転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0942話
リヨンハイヴ攻略作戦の第3段階が始まって20分程。現在は地上に残っているBETAを地上戦力を含めて駆逐している状態だ。
『ハイヴの外では、BETAに対しての有利が確立したと言ってもいいわね』
「ああ。リニアガン・タンクとガン・ルゥが予想以上の戦果を上げている。正直、ここまで活躍するとは思わなかったよ」
映像モニタに映し出されているマリューの言葉に苦笑を浮かべつつ、そう返す。
実際、SEED世界に俺が転移した時も、リニアガン・タンクは普通に存在していた。だが、それでもザフトのMS相手には射撃の的同然でしかなく、常に圧倒的な被害を受けていた。
そんなリニアガン・タンクが、このマブラヴ世界では主戦力である戦術機を超えるだけの戦果を出しているのだ。それを知っているだけに、どこか複雑な思いを抱いてしまう。
『まぁ、役に立ったんだからいいじゃない。実際欧州連合軍と国連軍の戦力が消耗しないのは得でしかないんだし』
「確かにな。これでハイヴ内でも運用出来ればいいんだが……」
『さすがにそれは無理があるわ。どうやってリニアガン・タンクで3次元的な機動をするのよ』
「分かってるけどな」
実際、今は既にBETAが攻めてきても負けるという事は少なくなってきている。
勿論絶対に勝てるという訳ではないし、戦死する者がいなくなる訳でもない。
だが、それでも……俺がこの世界に来た時と比べれれば、人材の消耗は圧倒的に少なくなっていた。
ハイヴが増えるのを防ぐ為の間引きに関しても、リニアガン・タンクとガン・ルゥのおかげでかなりの成果を上げており、順調に進んでいるのだから。
『あ、ほらアクセル。向こうを見て。かなりの腕利きが乗っているみたいよ』
マリューが示してきた方へと視線を向けると、そこでは5機のガン・ルゥと3台のリニアガン・タンクがBETAを相手に近接戦闘を行っていた。
複雑に絡み合った軌道を描きつつ地上を動き回り、真っ直ぐに向かってきている突撃級の間を縫うように走り、横を通り抜け様にガン・ルゥはキャノン砲を、リニアガン・タンクは砲塔を動かしてリニアガンを放って突撃級の柔らかい横腹を食い破り、あるいは後ろからの攻撃で仕留めていく。
確かに熟練のパイロットでもなければ無理な操縦だが……
「そもそも、遠距離での攻撃が役割の機体を使って近接戦闘をやる意味があるか?」
その光景に、思わず呟く。
実際、こうしてみる限りでは有効なようにも見えるが、パイロット達にしてみれば薄氷の上を歩いている気分だろう。
何だってあんな事になってるんだ? あそこまで無理をしてリニアガン・タンクやガン・ルゥで近接戦闘をやる必要はないだろうに。
それでも近接戦闘を挑んだ相手が突撃級で良かったのだろう。何しろ、突撃級は基本的にその名前通りに突撃する事しか出来ないのだから。
これが要撃級や戦車級であれば、すぐに方向転換をして追いすがる事が出来る。
要塞級だったりしたら何を言わんやだ。
そんな、次から次に突っ込んで来る突撃級の間をすり抜けるように移動し、無理のない範囲で可能な限り攻撃を加えていく。所詮移動しながらの攻撃である為に、外す攻撃も大きい。
「マリュー、国連軍と欧州連合軍に一応連絡を。俺達のフォローはいるかと聞いてみてくれ」
『いきなり? いえまぁ、この光景を見ていれば分からなくもないけど……ちょっと待ってて』
そう告げ、一旦通信が切れる。
その間にもリニアガン・タンクとガン・ルゥは突撃級の集団をすり抜けるように突き進み……やがてその終端付近へと到着する。
へぇ、無傷で通り抜けたか。これは確かに凄いな。ぶっちゃけ、シャドウミラーにスカウトしたいくらいの腕前だ。
そんな風に考えている俺の視線の先で、とうとう最後の突撃級を回避したまま集団から抜け出し……次の瞬間には急ブレーキを掛けながら強引に方向転換する。
戦車だったり、あるいはKMFでもドリフトとか言うんだろうか? 思わずそんな感想を抱いている中で180度……即ち真後ろを向いた集団は、一斉にその火力を撃ち放つ。
リニアガン・タンクの主砲であるリニア・ガンが連続して撃ち込まれ、更に両脇についている発射口から10発のミサイルを発射する。
確か本来ならあそこには4連スモーク・ディスチャージャーが2基装備されていた筈だが……恐らくこのマブラヴ世界向けに改良されたのか。
まぁ、煙幕を張ったとしてもBETA戦では寧ろ味方の動きを阻害するだけだし、それを考えればいい改造だったんだろう。
ガン・ルゥもリニアガン・タンク同様にその場で半回転する。
一応KMFであるのを思えば、リニアガン・タンクよりは楽に半回転出来たといえるだろう。
