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俺が愛した幻想郷

作者:茅島裕
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俺は愛せる? 幻想郷...
俺の名前は八雲琥珀だっ!
  第十話 おい、みかん買ってこいよ。もちろんお前の金だ

 
前書き
冬の寒い日って息が白くなりますよね?
いつになってもその白い息で楽しくなるうp主妹紅です
小説書いてるときに暖房とか利かせないで居ると部屋の中でもけっこう息が白くなって落ち着いて小説が書けないんですよねぇ〜
その結果前書きでこんなどうでも良いことを...


さて、本編どぞ 

 
俺の名前は琥珀(こはく)八雲(やくも)琥珀だ
好きな色、琥珀色
俺の湯呑みの色、琥珀色だ(ついさっき紫に貰った)
たった今付けられた大切な名前だ。今までに貰った何よりも大切だと思うのだが... それはそれで有り得ないかも知れない。俺が人生のうちに何度もそのようなことを思ったことがあるはずだ
なんにせよ、付けてくれたこの名前は大切だ
今の流れで言うと大変失感だと思うが... あの俺が手にした湯呑みの色が琥珀色だから俺の名前が琥珀になったんじゃないだろうか。無駄にいろんな色の湯呑みが置いてあったしな。怖いわ



■■■



結局のところ紫の後ろにあるみかんを俺がとり、炬燵の上に置いてやった。そして食べる
その内みかんになってしまうのではなかろうか...

みかんの入った籠を見る限り、大分減って来ている。この籠の中に入っているみかんが全部だとしたら... 買って来なきゃマズイよな
ん、ちょっと嫌なことを考えてしまった... 俺の名前の件のあとにみかんの話をしたんじゃないかな、なんて

「ん。藍? 昨日の夜も言ったけど。みかんが安売りしてるから買って来て頂戴」

飛び出していい?
ここから飛び出していい?

はぁ...

「俺が買ってくるよ」

「いいの?」

「ああ。外も見てみたいし。いろいろ知りたいことがあるし」

服も買わなきゃならないからな

あ、そう言えば... 橙


■■■


橙のことを思いだし、炬燵から出て俺の部屋に向かった

あのまま寝かして置いても良かったのだが。起こしてあげた方が良いような気がしたのだ。深い意味はない。強いて言うなら... 男である以上しょうがないであろう父性的な本能だ

俺の部屋の襖を開けて布団に注目する
そうだろうとは思っていたが... 顔を出して寝ているわけではなく掛け布団の中に潜って寝ていた
苦しくないのかな... 寒いときとかに中に潜ってスマホ弄りはするが、息がし辛くて、酸素が少ないから苦しいのだ。猫は大丈夫なのかな

ゆっくり掛け布団を(めく)ってやった
布団の中にある暖かい空気がふわりと俺に当たる。自分が寝ていた布団の中に入っている空気に当たるのはちょっと抵抗がある、と言うか気持ちが悪い。だがまぁ、橙が入ってるからそれで良しとしよう(にっこり
わざと外の冷たい空気を入れてやる
すると、気持ち良さそうに眠っていた橙がもぞもぞと動き出して奥に逃げた。暖かい場所に引っ越したのだろう。俺も負けじと橙が逃げた方の布団を捲ってやるのだ。橙は泣きそうな顔をして眠っている、ちょっと意地悪し過ぎたようだ
だが... 起こしてあげた方がいいと思う
だからまだ続ける

バッサバッサと布団を動かしながら橙の頬を突ついてやる
むぅぅ、と唸っている橙のことにはなんの気持ちも持たずにひたすら突ついてやった
歯止めが効かなくなったか... 両指で両頬を突き出した俺。もっともな理由、歯止めが効かなくなった理由...

めちゃくちゃぷにぷにしてて気持ちぃからだ(気持ちぃ身体に見えたやつちょっと表出ろ)

橙の顔色や声音も気にせずひたすらぷにぷに突ついていたそうな

気づいたときには.....


