| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ひねくれヒーロー

作者:無花果
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

恐るべきは


肉体の死は何でもない。恐るべきは霊魂の死である。
—徳富蘆花—

********************************************
恐るべきは










◇◆◇シナイ◇◆◇






やはり、暁とジャシン教は繋がっていたんだな

第三者の眼から見ても繋がりが感じられるということは・・・私の考えは間違いでなかった


・・・


・・・


・・・


間違いでなかったのは良いけれど、これからどうしようか

何一つ考えてなかった


・・・増援組が来るまで、待機でいいかなもう


「・・・まじらず、上忍?」


黙り込んでしまった私に声をかける地陸

あ、不味い

相槌の一つもうってない

慌てて声を絞り出す


「え、あぁ・・・やはり暁と繋がりがあったのですね
 まとめられた書類を確認し、情報専門の追加人員が来るまで寺に滞在させていただいても、構わないでしょうか?」


「えぇ大丈夫です
 私個人としましても、お聞きしたい事がございますので・・・」


じっと見つめられる

私もお聞きしたいんですよ伝記について・・・

じっくり話し合いましょう

さて、寺への滞在許可は下りた

追加人員が来るまで修行でもさせるべきだな

ガイとサイは・・・面白い事になりそうだ、この二人セットにして修行させよう


コンは、さっきまでなんか寺の少年と仲良さげだったなぁ

寺の武術を習得させようか

さっき火葬とか言ってたし、案外相性良いんじゃないか



「・・・火葬」


思わずコンを見る

うっかり溢した言葉にコンが強張った


「まじらず上忍、含み笑いでこちらを見ないでください」


だって・・・ねえ











◇◆◇鴉◇◆◇









水の国、霧隠れの里のはずれ、その上空———


雨雲の中を飛びまわり、人を探す

水を含んだ羽がひどく重たい

チャクラを込め水を蒸発させ瞬時に乾かしながら空を飛ぶ

雲隠れの雷の鎧のように、あっしの体は火に包まれている

見る者が見れば、火の鳥だと騒がれそうなもの


あぁこんな空を飛ぶぐらいなら、あの薄暗いアジトで寝ている方が良かった


だが命令は絶対

忍鳥たるもの受けた任務は達成せねばならない

何時間も飛び続け、ようやく見つけた御人は、無数の墓標の前に立ち尽くしておられた

探し人めがけて急降下

風を切り、雨をよけ、彼の人の攻撃範囲より逸れた墓標に足をかけた


「———鬼鮫の旦那!
 随分と探しましたぜ」


「・・・鴉、ですか
 何の用です?」


雨にぬれることも厭わず、ぬれ鼠となった鬼鮫の旦那は、ただ只管墓標に向かって祈りをささげていた


「お仕事ですよ、お・仕・事!
 ったく、波の国から移動したんならそうゼツに伝えてくだせぇ」


ゼツに伝えなかったせいで、波の国近くをうろうろしてたあっしが駆り出されたんですよ

そう嫌味と共に告げると、彼はようやくこちらを直視して苦笑した


「仕事ですか、仕方ありませんね」

「・・・しっかし、鬼鮫の旦那も祈りなんか捧げるんでやすね
 誰か良い人の墓ですかい?」


里に残してきた恋人だとか?

そう笑って聞いてみれば、明るく笑って否定された

なんだ、面白みのない反応だこと


「これは、私が殺してきた者たちの墓ですよ
 ————あぁ、勿論、”私”が殺してきた者たちです

 ”こちら”の私が殺してきたものは———知りませんねぇ」


墓ぐらい、作って上げられれば良いんですが


・・・そう呟かれて、思わず鳥肌が立った 元から鳥肌だった


「ありゃ・・・鬼鮫の旦那ってそういうキャラだったんですかい」


一々殺害した者の墓を作るなんて、なんてマメな事を

イタチの旦那ですら、黙祷するぐらいで終わっちまいますよ


「”他の私”はどうか知りませんがねぇ

 とりあえず”四代目水影|鬼灯 満月《・・ ・・》の世界”の”私”は————

 殺してきた者の墓は必ず作っています

 ・・・1人を除いてね」 
 

世界が違えば習慣も性格も違う


鬼鮫の旦那はそんなに変わりの無いお人だと思ってたが、認識を改める必要がある


確かに、うちのイタチの旦那ですらあんなに違うのに、他の方々が違わないというのもおかしい


・・・オレの所じゃ、もうちょっとツッコミ寄りだったんだがねぇ・・・

月隠れの人間は大抵あんな感じだったそうでやすけど・・・


「さて、無駄話はここまでにしておきましょう

 まずは仕事の詳細を聞くとしましょう」


そう言って歩き出す旦那の方に乗る

鮫肌の存在が少々恐ろしいが、不満を言えば削られてしまうので黙っておく



詳細を話そうと顔を見上げれば、何処か虚ろな目でなにやら口を動かした



「(南天、イカリ)
 
 ・・・おや?どうかしましたか?」


何をどう言えば良いのか

口ばしを忙しなく動かしてやっと出てきたのは、気遣いの欠片もない言葉



「いえ別に・・・その1人の墓、早く作れたらいいでやすね」



そういうと旦那は、今まで見たことのない、満面の笑顔を見せた



「ええ!

 早く、墓を作ってあげませんと・・・

 確かに殺したはずですのにねぇ」



邪神がどうとかそんな問題じゃない

こいつは、元から狂ってやがる






暁にまともな奴は、デイダラの坊主ぐらいしか残ってないんじゃないか






小南の姉御や飛段の旦那は明らかにおかしくて

発狂したマダラはパルコの操り人形

ゼツはマダラに逆らえず、静かに狂ってきている

角都の旦那はリベンジに向けて目が眩み、周りが見えていない

イタチの旦那は一見まともそうに見えるが、その実ただの宗教狂い

サソリの旦那は狂うのを承知で自分の理想を追い求めている



ペインの旦那が逃げ出したのは正解だ



・・・やっぱり、デイダラの坊主しかまともな奴いないな



そういえば、デイダラは記憶を与えられなかった上に、洗脳もかけられなかった



邪神は、何を考えているのか



シアワセな世界のために、必要な事なんですかねぇ















◇◆◇?◇◆◇










————|並行《平行》世界の境界が明らかになりました————



金色の光が、人の形を成す



————ケースナンバー4 罪悪感————



小さな小さな、まるで幼児のような姿




————祈りを 拒絶しますか? それとも 受け入れますか?————




金の炎が片手を上げる

炎に写し出されたのは志村イカリ




————お日様は、笑いません————




************************************************



ケースナンバーが4なのは一応理由があります

暁のやりたいこと、誰がどこの記憶を持っているのか

徐々に書いていきます
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