ソードアート・オンライン~黒の剣士と紅き死神~
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外伝
外伝《絶剣の弟子》①
前書き
なんか前もあった気がしますが予定を変更します。
本来ならば人界編に入るところですが、ここらで日頃から拙作を時間を割いて読んで下さっている皆様にお礼の意を込めて外伝を少しやっていきたいと思います。
1ヶ月ほど前にお昼寝をしていたら湧いてきたネタをちょこちょこ書き進めていたら長くなってしまいました。
新たなオリジナルキャラとユウキのお話です。
時期的にはMR編が終わり、螢がボロボロになって入院している時です。
アルヴヘイムオンライン。数あるVRMMOの中でも特に有名なそれは初心者には少しハードルが高い。プレイヤースキル制……つまり、アバターの身体操作をプレイヤーの運動能力に依存し、システム的サポートは一部を除いて無いに等しい。チュートリアル代わりの初心者クエストをこなし、最低限楽しめるだけのアイテムを渡されれば古参新参入り乱れる、剣と魔法の世界に蹴り出されるのだ。
志望した高校に受かり、新生活にも段々と慣れてきた4月半ば。念願だったアミュスフィアとALOのパッケージを手に入れ、VRデビューを果たした《ライト》こと『南 光(みなみ ひかる)』は選択したインプ族のスタート地点、首都テネブラエ中央街区で途方に暮れていた。
「はぁ……やっぱり難しいの選んじゃったのかなぁ……」
今までやっていた2Dのゲームならば初心者歓迎を掲げるギルドへの推薦まで提示してくれたりしていたが、どうやらある意味で本物の対人関係を築く事になるVRゲームではそんなサービスは無いようだ。多少リアル運動神経が良いからと言って調子に乗り過ぎたかもしれない。
かと言ってその辺に歩いている適当なプレイヤーにレクチャーを頼むという対人スキルは無い。2Dでも、必要が無ければソロでやって来た類の人種だ。
「とにかく、簡単そうなクエスト受けて情報集めないと」
VRゲームは初めてとは言え、前世代のものは相当やり込んだクチだ。この手のものは最初に採取クエストを受けて雑魚を相手に戦い方を学ぶのが常套。そこは変わらないはずだ。
クエストボードに立ち寄り、すぐに出来そうなデイリークエストと初心者用の採取クエストを幾つか受ける。
「よし!頑張ろう!」
初期装備のスモールソードを腰に差しラウンドシールドを左手に持つとフィールドに出て行った。
「……って、何でこうなるんだ⁉︎」
死に物狂いのダッシュから横に跳ぶ。飛び退いた場所を巨大な質量が駆け抜けていく。
アバターの体躯程の太さの牙が見え隠れする顎、強靭な四肢に太い尻尾。黒光りする鱗を全身にまとい、咆哮を上げながら大地を疾走する巨大蜥蜴……いや、地龍だ。
「グオオォォォォォォッッッ‼︎‼︎」
獲物に寸前のところで逃げられたのが気に入らないのか、周囲の木々を片っ端から薙ぎ倒し、血走った目を周囲に巡らせる。すぐに俺の隠れる草陰を見つけると、また野太い咆哮を上げた。
「ひっ……」
初心者クエストの残りも終盤になり、VR空間での体の動かし方が分かってきた頃、目の前に巨大な巣が現れた。その時受けていたクエストとは何の関係も無かったが、丁度その巣の主もいなさそうだったので後学の為に覗いてみる事にした。
巣の中にはスヤスヤと眠る小さな龍が5匹いた。なけなしの識別スキルでカーソルを合わせてみれば、その子龍とは言え今のライトでは到底相手にならない差があった。
プレイヤースキル制でレベルは無いとは言え、初心者のソロではとても相手にならないだろう。ここは何もせずに引くが勝ちと思い、巣から降りようとすると、手の届きそうな場所に黒い鱗が落ちていた。慎重に手を伸ばしそれを拾って調べてみると、とんでもないレアリティのある鱗だということが分かった。
