俺の名はシャルル・フェニックス
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終幕と不死鳥
前書き
フシュゥゥ←燃え尽きた音
◇◆◇◆◇
逃げて逃げて逃げる。
理子は未だに逃げ続けていた。
そろそろ自陣へと辿り着くだろう。
「ぴえぇぇぇぇぇん!!
怖いおばさん達が理子を追っかけてくるよぉぉぉぉ!!
いくら理子がぴちぴちでおばさん達より可愛いからってぇぇぇぇ!!」
『なんですって!?』
理子を追っかけてる兵士の3人の声が重なる。
確かに理子と比べると年増であるのは否定できまい。
もう既に三十路を過ぎている彼女らからしてみれば3分の1程度しかない理子は若いのだから。
「怒ると目尻の皺が増えるんだよぉぉ!
それ以上増えたらしわくちゃおばあちゃんだ!!」
『言わせておけばぁぁぁ!!!』
3人の気持ちは1つに集約された。
目的は、目の前に走る小生意気なガキを完膚なきまでに泣かし潰すこと。
「うぇぇぇぇぇぇん!
おばさんが寄ってたかって理子をいじめるよぉぉぉぉぉ!!
大人気なぁぁぁい!!
それに男っ気もないっ!!」
『何でアンタがそれをっ!?』
「えっ、本当だったの?ぷぷっ」
後ろを振り返り、口元を押さえ笑いを堪える真似をする。
すると敵の兵士たちは顔を真っ赤にして言葉にならない絶叫をあげながら、やたらめったらに攻撃してきた。
「くふふ。ごめんちゃい!
でも、おばさん達いいのかなぁ?
そこ罠ばっかだよ」
そう理子が言い終わらないうちに黒歌が設置した罠が大量に兵士の3名に襲いかかった。
理子が逃げていたのは自分の有利なフィールドにおびき寄せるため。
煽っていたのは冷静さを無くすため。
今、理子の反撃が始まった。
◇◆◇◆◇
兵士を3名リタイヤさせ
た後、俺達はその場に踏みとどまり、
黒歌が幻術等で罠を仕掛けた。
どうせ敵の本隊が来るのが予測されてるんだ。
それくらいして当然だかんな。
「黒歌、魔力はあとどんくらいだ?」
「6割くらいね。ちょっと使いすぎちゃったにゃー」
妖力の方は罠を仕掛けるのでかなり使った。
既に残り僅かだろう。
だから、戦いでは魔力しか使ってない。
6割、本隊と戦うには心許ない量だ。
「大丈夫にゃん。魔力が切れたら仙術で肉体強化して戦うからねん」
俺の顔が険しくなっていたから、黒歌が気遣ってくれた。
済まねぇ。
フェニックスの宝涙さえあれば良かったんだが……
フェニックスの宝涙は魔力や妖力といったものまで全快できる。
しかし、今俺達は持ってねぇ。
フェニックスの宝涙は特殊な儀式を済ませた魔方陣の中で、特殊儀礼済みの杯を用意し、杯に満ちた水に向けて落とす。
つまりは、好き勝手にフェニックスの宝涙を製造することはできねぇんだ。
黒歌との契約の時は忍び込んで勝ってに作ったが、警備が厳重になり、忍び込むことは不可能となってしまった。
だから、今回は親父様に頼み込んだが、拒否されてしまった。
情けねぇ限りだ。
だから
「……頼むぜ」
そう言うことしかできなかった。
「……来る」
恋がそう呟いた。
その直後に罠に反応があった。
見た感じ、女王、戦車2、僧侶2、兵士2、の大盤振る舞いだ。
騎士2、は王のところか……油断して王以外の全戦力をこっちに傾けてくれたら良かったんだが……そうも言ってられねぇか。
さてと、罠で何人潰れてくれるか……
僧侶が一人でも潰れてくれるとありがたいんだが……
じっとして闘志を高める。
