転生とらぶる
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マブラヴ
0871話
転移が完了した瞬間、まず目に入ってきたのは山や谷、あるいは丘といったものが一切存在しない一面の荒野。
離れた場所には奇妙な形をしたオブジェのような物がある。ハイヴの地表構造物でもあるモニュメントだ。
フェイズ5まで到達すれば、どこかに向かってモニュメントから何かが発射されていることから、恐らく何らかの射出装置だと予想されている。
当然の事ながらBETAの数は0。……まぁ、転移してきたんだからBETAがこっちを認識していなくても当然か。
「全機、予定通りの行動を。修羅は周辺に散らばってゲートの近くで待機。すぐにBETAがハイヴから出てくるだろうから、出てきた端から数を減らしていってくれ」
『了解だ。修羅の力をこの世界の奴等にも見せつけてやるよ。……自由戦士と言ってた頃が懐かしいよ、全く』
責任ある立場となった以上、アリオンも以前のように自由に動き回れなくなったのだろう。それに修羅として派遣された以上、恥ずかしい真似を出来ないというのもある。
ちなみに修羅の力を誰に見せるのかと言えば、当然ながらシロガネやニヴルヘイムに乗ってきた観戦武官達だろう。式典には俺しか出ていなかったが、既にあの時にはシロガネやニヴルヘイムに乗っていたからな。
当初は観戦武官を派遣している各国からも式典に出して欲しいという要望があったのだが、何しろ式典が終わったらすぐに出発予定だった。それに式典に観戦武官達が参加した影響で式典自体が伸びたりしたら色々と激励の言葉やら何やらを色々な国がする事になって、結局は式典が長引くという可能性もあって遠慮して貰った。
もっとも、その他にも色々と演説したい奴等はいたようだが、殆ど断って最低限の人員のみの演説にしたのだが。
人類初のハイヴ攻略が見込まれている作戦の式典だけに色々と演説したい人物はいたんだろうけど、正直な話そいつらに付き合う必要性も無いしな。
そんな風に考えつつ、次の指示を口にする。
「ニヴルヘイムはアラビア半島防衛戦の時と同じくビームバルカン、重量子ビーム砲、G・インパクトキャノンで地表に出てきたBETAを攻撃。要塞級と光線級を優先してくれ」
『了解。……けど、そろそろ本当にきちんとした指揮官を見つけてくれないかしら』
結局今回もニヴルヘイムの指揮官として引っ張り出されたエザリアが、それでも問題は無いと頷く。
……悪いとは思っているけど、迂闊な相手には任せられないんだよな。
「メギロートとイルメヤ、シャドウはそれぞれ組み合わせて周辺のゲート付近で待機。修羅と共に出てきたBETAを1匹残らず駆逐すること。それとハイヴ突入組もとにかく見敵必殺。見つけたBETAは全て滅ぼすように」
『ええ、そっちのコントロールはこっちでするから心配いらないわ』
再び聞こえてくるエザリアの返事。
今までなら無人機のコントロールや量産型Wへの指示はシロガネで受け持っていたんだが、今回は移動要塞のニヴルヘイムがいる以上、そっちでやって貰っている。
「実働班に関しては、この前のシミュレーション時に決めた組み分けに従ってゲートからハイヴ内に突入。こちらも遭遇したBETAを殲滅しながら進んで反応炉まで向かう。既に分かっていると思うが、強力な攻撃はドリフトその物を貫通して仲間に被害を与える可能性がある。威力の低い武器か増設された武器、あるい近接戦闘用の武器を使うように」
『了解』
実働班の各種メンバーからの返事に頷く。
もっとも、近づかれると取りこぼしが出やすいから、出来れば遠距離で片付けるのが一番なんだよな。この辺に関してはシャドウミラーの対BETA戦はアメリカと通じる物がある。
チラリと周囲を確認すると、さすがにハイヴのすぐ近くに俺達の姿があることに気が付いたのだろう。近くにあるゲートからBETAが姿を現してはこちらへと向かって来ているのが見える。
それを見ながら、慌てる気持ちが浮かび上がってくる様子が無いままに口を開く。
「そして、最後にシロガネ。基本的に役割としてはニヴルヘイムと同様だ。だが、ニヴルヘイムとは違ってシロガネの武器は自由に使っても構わない。ただ、当然の如く味方に被害を与えるような真似はしないように。……さて、じゃあまずは早速の初仕事だ。ハイヴに生えているあのモニュメント……あれを消滅させてやれ」