これを持ち帰って換金するなりすれば、初心者としてはしばらくの間、ユルドには困らないだろう金額になるのは明白。是非にでも持って帰ろうとそれをストレージにしまった時、子龍がこっちを見ているのに気がついた。
凍る時間、走る戦慄。子龍が警戒の声を上げ、それが5匹の合唱となり森に響く。遠くで遠雷のような咆哮と地を揺るがす鳴動がライトの元に届いた時には、既に体は脱兎の如く駆け出していた。
地龍に森中を追いかけ回され、ついに今追い詰められてしまった。
死亡ペナルティはまだ緩いが、アイテムドロップは存在する。殆どまだアイテムを所持してない以上、あの鱗がドロップする確率は高い。
(あーあ。欲張るもんじゃないな……)
ペインアブソーバーという機能のおかげで痛みは感じないらしい。ただし、モンスターに捕まり、咀嚼されながら死ぬというのは相当トラウマものらしいが。
一度ログアウトしてその光景からだけでも逃げようにも、もうウィンドウを開いて操作するだけの時間は無い。
ため息混じりに死を受け入れようとしたその時。
空から"天使"が舞い降りた。
すたっ、とライトの目の前に降り立ち腰から剣を抜くと同時に、"天使"はそれを振り上げた。
……ただそれだけ。何の飾りもなく、威力も感じない自然な動作と何ら変わらないような動きだった。
地龍は勢いを失わずに迫り、その"天使"の前で急停止した。まるで時間が止まったようにピタッと止まった。
「えい♪」
剣を下ろして腰を折り、指先でその地龍をつつくと、地龍は真っ二つに割れていき……盛大に四散した。
ポリゴンの残滓が降り注ぐ中、その"天使"がくるりと振り向く。
先程から天使と称してはいるが、色合いで言えば天使とは程遠い。
長く伸びたストレートの髪は濡れ羽色の艶やかなパープルブラック。胸部分を覆う黒曜石の軽量戦士用のアーマーは柔らかな丸みを帯び、その下のオープンショルダーのチュニックと、ロングスカートは青紫色、腰には黒く細い鞘。細剣のように細い片手直剣をくるくると手の中で回してからそれを納めると、俺を見てにっこりと笑った。
「キミ、大丈夫?危なかったね」
「……あ、はい。大丈夫です。ありがとうございました」
「いいよいいよ〜。丁度通りかかっただけだしね」
手を頭の後ろで組んでに笑っているその女の子がかなり可愛い容姿をしたアバターだと今更ながら気づくと、思わず尻込みしてしまいそうになる。が、とにかく今はお礼を言わなければならない。
「あの……改めて、ありがとうございました。俺はライトと言います。今日始めたばかりの初心者です」
「ボクはユウキだよ。去年の終わり頃にALOへコンバートして来たんだ」
「そうなんですか……それで……」
VRゲーム初心者では無いのはすぐに分かった。なんと言うか、雰囲気が違う。この世界に馴染んでるというか……居住まいが自然だ。
どうにかこんな状況になるまでの事を説明すると、ユウキさんは笑いながら教えてくれた。
「ああゆう怪しいものは初心者にとっては即死トラップみたいなものだから、気をつけてね」
「はい……」
初級ダンジョンの中にはごく稀に、初心者には手に負えないモンスターの出現するポイントがあるそうだ。慣れていればギリギリ勝てる程度のレベル設定で中々際どいらしいが。
「えーと、もう街に戻るのかな?良かったら送って行くけど……」
「いえ……まだ、やる事が残ってるので」
「そっか……」
じゃあこれでお別れだねと言って笑い、翅を広げるユウキさんに声を掛ける。
「あの!まだ街には帰れませんけど……も、もし良かったら、俺にこの世界のことを教えてくれませんか⁉︎」
しかし、俺は何故か彼女を呼び止めた。普段なら絶対しないし、そんな度胸も無いのに……何故かこの時だけは言葉を発した。
「えっと……この世界のことって言うと……?」
「えと、戦い方とか……翔び方とか……色々」
