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俺が愛した幻想郷

作者:茅島裕
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俺は愛せる? 幻想郷...
式神の力ってすげぇ...
  第十五話 綺麗な物には棘がある

 
前書き
どもども
書きたいのに。すっごく書きたいのに。他の物に目が眩んで後で書けば良いやと早一週間のうp主妹紅です
今回はね、学校のテストが終わって余った時間(五十分の中の三十分くらい)を使って書きました
問題用紙の空白部分に書いて、家に帰ってそれを移すと言う作業です
待ち時間を利用すると言うこの頭の良い私を、だれか褒めてくれるだろうか...(テストの話は無しな)

では
本編どぞ 

 
朝だ
朝なのだ
朝なんだよ

まだ寝足りないのか、重くて開き辛い目蓋を開く。もちろんのこと、暗闇から解放された視界は光を見てこう驚くだろう。眩しい...と
だがしかし、眩しくないのだ。明るくないわけではない、光が無いわけでもない
不思議に思いながらも身体を起こそうとする...が、起こせない

「お早う御座います琥珀さん」

いつの間にやら身体の上に乗っていた橙が俺にそう言った
おはよう。俺もそう返したいのに、声が出ない。よく考えてみれば橙が乗っていると言うのに重みを感じない

「今日の朝ごはんは琥珀さんなんですよね?」

朝ごはん... 昨日の夜に言っていたことか? まだ根に持って居たのか?

「そう言うわけでぇ〜」

おい。バカ。まさか...

「いただきまぁ〜すっ♪」

やめろ。やめろ... やめろぉぉぉぉぉ!!!





「っ!?.....ハァ......ハァ........。夢...か...?」

眩しい、声も出る、布団の重みも感じる。帰ってきた。悪夢から帰ってきた
橙に本気で謝っておこう...

身体を起こし、布団から出る。拍子に掛け布団を勢い良く捲った。知ってのこと、橙が寝ている。
寒くて震えている橙を尻目に昨日持ってきた(テレポートさせた)服に着替え、脱いだ服をたたむ
ふにゃ〜 とあくびをしながら上半身を起こして目を擦る橙

「酷いですよぉ〜」

腕を上に上げて伸びながらそう言う橙。布団を捲ったことに対して言っているのだろう

「俺は橙にもっと酷いことされた(夢見た)」

橙は頭に大きなハテナを浮かべ、なんのことを言っているのだろう... と考えているらしい

「あ。足を引っ掻いたことですか? ....ごめんなさい。でもあれは....」

「違う。足を引っ掻かれるより酷いこと」

「もしかして蹴っちゃいました? 寝相悪くて...」

「喰われかけた... 橙に喰われかけた」

「食べてないですよっ! 琥珀さんを食べる夢は見ましたけど実際には食べてないですよ」

夢って繋がってるのか...?

「まぁそんなことどうでも良いんだけどさ」

「良くないですよっ! なんで私は朝から犯してもない罪を犯したことにされ挙げ句の果てにどうでも良いことにされるんですかとばっちりですよまったく...」

ダメだこりゃ、とでも言いたげに。手を額に当ててため息をついている橙がそこには居た

「朝ごはん... 何があると思う?」

「またそれですか。そうですねぇ、目玉焼きとか? 目玉焼きとか目玉焼きとかですかね」

「お前あれだろ。目玉焼き好きだろ」

今度は... 何故バレたし、と言いたげな顔で俺を見やる橙がそこには居た
むしろここでバレない方がおかしいが、増しにわからなかったらちょっと頭の回転の方が遅いと思われますが。橙は目玉焼き好きと言う設定が俺の中で増えたのだった。っと言うかこの茶番なんだよ

「そもそもこの茶番はなんなんですか...」

「丁度今俺も考えていたぞ。それ」

なんの空間もない。なんの空気の説もない。橙がひたすら俺をジト目で見つめるだけだ

その場にたたんで置いておいたズボンと服を持ち上げ、二言

「とりあえず。下行くか」

「せやな」


ん...? 橙、今なんて?



■■■



皆さんは... 目玉焼きに調味料を足すとしたら、何を足しますか? お醤油、塩、胡椒、ケチャップ、マヨネーズ。その他いろいろありますが
僕ですか? "そぉっす"ねぇ。"ソース"ですかね。ちょっと"かけて"みました。ソースだけに...なんつって



「ありえないですよ。なんでソースかけるんですか... 何もかけないで食べるのが一番ですよ」

「何を言う。ソースをかけるのが一番だ」

「何を言っているのあなたたちは... 食べてしまえば一緒でしょう?」

「「笑顔でマヨネーズたっぷりかけてるあんたに言われたくねぇよ(ないですよ)」」

八雲家の食卓は橙と俺のツッコミから始まったのであった...

