英雄は誰がために立つ
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Life12 聖書の子らの新たなる道 -締結、駒王協定-
前書き
仕事が忙しい・・・・・・・・・ハァ。
文才が無い・・・・・・・・・ハァァァ。
キーワードに駄文と載せている方々がいるけれども、本当の駄文とはこう云うものだぁああああ!!
ちくしょうっ・・・。
所在地不明のある屋敷にて、ヴァ―リと美猴がボロボロ状態で帰還して来た。
それを近くで気づいた黒歌が寄って来た。
「ヴァ―リ!?美猴は如何でもいいとして、アンタがそこまでボロボロにされてるなんて・・・!」
「おい、黒歌!おれっちが如何でも「赤龍帝と遊んでこうなったのさ。まあ、半分以上は幻想殺しにだが、最後のも含めて」お、お前ら・・・!」
まるでその空間には2人しかいないような対応を取られて、ふて腐れる美猴。
「ップ――――幻想殺しって、どんな奴だったの?」
「銀髪に浅黒い肌の俺と同い年くらいの奴だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・?」
ヴァ―リの口から幻想殺しの特徴を伝えると、黒歌は固まった。
「黒歌?」
「如何したんだ?黒「え、いやいや、別ににゃんでも無いわよ?」お「何でもなさそうには見えないが、言いたくないなら無理して聞かないが」・・・チクショウ」
またしても言葉を被せられる美猴。
「しょ、しょれにしても―――――ぷっっっっっもう無理・・・にゃ、我慢できニャいぃぃぃぃ・・・っ!ニャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ――――」
ヴァ―リといじけている美猴に、交互に指をさしながら笑い続ける黒歌。
「何がおかしいん「ヴァ―リと・・・・・・・・・べ・・美猴も顔が焦げてるし頭がアフロヘアーになって面白いニャーー」お前、俺ッちの名前を一瞬だけ忘れやがったな!」
「ニャハハハハハ―――――!そんな事どうでもいいニャ!特にべ、美猴なんて、げほがほこほ・・・王冠じゃないけど頭がキング〇〇モンみたいににゃってるから、ちょ~~~~~う!うけるにゃぁあああ!!」
笑い続ける黒歌に、好きなだけ笑っていろとそっぽを向くヴァ―リと、怒鳴り声を上げながら抗議する美猴。
笑い続けているために目頭に涙が溜め続けている黒歌は、あることを考えていた。
(銀髪に浅黒い肌、それにヴァ―リと同い年位で駒王町周辺か・・・。でも単なる偶然にゃ、だって藤村士郎は一般人にゃんだから)
内心では複雑な心情でありながら、表面上は美猴を笑い続けていた。
-Interlude-
――――同時刻。
士郎はゼノヴィアと共に帰宅する為、帰途についていた。
詳しい話や和平への最終確認と条約締結は後日と言う事に成ったため、帰らせてもらう事に成ったからだ。
しかし士郎は三大勢力トップの面々に、それぞれ違う事情で尋ねたい事が有るようで、その場に招待された。尋ねたい事情と言うのも予想出来ていたため断りたかったが、そうもいかなかった。
因みに、サーゼクスは笑顔のまま終始黒かった。
閑話休題。
そんな2人は並びながら歩いていたが、ゼノヴィアは士郎に何か聞きたそうな目線を向ける。
「あのー、士郎さ「ゼノヴィア」あっ、はい!」
ゼノヴィアに顔を向けずに、口を開く士郎。彼女の心情を察したかのように優しく言いかける。
「聞きたい事は山ほどあるだろうが、それは明日にしてくれ。今日は色々と疲れたんでな」
ゼノヴィアの頭を優しく撫でる士郎。
彼女としては嬉しくもあり気し持ちいいのだが、女として思われて居なのかと考えたくなる事だった。
それに、ゼノヴィアが聞きたい事は士郎の強さの秘密――――では無く、あの時目の前で堂々とカミングアウトした返事の部分である。
(明日って事は皆やミカエル様もいらっしゃる前で聞けと言うのか?まさかこれは・・・!桐生の言っていた恥〇プ〇イと言う奴か!?士郎さんは私の事を早速自分色に染め上げようと言うのか!)
思わず妄想して、鼻血を吹き出しそうになるゼノヴィアだったが、鼻を押さえてギリギリで踏みとどまる。
そのゼノヴィアの行為に不思議がった士郎は、何を勘違いしたのか可笑しなことを言ってのける。
「大丈夫か、ゼノヴィア?もしかして今更になって戦闘の恐怖に身震いしているとかか?」
「はい?・・・・・・・・・いえ、別にそう言う事では・・・」
「遠慮する必要はないぞ。何なら今日は一緒に寝るか?」
「!?!?!?!?」
思わぬ事態と士郎の言葉に、色んな意味で混乱するゼノヴィア。
(一緒に寝るかだと!?これはまさか!一気に勝ち組決定!?つまり私は帰った後即士郎さんに・・・)
ぶはっ!!
