Zero Connect Online
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1・始まり
一章・疑念
Meeting
下書きⅣ〜ZCO〜
『WELCOME TO THE ZERO CONNECT ONLINE』
目を開けると、そこには一つのウィンドウが表示されていた。
アバター名や顔つきを設定するウィンドウだ。
アバター名は、SAOやALO,GGOと同じ【キリト】を使用する。
慣れた手つきで名前と顔つきを設定すると、使用武器を選ぶウィンドウが表示された。
「武器は、これしかないよな」
そう呟いて、片手剣のボタンを押した。
そして、もう一度目を閉じた。
「ここがZCOか……」
肩まである黒髪を揺らして、少年は周囲を見渡す。
ZCOの正式サービスということで、約5000人もの人がここに集まっている。
すると、周囲を見渡すキリトの目に、一人の少女が映る。
少女はキリトをじっと見つめている。
そして、目を逸らし、雑踏の中に消えた。
「何だったんだ?」
「キリトくん!」
「お、アスナか」
声がした方を向くと、白い装備に身を包んだオレンジ色の髪をした少女―アスナがキリトに手を振っていた。
「お待たせ」
「そんなに待ってないよ。ほんの5分くらいだ」
キリトはアスナに笑って言った。
「それに、アスナ以上に俺を待たせてるのが、あそこにいるからな」
キリトがアゴで建物を指す。
そこには、ALOなどでお馴染みの仲間がいた。
「よ、よぉキリト。早えじゃねぇか」
彼のトレードマークである赤いバンダナを弄りながら、クラインはキリトに言った。
「別に、俺が早いんじゃない。お前が遅いんだ」
「まあそう言うなよ」
「まったく……」
キリトは肩をすくめる。
「そうだよ、キリト。そんなに怒んないの」
「リズ……」
リズはアスナの肩に手を置いて言った。
「遅くなりました、キリトさん」
「ごめんね、お兄ちゃん。シリカさんとリズさんと散歩してたんだ」
そこにシリカとリーファが来て、頭を下げる。
「お前らなぁ……」
キリトは小さくため息をついた。
「シノンは?」
キリトが聞くと、全員が一様に首を傾げた。
「まだ来てないのかもな」
「かもね」
クラインの言葉にリズが同意する。
「なら、もう少し待ってみるか」
「それには及ばないわ」
クラインたちの背後で凛とした声が聞こえた。
そこには、水色の髪を持つ少女がいた。
「遅かったな、シノン」
「ごめんなさい。少し、気になることがあって」
「どんな?」
「気にしないで。私の勘違いだったから」
「そうか」
キリトはシノンに頷くと、仲間を見回す。
「さて、これで全員集合、だな」
「キリトくん、エギルさんは?」
「エギルは来ないって」
「そうなんだ」
アスナは少し驚いた。
「エギルさんなら、来ると思ったのに」
「ゲームが買えなかったんだとさ」
「あらら」
キリトにつられて、アスナも苦笑する。
今頃、和人の携帯には、エギルからの返信が来ているかもしれない。
その次の瞬間、キリト、アスナ、シリカ、リズ、クラインの五人は空を見上げて固まった。
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