ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝
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避けられぬ道 前編
前書き
番外編…。それは物語を完全無視して、作者のフリーダムに書ける話…。
ぶっちゃけネタの時間稼ぎだけど、それでも!書きたい番外編があるんだ!(特攻)
それは、生きている中で避けては通れない道なんすよ…。
そこには読者には語られていない、チームトライホープの様々な道のりが存在していた。今回は、その一部の話を呼んでもらおう。それは全日本ガンプラバトル選手権 中高部予選が始まる前の話である。
今は朝のSHRの時間。そんなかケルサスガンダムの改良案を固めている時、担任の我妻がふざけた事を言い出した。
「お前ら!知ってると思うが、来週からテストが始まる! 」
それを聞いた、クラスメイトがブーイングをおこした。
「先生!そんなの私達聞いてませんよ! 」
「そうだよ我妻!いきなり何言い出してんだあんたは!? 」
「職務怠慢だ!このハゲ! 」
「えっ!言ってなかったっけ?てか誰だ!俺をハゲといった奴は! 」
そんなこと言われて、出てくる奴いないだろ…。てか言われてねえよマジで。
「言われてません!どう責任とってくれるんですか!? 」
「そうだそうだ!! 」
またもブーイングがおきると、我妻が黒板を思い切り叩いた。その後痛そうにしているのが目に見える。何やってんだよ…。
「シャーラッップ!!大丈夫だ!先生は信じている…。お前たちならこの程度のピンチ、乗りこれられると…」
我妻は窓から空を見つめながら言っている。
「そう…お前たちならやれる!だから何とかなる!自分を信じろ! 」
「我妻…」
「さすが先生…。良いこと言うぜ…」
「あーがーつまー!あーがーつま! 」
クラスメイトの皆さんは、我妻コールをあげているのを見る。
なんなんだよこのクラス…。漫画の世界のクラスか!?
「おもしろいクラスだねぇ~本当に」
「いやバカなだけだろ」
「だがしかぁし!それでも先生の期待を裏切る馬鹿者は、テスト明けから俺とマンツーマンで補修地獄だ!以上!解散!! 」
オオオオォォォォォ!!!!
うるせええぇぇぇ!!
と内心思う俺だ。さすがに声には出さないが。
ーーー――
「にしてもテストか。ちょっとまずいな…」
俺頭あまりよくないのよ。並み中の並み。社会は自信はあるが、それ以外平均ぐらいにしかいかない。
「僕は大丈夫だよ。少なくとも君よりできる自信はある」
「ほ~う。言ったな?なら一つでも俺より下だったら罰ゲームな」
「いやそれは無理。君に社会で勝てる気しない」
ちっ!残念だ!
「そういえば、シノはどれくらい勉強できるんだ? 」
「ふ、普通位かな…」
ん?なんか様子が変だな。
「じゃあ、お前この間の国語の小テスト。何点だったんだ? 」
「プライバシーの侵害よそれ」
「悪くないんだろ?じゃあ大丈夫だろ」
「そうだけども…」
「ヒロヤ君。僕、シノさんの点数知っているけど」
シノが口ごもっていると、トウイがそんなことを言ってきた。
「な、なんで知っている!? 」
「いや席が後ろだから、チラッと見えたんだよね」
ああそういえば。読者は忘れていると思うが、トウイの席はシノの後ろ。俺はシノの左隣だ。(入学式参照)
「い、言わないでね!?言ったらひっぱたくから! 」
「シノさん…。それじゃ点数があまりよくないと伝えているよ」
シノは『あっ!』と言うと、観念したのか
「……勉強は苦手なのよ」
「マジか!? 」
ヤバいぞ…。このままじゃ補修地獄行きだ…。おそらく俺の予想だと、赤点は三つは確実にとってそうな気がする。
「どうしよう…」
「どうするもなにも、勉強するしかないだろ」
「わかってるけど、なかなかはかどらないのよ」
頭を抱えながら、ため息をついている。
う~ん。どうするか?