「あと藍さん... 笑顔が引きつってるけど。目玉焼き嫌いか?」

「なっ。そんなことは無いぞ、橙が好きな物は私も好きだからなっ!」

恐らく目玉焼き... そもそも卵が嫌いであろう藍さんは焦り反論する。そこで、俺の前に居る橙は何かに気づいたのか、ひらめきの表情を見せてこう言った

「藍様。"味を何もつけない"で食べてください」

橙は笑顔だった、笑顔で藍さんに向かって言っていた。そう、笑顔だった。とても悪意を感じる満面の笑みだった
この子は悪魔だ。何度となく思って来たが本当に悪魔だった。味を何もつけないで食べる... つまりそれは、その食べ物その物の味を楽しんで食べると言うことだ。藍さんにしては地獄でしかないだろう... ただでさえ嫌いな目玉焼きに、味を付けず、嫌いな味を"楽しむ"のだ。いや、ここ場合は楽しむではないな... "苦しむ"のだ

この答えに行き着いたときには時既にO★SU★SI
顔を真っ青にしている藍さんとちょっと前までのを遥かに超える悪意の笑みを浮かべている橙が居た

何も、何も考えていないフリして食べよう。果たして、いつ俺が藍さんの立場になるのだろうか... おお、神よ。私を救いたまへ



■■■


地獄の朝ごはんを終え(藍さんに至ってはオエェ)身だしなみやらなにやらも整え終わり、外に出た
そうそう、脱いでたたんで持ち上げった服とズボンはご飯を食べる前にカゴに入れて置いた。恐らくあのカゴは脱いだ服を入れるカゴなのだろう。洗ってくれるかな
昨日も通った道を歩く。言った通り、今日も博麗家にお邪魔するつもりだ。右側にあの真っピンクな看板が見え、左の草むらへ入って行く
昨日通った時は暗くてあまり見えなかったが、この森は結構深いものであった。奥が見えないくらい木々が重なっている、それくらい深いのだ。まぁ、あの時間帯であそこまで暗くなるんだ、これだけ深い森でも可笑しくない。そもそも何故今それを言うか...
昨日は暗くて良く見えなかったため、周りをきょろきょろと見回して歩いた。すると、綺麗に光る玉を見つけた。その場に落ちているわけではない、飛んでいる、浮いているのだ。なんだあれ?と呑気に見ていると、その綺麗に光る玉は幾つも、そこら中を飛んでいる、と言うことに気が付いた。俺の辺りを飛んでいる。風に流されているのか?いや、わからない、玉が飛んで行く方向に風など吹いていないからな。これだけの量が飛んでいるのだ... 誰かが大量生産して飛ばしているのだろう。玉が幕のようになって飛んで行く... そうだな、弾幕と言ったところか? それにしてもあれ、何で出来ているのだろうか? そんなことを考えていると、悟ったかの様に玉が俺の前を飛んで俺に向かって来たのだ。そんなに速度が出ているわけでもない、ふわふわとホコリのように飛んでいるので掴むことはできる。よく見ると大きさも色々あるみたいだ。俺に近づいてくる玉は中でも小さい方だ。ん〜... 指二本で摘めるくらい。なんて親切な玉なのだろうか。橙もこの玉の親切さを見習って欲しいものだ...
手が届くところまで飛んで来た玉に、ゆっくり、手を伸ばし、近づける。人差し指と親指の間に適度な空間を作り、その空間に玉が来るよう図った。そして、摘む。すると、玉は... ボフッ!! と言う音と共に消え... 「...っ....いっ.......てぇぇぇぇえ!!」痛みを"僕"に届けたのだ
"橙が"玉を見習うのではない... "玉が"橙を見習っていたのだった。なんと言うか、思いっきりビンタされたみたいな... 相撲レスラーやプロレスラーにビンタされたみたいな(されたことはないけど)そんな痛みだった。ヒリヒリする。こんなのが幕の様に飛んでいるのだ、死にはしないとしても、失神くらいはするんじゃなかろうか?
こんな綺麗な、色とりどりの玉に重い痛みを感じさせられるなんて... 綺麗な物には棘があるとはこのことなのだろう
それにしてもホント、誰がこんな玉を飛ばしているのだ。まぁ、この流れだと博麗ちゃんか霊夢なんだよなぁ〜 だってこの玉、行き先(博麗神社)から飛んで来てるんですもの  
 

 
後書き
博麗ちゃんだったら叱るか...
霊夢だったら..... 頭撫でてやるっ!!(頭なでなでの刑です。別に俺が撫でたいわけではありません) 
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