今度は踏み止り切れずに鼻血を吹き出すゼノヴイア。
「ちょっ!大丈夫かゼノヴィア?まさか、鼻に被弾か何かしていたのか!?」
「ら、らいじょうふれふ。それほるも・・・・・・帰ったらその、不束者ですがお願いします!!」
「?あ、ああ」
(添い寝するだけでそんなに勢い付けられてもなぁ)
お互いの考えが不一致になったまま、帰ろうとする2人に少々距離がある地点の物陰から複数の人影が有った。
風貌は、バルパー・ガリレイを掻っ攫ったアサシンにどちらも似ているが、背丈や体つきが微妙に違っていた。
「アレがマスター経由での、キャスター所望の人物か」
「戦闘を見る限り相当な手練れだが、我らの『気配遮断』で一気に懐に潜り込み、片割れを人質にでもすれば如何とでもなる。あの者は、我が身を省みず小娘を守ったのだからな。十分イケるであろう」
そうして話し合い、行動に移そうとしたその時だった。
ヒュン!
「がっ!?」
バタッ。
「な、何!?」
突如として相方が倒れた事に驚愕するアサシン。
よく見れば、倒れたアサシンの後頭部に矢が刺さって死んでいた。
「矢・・・狙撃だと!?一体何所かがっ!?」
言い終えることなく、頭と短剣を握っていた腕の両方を鷲掴みされるアサシン。
「その様な事どうでもいいでしょうに。今貴方が優先するべき事は、私からどうやって逃れるかでしょう?まあ、逃がす気など有りませんが・・・」
拘束されたアサシンは困惑以上に焦っていた。この状況からの脱出などそう出来るモノでは無い。
そこで、策をめぐらす為に口を開く。
「な、何故我らに気付けた?何所の誰だか知らぬが、「『気配遮断』を使っていたはず・・・ですか?」・・・!?」
自分の言おうとした台詞に驚愕するアサシン。
思考を読み取られるのはいい――――いや、良くはないが、珍しい事では無い。
それは兎も角、自分を今も直拘束している人物は『気配遮断』と言った。つまり後方の人物は、自分が如何いう存在かと認識していると言う事に他ならない。
「き、貴様は!?」
「答える気はありませんが、先の疑問だけでしたら答えは簡単ですよ。私も先の戦闘を途中から見ていましてね。私も士郎の友人として援護に入ろうかとも考えたのですが、そこにその戦いを監視していた貴方達を見つけたので、貴方方2人の監視に努めていたんです。『気配遮断』と言うスキルは、監視カメラや視認されていまえば意味を為さないでしょう?これが答えです」
「・・・・・・・・・っ!」
自分たちの失策に気付かされると共に、最早これまでと一瞬で思考して自決を図ろうと舌を噛もうとするも、出来なかった。
「!?」
「暗殺者としては優秀の様ですが、油断も多いようですね。何故、自決出来ないかと言う疑問でしたら、私が魔術を掛けたからに他なりません。貴方には聞きたい事が有りますので」
「・・・・・・・・・尋問しようと言うのか!?だが無駄だ!私がそう簡単に口を割るとでも・・・」
「言われずとも判っていますよ。そしてご心配には及びません。私があなたに言う言葉は『否定しなさい』と言うだけです。それだけであなたが嘘を付いているかどうか、分かりますから」
その事実に驚愕すると共に、最早何も言えなくなったアサシン。
そうしてアサシンは、謎の人物に引きずられながら闇夜の何処かに連れていかれた。
因みに、ゼノヴィアは棚から牡丹餅的なイベントに対する興奮と戦闘による疲れとダメージから寝落ちしてしまい、起床から数十秒後に頭を振り乍ら激しく自責した。
-Interlude-
「――――と言うわけで、私は最大のチャンスを自分から粉砕してしまったんだ」
次の日の夕方、ゼノヴィアを含めたリアス及びグレモリー眷属とソーナ及びシトリー眷族らは、オカルト研究部室にて集まっていた。
因みに、ソーナと椿姫だけは事前に知らされていた事実に、様々な反応を見せていた。
「そ、それは・・・残念で、したね?ゼノヴィア・・・さん」
ゼノヴィアの口を真横で聞いていたアーシアは、赤面しながらも慰めていた。
「でもね?そんな状況だけじゃ、士郎に軽くあしらわれるわよ?」
「そんな事は関係ない!服を瞬時に脱ぎ捨てて、胸を無理矢理〇ませれば既成事実達成だと桐生が言っていたんだ!」
先程からのゼノヴィアからの際どい言葉に、男4人は居心地の悪さを感じていたがその内の1人である一誠は、『胸』と言うキーワードに露骨に反応していた。
「それに昨夜は会談の影響で町全体が眠っていた事もあって、色んな意味で最大のチャンスだったんだ!それを・・・それを私と言う奴は自身で壊してしまったんだ。これが後悔しないで、なんとする!」
ゼノヴィアのあまりの力説ぶりに、楽しそうにほほ笑む者や若干引く者などと様々だった。
しかし、そんなシチュを聞いて内心では羨んでいた者が2人だけいた。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
((な、なんて、羨ま――――けしからん!))