そして同時に放たれるマシンガンとキャノン砲。
本来であれば輸出されたり、あるいはイギリスで試験的にライセンス生産されているガン・ルゥはミサイルポッドを装備しているのだが、今は装備していない。
それは当然だろう。突撃級の間を縫うようにして通り抜けるのだから、余分な物はない方がいい。突撃級の装甲殻にぶつかれば、ガン・ルゥ程度の装甲だと呆気なく砕け散るだろうから。
それを考えれば、リニアガン・タンクで突撃級の隙間を抜けていった2台はやっぱり凄い。
いやまぁ、もしシャドウミラーに所属しても戦車の類はフュルギアくらいしかないんから、進軍速度を合わせるのは無理だけどな。
ああ、でもランドグリーズとランドグリーズ・レイブンがあるな。あれは基本的には戦車的な使い方をするし……ふむ、後でちょっと打診してみるか。
そう考えつつも、恐らく断られるだろうというのは半ば確信していた。
何しろ、この世界の住人はBETAに故国を滅ぼされ、あるいは滅ぼされ掛けているだけに愛国心が非常に強い。
勿論中には国なんぞ知った事か。とにかく自分が助かればいいと思っている奴もいるが、ぶっちゃけそんな奴等を仲間にしたくはない。
『アクセル、残念ながら救援はまだいらないそうよ』
「ま、あの状態なら当然そうだろうな」
映像モニタでは、背後からの攻撃で50匹を超える突撃級を撃破したリニアガン・タンクとガン・ルゥが背後から迫ってきた戦車級、要撃級から逃げ出しているのが見える。
『それよりアクセル、そろそろ第4段階よ』
「ん? ……なるほど」
マリューの言葉に、ハイヴの上空へと視線を向ける。
そこでは宇宙から真っ直ぐにハイヴへと……この近辺へと向かって落下してくる何かがあった。
戦術機が乗っている再突入殻だ。
本来であれば迎撃するためにレーザーが撃たれるのだが、改良されたAL弾頭は未だに重金属雲を発生させており、損傷を受けた再突入殻は殆ど見えない。
……まぁ、殆ど見えないって事は、当然少しは被害を受けているわけだが。
空中で爆発、四散する再突入殻を眺めつつ、思わず奥歯を噛み締める。
この世界の戦力はただでさえ少ない。その中でも再突入殻に乗って宇宙から降下してくる者達は、オービットダイバーズと呼ばれるエース揃いだ。
それだけの戦力がハイヴに突入するでもなく、ただ無意味に空中でその命を散らしていく。
その光景は、見ているだけで苛立ちを覚えさせられる。
だが……寧ろこの光景に喜んでいる者もいる。何を隠そう国連軍や欧州軍の参謀達だ。
勿論命を軽視しているという訳ではなく、単純に今までに何度か行われたハイヴ攻略作戦よりも被害が圧倒的に少ない為だ。
今まで使っていたAL弾頭は当然今回使った物程性能がいい訳ではなく、その分空中での撃墜率が高かった。それに比べれば、今回の被害は極小さいという認識なんだろう。
SEED世界やギアス世界、マクロス世界辺りの軍人がこの話を聞いたら色々な意味で頬が引き攣りそうな光景を眺めつつ……次の瞬間には再突入殻が次々に地上へと落下する。
戦術機が離脱した後の再突入殻自体が一種の質量兵器としてBETAの頭上へと降り注ぎ、ダメージを与えていく。
そうして地上へと到達した戦術機は、次々にゲートからハイヴの中へと突入する。
同時に地上で戦っていた戦力の中からも、BETAの数は十分に減らしたとしてハイヴに突入していく戦術機が出始めた。
リニアガン・タンクやガン・ルゥといった戦力が充実したおかげで、戦力区分が明確になりつつあるのがこうして見ていても分かる。
また、突入していく戦術機部隊にはメギロートや量産型Wのシャドウが共について行っているのも見て取れた。
この辺は最初からの予想通りの流れだな。
ただ……
「ハイヴ内のBETAの群れをどう対処するか、だな」
思わず呟く。
リヨンハイヴと同じフェイズ5のアンバールハイヴを攻略した時、ハイヴ内で無数に現れるBETAが非常に面倒な相手だった事を思い出す。
敵として考えれば、それ程強い訳でもない。寧ろ一斉射で戦車級の群れは纏まって消滅に近い感じで駆逐出来る。
だが、とにかくその数が問題だった。次から次に雲霞の如く現れる……いや、現れ続けるBETA。
正直、戦っている最中に微妙な感じがしてきたのだが……それだけのBETAを、欧州連合軍と国連軍の部隊がどう対処するのかは疑問だよな。
……そういえば、今回はソ連がちょっかいを出してこない。俺達がハイヴ攻略する時にはかなりの頻度でちょっかいを出し続けてきた割には、全く音沙汰がない。
どうなっているのか微妙に気になるが、もしかして俺達の時に幾度となくちょっかいを出そうとしては結局どうにも出来なくて、シャドウミラーが表に出てきている時点で諦めるようになったのか?
