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東方大冒録

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第二部・永夜抄×星蓮船~人里の壊滅~
  主人公3人、かるーくガールズトーク。

 
前書き
はい、永夜抄、星蓮船のキャラを一気に詰め込んだ第二部、始まります。
今回久しぶりに短くなりました。
 

 
暗基は1人、暗い夜の森の中を歩いていた。レミリア達の生活リズムに合わせて、夜に出発したのだが、夜道をたった一人で歩くのはやはりさみしいものがあった。

「霊夢と魔理沙に話し相手になってもらおうかな」

そう言って暗基はカバンから祈祷棒と八卦炉を取り出すと、はじめにしたときと同じように霊力を送り込んだ。すると、以前行ったときよりもスムーズに霊夢と魔理沙の形を成していった。そして形が出来上がるなり、霊夢と魔理沙はにやつきながら暗基に話しかける。

「あんたも憎めないわねぇ」
「ぜろー、お前男だなぁ」

2人のこの台詞を聞いた瞬間「あ、まずいこれ」と思った暗基だが、とりあえずすっとぼけてみる。

「え、なんのことすか霊夢さん魔理沙さん」

すると、やっぱり回避不可なんですねわかりたくないですと叫びたくなる台詞のラッシュを仕掛けてきた。

「とぼけんじゃないぜ? 咲夜とk」
「うわぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!」
「『背に腹は変えられないか……、仕方ない』だっけ?」
「やめろぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!」
「しかし相当長くやってたよなー、お前もしかしてさ……」
「きっとそうね。咲夜のこと……」
「これ以上おれのSAN値を削らないでくれぇぇぇぇぇええええ!!!!!!」

暗基は、発狂した。




























その頃、遅れて出発した咲夜は、飛ぶのもいいがたまには歩きながら追いかけてもいいだろうという考えに至り、歩いて暗基を追いかけていた。

「……、はぁ、私どうしちゃったのかしら……」

咲夜は、体の調子ではないが、どうも調子があまりよくなかった。なぜかは自分でもまったくわからなかった。しかし、心当たりだけはあった。

「零にキスされたってパチュリー様に言われてからよね……。って、なに考えてるのよ私は……!?」

そう。つい5日ほど前に出会ったばっかりの、しかも最初は割りと最悪な出会いをした男、暗基零に、人工呼吸しなければいけなかったからとはいえ、口付けをされたことをパチュリーに教えられた(?)あとから、調子が悪かった。
きっと、それが原因で自分は調子が悪いのだと、咲夜は結論付けていた。だが、どこが調子悪いのかと言えば、頭ではないし、手足でもない。ただ、調子が悪い。

「……、はぁ……」

咲夜は、ため息を出すしかなかった。そのとき、

「これ以上おれのSAN値を削らないでくれぇぇぇぇぇええええ!!!!!!」
「?」

明らかにどこかで聞いたことのある、というかついさっきまで聞いていた男の声が聞こえた。

「この声、絶対零よね……? 何かあったのかしら?」

不思議に思った咲夜は、急ぎ足で声の元へと向かった。




























「うぅ……、うぅぅ……」
「ごめんなんだぜ……」
「まさかここまで豆腐メンタルだったなんて……」
「霊夢!! それ言ったらいけないやつだぞ!!!」
「霊夢……、お前覚えてろよ……」

暗基は霊夢、魔理沙の2人に徹底的にいじられて、思いっきりいじけていた。それに対して少なからず悪かったと思って謝罪する2人という、ちょっと汚い絵面が出来上がっていた。

「ちくしょう……、あれはほんとに不可抗力だったんだけど……」
「だから悪かったって……。いつまでもいじいじしてんじゃねぇぜ」

魔理沙はこのイジケ暗基をどうしたらノーマル暗基に戻せるのか悩んでいると、霊夢が何かを見つけたようで、

「……? 何か来るわね……?」

そうつぶやいた。それに反応したのは、

「ん? なんだろう……?」

なんと暗基だった。さっきまでのいじけたような姿ではなく、普段のよくわからないがきりっとした顔になっていて、魔理沙は思わずすげぇ、とつぶやいた。そんな魔理沙を放っておいて、暗基はソウル・ファンネルを1つだけ展開させる。

「この半径10メートルに、簡単な結界を作ってくれ。その結界に触れた者がどこにいるのか、わかるようにもしてくれ」

暗基がそういうと同時に、ファンネルが暗基の真上に霊力のレーザーを発射させた。そのレーザーが爆発すると、膜のように暗基の周りに拡がっていく。

「へぇ、そのファンネルだっけ? こんなことも出来るのね~……。しかもしっかり結界になってる……」
「なんかよくわかんないけど、すげぇな零って……」
「どうも。おっ、張り終わったな……、はぁ!?」
「どうしたの?」