案の定、ソーナと椿姫だった。
流石に男女の関係になるには勇気がいるモノの、添い寝してもらえる事実に羨んでいた。内心を悟らせぬ様に、表面上は何時もと変わりないクールさで対応している様だが。
「ハハハハ!種族関係なく、若い奴らは血気盛んだな!」
『!?』
どこからともなく聞こえてきた声に皆がきょろきょろあたりを見回していると、特別に用意された3つの魔法陣の1つから隻腕状態のアザゼルと、付き添いの屈強な堕天使1人が出て来た。
「ん~~~♪相変わらず士郎はジゴロっているなぁああ!」
『!?』
続くように、2つ目の魔法陣からサーゼクスとグレイフィアが出て来た。
「若いからこそ、ヒトには可能性が満ち満ちているんですよアザゼル」
『!!』
そして最後の魔法陣からは、ミカエルと付き添いの天使が来ていた。
「速かったなぁ?ミカエル」
「ですから、すぐに戻ると伝えていたでしょう?」
不敵な笑みでミカエルの機先を制すアザゼル。
そんな2人の間に、紅茶の入ったティーカップをトレイに乗せて割って入ってくる。士郎が。
「総督殿、並びにミカエル様、粗茶です」
「おっ!サンキュ」
「頂きますね」
そうして、お付きの天使堕天使にも配り終えてからサーゼクスとグレイフィアにも渡す。
「サーゼクス閣下、お付きにグレイフィア殿も、ドウゾ」
「うん、有り難う」
「頂きます」
そして最後に、リアス達にも配る。
「冷めないうちに召し上がれ」
「あら?アリガト、士郎・・・・・・・・・・・・じゃなくて!如何して貴方が此処に!?それ以前に何時から居たの!?」
リアスが驚いてから初めて今、オカルト研究部も生徒会も気づいた。
それ以外はなんで驚いてんだ?と言う顔でリアス達を見る。
「何時からと言うなら最初からだが?」
気付かなかったのか?とでも訴えかけたそうな顔で、リアスを見つめる士郎。
そんな2人の間に割って入るゼノヴィア。
「で、でしたら士郎さん!さっきの私の話聞いてましたよね!!」
恐る恐ると言った態度ではあるが、言葉には確かな力強さが宿っていた。
「あー・・・・・・さっきゼノヴィアの大声が聞こえたやつかな?あれだったら悪いが聞いてないな。イリヤ姉から電話来てたからさ・・・・・・って、如何した?」
士郎の言葉にゼノヴィアは、顔を真っ赤にしながらプルプル震えていた。
「士郎さんなんて・・・・・・士郎さんなんて、好きだけど大嫌いだーーーー!アーシアァアアアア!!」
うわーーーん!と言う鳴き声が聞こえそうな感じで、アーシアに泣きつくゼノヴィア。
当の泣きつかれたアーシアは、ゼノヴィアのリアクションを持て余し気味だった。
「一体何だって言うんだ・・・・・・って、如何した!?」
見れば、オカルト研究部及び生徒会の女子生徒達のほとんどが士郎をジト目で見ていた。
『・・・・・・・・・・・・・・・ハァ』
何も言わずに溜息をつかれた士郎は、居心地の悪さを否でも感じ取ってしまう。
そんな士郎に眼もくれずに、ミカエルに顔を向けるゼノヴィア。
「あぁ、ミカエル様!主は本当に御在らせられないのですか?」
「ええ、残念ながら。――――ですが、神が不在であろうとなかろうと彼の反応には、対して影響ないと思いますよ?元・戦士ゼノヴィア」
ミカエルの言葉にまたアーシアに跳びかかるゼノヴィア。相変わらず、うわーーん!という鳴き声が聞こえる。
「一体何なんだ?俺は何もしてないぞ!」
「何もしないことが問題なのよ、士郎・・・」
どこまでも怪訝な顔で理解しきれない士郎に、忠言と共に溜息をつくリアス。
そこで一向に話が進まないので、アザゼルがズイッと出て来る。
「青春もそこまでにして、そろそろ始めるから静かにしてろぉー」
こんな気の抜けた言葉で、昨夜の続きがスタートされた。
-Interlude-
それから話し合いは進められていった。
とは言っても、話の大本は昨夜の時点で済んでいるので、今後の対応などだ。
そして――――。
「――――これにて我らは、正式に和平を締結したことになるな」
「ええ、今後ともよろしくお願いしますね。サーゼクス・・・・・・後、アザゼルも」
「俺は次いでか。まぁ、いいけどよ。――――そう言えば、例の件片が付いたぜ。先生から報告が来てたよ」
アザゼルの言葉に心当たりが有るようで、サーゼクスとミカエルの両方とも反応する。
その反応に呼応して、アザゼルが2人の資料を渡す。
「ザウス・デミトレへの聴取で、確定じゃねぇが先生の考察では“白”だとよ」
「そうですか、導師ルオリアには感謝しなければなりませんね」
「ほとんど確認取りに等しいかったけどね」
アザゼルから渡された報告書に目を通す二人。
そんな2人を見ていたアザゼルは、ふとリアス達に視線を向ける。
「その顔・・・・・・お前らはザウス・デミトレのこと知らねえのか?」
『え?ハイ』
アザゼルの問いにリアス達の中から数名がハモって返事をしたが、知らないでいたのは全員だった。
その中の1人であるゼノヴィアはあることに気付く。
(あれ?士郎さんは?)
