ドリトル先生と学園の動物達
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第三幕その二
「それとアフリカにはね」
「ああ、熊はいないんだったね」
「いるんじゃないかって噂はあるけれど」
それでもと言う王子でした。
「今のところ見付かっていないよ」
「そうだったね」
「いて欲しいけれどね」
アフリカにも熊がいて欲しいと言う王子でした。
「折角色々な種類の生きものがいるからね」
「熊もだよね」
「いて欲しいね」
こう言うのでした、そしてです。
王子はツキノワグマ達を少しもの欲しそうに見ながらです、先生にはこうしたことを言いました。
「それで先生、この熊はね」
「ツキノワグマだね」
「小さいことも気になるけれど」
それに加えてというのです。
「特徴あるよね」
「首のところにだね」
「うん、三日月みたいなね」
その白い模様を見て言うのでした。
「それが名前にもなっているんだね」
「そうだね、日本の熊はね」
「ヒグマもいるよね」
「ヒグマがいるのは北海道だよ」
日本は日本でもです。
「あそこにしかいないんだ」
「そうなのね」
「そう、それでツキノワグマがいるのは」
今先生達が診ている彼等はといいますと。
「それ以外の場所にいるんだ」
「日本の」
「そうだよ、本州と四国、九州にはね」
「へえ、そうなんだ」
「沖縄にはいないけれどね」
そこにはいないけれど、というのです。
「その三つの場所にいるんだ」
「この子達は」
「そうなんだ」
「成程ね、日本っていっても住む場所によって生きものが違うんだね」
「そこはイギリスよりもね」
先生達が前にいたこの国よりもというのです。
「その辺りは多彩かもね」
「ううん、日本の生態系って面白いんだね」
「そうだよ、本州四国九州とね」
この三つを中心としてです。
「北海道、そして沖縄はね」
「生態系が違うんだね」
「北海道の動物は日本と同じ様でもね」
本州や四国と北海道の動物達がどう違うかというのです。
「少し種類が違うんだよ」
「じゃあ実際どう違うのかな」
「それで」
「うん、例えば狐君や狸君だね」
日本でとても愛されている彼等はといいますと。
「本州にいるのはホンドギツネ、ホンドタヌキと呼ばれているけれど」
「北海道の狐や狸は」
「そう、キタキツネ、エゾタヌキというんだよ」
「また違う種類なんだ」
「殆ど同じ種類だけれどね」
それでもというのです。
「亜種になるんだ」
「ううん、そうなんだ」
「鹿でもそうだよ、狼もそうだったんだ」
「日本に狼はもういないよね」
「そう言われているよ」
実は先生はもう聞いているのです、ニホンオオカミがまだいるのではないかという噂があるということをです。
「そして栗鼠も」
「違うんだ、本州とかと北海道で」
「またね、北海道は寒いからね」
「亜種でもだね」
「違っているんだ、北海道の栗鼠はシマリスだよ」
こちらの種類の栗鼠だというのです。
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