暗基が結界を張り終わったと同時に驚きを隠せないといった声色で叫んだ。そしてすぐまたさっきのイジケ暗基になった。

「……、う、うそだろ……!?」
「だから、どうしたんだよ!?」
「さ、さ……、咲夜だ……」
「なーんだ、咲夜か……、えっ?」
「咲夜か。何でそんなに驚く……、はぁ!!?」
「「えぇぇぇぇぇぇええええええええ!!!!!? 咲夜がすぐそこにいるの!!!!?」」

なんと、今の今まで話題にしていた、十六夜咲夜が暗基の10メートル以内にいるらしいのだ。思わず霊夢と魔理沙もこの出来すぎな展開に驚いてしまった。そして、さらに驚く事態が発生する。

「何で私がいるとそんなにおどろくのかしら?」
「きゃぁぁぁぁああああああああ!!!!!?」
「うひぃぃぃぃいいいいいいいい!!!!!?」
「いくらなんでもそんなに驚くことないじゃない!!? て言うか何で貴方たちここにいるの!!?」

後ろからいきなり話しかけられ、思いっきり驚く霊夢と魔理沙。そしてなぜここにいるのかわからなくて驚く咲夜。そしてそれに対して、

「すげぇー、妖々夢と輝針城の3人がそろった……」

とぼそりとつぶやく暗基だった。


























「わかったか?」
「なるほどね」
「そういうわけよ」
「そういうわけだぜ」

暗基は咲夜にどうして封印されているはずの霊夢と魔理沙がこんな場所にいるのかを事細かに説明した。

「確かに零なら出来そうね」
「まったく、大した能力だと思うわ」
「ほんとになー」
「恐れ入りますハイ」

暗基はほめられているのかなんかよくわからない状態に浸っていた。そしてそれは、一瞬で崩された。

「ところで咲夜さ、お前って零のことどう思ってんだ!?」
「ぶぼぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!?」

魔理沙がまたあの話を始めたからだ。暗基はまた叫び始めた。

「えっ!!? いきなり何よ!!?」
「そうそう今零とその話をしてたのよ! 実際どうなのよ!?」
「j;亜lkfhpぢそくぃおてぽいhsdふぁ;khふぉjf;hぽえwtph;jsdh!!!!!!?」

霊夢もまたそれに乗っかってきた。暗基の叫び声はもはや人間とは思えない物となっていた。そしてこれはきっととんでもないことになると、ついさっきまで関わっていてわかっていた咲夜が、何としてでも暗基の暴走だけは止めなければいけないと思い、話題回避を試みる。

「そ、それって今言わなきゃだめかしら!!?」
「そんなの当たり前じゃねぇか」
「エー別にいいじゃない今言っちゃいましょうよ~」
「くっ……!! って、あぁ、もうだめじゃない……」
「ん? なにが?」
「なにがだめなんだ?」

咲夜はもう手遅れになったこの状況に頭を抱え、まるで理解していない霊夢と魔理沙は相変わらず聞き出そうとしてくる。すると、ちょうど暗基がうなだれていた場所から、おぞましい声が聞こえてきた。

「……、オイソコノオメデタミコトモノトーンマジシャンヨ」
「……、ゑ?」
「な、なんだぜ!?」
「はぁ、私はもう知らないわ。骨だけは拾ってあげる」

暗基の周りを、「怒り」の二文字が覆っていた。そしていまさらになってすべてを察した霊夢と魔理沙は、必死になって命乞いを始めた。

「い、いや、ちょっと! 零!!?」
「オマエラ」
「わ、悪かった。悪かったから! 謝るから許してくれ!!」
「残り一枚のスペルカードをこんな理由で使うのもあれだけど、もう許せねぇ!!! 食らいやがれくそったれがぁぁぁあああ!!!」

そして暗基は残り最後の一枚のスペルカードを取りだし、般若の面をつけているかのごとき顔をしてそのスペルを唱えた。

「霊滅『ソウル・サテラカノン』!!!!!!」

暗基はスペルカードを上に投げる。するとそのスペルカードが超巨大な砲台になった。

「う、うそでしょ!?」
「あ、これアカンやつやで……」
「おどれぇぇぇぇぇあああああああ!!!!」

そして、後に語られる幻想郷での怪異・なぞのクレータを、暗基は作ることになった。 
 

 
後書き
はぁ、どうしてこうなったんだろう……(笑)

次回、人里行きますよ。そして、お寺に行きますか。
お寺の人たちは皆本物です。

それでは。 
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