辺りを見回しても、矢張り何所にも居ない。
そんなゼノヴィアを置いて話は進む。
「説明してねぇのか?」
「今までは、話す必要が無かったからね」
「そうだろうが、今後のためにも説明しといた方がいいんじゃねぇのか?」
アザゼルの提案に苦虫を潰したような顔をするサーゼクス。
「確かに今後の事を考えれば必要だが、今この場でする事では「構いませんよ?私は・・・」ミカエル!?」
「昨夜の件で彼らは十分な働きをしてくれました!でしたらその程度の説明位の時間を割く程度、何でもないのではないですか?」
「こっちも構わねぇぞ?それにお前さん、魔王の立場で激務なんだろ?そう言った時間一つ取るのも大変だろうから今回の事を利用しちまえばいいじゃねぇか?そうは思わねぇか?保護色みたいに少しづつ気配消しながら、この部屋から退散しようとしている幻想殺し――――藤村士郎さんよぉ?」
アザゼルのセリフに全員がこの部屋のドアの前へ視線を集中させると、確かに士郎がいた。気まずそうに。
「・・・・・・・・・・・・」
「何、逃げだそうとしてんだよ?」
追及するアザゼル。
「いえ・・・・・・出席はしたので、そろそろ帰ろうかと」
「オイオイ、まだ話は終わってねぇぞ?」
「私はザウス・デミトレ氏の事については知り得ているので、構いませ「昨夜の件で聞きたい事が有るって言っただろう?」覚えてましたか・・・」
アザゼルの不敵な笑みに対して、溜息をつくことで嫌悪感を露骨に表現する。
「嫌そうだなぁ?」
「それは、まぁ・・・・・・手の内明かすも同然ですし」
「さて、とっとと説明しよう!それから士郎には約束していた質問タイムだ♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・ハァ」
アザゼルと士郎メインの会話になっていたにも拘らず、先程とは打って変わっていい表情をしているサーゼクスが、語尾を強調しながら説明しだす。まるで水を得た魚の様に。やや、黒いくなって。
そんなサーゼクスに制止するのはグレイフィアだった。
「サーゼクス様、此処は従者たる私にお任せ下さい」
「あ、ああ、それじゃあ任せるよ」
グレイフィアの姿に何故か気圧されるサーゼクス。
「それではサーゼクス様に代わり、説明させていただきます。――――ザウス・デミトレ氏。魔術協会の君主の称号を与えられた4人の中の1人です。ですが『異形嫌い』と渾名される程、我々人外の存在を露骨なまでに毛嫌いしている方です。そう言った理由もあり、魔術協会の理事長とも犬猿の仲としての周知の事実としてあります。そして今回聴取した理由は、渾名からの思想ゆえの事でした」
「な、なるほど!」
グレイフィアの説明に椿姫が相槌を打つ。
「で、さっきも言ったが、結果は白だったわけさ。その上、先生の報告を経由して俺達に皮肉ってきやがった様なんだよ。『私でしたら、あんな穴だらけで不確定要素満載な稚拙な計画は立てませんよ?やるのでしたら完膚なきまでに徹底的にします!』だとさ」
「噂通りですね」
呆れ顔で説明するアザゼルに、嘆息するように感想を呟くミカエル。
「しかも、その場にはメフィストの奴も同席していてな。先生がいなかったら何時もの様に、おっぱじめる処だったらしい」
アザゼルの言葉に、首脳陣はヤレヤレと言った感じだ。
そこでリアスが手を上げる。
「この様な事を言っては何ですが、厳罰などは出来ないのですか?」
「本来なら出来る。本人自身が魔術協会などの地位に固執してたりする場合には、言い方は悪いがそれを脅しにすれば厳罰なんかも出来るんだが、本人は寧ろ辞めたがっているんだよ。それに、あいつの研究者としての成果の技術や魔術協会内部の教育施設での1、2を争うほどの人気講師ぶりのせいで辞めさせられないんだよ。あいつを心酔する生徒とかも居たりして、中には親が魔術協会に対してかなりの影響力を持っている生徒なんかも居るんだが、そう言う餓鬼に限ってあいつの徒弟なんだよ」
アザゼルの長い説明の後に、何とも言えない様な気怠さを感じるリアス達。
「さて、この話もこの辺で良いだろ?そ・れ・じゃ♡楽しい質問タイムといこうか!」
アザゼルの不気味な笑みを受けた士郎は、憂鬱な表情を隠そうともせずに露わにする。
「そう嫌そうにすんなよ!取って食ったりなんかしねぇよ」