はたまた……ああ、なるほど。今回のハイヴ攻略が欧州軍中心でやったのを思えば、次はソ連軍中心でハイヴ攻略を出来るかもしれない訳だ。そうなれば、本来であれば国連軍に対して提出しなければいけないG元素の数が減っていたり、あるいはもっと酷くなれば紛失していたりとかは普通にしそうだ。そう思うのは、俺の疑いすぎだろうか?
ただ、これまでソ連軍が色々とやって来た事を思えば、要注意国家であるというのは間違いなく事実なんだよな。
今は既に無い中国や、大東亜連合に組み込まれて頭を押さえている韓国と違い、ソ連は表だって俺達に対しての明確な敵対行為はない。
それだけを考えれば友好的な国家であると認識してもいいんだが……色々ときな臭い噂が絶えないのがな。
それと一超能力者としては、霞のような超能力者に対する差別意識が癪に障る。
人工的な超能力者。それはスライムの吸収によって念動力を得た俺にも当て嵌まるのだから。
「ま、今そっちの事を考えても意味はないか。それよりハイヴだな」
小さく頭を横に振って、改めてリヨンハイヴ周辺へと視線を向ける。
戦術機の多くがハイヴ内へと向かった為、現在リヨンハイヴ周辺での主戦力はほぼ完全にリニアガン・タンクとガン・ルゥになっていた。
いや、勿論第1世代の戦術機とか、ハイヴ内の戦闘でEF-2000や他の第2世代戦術機の足を引っ張ってしまいそうな機体は地上に残ってBETAの数を削る作業を行っているのだが。
先程の突撃級の群れの中を突破したような一部の例外を除き、基本的にリニアガン・タンクもガン・ルゥも遠距離用の兵器だ。そうである以上、どうしても壁役というか、前衛というか、そういうのが必要になってくる。
勿論まともにぶつかれば被害が甚大になるだろうから、実際に壁として戦う事は少ないのだが。
それでもいざという時の為に備えてあるというのは、実際に戦っている者達にしてみれば心強い事この上なく、その安心感がより積極的な攻撃へと繋がる。
バスケットをやっていて、リバウンドを取れるセンターがゴール下にいれば安心してシュートを打てるようなものだろう。……何でバスケットの事を思いだした?
もしかして、そのうちバスケ漫画の世界に行くのを念動力が知らせたとかじゃないだろうな? そもそも俺が知ってるバスケ漫画といったらスラムダンクにあひるの空、ディアボーイズ、ハーレムビートくらいだぞ? いや、そもそも俺がバスケ漫画の世界に転移してどうしろと。空中を跳びながら……否、飛びながらダンクでも叩き込むのか?
『アクセル? ちょっとアクセル!』
そんな風に考えていると、不意にシロガネのマリューから通信が送られてきている事に気が付く。
「ああ、悪い。で、何だ?」
『緊急よ。ハイヴ内で大量のBETAが出現。突入した戦術機部隊がかなりの被害を受けているわ。欧州連合軍と国連軍から、シャドウミラー介入の要請よ』
「……ほう。予想外に早い決断だったな。了解した」
呟き、シャドウミラー用の通信回線へと切り替えて全機へと通信を送る。
「シャドウミラー全機、聞こえているな。欧州連合軍と国連軍からの要請があった。これよりシャドウミラーの介入を開始する。全機、この戦場にいる全ての者に、そしてこの戦争の映像を見ている全ての者に、何よりもマブラヴ世界の全ての者にシャドウミラーの力を改めて見せつけろ。嘲笑する虐殺者、ニーズヘッグの名の下に!」
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
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撃墜数:1167
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