ニーズヘッグのモニタに、50m程の大きさのモニュメントが映る。ハイヴ成長の指標の1つでもあるその構造物は、俺達の様子など歯牙にも掛けぬといった様子でそびえ立っている。
『ええ、分かったわ。……標的、ハイヴ直上のモニュメント。グラビティ・バスター……撃てぇっ!』
その言葉と共に、シロガネのブラックホールエンジンが最大駆動し、同時に艦首モジュールに内蔵されたネオ・グランゾンの胸部パーツに重力波が集まり……次の瞬間、収束された重力波砲が放たれ、漆黒の砲撃は真っ直ぐに進み……高さ50mを誇るモニュメントを貫通し、爆散し、消滅させた。
ハイヴの象徴ともいえるモニュメントの消滅。これはマブラヴ世界の住人にとっては色々な意味で大きかったのだろう。シロガネと繋がっている映像モニタからは観戦武官達が上げる喜びに満ちた雄叫びが聞こえてくる。
ブリッジから少し離れた場所にいる観戦武官達でこれなんだから、遠くでこちらの様子を窺っているアメリカ海軍や国連海軍、あるいはシロガネから映像を中継されている各国でも似たようなものだろう。
『モニュメントの完全消滅を確認。いいわよ、アクセル』
「よし、全機行動に移れ。ハイヴ周辺で戦う者達は光線級、重光線級を最優先に撃破するように。次点が要塞級、後は好きにしろ。では、各自散開! アラビア半島防衛戦の時と同様、俺達シャドウミラーの力をこの世界の者達に見せつけるぞ!」
その言葉に従い、転移してきた全ての機体がそれぞれの行動へと移るべく散っていく。
数万機の大軍であるが故に、当然シロガネ全機が収容出来る訳ではない。
ニヴルヘイムなら恐らく可能だろうが、そもそも転移してすぐに行動に移る以上はニヴルヘイムの中に収容しても出撃するだけの時間が掛かるだけだしな。
にしても、輸送の問題か。基本的にBETAはこうして全軍で一気に攻め寄せてくるけど、あるいは俺達のシロガネに値するような存在もいたりするのか?
そんな風に考えつつ、エナジーウィングを使って機体を傾ける。
「っとっ! 相変わらず……だな!」
ゲートから出てきた光線級と重光線級から放たれたレーザーをT-LINKシステムを使って回避し、同時にヒュドラから放たれる18門のビーム砲が光線級の群れを片付け、メガ・バスターキャノンで重光線級を纏めて一掃する。
他にも高性能な機体を優先して狙うというBETAの攻撃の関係上、シロガネとニヴルヘイムにも大量のレーザーが放たれ続けているが、それら全てをバリアで防がれている。
その光景を見ながら、現れた突撃級に向かって猛牛型のフラウスが正面からぶつかっていき、ダイヤモンド以上の固さを誇る甲殻をあっさりと砕いて弾き返す。
カメレオン型のボフリィは、その特殊な能力で姿を消しながら要撃級の隙を突いては数機掛かりで舌を放ち、身体を貫く。
アルマジロ型のグリモアは回転しながら突撃して戦車級、闘士級、兵士級といった小型のBETAを踏み潰していき、コウモリ型のハルパスは空中を飛びながら衝撃波を放って仲間の援護をしている。
本来であれば空を飛んでいるハルパスなんかは光線級、重光線級のいい的なんだが……この戦場にはハルパスを遙かに凌駕する性能を持ったニーズヘッグやシロガネ、ニヴルヘイムがいる。そうなれば当然BETAとしての本能で狙われるのはこちらになる訳で……結果的に、ハルパスは何の脅威を感じるでも無く上空からの援護を行う事が出来ていた。
当然修羅達を率いているアリオンも、その特徴で有る速度を活かしながら要塞級の振り下ろしてきた足を回避し、尾の先端を回避し、カウンターとして要塞級の顔面へと無数の拳を叩き込んでいる。
修羅の奴等、色々な意味ではっちゃけてるな。この映像を見ているマブラヴ世界の者達はどう思っているのやら。
いや、それはシャドウミラー勢にしても変わらないか。
シャドウの放つビームガトリング砲や、グラビティキャノン、クロスマッシャーがハイヴの中から次々に姿を現すBETAを纏めて消滅、撃破、爆破していく。
周囲に散らかるBETAの死体や肉片といったものが大量に生み出され、あるいは戦車級がメギロートに噛みつこうとして、逆にメギロートの口によって噛み砕かれている。
要撃級に向かって放たれるサークル・レーザーはその前腕を関係ない状態にあっさりと切断し、同時に首のように見える場所も切断されている。