「しろ「勿論ですよ。私は衆道の趣味は無いんですから」
ゼノヴィアが反応して叫ぼうとした瞬間に、士郎に言葉を完全に被せられる。
「そう言う意味じゃねぇよ!」
「無論、解っていますよ。要は、言いたくないんです・・・・・・・・・が、全てでは無いですがお答えしましょう」
アザゼルの受け答えに皮肉る士郎。
その反応に頭を掻いて困る仕草を見せるアザゼルは、サーゼクスとミカエルを見やってから質問する。
「お前さんの魔術・・・ありゃあ何だ?」
「投影魔術ですよ」
「投影?・・・・・・・・・アレが投影魔術だと!?出鱈目抜かすんじゃねぇぞ!」
調印のために用意されたテーブルを容赦なくたたくアザゼル。それ故に、テーブルの足に罅が入る。
そして、知識としてそれなりに知っている他の主要人も眼を剥くが、リアス達は相変わらず頭上にクエスチョンマークを浮かべるだけだった。
そんな彼女たちを見かねたグレイフィアが、再び説明役をする。
「投影魔術。グラデーション・エアとも言う人間側オリジナルの魔術です。概要としましては、術者の創造理念を魔力によってオリジナルの鏡像――――つまり複製を一から十まで全て賄い、物資化させて再現させる特殊で上位の魔術です」
「その様な高位の魔術を士郎君が使えるなんて・・・」
「す、すごいわね・・・!」
眷族たちの主であるリアスとソーナを始めとする半分以上の眷族たちは、主と同じくして驚嘆と称賛を感じていた。一誠や元士郎などはちんぷんかんぷんと言った感じだったが。
因みに何故かゼノヴィアは、自分の事のように誇らしげだった。
「話はまだ終わっていません。先ほども説明させて頂いた様に、この魔術は基本的に術者の創造理念左右されますが、人のイメージなぞ所詮は穴だらけです。お嬢様、自身の携帯機器を完璧にイメージできますか?」
「それ位なら出来るわよ」
「それでしたら中身は?一つ一つの部品から、構成材質まで全て」
「う゛、無理だわ」
グレイフィアの問いに素直に答えるリアス。
「つまりこの魔術は再現出来たとしても、世界からの修正力と魔力の気化により以て数分が限度ですし、強度も脆弱で普通のナイフやカッターなどを再現させても紙のような極薄のモノであればなんとか切れますが、肉や厚紙では切る事も出来ずに壊れて霧散するのが関の山でしょう」
「けれど士郎にはそんな常識が当てはまらないって事?」
「はい、藤村士郎殿には大変失礼かもしれませんが、正直信じられない気持ちです」
説明を終えたグレイフィアは、士郎を訝しげな眼で見る。
「冗談と思いたいのでしたらそれで構いませんよ?正直、手の内を明かしてメリットなど有りませんので」
アザゼルやグレイフィアなどの視線にも臆さずに、淡々と答える士郎。
「っ!」
「・・・・・・・・・」
「だが、嘘や冗談では無いのだろう?」
アザゼルとグレイフィアの反応をスルーして、敢えて聞きだすサーゼクス。
「・・・・・・ええ、まあ。何でしたら実演して見せましょうか?」
「実演?」
「はい。――――いきなりで悪いが祐斗、神器で何でもいいから剣を一本作ってくれないか?」
「え?あっ、はい・・・」
士郎からの突然の提案に虚を突かれるも、頼みを聞く事にした祐斗は光喰いを形成させる。
それを見た士郎は即座に解析してから丘に突き刺す。そして、衆目のなかで再現する。
「投影開始」
士郎の力の大本であり、切り札の一つでもある『固有結界』無限の剣製上での投影の理屈は六拍で、以下の順に分けられている。
一、創造理念。
二、基本骨子。
三、構成材質。
四、制作技術。
五、成長経験。
六、蓄積年月。
それらを慣れたもので、士郎は一瞬で行っていき、光喰いを手元に再現させた。
最初から皆の視線が士郎の手元に集まっていた事もあって、祐斗と同じものを再現した直後に全員大小あれど驚いていたが、一番驚いていたのは祐斗だった。
「なっ!?ほ、本当に光喰い!しかも触れないでなんて!?」
「持って確かめてみるか?」
「あっ、はい!」
士郎に言われるがまま複製品を左手に持ち、手触りやオリジナルと見比べて比較していた。
「ど、如何なの?祐斗」
「・・・・・・・・・はい。全く寸分違わず同じです!怖い位に・・・」
「それで士郎、これはどれ位以たせられるんだい?」
リアス達が驚いていながらも、それを理解した上で先に促すサーゼクス。