言ってしまってから失敗したと思って焦る。これは無償で技術を教えろと言っているのに等しい。その人が長い時間を費やして磨き上げてきた技術を。でなくともいきなり女性にこんなお願いをするなどマナー的にもどうなんだ。
「あああ、あの!ごめんなさい!失礼な事を!」
「へ?何謝ってるの?良いよ、別に」
「……え?今、なんと?」
「良いよ。ボクは今、丁度することが無くて、ただここら辺を翔んでただけなんだよ。それでなくても、これからライトはALOやってく訳だし、ちゃんと楽しめなきゃ損だもんね」
ユウキさんはそう言ってニコッと笑う。その笑顔はまるで花のように可憐で……思わずドキッとしてしまうような、そんな笑顔だった。
「ありがとうございます!このお礼は、いつか必ず……」
「んー……別にそんなのいいんだけどなぁ」
「いえ、必ずさせて下さい」
してもらった分は必ずなんらかの形でお返しする。それは人としての一般し常識であり、俺のポリシーだ。
ゲームの中の事といえ、それだけは曲げられない。
「ん。じゃあまずはクエスト終わらせちゃおう!」
「はい!」
これは、まだ俺が彼女の事を何も知らない無知な頃の話……。
「ハァッ‼︎」
片手直剣2連撃技《バーチカル・アーク》が鳥型モンスターにヒットし、HPを大きく削った。
ソードスキルを使った反動で空中での姿勢が崩れるが、ようやく慣れて来た随意飛行のテクニックで必死に立て直す。教えて貰ったユウキさんは姿勢を崩さずに飛行と攻撃を同時に行う《空中戦闘》も可能なのだが、その境地にはまだまだ程遠い。
「キェェェェェ‼︎‼︎」
鳥型モンスターは奇声を上げながら俺の周囲を旋回しだし、隙を突こうとしている。
どうにか隙を作らないよう、常に体の向きで追随するが、数秒の後に振り切られてしまった。
「くっ……」
後ろから接近する気配に対し翅の力を抜く。途端に仮想の重力が作用し、危うい所でモンスターのチャージをかわした。
ターゲットを見失ったモンスターは戸惑ったようにその場にホバリングし、辺りを見回している。
「せい……やぁ‼︎」
自分の出来る全速力で体勢を立て直し、剣をソードスキルのモーションへ持っていく。
突進系《ソニックリープ》
未だに空中での、特に戦闘中のソードスキル発動の成功率は4割と非常に低いが、この時は運が良かったのか無事に発動する事が出来た。
重力を無視してシステムアシストが作用する。モンスターに赤いダメージエフェクトを刻みながらさらに上空へと突き進み交差後、後方でポリゴンの破砕音を聞く。ドロップしたアイテムの告知ウィンドウが出現した所でソードスキルの残滓を解いた。
「ふぅ……」
周囲の空域に敵影は無い。この手の敵は大抵3匹から5匹の群れになっている。それが単体だったのは偶々では無く、ちゃんとした理由があった。
「あ、終わってたんだ。もう空中戦闘は慣れた?」
「いえ、まだまだ必死です……」
「でもちょっと前に比べたら見違えるよ。偉い偉い♪」
そう言ってぽんぽんと頭を撫でられ、思わず顔を赤くしてしまう。今回の5匹の群れの内、俺が倒したのは1匹だけだ。
ユウキさんと出会ってから1週間。予定を合わせて何度かALO内で俺達は会っていた。言動や会話の内容でユウキさんは恐らく自分とそんなに変わらない年齢だと思われた。その同い年くらいの女の子に頭を撫でられるというのは、どうにも恥ずかしい。
仮想世界だからフレンドリーなのか、リアルでもこんな人なのか。思春期真っ盛りの煩悩や淡い妄想を頭の隅に押し退けるのにこっちが苦労しているのにも関わらず、ユウキさんはそんな事お構い無しに撫でたり手を握って来たりする。
「それは……ユウキさんが一生懸命教えてくれるからです……」
「え……?あ、ああ。そうなんだ。なんか、そう言ってくれると嬉しいかな……」
一転。今度はユウキさんが顔を赤くして頬を掻く。普段は元気一杯、天真爛漫という言葉が似合う様子なのに時折こういったしおらしい『女の子』が出てくる。そのギャップがまた俺の心中に波を立てるのだ。
