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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編
Chapter-6 圏内事件
  Story6-2 最高の気候設定

第3者side


次の日、攻略のために第59層・ダナクに来ていた。

「今日、いい天気だな」

シャオンが歩きながらそう言う。

「そうだな。そこの芝生で昼寝したくなるぐらいのいい天気だ」

「俺もお前と同じこと考えてた。

こんな日に迷宮区に潜るのはもったいないよな」

「んじゃおやすみ」

「あ、俺より先に寝るなよ」

――でも、たまにはこういう日があっても悪くないよな




横で寝るシャオンを少し眺めながらそんなことを考え、
キリトも少し離れたところで寝た。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

















町外れの草原にて、二人は木の陰で寝転んでいた。


開けた場所で襲撃される心配も無く、大きな木が木陰を作るそこは昼寝するのに最適な場所だ。






そんな時キリトに近づくものがいた。

「何してるの?」

近づいてきたのはアスナだった。

「こんなトコでお昼寝?まあ、キリト君らしいけどね」

そして、その隣にフローラもいた。

キリトは片目を開ける。

「なんだ、アンタらか」

目で確認すると、直ぐに目を閉じた。

「攻略組のメンバーが今も必死で迷宮区に挑んでるんだよ?それなのに、何でのんきに昼寝してるのよ?」

「ていうか、何でこの場所なの?」

「今日は、アインクラッドで最高の季節の、最高の気象設定だ。こんな日に迷宮にもぐっちゃもったいない」


そう返した。

「はぁ?幾らソロだからって「いや、もう1人いるぞ?」え?」

アスナの言葉を遮るようにそう言うとキリトが指さす。

その指された先、アスナたちからは死角になる位置に寝転んでいた者がいたのだ。

「あ、ホントだ。シャオン君まで……」

視界に入ってきたのは間違いなくシャオンだ。

「怒られるのはキリトだけで十分だって……」

見つかった、と思いシャオンは、しょうがなく体を起こしていた。

「もう!2人とも、こうして一日無駄にした分、現実での私達の時間が失われていくのよ?」

アスナが怒ったようにそう言うが


「俺は失ったとは思わないぞ?

たとえこんな状況になったとしても、ここはもう一つの現実だ。俺にとっては……な。
それに、ここで得たものだってたくさんある」

シャオンはそう答えた。

「シャオンの言うとおりだ。俺達が生きているのはここアインクラッドだ。

ホラ、日差しも風もこんなに気持ちいい」

キリトも肯定する。

そして、風が出てきた。

最高の設定に相応しいものだ。

「確かに、な」

シャオンも同意した。

「ほんと?」

「そうかしら?」

「なら、ためしに寝転がってみな。直ぐにわかる」

キリトはそういい、再び睡眠体勢に入る。

「そうだな。百聞は一見にしかずって言うし。

レッツトライすべきだぞ、これは」

シャオンも同様だった。




アスナとフローラは2人の気持ちよさそうな姿を見て
温かな日光と心地よい風を感じて


そして、気持ちよさそうに寝る2人を見て、ついつい……














◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
















「ん……」

まず目が覚めたのはシャオンだ。

寝るといっても彼にとっては一時間ほどの休憩の様なもので、熟睡はしていない。


それだけで十分。

だが、その休憩時間、隣に誰かがいた。


「ん?」

眠っている者。

あと少しでシャオンにしがみつきそうで、少し離れている絶妙な距離だった。

「ん……っ……」

傍にいるから吐息が聞こえてくる。

すぐ横にフローラが横になっていた。

「やってみればわかるって言ったけど……ホントに寝るとは……」

シャオンは、ため息を出しながらフローラの頭を撫でる。

立ち上がって周りを見るとキリトの隣にアスナがいた。

そのアスナも寝ていた。

「んん……?」

どうやら、キリトも目が覚めていたようだ。

「ああ、おはよ。キリト」

シャオンはキリトにとりあえず挨拶を。

「ああ、おは……って……はっ?」

キリトは傍で寝ているアスナ、少し離れたところで寝ているフローラに気がつく。

どうやら、キリトもわかったようだ。

ただ、解ったのは、アスナとフローラが寝ている事だけでなぜこの状況になったのかはまだ分かっていない。

「どういうこった?」

「そう言うなよ。キリトが言ったんだろ?寝転んでみればわかるって」

「シャオンも言っていたじゃないか。百聞はなんとかって」

「うん、言った、多分」

そう言うことだ。

「俺ら2人のせい、と言う事に……しとこうか」

シャオンはキリトを見た。

キリトも重々承知のようだ。

「ああ。そうだな。しておこう」

キリトは頷いた。

このまま放置するのは危険だからだ。

2人は特に野宿を経験しているわけでも無いだろう。

眠るときは安全な宿でのはずだから。

「いつ、何処ででもろくでもない連中はいる。そんな思い付きをするくらいなら、もっと別の部分で発揮すればいいんだけどな」

そう言いながら、仕切りの柵の上に座った。

「だな。睡眠PKか」


「そうだな。とりあえず、2人が起きるまでだ。誘っといてほっとくのは流石に悪い」

「じゃ、キリト、任せた。

俺はまた少し寝る」

「え、ちょっ、おい!」

「んじゃ」



その後シャオンを含めた三人が起きる頃には、もう日は沈みかかっていた時間だった。















Story6-2 END 
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