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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第二十一話 平和な日常

 
前書き
クラナガンで過ごすことになった大輔達。
 

 
クラナガンにあるマンションでは、プレシア、フェイト、アリシア、アルフの他に大輔とブイモンが暮らしている。
大輔「よし、こんなもんかな?」
今日の朝食はご飯、みそ汁、ベーコンエッグ。
デザートに大輔が好んで食べるアロエヨーグルトを出す。
ブイモン[おはよう大輔]
アルフ「今日も早いね~」
朝食の匂いに引き寄せられたブイモンと狼形態のアルフが現れた。
大輔「おはよう、飯出来たから、プレシア達を呼んできてくれ」
アルフ「あいよ~」
しばらくして、プレシア達が来た。
アリシア「おはようお兄ちゃん」
フェイト「おはよう大輔」
プレシア「おはよう、もう朝食が出来てるのね」
大輔「ああ」
全員が席につき、箸を取る。
最初はプレシアとアリシアが初めての和食で箸の扱いに四苦八苦していたのが嘘のように使いこなしている。
因みに目玉焼きには。
大輔とフェイトがケチャップ。
アリシアがソースとケチャップを合わせた物。
ブイモンは蜂蜜。
アルフは塩。
プレシアが醤油である。
全員が見事にバラバラである。
しかし、全員が美味しそうに食べてくれるのを見て大輔も満足である。
大輔「あ、もう卵もないな。買い足さねえと。」
フェイト「じゃあ、後で一緒に行こうよ」
アリシア「私も一緒に行く!!」
ブイモン[まあ、犯罪者がうろついてても大輔とフェイトなら瞬殺出来るだろうし。]
プレシア「それ以前に私の娘に手を出そうとする輩は分子レベルにまで分解してあげるわ」
素晴らしい笑顔を浮かべながら言うプレシアにアルフがボソッと言う。
アルフ「親バカ…」
プレシア「何か言ったかしら?」
手に紫電を纏わせながらアルフに笑みを向けるプレシアにアルフが顔を真っ青にしながら首を横に振る。
大輔「プレシ…」
プレシア「お義母さん…でしょ?」
大輔「う…」
大輔が赤面し、フェイトも赤面する。
大輔はあの世界から海鳴市に戻った後にフェイトに告白し、フェイトからOKの返事をもらった。
プレシアも大輔ならと、二人の交際を認めたのはいいものの、大輔にお義母さんと呼ぶようにと言ってくるようになった。
ブイモンとアルフは呆れ果てているが、プレシアが満面の笑みでこちらに電撃をぶちかまそうとするため無言である。
大輔「今日のおやつは何がいい?」
アリシア「クレープ!!」
フェイト「あの苺を沢山使ったのが食べたい。」
ブイモン[チョコレートソースを忘れるなよ大輔]
大輔「はいはい、んじゃあ買い物行くか」
財布を持って買い出しに向かう大輔達。






























一輝「ん?」
シャッハ「どうなされました?」
一輝「茶葉が切れてやがる。」
息抜きにミルクティーをいれようとしたのだが、肝心の茶葉が切れている。
シャッハ「すみません、では今から…」
一輝「いや、俺が行く。たまには運動しねえと、身体が鈍るからな」
そう言って買い出しに出かける一輝。
そこで思わぬ出来事が起こることを知らずに。






























買い出しをしていた大輔達はアリシアがミルクティーが飲みたいと言い出したため、茶葉が売っている場所に向かった。
そして紅茶の茶葉を見つけ、手を伸ばした時、誰かの手にぶつかった。
大輔「すみません」
一輝「いや、俺こそ…ん?」
一輝が大輔を見た時、思わず硬直した。
光が丘にいたあの姉弟の大輔に似ていたから。
一瞬勘違いかと思ったが、この世界にはいないはずのデジモンまでいるということは…。
一輝「(試してみるか…)七年前に起こった光が丘テロ事件」
大輔「!!?」
フェイト、アリシア「「?」」
ブイモン[え?]
フェイト、アリシア、ブイモンが首を傾げる中、大輔は目を見開いた。
一輝「その反応はどうやら俺と同じ次元漂流者か」
フェイト「あなたも次元漂流者なんですか?」
一輝「ああ、そしてお前にはジュンっていう姉がいなかったか?」
大輔「…何で知ってんですか?」
一輝「覚えてねえか。まあ、無理もないか。七年も会ってねえしな。伊藤一輝。昔、光が丘で遊んだろ?」
大輔「っ!!」
それを聞いて大輔は思い出した。
姉と一緒に遊んでいた自分を可愛がってくれた兄貴分を。
大輔「え?一輝兄ちゃん?一輝兄ちゃんなのか!!?」
一輝「おう、久しぶりだな大輔」
成長した弟分に一輝は嬉しそうに頭を撫でる。
フェイト「大輔?」
アリシア「このお兄ちゃん誰?」
大輔「この人は俺と同じ世界出身で、俺の兄貴分の人なんだ」
フェイト「そうなんだ…初めまして、フェイト・テスタロッサです。」
アリシア「アリシア・テスタロッサです!!」
一輝「ん?ああ、よろしく」
ブイモン[で、俺は大輔のパートナーのブイモン!!よろしくな!!]
一輝「大輔のパートナー?大輔、お前も選ばれし子供なのか?」
大輔「え?お前もってことは兄ちゃんも?」
一輝「当たりだ。」
D-3を見せる一輝に大輔は驚く。
大輔「兄ちゃんも選ばれし子供だなんて…」
一輝「あんまり嬉しくはねえけどな。俺、デジモン嫌いだし」
アリシア「どうして?」
一輝「光が丘テロで家族が…な…まあ、とにかく。デジモン嫌いは前よりはマシにはなったし。流石に弟分のパートナーにまで敵意は向けねえよ」
大輔「兄ちゃん…」
一輝「まあ、久しぶりに会ったんだ。一緒に茶でも飲まないか?」
大輔「うん、久しぶりに兄ちゃんと話したいし。」
一輝「んじゃ、行くぞ」
会計を済ませて、教会に向かう大輔達。





























