゃっ」
バシャッ
俺は川の中の石に足をとられて転んでしまう
「……って水の中かい!!」
エンジェルも力尽きたのか何か言いながら川の中に倒れる
「手を伸ばして!! ナツ!!」
「おおおお……」
そんな中ルーシィさんだけはナツさんの元へとたどり着き手をつかむ……しかしその先は急流になっていて……
「きゃあああああ」
ルーシィさんとナツさんは下流へと流されてしまった
「ルーシィさん!!」
「ナツくん!!」
俺とセシリーは急いで急流の近くに行くが……二人の姿はもう見えない……
「どうしようシリル……」
「う~ん……」
セシリーが俺の顔を覗き込みながら聞いてくる。俺はひとまず辺りを見回す
ハッピーはいまだに氷漬けになってるしヒビキさんも傷とルーシィさんに力を与えたために動けそうにない
「ナツさんはルーシィさんに任せよう……俺たちはヒビキさんたちを安全なところに連れていこう」
「わかった~」
俺とセシリーはヒビキさんを岸に上げ寝かせる。さて……どこに運べばよいのやら……
「シリルちゃん……」
「シリルくんでお願いします」
「いや……呼び捨ての方がいいでしょ~」
ヒビキさんは意識はあるようだし……肩を貸して安全なところまで連れていけるかな?
「僕たちのことはいいから……君はウェンディちゃんを探した方がいいと思うよ」
「え? なんでですか?」
ヒビキさんに言われて理由を聞いてしまう俺。確かにウェンディのことは心配だけど、ヒビキさんたちを放っておくわけにはいかないでしょ
「たぶんウェンディちゃんは意識を取り戻しているはずなんだ。でもウェンディちゃんだけだとまた自分責めてニルヴァーナの影響を受けてしまうかもしれない。でもシリルちゃんが近くにいてあげればウェンディちゃんはそんなことにはならないと思うから」
ヒビキさんは俺の顔を触りながら言う。確かにウェンディは少し……いやかなりメンタルが弱い。さっきみたいに自分を責めていることは十分に考えられるだろう
「わかりました。ヒビキさん。俺たちはウェンディを探してきます」
「うん。気をつけてね」
「はい!! 行こう!! セシリー」
「わかった~」
ヒビキさんに一度お辞儀をして俺はセシリーにつかんでもらって空へと飛び上がる。さて……ウェンディの匂いは……
「あっちからウェンディの匂いがする!!セシリー!!」
「はいはい!!」
俺が指差した方向へとセシリーは進路を変更して飛んでいく。待ってろよウェンディ。闇に落ちるとかは絶対なしだからな!!
夕方……どこかの岩場にて……第3者side
「私……来なきゃよかったかな……」
ウェンディは体育座りをして肩を落とし落ち込んでいる
「まーたそういうこと言うの? ウェンディ」
「だって~」
「ネガティブな感情は闇に心を奪われちゃうのよ」
ウェンディの隣に座っているシャルルがウェンディに注意する
「私……シリルたちを置いて逃げて来ちゃったんでしょ?」
「それは違うよウェンディ」
ウェンディは声がする方を見るとそこにはセシリーに掴まれてこちらに飛んでいるシリルがいた
シリルはウェンディの前に着地する
「逃げたんじゃないよ。危なかったからシャルルと一緒に安全なところまで行ってもらっただけ」
「それを逃げたって言うんじゃないの? シリル」
「あう……」
ウェンディに突っ込まれてシリルは何も言い返せなくなる
「でもウェンディがいなかったらエルザさんは今ごろどうなっていたのかな?」
「そうだよ!! もしかしたら死んじゃってたかも知れないよ~!!」
「でもニルヴァーナも見つからなかったよ」
投げたボールをことごとく打ち返されている状態のシリル。セシリーも簡単に論破され困ってしまう。そんな二人を手助けするようにシャルルが言う
「アンタだってジェラールって人に会えて嬉しかったんでしょ?」
「それは……」
ウェンディは少し悩みながら顔を伏せる
「ウェンディ。もしかしてジェラールに会ったの?」
「うん。六魔将軍(オラシオンセイス)の拠点でね……」
シリルはそれを聞いて驚いた顔をする。しかしすぐにウェンディに笑顔で話しかける
「ねぇ……ジェラールは元気そうだった?」
「ううん……ジェラールはエーテルナノって言うのを吸収しすぎてまともに動ける状態じゃなかったの……それを私が治しちゃったから……ニルヴァーナが……」
ウェンディはますます暗い顔をする。シリルはそれを見てウェンディの額と自分の額をくっつける
「ウェンディは間違ってないよ。それにジェラールがニルヴァーナを悪用するはずないでしょ?大丈夫。だから自分を責めるのはもう終わり。わかった?」
「うん……」
シリルにそう言われウェンディは涙を拭う
「ところで、あのジェラールって何なの? 恩人とか言ってたけど……私もセシリーもそんな話聞いたことないわよね?」
「そうだね……話してなかったね」
「なんのこと~?」
シャルルとウェンディの会話にほとんどジェラールの話を聞いていなかったセシリーが聞く。ウェンディはシリルを見るとシリルはうなずく
「わかったよ。二人には話しておくよ」
シリルはシャルルとセシリーの方を向いた
後書き
いかがでしたでしょうか。今回は少し短めとなっております。次はシリルの過去をやらせていただきます。また次回もよろしくお願いします
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