「……と、そんな事よりそろそろ武器と防具一式更新した方が良いかな。初級ダンジョンはもう飽きたでしょ」
「確かに物足りなさは出てきましたが……まだまともに翔べないですし」
「どうせダンジョンの中はほとんど翔べないから大丈夫!『人間追い詰められた時が一番活き活きしてる。実力を上げたいならとことん自分を追い詰めろ。後、こっちは見てて楽しい』ってボクも教わったし」
「……毎回思うんですけどその人、本当に頭大丈夫ですか?特に今のやつの最後、完全にドSじゃないですか」
ユウキさんの話に時々出てくるその人は中々個性的な人で、言う事なす事がかなりダイナミックだ。詳しく訊いたことは無いが、多分ユウキさんがALOを始めた時に色々教えてくれた人なのだろう。ユウキさんがその人の事を話す時はどこか嬉しそうで、同時に寂寥も感じた。恐らく、何らかの理由で会わなくなったとか、その人がALOから居なくなってしまったとか、そんな事情があるのかもしれない。
「そうだねー。ちょっと頭がどうかしてる時もあるけど、それでもどうにかしちゃうんだよ」
「はあ……」
苦労してたんだなと勝手に納得し、ユウキさんの提案に従う事にする。初心者クエストが終わった後に例の鱗を売り、インプ領で手に入る中で最も強力かつSTR値に見合う店売り防具に更新しただけあって初期装備とは一線を画すが、強化しない限り中級ダンジョンの難易度高めの方では心許ないらしい。
武器もそれに応じて更新しないとならないのは言わずもがな。だが、ある意味これがRPGの醍醐味と言うものだろう。
「分かりました。武器と防具を揃えに行きましょう。あてはあるんですか?」
「うん。ボクの友達に頼めばすぐ作ってくれるよ。それじゃあ、しゅっぱーつ!」
「え……?つく……って?え、プレイヤーメイドのにするんですか⁉︎」
プレイヤーメイドは質がNPCショップより上がるものの、値段はかなり跳ね上がる。いくら資金が潤沢とは言え、大丈夫なのだろうか。
「あの、それでユウキさん。そのお友達さんは何処に……」
「イグドラシル・シティ!」
その昔、アルヴヘイム央都《アルン》を囲む平原には強力なモンスターは大してポップしなかったらしい。だが、今やそこはアップデートによる改変で高レベルモンスターが跋扈する。故に腕に自信が無い者がアルンに行く場合、設定された迂回ルートを行くしか無いのだが……
「うわぁぁぁ⁉︎」
「ごめーん、もうちょっと頑張ってね」
さっきの鳥型モンスターの10倍……いやそれ以上に巨大な龍の鋭い牙が俺の足先を掠める。
巨大故にスピードは遅いが、一撃でも貰えばただでは済むまい。
「ユウキさん!近道は良いですけど!ここ、かなり難易度高くないですか⁉︎」
「んー、そんなに気にした事無いから分かんない!」
爪や牙、翼などの攻撃をギリギリのところでかわしつつ、4匹相手に奮闘しているユウキさんに声を掛ける。が、返ってきたのはちっとも安心出来ない言葉だった。
初っ端から強者であったが故の無自覚か……一生懸命教えてくれるのはありがたいと思っているが、師事する人としては間違ってしまったようだ。
「うわぁ⁉︎」
巨大な顎が足のすぐ下でガチンと閉まり、慌てて足を引っ込め真上へと逃げる。この手のモンスターは翼で羽ばたくが故に真上へ追いかけるのは苦手としている。上昇モーションには割と時間がかかる為に一番安全なルートだ…………別の龍がいなければの話だが。
「グオオォォォッ‼︎‼︎」
「うおぉぉぉっ‼︎」
半ばヤケクソ気味に左旋回して頭上からの新手を避ける。これでこの場には6匹の龍がいることになる。
「ユウキさん!もう一体来ましたけど⁉︎」
「はいよー」
こんな状況だと言うのに相変わらず緊張感の欠片もない返事しか帰ってこない。1匹引き付けるだけでも苦労しているというのに2匹もどうしろと言うのだろうか。