「一時間が限度で「士郎」はい?」
再現させられる時間について嘘を付こうとした士郎に、サーゼクスが言葉に割り込みを掛ける。
「正直に話してほしい。何かあった場合、僕が君の保障については全力を尽くすから」
「・・・・・・・・・・・・」
(全力を尽くすから・・・か。絶対と言わない処が、魔王サーゼクス・ルシファーとしての責任上でのギリギリの線際と言った感じだな。だからこそ全部話すワケにはいかないんだが、こちらにも保険があるし、此処は仕方がないか・・・)
サーゼクスの真剣な眼差しに、一応ポーズとして答える事にした士郎。
「全てではありませんが、私が投影できる9割強の贋作物は耐久値を超える負荷による場合か私自身で壊さない限り、半永久的にそのままですよ」
「何と言う・・・・・・!」
「正直信じがたい事ですが、疑問が残ります。投影魔術の基礎は判りますが、藤村士郎君は昨夜の様な高い威力の武器をどの様にして、実用に耐えうるものを作り上げているのですか?」
ミカエルの疑問も尤もだった。
「・・・・・・話を逸らす訳ではありませんが、魔術の属性が基本的に5つである事はご存知ですよね?それらをさらに組み合わせる事で複合型の属性も出来ますが、どれだけ掛け合わせても実現不能な規格外的な属性と言うのもあるんです。そして、私はその規格外の属性の一つ『剣』であると言う事です」
「ですから、『剣』――――つまり武器に類する投影物も再現可能と言う事ですか?」
はい――――と、告げる士郎。
「成程、後もう一つ。昨夜の戦闘時に見せた絶世の名剣は『原典』の様に見えたのですが、投影で再現したと言う事は何処かで見た事が有ると言う事ですか?」
「はい、その通りですミカエル様。詳しい内容は伏せさせて頂きますが、魔術協会でも認知していない非公式の魔術の大儀式中にて、とある敵との遭遇時に相手が持っていたモノを解析しておいたんです。因みにその敵は処理して置いてありますのでご安心を」
様々な事実には流石に驚きだけでは無く、戦慄を感じざる負えない一同。
「これだけの力を持つ人間を、どの勢力にもおかずに野放しにするのは少々問題が「いえ、完全に看過できない問題と思えます。アザゼル様」何?」
頭を掻いて、今後について如何しようかと言う言葉を吐いていると、付添いであった部下が前に出る。
「私も、そこの堕天使殿に同意しますミカエル様。何かしらの制限を設ける・・・或いは封印を施すべきです!」
『!?』
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ミカエルの付添いも先の堕天使に同意すると言う急展開な事態に、リアス達は困惑を浮かべており、首脳陣メンバー頭を痛めていそうな表情を浮かべている。
「そちらがどのように対応するかは結局の所そちらの勝手でしょうが、私は抵抗しますよ?」
「アザゼル様の御前で何という口の利き方を・・・!最早我慢ならん、此処で拘束する!!」
「お、おい!?」
事態が急展開過ぎて、上司であるアザゼルすらついて往けずに制止が間に合わなかった。
しかし当の士郎は何かしらの用意があるのか、姿勢を構えず誰かに告げる様に、ある言葉だけを発する。
「殺すなよ?」
「何を言って「まあ、借りが膨れ上がっとるからの・・・・・・善処はするわい」っ!???」
バダンッ。
この場の誰でもなく何所からか発せられた声の後に、士郎を拘束しようとした堕天使は呻き声一つも出せずに倒れる。
『!??』
「な!?」
この事態に士郎以外の一同も、上司であるアザゼルも驚いた。
何と堕天使が、士郎が何の動作もする事も無く倒れたのだから。
「呵々、そう驚く出ない。気絶させただけで殺しちゃおらんわい!士郎にはかなりに借りが有るのでな。こやつの慈悲に精々感謝するとよいぞ?」
また何所からともなく声が聞こえる。喋り方が少々老人くさいが。
「誰だ?何所に居る!?」
先程の堕天使に同意した天使がひどく狼狽する。
しかし、見えざる人物は天使の狼狽ぶりに嘆息する。
「儂の姿が見えんと言うのなら、士郎を拘束すると言う案はやめておいた方がよいぞ?それにお前さんの飼い主がこれ以上手荒な真似をするなと視線を送って居るぞい!」
「え?あっ!」