次々と敵へと襲いかかる罠郡は全て発動し終えた。
けれど、敵は無傷だった。
黒歌自身も驚いてる。
罠はちゃんと仕掛け、発動した。
けれど、相手は無傷。
まさか……まずいな。
理子が……
クソッ、通信機を買えなかったのがここに響いてきた。
クソ親父がっ……
今は、恨んでる暇はねぇ。
切り替えろ。俺。
理子を助けにはいけない。
ここから誰一人も抜けるわけにはいかないのだから。
だから、済まねぇ、理子。
犠牲(サクリファイス)になるぜ。
万が一はリタイヤしてくれ……
「女王は俺がやる。
あとは二人で頼む」
「……ん」
「わかったにゃ」
手短に簡単な作戦を伝えた後、俺は翼をだして空中へと飛び立つ。
「来いよ、歓迎はしてやるぜ!」
魔力で特大の炎の塊を作り出し敵に向かって発射する。
リタイヤさせることは無理だろうが、少しでも相手の戦力を削っておきたかいからな。
敵から、恐らく魔法だろう水の奔流と大人一人分くらいの大きさの氷が放たれて大火炎弾(今命名)―ビッグファイアーボールでも可―を相殺した。
水や氷が蒸発してできた水蒸気が煙幕のように辺りを覆う。
これで両者共に相手のことが見えなくなった。
こんな時に重宝すんのが氣だ。
氣は探知することができる。
つまり氣が使える恋と俺にはまる分かりなんだ。
多数の小さな炎弾を氣の総量がもっとも少ない奴にマシンガンのようにたたきこむ。
分かるといっても大体からな手数を優先した。
恋も氣弾で攻撃し始める。
相手も氷弾やウォータージェットのようなものを散発的に放ってきたが、大概が検討違いのところに飛んでいった。
次第に水蒸気が晴れていく。
『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの兵士2名、リタイヤ』
どうやら、放送通り兵士二人を撃破できたようだ。
光となって消えていきのを二人確認した。
途端に恋が氣を体に漲らせ突撃する。
狙いの戦車2名に向かってだ。
俺も女王を抑えるため翼を羽ばたかせて低空飛行で近寄る。
俺と恋を迎撃しようとした氷弾などの魔力での攻撃や水の魔法での攻撃は黒歌の魔力弾に阻害、牽制され容易に相手に近づくことができた。
「よぉ、女王さま。お相手願うぜ?」
ここまで飛んできた勢いもプラスして蹴る。
みえみえの攻撃なので腕をくんでガードされるが、問題ねぇ。
俺の目的は女王を俺に集中させることだからな。
さて、どうなるかねぇ……
◇◆◇◆◇
西側のルートを白雪は駆けていた。
ヴィレーネが東にいると思っていた白雪の姿は実は黒歌の作った偽物であり、理子が敵の兵士を逃げて引き付けているのは、白雪を無傷で敵の本陣に通すためである。
森を通れば罠に襲われて無傷とはいかない。
だから、東側のルートで王であるシャルルを囮に使い、黒歌の妖力の3分の1も使ってバレないほど高度な偽物をつくり、あたかも、東側のルートが本命であり、西側は理子単騎での陽動と思わせた。
本当は西側が本命であるとも知られずに。
そして、ここまで力を温存してきた白雪は――――
激怒していた。
「シャルちゃんと婚約なんてェ……羨まけしからんことォ…………」
シュコォ、シュコォという呼吸音を何故か幻聴してしまいそうなほど白雪は激怒した。
暴君ディオニスに激怒したメロスでさえ裸足で逃げ出してしまいそうなほどに。
魔王様が引いてしまうほど激怒した。
シャルちゃんを私"たち"から奪う?
愛してすらいないのに?
お金なんかのためだけに?
私"たち"はこんなに愛しているのに?