一輝「戻ったぞ」
カリム「お帰りなさい…あら?」
不思議そうに大輔達を見つめるカリムに苦笑した一輝は親指で大輔達を指すと紹介する。
一輝「こいつは俺と同じ世界出身で俺の弟分。今は管理局で保護してもらってる」
カリム「まあ。初めまして、カリム・グラシアと申します」
大輔「本宮大輔です」
フェイト「フ、フェイト・テスタロッサです」
アリシア「アリシア・テスタロッサです!!」
互いに会釈して、一輝が材料を手にキッチンに。
一輝「せっかくだし、お前らも食ってけ」
大輔「え?いいのか?じゃあお言葉に甘えて」
アリシア「何作るの?」
一輝「今日のおやつは俺特製のクレープだ」
アリシア「クレープ!!苺沢山使う?」
一輝「勿論だ。チョコレートソースをたっぷりかけてな」
ブイモン[っ!!流石大輔の兄貴分…なんて奴だ…]
涎を垂らしながら出来上がりを待つブイモン。
カリム「一輝さんの作るお菓子は絶品なんですよ。この前ケーキを作ってもらったんですが、いつも食べるお店の物よりずっと美味しかったです」
アリシア「お兄ちゃんの作るおやつだって凄く美味しいよ!!今度お兄ちゃんの作ったアップルパイ食べてみてよ!!」
カリム「それは楽しみです。」
一輝「そうだなあ、俺も興味あるな。」
クレープを人数分作った一輝がそれぞれに渡すと、自分のクレープにかじりつく。
ブイモン[うまっ!!]
アリシア「美味しい!!」
カリム「やっぱり一輝さんが作ってくれる物は美味しいです」
一輝「そうか」
アリシア「どうしてこんなに美味しいの?隠し味?」
一輝「隠し味は一つも入れてねぇけど…。強いて言えば、」
フェイト「強いて言えば…?」
興味津々で一輝に詰め寄るアリシア。
一輝「…料理は愛情、って言うだろ?俺は、たっぷり愛情込めてるからな。」
大輔「愛情なんて言葉が兄ちゃんの口から飛び出るとは…。」
大輔が轢き釣った笑みで一輝を見つめていた。
カリムは真剣に“料理は愛情”とメモしていた。
一輝「何でだよ、俺が言っちゃまずいのか?」
一輝がムスッと不機嫌そうに眉を寄せた。
それに対し大輔は両手をあげて首を横に振った。
一輝「料理ってのは料理の腕前とかもあるけど、食べてもらう相手に対する気持ちが大事なんだ。気持ちがこもってない料理ってのは、味が雑だからな」
アリシア「そっかあ、だからお兄ちゃん達の作った物は美味しいんだ!!」
フェイト「“料理は愛情”…一輝さん!!私にお料理を教えて下さい!!」
一輝「へ?」
アリシア「あ、フェイトずるい!!私にも教えて!!」
一輝「別に構わねえけど…」
アリシア「やった!!お兄ちゃんに美味しいご飯を食べさせてあげるんだ!!」
フェイト「わ、私も…」
一輝「おいおい大輔さんよ。モテモテじゃねえかよ。羨ましいねえ」
大輔「う、うるさいな!!兄ちゃんだってカリムさんと仲いいじゃないか!!」
カリム「え?わ、私は…」
一輝「普通だろ」
カリム「………」
ブイモン[(可哀相に…)]
あっさりと返されたことにショックを受けるカリムとそれを哀れむブイモン。
レオルモン[やあ]
ブイモン[ん?お前は?]
レオルモン[僕はレオルモン。一輝のパートナーさ]
ブイモン[そっか、俺はブイモン。大輔のパートナーだ。]
レオルモン[パートナー同士、仲がいいようだし。僕達も仲良くやれそうだね]
ブイモン[ああ]
大輔「兄ちゃん」
一輝「ん?」
大輔「今日からよろしくな!!」
一輝「おう」
こうして大輔と一輝の再会は果たされた。
一方では…。






