見えない人物の言う通り、ミカエルに視線を送ると冷たい視線が自分に突き刺さっていた事に気付く天使。
「控えなさい。この場に来たのは荒事を起こす為ではありませんよ」
「・・・・・・・・・し、失礼しました!」
「私にでは無く、藤村士郎君に謝罪しなさい」
ミカエルの言葉に速攻で頭を下げる天使。
「私からも謝らせて頂きます。すみません士郎君」
「正直・・・そうですね。謝って頂けるなら、此方もこれ以上は無かった事にしますよ。それと、ミカエル様直々に頭を下げさせてしまい、申し訳ありませんでした」
士郎の謙虚な態度に「いえ」と言う言葉で変えるミカエル。
「で?さっきから見えないお前さんの知り合いは何所の誰なんだ?」
「呵々、儂の情報を士郎から引っ張り出そうとは、部下がこんな醜態をさらしたと言うのに中々豪胆じゃわいの!しかし、儂を視認どころか感知できぬのならいないも同然に扱う事じゃのう?神の子を見張る者の総督よ。何、儂がこうして此処に居るのは士郎がこの事態を事前に予測して、護衛を頼まれただけじゃわい」
質問の答えと同時に事実を突き付けられたアザゼルは、黙るしかなくなった。
「つまり、あなたにつきましては無視しろと言う事ですか?」
ミカエルの問いに答えず、口を噤む事で肯定の意を表す、士郎の強力な知り合い。
「サーゼクス閣下。私はこの様な状況を見越した上で、閣下とは親密な関係を敢えて作らずにいたのですよ?」
士郎はこの状況を利用して、サーゼクスとの私的な話の答えで逃れようと画策した。
当のサーゼクスは士郎に、今日一番の真剣な眼差しを向ける。まるで探る様に。
「どうやら、ご理解して頂けたよ「嘘だね」!?」
サーゼクスが無言だったこともあり、安心しきり話を纏めようとしたところで、カウンターを放たれる士郎。
「な、何を根拠に!」
「この数年、どれだけ君と顔を合わせたと――――話したと思ってるんだい?君が嘘を付いている事位判るさ」
顔は全体的に笑っているが目だけは笑っていなかった。理由は言うまでもないだろう。
「くはは!図星を言い当てられて、ポーカーフェイスが崩れ取るぞ?士郎よ」
「李!」
また何所からともなく声が聞こえ来たが、今度は士郎を標的にしたからかいの声だ。
そして士郎はある一点を見つめて、声を荒げる。如何やら見えざる人物はそこに居るようだ。
そんな2人をよそに、サーゼクスは本気の溜息をつく。
「如何いう事かな?士郎。如何して君は僕の事を差別するんだい?」
「・・・・・・話の論点が、かなりずれているんですが?」
「あれ?この話を最初に反らしたのは士郎じゃないか!」
「・・・・・・・・・・・・」
サーゼクスの追い立てに、苦虫を潰したような表情をする士郎。そしてサーゼクスは笑っている。 少々黒いが。
「まぁ、いいだろう。話はこの会談後にゆっくりとね♪」
「・・・・・・そ、それで話を戻しますが、私は如何したらいいんでしょうか?無論、拘束される気もありませんし、強行すると言うのなら此方もそれ相応の切り札の一つを切る事に成るんですが」
何とも緊張感が薄れた空気の中、士郎は話を戻した。
問いを投げかけられたミカエルと特にアザゼルは、肩透かしを食らった感じだった。
「んーーー、そうだなぁ。部下の早まった行動には当然俺の責任が付いて来るし、相応の謝罪を形で示すしかない様だな。今後ともよろしく頼みたいともいえる形で」
「それは、私の存在を許容すると言う事ですか?」
「当然ですよ、藤村士郎君。確かに君の魔術は人間が持つには危険すぎますが、その魔術は君だけしかまともに使えない上に、貴方自身の人格も良人だと判断できますから」
ミカエルは士郎の性格を良人格と称した。
だが士郎は心中でそれを否定した。
何故なら、今あるこの身は嘗ての夢を追う存在では無く、家族や親しい友人達を最優先にする魔術使いになったのだから。
客観的に言わせれば、我が身を余り顧みない処は変化が無いようにも思えるが。
「ですがこのままでは、藤村士郎殿の身の安全を保障する証としては不足かと」
「って事は、俺達の三大陣営の中の人員をコイツの処に住まわせる・・・・・・つまり人質を差し出すしかないって所か」
士郎としては身の安全を保障されるのは嬉しいが、此方側の者を家に住まわせるのか――――と、憂鬱になった。