ふざけるな。
シャルちゃんは物じゃない。
自分を着飾るための装飾品じゃない。
シャルちゃんは私たちの大切な者だ。
一緒に笑い、一緒にいるべき大切でかけがえのない存在だ。
奪うのなら、守ってみせる。
例えそれが神であろうが、魔王であろうが、龍であろうが、関係ない。
奪うのなら、守る。
奪う存在は燃やし尽くしてやる。
白雪は敵の本陣へとたどり着いた。
敵は油断してるのか、まだ白雪の存在には気がついていない。
好都合だ。
白雪はその髪に留めていた白いリボンを解いた。
そして、ザリッと赤い鼻緒の下駄が地を踏みしめ、巫女服の白小袖を揺らす。
柄頭のギリギリ先端を右手だけで握り、刀の腹を見せるように横倒しにして、頭上に構えた。
そして、くッ、と白雪が手に力を込めると刀の先端に緋色の光が灯り、次第に刀全体に広がった。
「シャルちゃんのために私はこの力を使う。
もう、泣いてるシャルちゃんなんて見たくないから……
星伽候天流、緋眩毘(ひのかがび)」
言い終えると同時に、ザッ、と地を蹴り、火矢のごとく敵の本陣へと近づき、背を向けて立っている男二人を切り捨てた。
「悪い子にはお仕置きだよ。
特別に厳しく火炙りにしてあげる」
白雪は獰猛な笑みを浮かべた。
◇◆◇◆◇
私―リアス・グレモリー―より1歳年下のシャルル。
学校に行って出会った私の友人。
どこか変わっていて貴族らしくない子。
けれど、一緒にいて面白いし、同じ人間界に興味があるという共通のモノがあったのよ。
だから、仲良くなっていったわ。
婚約が決まった時に貴方がいいと言うくらいにはね。
だから、私は今回のレーティングゲームは真っ先に止めたわ。
勝ち目が薄いから。
いくらシャルルが精神力が続く限り再生するからといっても相手は公式戦を何度もこなしてる相手なのよ。
もう少し力をつけてからの方が勝率は上がるわ。
だから、待った方がいいと言ったのに……
「リアス、このレーティングゲームはおかしいわ」
じっとシャルルのゲームを観ているソーナが険しい顔で言ったわ。
ソーナもやはりそう思っていたのね……
「ええ、シャルルに不利な条件がありすぎるわ」
眷属の人数差、年齢差、経験の差、フィールドの不利さ。
明らかにフェニックス卿はシャルルを勝たせる気がないのよ!このレーティングゲームはッ……
「お兄ちゃん……」
シャルルの所から来た私の眷属の白音が不安そうな声をだす。
「シャルルくん……」
朱乃も食い入るようにゲームを見つめてる。
この娘たちは二人ともシャルルと知り合いなのよね。
しかも命の恩人だとか……
シャルル……
勝ちなさい。
貴方は大空を自由に羽ばたくフェニックスなのでしょう。
なら勝ちなさい。
貴方の親がどうであろうと、私たちは貴方が勝つのを願っているわ。
不利でも不敵に笑って覆す。
それが貴方らしいわ。
だから、勝ちなさい!
◇◆◇◆◇
「クソックソックソックソッ!!!!」
ヴィレーネは地の滲んだ地面を何度も蹴る。
先程までクソウザい女が倒れていた場所だ。
「よくも私を焼いてくれたわねッ!!」
ヴィレーネの本陣に単騎で奇襲をかけ、騎士2名をリタイヤに追い込み、ヴィレーネ自身も宝涙が無ければ白雪の憤怒の業火の前に焼かれていただろう。
「何がシャルちゃんのためよ!!何が好きよ!!バッカじゃないの!?
世の中金よ!そのための政略結婚でしょう!」
金切り声を立て地面を踏みにじる。
次第に飽きたのか、ふぅ…と息をはいて、落ち着きを取り戻す。
痛め付けてくれたお礼は十分にした。
宝涙で回復したあと真っ先に動けないように水でできた飛ぶ刃で足を切り、リタイヤになるまで散々蹴りなぶったのだから。
それでも気に入らない。
最後まで睨み付けてきたその眼が。
むしゃくしゃして不機嫌になりながらも、椅子に腰を下ろす。
まぁ、でも、それも長くは続かないだろう。
何故なら、そろそろゲームも終わるだろうから。
いくら鬼才と持て囃されていても所詮は11歳。
戦車1、騎士2、僧侶1、兵士8とかなりやられたが、そろそろ体力や魔力も切れて投了するはずだ。
「ふふっ」
ヴィレーネはつい笑みをもらした。
◇◆◇◆◇
『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの戦車1名、リタイヤ』
『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの僧侶1名、リタイヤ』