突撃級はその足をスパイダーネットによって絡め取られて転び、後ろからやってくる突撃級が止まりきれずに仲間をその装甲殻で跳ね飛ばす。
そんな風に突撃級の足が止まったところで、四方八方からイルメヤのビームガトリング砲が撃ちまくられ、最も防御力の高い装甲殻を正面から貫通し、あるいは装甲殻の付いていない横、後ろからといった風に貫かれて息絶えていく。
「俺達にしても何も言えないな。他の幹部連中も同様だし」
視線の先に見えるのは、ムラタのトリニティゲイン。ゲートを探すのを完全にムウに任せ、自分は五大剣とシシオウブレードを振り回しては要塞級を手当たり次第に切断して回っている。
あるいはイザークもゲートを探すのをエキドナに任せながら、当たるを幸いとばかりに重光線級や光線級を片付けていた。
この辺はまぁ、予想通りというか狙い通りなんだけど……
「フェイズ2って割には結構BETAの数が多い……なっ!」
ツイン・ドライブを全開にし、視線の先に見えてきた光線級の集団の中へと突っ込んでいく。
当然こちらに向かってレーザーが放たれるが、その全てを回避しながら距離を縮め……
「沈めっ!」
間合いを詰めたところでヒュドラから18本のビームサーベルを展開し、同時にエナジーウィングも合わせてT-LINKシステムによる制御で剣戟の嵐をそこに作り出す。
殆ど一瞬にして30匹を超える光線級が斬り裂かれたのを見ながら、ヒュドラのスラスターを使って上へと向かって強引に進行方向を変え、離れ際に腹部拡散ビーム砲を放ち、まだ数匹残っていた光線級を含めて殲滅する。
「っと!」
そんなニーズヘッグに向かって放たれる要塞級の尾。まるで鞭の如く振るわれたその一撃を回避し、同時にT-LINKシステムによって敵の存在を感じ取りファントムを射出。
次の瞬間には重光線級から放たれたレーザーがファントムによって反射され、要塞級の足を切断し、尾を切断し、胴体を切断し、頭部を切断する。
そのままファントムを操作し、ビームソードを展開させたまま真っ直ぐに進ませ、重光線級の照射粘膜を貫通していく。
瞼状の保護粘膜でビームソードを展開したファントムを防ごうとする重光線級もいたが、その程度でどうにか出来る筈も無く、保護粘膜諸共に貫通されてそのまま地面へと崩れ落ちていく。
重光線級3匹を仕留めて戻ってきたファントムをヒュドラへと格納してから、再びハイヴ内部へと続くゲートを探して突き進む。
ちっ、ゲートはどこだ? ……いや、あそこか。
レーザーを放たれつつもそれを回避、あるいはファントムを使って反射しながらハイヴの方へと近づいていくと、やがてBETAが大量に出てきている場所を発見する。他にもゲートはあるのだろうが、幸いここはまだ誰も見つけていないらしく、続々とBETAが出てきている。
ハイヴの中に突入するだけなら、既に他の連中が見つけているゲートから中に突入すればいい。だが、今回の俺達の目標はハイヴ内にいるBETAを殲滅させつつ反応炉を確保する事だ。それを思えば、まだ誰も手を付けていないゲートから中に入った方がいい。
そう判断し、中へと突入しようとしたその時……
『あら、先を越されたわね』
不意にそんな通信が入ってくる。
声の主はレモンであり、その乗機であるヴァイスセイヴァーの隣にはスレイの乗っているシャドウの姿もある。
「悪いな、早い者勝ちだ。ここは俺が取らせて貰う……ぞ!」
その声と共に、ゲートから出てきている無数のBETAへと向けてヒュドラ後方に内蔵されているメガ・バスターキャノンを放つ。
強力なビームがBETAを一掃し、爆煙が晴れた後には突撃級の装甲殻や要撃級の前腕といったBETAの中でも強力極まりない場所すら残っていない。文字通りの意味で消滅している。
『……しょうがないわね、じゃあここは譲るわ。アクセル。また中でね』
『アクセルには言うまでもないだろうが、気をつけろよ。私達と違ってアクセルは1機なんだから』
「ああ、そっちもな。また中で会おう。あまり遅すぎると俺が先にメインホールに到着するぞ?」
そう告げ、小さく笑みを浮かべた2人と別れる。
そのままニーズヘッグを操りながら、一時的に敵の姿が消えたゲートの中へと突っ込んでいく。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1120
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