ブラック・ブレットー白き少女
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プロローグ
前書き
ハーメルンとの多重投稿です。
向こうの方が更新は早いです。
「目が覚めたかい?」
…………へ? なにここ? 何処ここ?
私が目を覚ましたのは真っ白い空間だった。
「そうだねぇ、君たちの言葉で言うと…………死後の世界ってやつかな」
…………色々と聞きたいことはあるけど、あなたは誰?
「僕かい? まあ、いわゆる神様ってやつかな?」
…………やっぱり心読んでるのか
「まあ、神様だしね」
それでこれから私をどうするの?
「え!? なんの疑いもなく信じるの!?」
いやー、だってこんなとこにいきなり連れてきて、その上心を読むとか、普通の人じゃできないでしょ。
「まあ…………言われてみるとそうなんだけど、いままでここにきた人はいたい人扱いするか、誘拐犯扱いしてくる人ばっかりだったから新鮮でねぇ」
そうなんですか?
「うん、『はっ? 俺が死んだ? なに痛いとこ言ってんのお前』とか『ふざけないで! 早くお家にかえしてよぉ!』とかいってるやつばっかりでねぇ」
…………神様ってのも大変なんですね
「わかってくれるのかい! …………ってなんで僕は君に対して愚痴ってるのかね」
まあ、いいじゃないですか、ストレスは溜め込むと体に毒ですよ
「…………そう言う君はなんで自分の死を受け入れるとこが出来ているのかな?」
なんとなく最後の瞬間の記憶はぼんやりとなら覚えてますから
「…………原因はわかっていると?」
はい、まあ。多数の出血を伴う傷があったんじゃないですか?
「そう、正確には出血多量だ。なにか事故にでも巻き込まれたのかな?」
…………
「ああ、ごめん。流石に無神経な発言だったね」
それで結局私はどうなるんですか?
「おお、そうだよ。本題に入らないとね」
私はこの人(神様?)がちゃんと仕事ができてあえるのかが不安になってきた。
「普通は神力を使って記憶を消して全く新しい生物として同じ世界、もしくは異世界に行って新しい人生を歩んでもらうことになる」
普通は
・・・
?
「稀に全く神力がきかない特異な存在がいるんだ」
それが私だと?
「ああ、そしてそんな子達には普通の『転生』とは違う『特別転生』してもらうことになっている」
えーっと、ネットとかでよくある『俺TUEEEE!』
な感じのやつですか?
「まあ、平たく言えばそうだね」
じゃあ、私の死んだ理由はテンプレな神様のミスによる死なんですか?
「いや、確かにその場合も『特別転生』の対象になるけれども、きみは違うよ」
え? じゃあなんでなんですか?
「それは神界でも考察が続けられてるんだけど、まだ詳しい理由は不明なんだ」
そうなんですか
「…………一つだけ信憑性の高い仮説があるんだけど聞くかい? もしかしたら嫌な思いをするかも知れないけど」
聞かせてください
「即答か…………わかった教えてあげるよ」
この時、神様が私の姿を見て納得したような感じで話始めた。
「君みたいな存在の多くはまだ年端もいかない子供だ。しかし、実年齢と噛み合わないほどに大人びた口調や、達観したような見解をする」
…………
「そう、それこそまだ六歳
・・
の君のようにね」
…………何となくわかってきました
「ほう? じゃあ続きを話すよ。その子達は生前にちゃんとした扱いを受けていなかった子ばかりなんだよ。主に君のような特殊な容姿のせいでね」
今神様が言った通り、私の姿は普通じゃない。
白髪赤目…………いわゆる『先天性白皮症
アルビノ
』だ。
「さて、暗い話はここまでにして転生に取り掛かろうか!」
そういえば特典とかはもらえるんですか?
「うーん、君みたいなケースだと特典はないなあ。何か欲しいものでもあったのかな?」
…………いえ、無い物ねだりしても仕方ないですか
「…………もう少し子供らしく大人に甘えてもいいんだよ?」
わたしの中での常識では人に頼り過ぎる者は死ぬんです
「…………そうかい」
そう言えば私の転生先はどこなんですか?
「えーっと、確か『ブラック・ブレット』だったっけな?」
? どういう世界ですか?
「詳しくは知らないけどラノベの世界だったね」
まあ、ラノベなんて読む年じゃないし、知らなくて当然か
『ブラック・ブレッド』っていうことは『黒の銃弾』…………なんかいかにも物騒な感じの世界だな?
「それじゃあ、次の人生は後悔しないように過ごすんだよ」
その言葉を聞いた瞬間、強烈な眠気が襲ってきてわたしは闇へと落ちていった。
ーーーーーーーーーー神様視点ーーーーーーーーーー
「よお、無事送り出したか?」
「ああ、でもやっぱり特異ケースの対応は精神的にキツいな」
「まあ……な」
「あいつはちゃんとあの世界でやっていけるのかな」
「…………やっぱり本当の事は言わなかったのか?」
「…………俺だって本当は言ってやりたいさ。だけどそれは規則違反だし、何より真実が万人を幸せにするとは限らない」
「確かにな」
「なんと言うか、神って損な役回りだよな」
「まあ、無事を祈るしかないからな」
「神が何に祈るんだよ」
「…………」
「おいおいいきなり黙るなよ!」
「ともかく祈ってろよ。俺達にはそれしか出来ないんだから」
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