「やぁっ‼︎」
4匹の龍の波状攻撃を巧みにかわしては反撃していたユウキさんが突然声をあげた。その手に持つ剣は青く輝き、不可視の速度で動き始める。
単発ソードスキル《バーチカル》
縦から垂直に剣が振り下ろされ、真正面にいた龍を真っ二つにする。単発技の為に短い硬直時間で復帰すると、再び構えを取る。剣が再び光を放ち、ユウキさんの姿が消える。
突進系ソードスキル《ソニック・リープ》
1匹目とは逆位置にいた龍が消え去り、ユウキさんの周りにいるのは残り2体となった。その内1匹が技後硬直中のユウキさんに背後から迫る。
「あぶ……っ⁉︎」
「危ない!」と叫びそうになったその言葉が途中で引っ込む。片手剣が光を帯びている。硬直が解けた瞬間、既に反撃の準備は出来ていたのだ。あれは基本中の基本のソードスキルである《スラント》。
スラントは斜め上から斜め下への袈裟斬りが一般的だが、斜め下から斜め上の軌道で発動することも可能だ。つまり、少し体をずらしてやれば背後から迫る敵をーーー
「はぁぁぁっ!」
「グオォォォッ⁉︎」
3匹目も同じようにポリゴン片に変え、間髪入れず再び突進系ソードスキルの構えを取る。剣を下に垂らしたあの構えは《レイジング・スパイク》。
一瞬で4匹の龍を始末したユウキさんはこちらに向き直るとニコッと笑った。
仲間を多く殺されたせいか、俺を追っていた龍2匹のターゲットはユウキさんに移っている。1匹が高らかに咆哮をあげると猛然と距離を詰め始めた。対するユウキさんは涼しい顔で剣を肩に担ぐように構える。剣は黒く怪しく輝き次の瞬間、轟音を立てて撃ち出された。
片手直剣単発重攻撃《ヴォーパル・ストライク》
龍の体に大穴をあけて交差し、俺のすぐ手前で止まる。残る1匹は低く唸り声をあげ、鱗を逆立ててこちら、いや、ユウキさんを威嚇している。
「悪いけどーーー」
そう呟くとユウキさんは今まで見たこと無い構えを取る。無手の手を前に突き出し、剣を先端を龍に向けながら引いていく。
「ボクの知り合いの子の使い魔の方が強そうだよ」
《イグドラシル・シティ》に着いたのはそれから約30分後のことだった。本当は世界樹の麓のアルンの街も見てみたかったのだが、今は用事を終わらせることを優先する。
「ところでユウキさん。ここまで来たは良いですけど、その人今ログインしてるんですか?」
この人の性格からして「いないみたいだねー。ごめーん」なんてことがありそうで不安だ。いざ着いてから絶望しないよう先んじて訊いてみると、意外にもユウキさんは自信満々に答えた。
「大丈夫だよ。今日は昼頃からずっといるって言ってたから」
「ああ。それなら安心です」
「?」
「何が?」とでも言うように可愛らしく小首を傾げるところが自覚が無い証拠だ。
「ま、いっか。ここだよ。ボクの親友の親友……まあボクも仲良いけど、その子が経営する店!」
イグドラシル・シティのメインストリートに堂々と店を構えてる辺りユウキさんの仲間だなぁ、と思いつつ看板を見上げる。
《Lisbeth Smith shop》
看板にはそう書いてあった。
後書き
はい。見れば分かると思いますがこの外伝、まだ続きそうな気配がしますw
ライトとユウキを中心に、レイをそっちのけで本編キャラと絡んだり、本編ではあまりやって来なかったクエストに挑戦する話をやっていこうと思います。
ユウキの一番弟子(?)ライト君の成長もお楽しみに!
ん?各種フラグが建っている?気にしない気にしないw
感想、意見、誤字脱字の指摘、質問等ございましたら感想板かメッセージで。
オリキャラも随時募集します。外伝はプロットを作って無いので、もしかしたらこの外伝で即出演もあるかもです。
2015/03/18 原作の読み違いにより誤った表記があった為訂正。
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