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オズのベッツイ

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第二幕その七

「そこはそれぞれだからね」
「僕は食べることと寝ることを楽しんで」
「私は好き勝手にすることを楽しむわ」
「確かに貴女は好き勝手にしてるわね」
 ベッツイはまた猫に言いました。
「猫らしく」
「そうでしょ、猫だからね」
「そうよね、けれどさっきも皆で言ったけれど」
「それがいいのね」
「そういうことよ、これからも宜しくね」
「そうさせてもらうわ、さて皆食べ終わったわね」
 デザートのロシアのケーキを食べて紅茶も飲み終えました、ベッツイはテーブル掛けを奇麗に畳みはじめています。
「それじゃあね」
「出発よ」
「ええ、まずはジャックの家までね」
 行こうというのです、こうお話をしてでした。
 一行は再び出発しました、そしてでした。
 夕方になってです、皆の前に大きなカボチャのお家が見えてきました。ナターシャはそのお家でを見て皆に言いました。
「見えてきたわね」
「ええ、ジャックのお家がね」
「見えてきたわね」
「じゃあ今からですね」
 ナターシャは恵里香に顔を向けて尋ねました。
「ジャックさんとお会いするんですね」
「そのつもりよ、じゃあ行きましょう」
「はい、それじゃあ」
 こうしてでした、一行はジャックのお家に向かいその扉をノックしました。すると出て来たのはブリキの木樵でした。
「あれっ、君達だったんだ」
「木樵さんいらしてたのね」
「うん、かかし君と一緒にね」
 木樵は気さくな笑顔でベッツイに答えました。
「ジャック君のお家に遊びに来ているんだ」
「そうだったのね」
「そうだったんだ、それで君達も来るとはね」
「実はね」
 ここで、です。ベッツイは木樵に自分達が何故ここに来たのかをお話しました。木樵はその全てを聞いてから言いました。
「成程ね、ウーガブーの国までね」
「これから行って来るの」
「そうなんだね、ただね」
「ウーガブーの国までの道中はね」
「色々とあるからね」
 だからだというのです。
「気をつけてね」
「ええ、わかってるわ」
「見ればハンクとガラスの猫、それに恵里香達がいるからね」
 一行を見て言う木樵でした。
「安心出来るけれどね」
「道中は」
「うん、一人でいるより皆だよ」
 皆がいればというのです。
「力を合わせられるからね」
「だから大丈夫なのね」
「僕はそう思うよ、じゃあこれからね」
 木樵はベッツイ達にあらためて言いました。
「お家の中に入ってね」
「そうしてよね」
「うん、皆でお話をして楽しもう」
「かかしさんやジャックとも一緒に」
「二人共元気だよ。かかし君は身体の中の藁を詰め替えたばかりだし」
 かかしにとってはとても嬉しいことです、何しろこの人は身体の中は詰めものの脳味噌以外は全て藁なのですから。
「それにジャック君も頭を交換したばかりなんだ」
「二人共そうしたばかりだからなのね」
「絶好調だよ」
 かかしも木樵もというのです。
「勿論僕もね」
「今日もピカピカね」
「身体全体を磨いて間接に油を入れたよ」
「そうね、今日もとても奇麗よ」
「じゃあ今からね、その僕達とお話しよう」
 こうしてでした、木樵にお家の中に入れてもらってでした。一行はジャックのお家の中に入ったのでした。
 お家の中には家の主であるジャックともう一人の客人であるかかしがいました、二人はベッツイ達の姿を見て言いました。
「やあ、ようこそ」
「君達も来たんだね」
「ええ、ここに来た理由はね」
「この娘達はこれからウーガブーの国に行くんだ」
 木樵が二人にベッツイ達がここに来た理由をお話しました。
「それでその途中にね」
「こうしてなんだ」
「ジャック君の家に立ち寄ったんだね」
「ギリキンの国に来たから」
 ベッツイは微笑んで二人に答えました、そうしながら三人が用意してくれた席にそれぞれ座っていきます。 
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