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オズのベッツイ

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第一幕その六

「贅沢なものよりもね」
「心のこもったものね」
「おじさん達は質素だから」
 贅沢なものに価値を見ずにです、贈りものをしてくれる人の心を大事にする人達だというのです。流石はドロシーの育ての親でしょうか。
「だからね」
「そうなのね、それならね」
 ベッツイはドロシーの言葉を聞いてこう言いました。
「ちょっと考えてみるわね」
「何を贈るか」
「式まで日はあるし」
 時間的な余裕はあるのです、今のベッツイには。
「だからね」
「これからなのね」
「そう、一日かけて考えてみるわね」
「ベッツイの気持ちをね」
 ドロシーはそのベッツイにアドバイスしました。
「贈ってね。おじさん達に」
「わかったわ、そうするわね」
「ええ、それじゃあね」
「さて、何かよね」
 また言うベッツイでした。
「具体的には」
「おじさん達が喜んでくれてベッツイさんのお心がこもったもの、ですか」
 ナターシャもベッツイに言って来ました。
「さて、それは」
「何がいいかしらね」
「こうした時はですね」
 ふと閃いてです、ナターシャはこうベッツイに言いました。
「ベッツイさんといつも一緒にいてくれている」
「ハンクね」
「はい、ハンクも呼んで意見を聞いてはどうでしょうか」
「そうね、ハンクと相談したらね」
 それならとです、ベッツイもナターシャに応えて言います。
「どんな問題も解決するから」
「ベッツイさんの場合はそうですよね」
「ハンクは何でも相談に乗ってくれてね」
 そして、というのです。
「いい答えを出してくれるのね」
「ですから」
「わかったわ、それじゃあね」
 ベッツイはナターシャの提案に笑顔で答えてでした、そのうえで。
 すぐにハンクを呼びました、ハンクはお部屋に入ってベッツイから事情を聞いてです、こうベッツイに答えました。
「それならおじさん達の好きなものをあげればいいんだよ、ベッツイが持って来てね」
「おじさん達がなのね」
「そう、黄金の林檎のジャムにしたのはおじさん達が好きだからだよね」
「ええ、おじさん達が林檎もジャムも好きだからね」
「それならだよ」
「おじさん達が好きなものを」
「うん、あげよう」
 これがハンクの提案でした。
「そうしよう」
「わかったわ、それじゃあそうするわね」
 ベッツイはハンクのアドバイスに笑顔で頷きました、そしてです。
 ベッツイはドロシーにです、あらためて言いました。
「おじさん達の好きなものはね」
「もうベッツイも知ってるわよね」
「ええ、よくね」
 長いお付き合いです、だから知っています。
「知ってるわ」
「じゃあその中から選ぶのね」
「そうするわ、そうね」
 ここでベッツイは腕を組んで考えました、そしてなのでした。
 あらためてです、その場にいる皆に言いました。
「やっぱりね」
「ジャムにするの?」
「それも黄金の林檎のね」
 まさにそれにするというのです。 
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