最初は上手くいってた。
けれど……
『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの騎士2名、リタイヤ』
『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの兵士3名、リタイヤ』
『シャルル・フェニックスさまの兵士1名、リタイヤ』
『シャルル・フェニックスさまの女王1名、リタイヤ』
理子と白雪がリタイヤした。
作戦をミスったか。
いや、王でいることに拘りすぎたんだ。
俺が全力をだして、恋を白雪のところにいかすべきだった。
「クックック、ああ、面白」
敵の女王が気味の悪い笑い声をあげた。
「何が言いたい?」
俺だって休んでたわけじゃねぇ。
二人のフォローをしながらもちゃんと敵の女王をリタイヤ寸前まで追い込んでいる。
「これ、見覚えあるでしょ?」
そう言って敵の女王が取り出したのは――
フェニックスの宝涙だった。
なるほど、だから白雪は負けたわけか。
実力なら、白雪が負けるはずがねぇ
とは思ってたんだよな……
今までのヴィレーネの公式戦の映像から研究して、ヴィレーネ自身の力は精々中級悪魔の中の上くらいしかないことはわかってた。
だから、白雪なら、多少眷属が残っていても倒せると判断していた。
星伽候天流は持久戦に向かない。
たぶん力をほぼ使い果たしたところで宝涙を使われて反撃されたか……
フェニックス家が完全に相手の味方してやがる……
宝涙は伯爵家の長女ごときが二つも使えるほど出回ってない。
それに黒歌の罠が効かなかった件もある。
黒歌の罠の試行錯誤は家の庭でやってたからな。
どっかで監視がついていてもおかしくはない。
そうか。親父。
そこまでやるか。
なら、俺も全力をだして構わんよな?
先に俺を怒らせたのはてめぇだぜ?親父よ。
「全力の本気でいく。
さっさと、それ飲めよ」
「ハッ!後悔するんだな!」
敵の女王が宝涙を飲むと、みるみるうちに傷が治っていった。
我ながら効果高いな。おい。
まぁ、無駄遣いになるだろうがな。
「緋(あか)き不死鳥の型(フェニックス・オブ・スカーレット)」
緋色の炎が俺の体から氾濫して溢れ俺の全身を包み込む。
フェニックスの翼がその大きさを増し、より不死鳥らしく猛々しい緋色の炎の翼となる。
「王としての俺はこのゲームで負けた。
だから、戦士としての俺が相手してやるよ」
翼を羽ばたかせ、黒歌、恋の相手をしてる僧侶へと近づく。
僧侶もこちらに気づき、魔法を放とうとするが、おせぇ。
魔法が構築する前に僧侶へと近づき、炎を纏った拳で殴り飛ばす。
そして、戦車に向かって炎弾を放つ。
大きさはバレーボールくらいと小さいが、今までのとは違いかなり速い。
戦車は避けようと動くが、それ追尾弾だ。
しかたなしに斧でガードしようとするが、、斧を貫通して戦車へと命中した。
「嘘だろ……二人がこんなにあっさり……」
僧侶と戦車が光となって消えていくのを見て絶句する女王。
俺はそいつを睨み付ける。
すると、化け物でも見るかのように俺を怯えながら見てきた。
そうだ。それでいい。
それが、俺を見るときの眼差しだ。
「……私たちは……負け……たのね……」
敵の女王を睨み付けてる目をチラッと黒歌の方に向ける。
動かないらしい右肩に手をのせて、ハァハァと荒い息をはいていた。
「ああ、王としての俺は負けた。
済まねぇ。見積もりが甘かった」
眷属二人をリタイヤさせられ、残りの二人も満身創痍。
相手は無傷の女王に、多少傷を負った戦車、僧侶、まだどんな状況かは分からないが王が残ってる。
負けは確定だろう。
これがフェニックス家を親を信じた結果だ。
予想はしてた。
フェニックス家が敵に回るくらい。
でも、信じたくはなかった。
嫌われていたって俺は親父の息子だから……
でも、偶像にすがるのは今日でやめだ。
「恋はまだやれる……!」
恋もわかってるんだろう。
でも感情が、心がそれを赦さねぇ。
「恋、私たちは負けたのよ。
一緒に大人しくしてましょ。
シャルルの邪魔にはなりたくないでしょ?」
「……っ……わか……った」
ありがとうな。
黒歌。
俺は二人が今どんな顔してるのかわからねぇ。
見てねぇからな。
でも感じられる。
ありがとうな。皆がいるから俺はまだ真っ当でいられる。
体は化け物でも心は普通でいられる。
せめてもの感謝に、このゲーム、必ず勝つぜ。
「何なんだよ!!お前は!?