「なら、皆で勉強会しようよ。そうすればシノさんの為にもなるし、ヒロヤ君の為にもなる」
なるほど。やはりその手の流れは回避出来ない運命なんだな。
「定番すぎる流れだが、まあ俺はいいぞ。シノは? 」
「私もいいわ。むしろお願い」
「じゃあ決定だな。場所はどうする? 」
「とりあえず今日は、図書館でやろうか。学校から十五分で行けるよ」
「じゃあそこだな」
「二人ともお願いね 」
ーーー--
というわけで、お約束の時間飛び。いやー、慣れるともう違和感ないわ。
「さて、じゃあ勉強開始!わからないところがあったらヒロヤ君に聞いてね。教えるの上手いから。…きっとボソッ」
オイコラ、人任せにすんな。
「わかった。よろしくねヒロヤ」
「ちっ!手遅れか!まあできるだけ善処する」
そうして勉強を開始した。
まずは国語でもやっているか。漢字だけども…。
ーーー--三十分後
「ヒロヤ。この(3√2+√5)(2√2-√5)ってどうやって解くの? 」
「お前よく入学できたな。逆にビックリするわ」
「いいから!教えて」
「その(3√2+√5)(2√2-√5)はてきとうに言うと、3√2×2√2+3√2×(-√5)+√5×2√2+√5×(-√5)で解ける」
「え~と…。だから3√2×2√2は6√4で、3√2×(-√5)は-3√10で、√5×2√2は2√10で、√5×(-√5)は-√10? 」
「違う。6√4は√4を2に直して12。あと、√5×(-√5)は-5だ」
「あっ。本当だ。じゃあ、12+(-3√10)+2√10+(-5)で…-√10+7ね」
「正解。じゃあ、次は間違えないように気を付けろよ」
「わかった、ありがと」
「気にすんな」
さて、次は化学をやるか。
ーーー--さらに三十分後
「ねぇ。この組成式と名前ってなに? 」
「んあ?どれどれ…。PO4、3-と、Ca、2+で…」
……わかんねえ…。
「おいトウイ。これの答えはなんだ? 」
「ん?それはCa3(PO4)2で、リン酸カルシウムだよ」
「だそうだ」
「なるほど。ありがと」
ーーー--さらに一時間後
…飽きてきたな…。
「なぁ。ちょっと休憩しないか? 」
「賛成。さすがに慣れない勉強をするのは疲れたわ…」
「じゃあ、休憩しよっか」
休憩することができたけど、ここ図書館だから本しかないな。どうする?
「じゃあ、リレー小説やる? 」
「リレー小説? 」
なんだそれ?てか心をまた読まれた。いつぶりかな~。
「一人一行文、この紙に文章を書いて回すんだよ」
「なるほど。面白そうね」
「まあどうせ暇だし、やってみるか…」
さぁ、俺の勘ではろくでもないのができると告げているぞ。絶対にろくでもないと!
順番は、シノ→トウイ→俺だ。
シノが紙に書き終わったのか、次はトウイに回った。トウイも書き終わると俺に回ってきた。
文章を見てみると、
『ある街に、一人のガンダムがいた…』
『そのガンダムの前に佐藤が立っていた』
冒頭からろくでもねぇ!
なんでガンダムがいるんだよ!誰だよ佐藤って!?
だが、これを文章に繋げればいけない…。
『が、じゃまなので踏み潰し、先に進むことにした』
「ほれシノ」
シノに渡し、自分に回ってくるのを待とう。
そうこうしてるとすぐに回ってきた。
『と思った瞬間佐藤が』
『「佐藤、行きまーす!」と血まみれで言った』
………佐藤生きてるのかよ…。
『「どこに行くんだよ…」というツッコミを無視して佐藤は行った』
「………」
無言で紙を差し出す。
とりあえず、ここからは内容だけを送ろう。
シノ→『三途の川に着いた佐藤』
トウイ→『そこで佐藤は、番人に出会った』
あっ。やっぱり死んでたんだ。
ヒロヤ→『待て、ここは△△川だ!引き返さないと死ぬぞ!』
シノ→『「そうだったのか!」と佐藤は驚いた』
トウイ→『「それは違うよっ!」と番人に、ある人物が言った。さらに「四行前を見て!そこには三途の川と書いてあるよ」』
反論してきやがった!いいだろう…乗ってやるよ!!
ヒロヤ→『番人は微笑んだ。「たしかにここは三途の川だ。だがしかし、この川にだって二つ名というものがある、それが△△川だ」』
シノ→『そうだったのか!!だが断る、私にはガンダムを殺す使命がある。そのためには』
トウイ→『あのアマゾン川を…わたらなければならない…っ!』
ガンダムって人なのか!?てかアマゾン川とかスケールデカ!