橙が涙目で震えていた



■■■


「ごめん。マジでごめんっ!」

声を上げることなく怖がっていた橙は壁の奥に逃げていた。流石猫と言ったところか

「起こそうとしたんだよ。ほんとにそれだけだよ。別に橙のほっぺがぷにぷにで柔らかくて歯止めが効かなかったわけじゃないよ。あ、いや、橙のほっぺが柔らかくないと言ってるわけじゃないぞ?」

自分でも何を言ってるかわからなくなってきた

「ホントですか....?」

うるうると涙目で俺を見る橙が恐る恐る言ってきた
必死に頷く俺

「顔が怖かった... 食べられるかと思った」

ん?
頬を触ったことに対して怖がってるんじゃないのか?

「じゃあにっこり笑ってればいい?」

わざと、にぃっと笑顔を見せて聞いてみた

「はい♪ 幾ら触っても怒りませんし怖くないです」

なんだ... 顔のことか
おいおい。俺は一体どんな顔で突ついてたんだよ
と言うか頬を触ってた前提だしばれてるしいやばれてないほうがおかしいか。まぁ.... "スケベ"顏だろうに、知ってたよ.. 今後は気をつけるとしよう

「さて、突然だが橙。頭撫でさせろ」

「はい! よろこんで♪」

ん?気をつける? なんのことだ?


■■■


疲れるまで橙を撫で続けたあと、橙を連れて居間に行った
居間に『おはようございますっ!』と元気な声が響き、紫と藍さんも笑顔で返事をする
八雲家は平和です

仁王立ちしてにこにこしていた俺を見た紫が何かを思い出したらしく。正確には思い出したように。自分の服のポケットをトントンと指さしてにっこり笑ったのだ。俺のポケットに何か仕組んだのだろう、ジェスチャーと言うやつだ
ポケットに手を突っ込んでみる。"硬い革"の様な触り心地の何かが入っていたので、取り出して見てみる

なるほどね...

一旦、その硬い革で作られた金属のアレをしまうためのアイテムから目を離す

ちらりと紫を見るが、笑顔だった
だがその笑顔は一味違った笑顔だ。訴えている笑顔。つまり、何かを伝えている
すなわち


『みかん買ってこいよ?』


そう、渡されたのは財布だ。普通の財布
なんで金貨が文なのに財布はモダンなのか知りたいが... 深くは探らないで置こう

ん... なんかこの財布、キズついてないか?



■■■



まぁ...まぁね?
俺確かに自分で言った
みかん買ってきますって、言いました
だから買ってくる気はある。あるんだけどね。この財布の中に入っているであろうお金が俺の小遣いだとしたら(流石に紫でも自分の財布を俺なんかに渡すわけないだろう? だからそう言う考えになったのだが)
と言うかもっとも....
この財布さぁ

「俺の財布じゃねぇかっ!!」

なんで金貨が文なのに財布がモダンかって?
俺が現実世界に居たとき使ってた財布だからだよっ!! 最初はよく見てなかったし、俺が使ってた財布と似てるなぁと思ってただけだ
だがしかし... 財布に出来た痕が俺の使ってた財布と全く同じなんだよっ!!
色も一緒だしよぅ...
長財布で、小豆色で、普通ならつかないようなキズ(痕跡)がついてて(とある飲食店でバイトしてたときに食器洗浄機の中に財布落として洗ったんだよね〜あっははは)
完璧、俺の財布だよこれ

話は戻って
この財布の中に入ってるお金が俺の小遣い。つまり、みかん買ってこい、は自腹だ...
小遣いとみかん代が一緒に入っていることを願おう...

それにしても、この財布あれだよな
紫が能力で取って文銭入れたんだろう? 紫の能力はホントに凄いよな... 行き来するんだぜ? もっと凄い能力を持っている人も居るんだろうけどさ。まぁ、例えば。時を止める能力とかさ。能力をコピーする能力とかはないかな... いや、あってもそんなに凄くないな、増してや弱いと思う

そう言えば、俺の能力ってつまりテレポートだよな? 生身の人間はテレポート出来ないけど物は出来る。紫みたいに世界越えて物を持ってくることは出来ないだろうか...?


そんなことを考えながら八雲家から離れる青年が一人居た
とか自分のことを言っている俺
 
 

 
後書き
俺がいつも乗ってた自転車(マウンテンバイク)とかテレポートできないかなぁ
あれがあれば結構楽だと思うんだよなぁ 
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