そんなの聞いてないぞ!!」
だってこの力は見せてないからな。
グレモリー家でサーゼクスさんと戦った時。
そして生まれた瞬間。
その僅か2回が俺がこの姿になった回数だ。
そんな僅かな回数しかないが、俺はこの力を使いこなせる。
何故ならこれが俺の本当の姿なのだから。
今まで過ごしてきた姿は力を押さえた姿だからな。
ああ、久しぶりに戻れて気持ちが昂ってる。
気分がいいからてめぇの問いに答えてやるよ。
「俺はフェニックスだ」
俺のからだから溢れだした炎の奔流が一気呵成に女王に襲いかかった。
大丈夫、リタイヤできる程度には手加減してるから死にはしねぇさ。
『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの女王1名、リタイヤ』
女王が光となって消えていくのを見た後、俺は座りこんでる二人のもとに歩いた。
「んじゃ、いってくる」
このゲームを終らせに。
「ええ、行ってくるにゃ。
ちゃんと終わらしてくるのよ?」
「たりめーだろ」
「にゃら、ご褒美あげるにゃん♪」
チュッといきなり立ち上がり、頬にキスっておい!
いきなり立ち上がったからかバランスを崩して倒れそうになるのを受けとめて支える。
「ちょっと疲れたわ……」
「ああ、休んでろ」
俺は地面に黒歌を寝かしてやる。
早く終わらしてこんな固い地面じゃなくて、ベッドに寝かそう。
「恋、さっきは済まねぇな」
フルフルと恋が首を横に振る。
「恋、行ってくるから待っててな」
コクッと頷いて俺の服の裾を掴んだ。
どうしたんだ?
「……恋も、する」
恋も……ああ、頬にキスか。
俺はしやすいようにしゃがむ。
すると、恋は抱きついてきた。
頬にキスするんじゃなかったのかよ。
「……暖かい」そりゃあ、炎を纏ってるからな。
燃やすもの指定できなかったら、恋まるこげだぜ。
「……恋、シャルといると胸ぽかぽかする。
でも今とくんっ、ってしてる。シャルも、する?」
「ああ」
「……そう」
柔らかく微笑み、体を放した。
「待ってろよ?」
俺がそう訊くとコクッて頷いた。
さてと、行くかね。
翼を羽ばたかせ、空へと飛翔する。
この体で飛ぶのは初めてだが、体が軽いな、ホント。
いつもより、速く飛べそうだ。
しばらく飛ぶと敵の本陣が見えた。
戦闘する気はねぇ。
一瞬で終いだ。
「緋炎鳥(ひえんちょう)」
体長5メートル程の緋色の火の鳥が飛翔し、敵の本陣へと突撃し、ヴィレーネだけを焼いた。
『ヴィレーネ・アンドロマリウスさま、リタイヤ。
シャルル・フェニックスさまの勝利です』
辛酸を嘗めさせられたゲームが今終結した。
後書き
戦闘内容詳しく書けやーー!!という苦情なら受け付けます。
僕自身もこれは雑かなと思いましたので。
でも、書こうと思ったら一万字超えちゃうんですよ!?
あと1日はかかりますよ!
まぁ、それはおいといて……
現在のシャルルたちのレベルを書こうかなと思いまして、少しお付き合いいただけたらな、と。
◇◆◇◆◇
10000――トリアイナ状態のイッセー
6000――禁手状態のイッセー(10巻時点)
3200――緋き不死鳥の型状態のシャルル
3000――ライザー
2500――禁手状態のイッセー(5巻)
2000――上級悪魔(成人)
1500――イージス艦
1200――リアス(2巻時点)
800――封印時のシャルル
650――下位龍種
550―白雪
500――中級悪魔・恋
450――黒歌
300――レイナーレ・理子
200――戦車(兵器)
40~100――下級悪魔
3~50――人間界の達人
1――アーシア(戦闘力)
0,5――普通の人
0,1――ネコ
◇◆◇◆◇
くらいですね。
まだ11歳と考えるとちょっと規格外な気がしますが……
一応あくまで目安です。
ぶっちゃけ、戦車より戦闘力が高い設定の理子は1対1で勝てるとこなんて想像できませんし。
2015/9/7訂正
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