ええい!ならばこの話を終わらせてやる!
ヒロヤ→『「という夢をみたんだよ」という話をため息をはきながら言う佐藤』
「さあ二人とも、リレー小説はここまでにしよう。勉強を再開させよう」
「え~。せっかく面白くなってきたのに」
「黙れ!これ以上話を脱線させる訳にはいかない!考えてみろ。この章でガンダムなんて三回しか出てないぞ!問題ありまくりだろ! 」
「それを言ったらおしまいよ。まあ勉強をそろそろ再開させたいと思っていたからいいけど」
よし。じゃあ早速再開しよう。
今度は社会を勉強しよう。
そうして、今日の勉強会はそんな感じで終った。
ーーー--三日後
勉強会を始めて三日。今日は俺の家で勉強をすることになった。
「ここがヒロヤの家なのね」
「ああそうだよ」
俺の家は、普通の一軒家よりも大きく、豪邸よりも小さいぐらいの感じだ。
「じゃあ早速入ろっか。お邪魔しまーす」
「勝手に入んなバーロー」
そのあとについて、俺とシノも入っていく。すると母さんが出迎えてきた。
「あらいらっしゃい。久しぶりねえトウイ君」
「お久しぶりです。今日はヒロヤ君の家で勉強会をさせていただきます」
「いいわよ~。あっ!ヒロヤ!その後ろの子って彼女?ついにヒロヤにも彼女ができて、母さん嬉しいわ…」
「ちゃうわ!そんなんじゃない!てかベタな反応だなオイ! 」
「そ、そうです!か、かか彼女ではありません!ただの友達です! 」
「可愛いわねぇ~。顔を真っ赤にしちゃって」
シノの顔は確かに赤くなっている。かくいう俺も、ほのかに顔に熱をおびている。
「もういい!行くぞ!てかトウイ!ニヤニヤすんな! 」
「イテッ!まぁまぁ落ち着いて。シノさんも」
「お、落ち着いているわよ! 」
落ち着いてないよなそれ?俺もだけども。
ーーー--
「ゴホン。えーでは、今日も勉強会を始めるぞ。わからないところがあったらちゃんと聞くように」
「わかったわ」
「はーい」
さて、今日も勉強をするか。
ーーー--一時間後
「お邪魔するわね」
手には飲み物とケーキを持って入ってきた。
「オイ、よく見えないのか?今は勉強中だ。邪魔するな」
「だからお邪魔すると言ったわよ。全く、素直じゃないんだから。とりあえずテーブルの端っこに置いとくからね」
「ありがとうございます」
「いえいえ。甘いものは脳の働きにはいいから食べてね~。ヒロヤと違っていい子ねシノちゃん」
おい!それが実の息子にいう言葉か!?
そんなことを思っていると、肩に手が置かれた。トウイだった。
「ヒロヤ君…。素直になりなよ…」
「死ね」
アッパーカットを繰り出し、見事にヒットすると、トウイは宙に舞った。
おおー。なかなかいい当たり具合だ。
てかシノ…。もう食べてるのかよ。
「仕方ない…。一服でもしてから再開するか」
いっとくが煙草じゃないぞ?そこら辺はわかってくれ。
ーーー--
「ここはこうでだな」
「あっ、そういうことね」
ケーキを食べ終ったあとは、ちゃんと勉強を再開させて、今は社会を教えている。
俺にも、人に教えるぐらいは勉強ができるようになったんだな…。
そう感動していると、家の玄関が開き、聞いたことのある声が聞こえた。
「ただいま」
「親父…!? 」
確かに親父の声だった。
俺はすぐに立ち上がり、玄関の方へ向かおうとする。
「すまん!ちょっと待っててくれ! 」
さて、ここで何で親父が帰ってきた事に驚いているか説明しよう。
親父は基本県外の所で仕事をしていて、その都合上そこの寮に住んでいる。だから家に帰ってくるのは滅多にない。以上!説明終わり!
説明をし終わったところで親父の元にたどり着いた。
「親父! 」
「ヒロヤか、ただいま。久しぶりだな」
「あ、ああ。久しぶり…。じゃなくて、どうしたんだよ?連絡も入れないで」
「いや。たまには驚かせようと思ってな」
それだけかよ…。
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