ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~
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第十八話
「という訳で」
「イッセー、何がという訳なの?」
「うるさい、形式美なの……という訳で、俺たちは冥界に行く事になった……恐らくは、こっちに取り入ろうとか考える奴もいるかもしれない」
俺たちはとりあえず行く事を了承して帰宅したのだが……とにかくみんなで注意事項を一度確認しておこうと思った。
「ま、その可能性は本当に高いだろうな。あいつらからしてみれば何もわからん連中、手懐けておこうと思うのは自然の摂理という物だ」
「ああ、俺たちがそれを突っぱねれば……強行手段に出る可能性もなくはない」
俺とルビアで注意事項を確認していく。それを聞いてみんなはうんうんと首を縦に振る。
「その際にこのメンバーの中で一番に狙われるのは……アーシアだろう」
「やっぱり、ですよね……」
ルビアの言った事を素直に受け取るアーシア。
それも仕方がないかもしれない。アーシアは戦いとは無縁の人生を歩んでいるからだ。
「そこで、各々にも言っておくがいつでも精霊魔装を展開出来るようにしておいてくれ。私はアーシアの護衛に就く」
「お姉様が一緒なら安心ね」
クレアの安心したような声が聞こえる。他の皆も安心しきっている。
ゼノヴィアとヴァーリは何でこんなに安心しているのかわかってないって感じだな。
「なあイッセー。何でルビア先生が一緒だと安心なんだ?」
ゼノヴィアは我慢が出来なかったのか俺に疑問をぶつける。
「簡単な話さ。ルビアは俺と同等以上の力を持ってるって事」
「そ、そうだったのか!?」
ゼノヴィアは驚いているがまだ、驚く事でもないんだけどな。
「後は、ルビアの契約精霊の話になってくるかな」
「あ、そういえばルビア先生の精霊だけまだ見た事ないかも……」
ああ、ヴァーリはそこにも疑問を持ったか。
その通りで、俺たちは何度か戦闘をしているがその際にルビアは一切契約精霊や精霊魔装を使わずに戦っているのだ。
「その疑問に答えるならば簡単だ。私の契約精霊はその場に存在する、ただそれだけで周りを灼熱地獄のような物にしてしまうからな」
そう、ルビアの契約精霊レーヴァティンは最強の炎精霊。存在していればその場を本当に灼熱地獄にする事も可能な精霊なのだ。
本来ならルビアレベルでも契約する事は出来ないレベルの精霊なのだが……ルビアはある裏技を使用して無理やり契約をしているような状態だった。
だった、という表現からもわかる通り、今では立派なルビアの相棒だ。
仲間内で模擬戦をしようものならルビアはほぼ百パーセントの確率で生き残る。
精霊の力も規格外だが、本人の身体能力も規格外だしな。
生身で俺と本気で剣舞をやってのけれるのは、正直言ってルビア以外にはいないとしか断言できない。
そして、そんな事を聞いたゼノヴィアとヴァーリは……口を開けたまま放心してしまった。
ま、それも仕方がないと思う。
俺と同等の化け物がもう一人いるんだからな。
「むっ。イッセーお前、自分と私の事を化け物と宣ったな?」
「まさか、んな事あるわけないじゃんか」
あ、危ねぇ……!バレるところだった……!
「まあいい。話は脱線したが……それぞれ注意を怠らないように」
「「「「ええ(はい)(わかりましたわ)!」」」」
「え、えっと……は、はい!」
「わかった、注意はしておく」
「オッケーです!」
こうして、冥界行きが決まった今日が終わった。
そして出発当日……俺たちの姿は駅前にあった。
「集合場所はここで合ってたよな?」
「ええ、確かに駅前だったわよ」
「何よ、誘った奴等の方が遅いって!」
「まあまあ、相手方も準備という物があるのでしょう、気長に待ちましょう」
リンスレットの言う通り、何か準備があるのかもしれないしな。
しかし、準備で忙しいとは言ったが……どんな準備で忙しいのだろうか?
「あ」
「ん?」
何か声が聞こえてきたのでそっちを見てみたら……あれまびっくり、リアス先輩達ではないですか。
「これはこれはリアス先輩。どうしたんですか?」
「あなた達には関係ないわ。あなた達こそここで何をしているの?」
「関係ない人には教えても意味はないな」
というか、毎度毎度思うんだけど……この人、どんだけ俺たちの事嫌ってんの?もしかして神名がやられた事気にしてんの?
だとしたら言わせてほしい。それはそいつの自業自得だし、倒したのは俺じゃなくて雄星だ。
というか、雄星あの後さっさと帰ってったし。
まあ、無理言ってきてもらったもんな。ちょっと嫌な予感がしてたんだし、この貸しはちゃんと後で返さないとな。
「あ、遅れて吸いませんでしたイッセー君」
と、リアス先輩と軽い睨み合いになっていたらソーナ会長がやってきた。
「ソーナ?」
「リアス、何て事をしているんですか。彼らは私が連れていく客人なのですよ。不躾にしてもらっては困ります」
「客って……何でそんなテロリストを庇うような奴を連れていく必要があるのよ!」
「これは上層部の決定ですので、私の私的な要因などはありません」
「くっ……」
おいリアス先輩。
「そいつら、危険な存在なんですよ!(くっくっく……ここで小猫にフラグが立つしな……黒歌も俺のハーレムに加えてぇしな)」
リアス先輩。あんた自分の眷属位ちゃんと管理しときましょうよ。神名の奴、すんげぇゲスな顔してるぞ。
「神名君、変な先入観で物事を決めつけないでください。イッセー君や彼の仲間達は決して危険な存在などではありません。それは今まで彼らと接してきた私が保証します」
そう言ったソーナ会長の目は……綺麗と言える物だった。
本当に俺たちの事を思ってくれている、そんな感情がその瞳を見ればわかるほどだった。
そう言われた神名は押し黙る。
ふぅ、とソーナ会長は一息つくとこちらに振り返る。
「遅くなってしまいまして申し訳ありませんイッセー君。本来ならもっと早く到着出来た筈なんですが……ほら匙!謝りなさい!」
そう怒鳴られて出てきたのは申し訳なさそうな感じを醸し出している匙だ。
「済まん!俺の所為で遅くなっちまって……」
「何で遅くなったんだ?」
「いや、宿題は置いてくるか置いてこずに冥界で宿題をするかで悩んでな……」
どうでもいい理由で悩んだな。
「わかる、わかるぞ匙。私も悩んだ」
「何だ、ここにも同士がいたのか!」
何かゼノヴィアと匙が意気投合したし。
「それでは、行きましょうか」
そう言ってソーナ会長は駅の中に入っていく。俺たちもそれに倣って駅の中に入っていった。
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