『ある転生者の奮闘記』
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TURN18
「………被害は巡洋艦一大破と駆逐艦一沈没………完勝に近いな」
聯合艦隊旗艦長門の長官室で東郷長官は秋山参謀長からの報告を聞いていた。
「それに敵艦隊は全滅しています」
「………海軍は馬鹿の謀によって一人の優秀な提督を手放したわけだな」
聯合艦隊は今、日本星域を過ぎて北京星域に再び侵攻しようとしていた。
ハワイ星域の防衛には山本無限大将の巡洋艦を主力にした第二艦隊が駐留をしてガメリカを牽制していた。
北京星域に侵攻しようとしているのは東郷長官の第一艦隊、南雲圭子中将の第四艦隊、小沢祀梨中将の第一航空艦隊、柴神様の第七艦隊の四個艦隊である。
また、拡大して占領したインドカレー星域にはの山下陸軍長官の陸軍艦隊、ラスシャラ、キャシー、マリー・ブリテン、有馬大佐、角田大佐の艦隊が駐留してエイリスに目を光らせていた。
『東郷長官、間もなく北京星域にワープアウトします』
オペレーターが二人にそう伝えてきた。
「ではもう一度北京星域を占領するか」
「はい」
東郷長官の言葉に秋山参謀長は頷いた。
そして聯合艦隊は北京星域をあっという間に再占領をした。
東郷長官は柴神様の艦隊を守備にして、続いて南京モン、ア・バオワ重慶に最近侵攻してこれらの星域を再占領したのであった。
―――惑星大阪、日本橋―――
「雪風、あのゲーム買って」
「はいはい。これがええんやな?」
「うん。ポケットモンタリアンの新作が出てるの」
俺の確認の言葉に理亞の長女である美琴が答える。
ポケットモンタリアンはまぁ………ポケモンとよく似てるゲームやな。
あぁ、俺は今、理亞から少しやけど休暇を貰って(元の艦隊を全滅+セシルをランスから守った褒美)、理亞の子ども達と日本橋に来ていた。
「ねぇ雪風」
「どうしたんや?」
「同人誌って何なの?」
「は?」
「こないだ、お父さんとお母さんが日本橋で同人誌を買ったって言ってたの。同人誌って何?」
「………桜、同人誌はまだ桜には早いな」
俺は次女の桜に言う。
「そうなの?」
「あぁ、桜が高校生になったなら見ても大丈夫や」
高校生でもあかんけどな。
「ふ~ん、分かった。高校生まで我慢する」
「そうか、桜は偉いな」
「エヘヘヘ」
桜が照れる。
………てかあの二人、子ども達の前で同人誌とか言うなよ。
「雪風、俺CD欲しいよ」
「よっしゃ。ちゃんと買いに行ったるからな。まずは美琴や桜達から順番や。さて、次は由真やな。由真は何が欲しいんや?」
「うんとねぇ………妹ッ!!」
三女の由真は仰天な発言をした。
「………妹か。妹はお父さんとお母さんに言うべきやな由真」
「そうなの?」
「あぁ、まずは雌しべと雄しべがくっついてな」
え? そんな説明はいらんやて?
ですよね~。
「妹以外は何かあるか?」
「うんとねぇ………由真、漫画が欲しいッ!!」
「よっしゃ。ならアニメイト行って買うか」
俺達はゾロゾロとアニメイトに向かった。
「平和やなぁ」
俺はそう呟いた。
―――数日後、皇居―――
「……では狹霧元司令官は無実だったんです ね?」
「はい。全ては樋口元提督による陰謀です」
皇居で御前会議が開かれて、東郷長官が帝、山下長官、宇垣長官に漸く明石大佐が入手した雪風の無実を証明していた。
「じゃあ、狹霧の声を聞いたのは………」
「狹霧の音声を録音したテープが見つかった。樋口元提督に聞いたら全て吐いたよ」
「……………」
山下長官は何も言えなくなった。
「如何なさいますか帝?」
宇垣長官が帝に問う。
「………東郷。狹霧元司令官を復帰させて下さい。私は間違った事をしてしまいました」
実は帝、この報告が来た時に直ぐに処分するよう東郷長官に命じたのだ。やはり満州会戦の裏切り行為が効いていたのだろう。
「仕方ありませんよ帝ちゃん。それでは直ちに狹霧元司令官を戦隊司令官に復帰させます」
東郷長官は帝にそう言うが、東郷長官はまた違う事を考えていた。
「それと山下長官は惑星大阪に向かって狹霧元提督に復帰報告をして下さい」
「は、分かりました」
山下長官は帝に頭を下げた。
こうして、雪風の司令官への早期復帰が決定された。
後書き
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