グレイドモン[クロスブレード!!]
ダスクモン[フン…]
グレイドモンの双剣グレイダルファーによる斬撃をダスクモンは両手のブルートエボルツィオンで受け止める。
スティングモン[スパイキングフィニッシュ!!]
ダスクモン[ガイストアーベント!!]
鎧の目玉から紅い光を放つ。
スティングモン[ぐっ!!]
グレイドモンとスティングモンが光から咄嗟に逃れる。
これを喰らえば催眠状態に陥るからだ。
ダスクモン[ブルートストライク!!]
グレイドモンに斬撃を見舞うダスクモン。
腕に僅かに掠る。
ダスクモンは不敵な笑みを浮かべた。
ダスクモン[頂くぞ貴様の力…エアーオーベルング!!]
ブルートエボルツィオンでグレイドモンの力を吸収する。
グレイドモン[ぐっ!!]
力を吸われたグレイドモンは膝をつく。
スティングモン[グレイドモン!!]
ダスクモン[よそ見をしている暇があるのか?]
双剣を振るい、スティングモンの胸にX字の傷が刻まれる。
グレイドモン同様に力を吸収され、ダスクモンの力に変換された。
ダスクモン[終わりだ!!]
身体を高速回転させ、竜巻を作り出し、グレイドモンとスティングモンに突撃する。
竜巻に巻き込まれ、ブルートエボルツィオンの斬撃に切り刻まれたグレイドモンとスティングモンは成長期に退化する。
賢「ワームモン!!」
遼「おいおい…また惨敗かよ。」
賢と遼がそれぞれのパートナーの元に向かう。
ドルモン[ごめん、遼]
遼「気にすんな。それにしてあれで成熟期なのか本当に?」
何度も何度もダスクモンと模擬戦を繰り広げるが、同じ成熟期のスティングモンはおろか、完全体のグレイドモンですらダスクモンには全く敵わない。
ダスクモンの強さはそこらの究極体より上のように思えた。
遼「(確か、ダスクモンはフォービドゥンデータ…データのカスが集まって生まれたんだよな…つまりディアボロモンと同じ?)」
かつて自分達の世界を破滅させようとした悪魔と同類。
あれも異常な進化スピードと増殖能力と言うデジモンとして異常な能力を持っていた。
その同類ならダスクモンの成熟期としては異常過ぎる戦闘力も納得出来る。
もし完全体に進化したなら…?
遼は頭を振ってそれを否定した。
こんな異常な戦闘力を持った成熟期が完全体になったら並の究極体では太刀打ち出来なくなるだろう。
ダスクモン[…………]
ダスクモンも賢の方を見ていた。
最初はぎこちなかったが、今では少しだけ話し掛けて来るようになった。
ダスクモンは賢を何処かで見た覚えがあった。
脳裏にあらゆるデジモンの長所を合わせたような合成獣が過ぎった。
そしてその合成獣を消し去った黄金の聖騎士の姿も。
ダスクモン[(俺の身体を構成するフォービドゥンデータの大半はあの化け物の物だ。もしや、奴はあの化け物と関係があるのか…?)]
ダスクモンの身体を構成するフォービドゥンデータの大半はかつて大輔とブイモンが奇跡のデジメンタルでアーマー進化したマグナモンが倒したキメラモンのデータが占めていた。
それ故、ダスクモンがキメラモンの創造主である賢に対して抱く懐かしさは当然と言える。
ダスクモン[(もっと強い相手と戦いたいものだ)]
キメラモンを倒した黄金の聖騎士。
あまりにも膨大なデジメンタルの力を使いこなせず、力に振り回されていたが、あのデジモンの目は印象に残っていた。
最後まで何があっても諦めない不屈の光。
再び、奴と戦いたいと思う。
ダスクモンの両腕のブルートエボルツィオンが妖しく輝いた。 
 

 
後書き
大輔と一輝再会。
ダスクモンはフロンティア見る限り、究極体相当です。
ビースト形態は堕天したケルビモンすら手を焼くほどにハイスペックだからしばらくパートナー無しでも大丈夫。
 
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