「――――言っておきますが、そこで倒れている堕天使殿とミカエル様の付添いとして来られた天使殿はお断りしますよ!日常生活が崩れかねない。それと堕天使陣営からはお断りします!総督殿は部下の教育が甘いようでいらっしゃるようですか、そうなれば安心できませんので」
「言われんでもわかってるよ、お前さんの眼を見れば嫌でも・・・。って事でこちら側からは、何かしらの便宜を図らせてもらうする」
士郎の皮肉の籠った言葉に、アザゼルは顔を曇らせながら自分たち側の方針を伝えた。
一誠の悪魔への転生の一件やコカビエルの事もあり、余計に強く出られなかったのだ。
「――――でしたら、人質については我らの方から出すしかないようですね?サーゼクス」
「ふむ、誰にするかが考え処「ルシファー様!」ん?」
そこで祐斗が声を上げた。
それからギャスパーと頷き合ってから言う。
「その人質役、僕らでどうでしょうか?」
「へ?」
「ゆ、祐斗!?ギャスパー!??」
自分の可愛い眷族である祐斗とギャスパーは、自ら人質役になると発言した事にリアスは驚きを隠せなかった。
そんな2人の内、発言した祐斗に向かい真面目な顔で聞くサーゼクス。
「理由は?」
「藤村先輩は、平穏な日常を壊されることを嫌うと思うんです。ですが、形式上とは言え矢張り人質役が必要・・・。でしたら、日常をできるだけ壊さない様に生活リズムがほぼ同じの者が適任なのではないだろうかと思いまして」
祐斗の語る理由は理に適っていた。しかし――――。
「建前はいいとして、本音は?」
敢えて本心を聞き出そうとする士郎。
そんな士郎に臆さずに答える祐斗。
「藤村先輩は悪魔に転生しているワケでもないにも拘わらず、その魔術を抜きにしてもトンデモナイほどの実力者だと思います。ですから、その強さの秘密に興味が有るんです!」
「ぼ、僕は、対人恐怖症を直したかったところだったので、丁度いいかと思ったんですぅぅぅ!」
祐斗に続いてしっかりと自分の理由を口にしたギャスパー。
「――――と言う事らしいけど、それでいいかい?士郎」
「流石に即答は出来ないんですが、その方向で検討させて頂きましょう。だがな、俺はそんなに強くないぞ?」
「現白龍皇を雑魚扱いできる魔術師が、弱いワケねぇだろうが!」
士郎の謙遜な態度にすかさずツッコみを入れるアザゼル。
しかし、士郎の主観から言えば謙遜などでは無い。
それ以前に自分が何故ここまでの実力を持ち得ているのか、我ながらよく解っていないのが現状だった。
「それに、俺はそこに居る李よりも無手なぞ比べる事すら烏滸がましいほど弱い・・・・・・って、いつの間にかいなくなってる!?様子見計らって逃げやがったな、アイツ・・・・・・!」
先程までに居たであろう地点は勿論、この部屋の中の何所へも存在を感じられなくなっていた。
事実、本人は駒王学園外にいた。
「雰囲気的には、儂がおらんでも大丈夫だろう」
――――と、こんな事を無責任に呟く始末だった。
「天界側も藤村士郎君に対して、何かしらの便宜などを図れるよう検討してみます」
「図々しくてすみません、ミカエル様」
「いいのですよ、彼女に関してもこちらの落ち度ですから」
彼女と言う言葉に反応してか、後ろの天使がミカエルにか士郎にかまでは判別できないが、全速力で何度も頭を下げていた。
「取りあえずこんな所か?」
「和平会談の締めの言葉が其れですか?アザゼル」
「構わねえだろ別に。そんじゃ俺達は先に上がらせてもらうぜ?」
飄々とした態度のまま、気絶した部下を引きずりながら魔法陣へと向かって行くアザゼルだったが、一度此方へ振り向く。
「言うのを忘れる処だったが、一週間後くらいから当分の間この辺りで厄介になるから、宜しくな若造ども」
――――と、悪い冗談のような言葉を残して去っていくアザゼル。
それに続き、天使陣営も丁寧なあいさつの元、去って行った。
「よぉおーし!今度こそ士郎には納得のいく説明を聞かせてもらおうかな♪」
他の首脳陣を見送ったサーゼクスは、笑顔のまま士郎に近づく。
そして士郎は若干引き気味だった。
「――――すいません!」
しかしそこで、またも待ったの声がかかった。
その人物とは果たして――――。
後書き
やっと第一章が終わりましたです!
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