大統領の日常
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本編
第三話 人生の墓場
前書き
今回はちょっと短いです。
西暦2114年4月27日
大統領執務室 ペルシャール・ミースト
「え?今なんて言った?」
「ですから、閣下もそろそろ結婚なさってはいかがですか、と申し上げているのです」
「は い ?」
「だから、結婚なさってはいかがですか!?」
「聞こえてるから、確認しただけだって。そんなに怒鳴るなって」
「申し訳ありません」
ふう、何を言い出すかと思えば。俺に結婚だと?バカを言うんじゃない。結婚する気なんてさらさらないぞ。何が好きで人生の墓場に入るかって―の。バカなの?死ぬの?俺はまだ死にたくないぞ?
まあ、一応?聞いてやってもいいかな?|д゚)チラッ
「しかし私に好意を寄せてくる女性なんているかな?」
「それについては大丈夫です。リストを作ってきました、これをご覧ください」
リスト?もうそんなものまで作ってきてたの?そういやこいつ最近徹夜して何か調べてたな、これ作ってたのか。
まあ、別にみても罰は当たらんだろう。見るだけ見てみるか。
・・・・・なんじゃこりゃーーーーーーーー!!!
「閣下どうですか?」
どうですかじゃねーよ。何ドや顔してんだよ。なんだこのリスト、全員政治家の娘や大企業のひも付き娘とかばっかじゃねーか。あれか?大統領の俺と自分の娘を結婚させて権力拡大を狙ってるのか?蘇我氏かお前たちは!ぜってことわt・・・
お?なんか一人まともそうなやつがいたぞ?aとこの女性はっと・・・ナルーシェ・クリッツェル?
どっかで聞いたような名前だな・・・、はて誰だったっけかなぁ・・・?
そうだ!クリッツェル総参謀長の娘さんか!そうか、クリッツェルの娘さんかぁ・・・いや、彼女も駄目だな。”飯まず女””はさむものしか作れない女”と近所で噂されてるほどの飯まずで料理下手だ。あの味音痴のクリッツェルでさえ、”この食事は私には早すぎたようだ、ペルシャール閣下、紅茶をいただいてもよろしいでしょうか・・・”と拒否したぐらいの飯まずだぞ?やめろ、やめてくれ。俺の食生活が大変なことになる。大統領暗殺事件とかになりかねん。却下だ、全員却下だ。
なんとしてでも彼女との結婚は避けなければ・・・
「すまんが、この中に私の好みはいないようだ。結婚はまた今度ということにしようじゃないか」
「まあほとんどが大企業のひも付きや政治家の娘ですがクリッツェル総参謀長の娘さんならいかがでしょうか?」
誰があんな飯まず女と一つ屋根の下にならなければならないんだ。それに相手のお父さん総参謀長だぞ?自分の栄達のために娘を売ったとか言われるぞ、絶対。
そういえば、クリッツェル家では週に何回かは娘さんが作ることになってるんだよな。その日は地獄だろうな、かわいそうに。そうだ!飯が不味いならおいしくなるようにすればいいじゃない。
「もし仮に彼女と結婚した場合、クリッツェルが自分の栄達のために娘を売ったといわれるかもしれん。やめた方がいいだろう。それと頼みたいことがあるのだが」
「なるほど、確かにそうなる可能性はありますな。で、頼みたいこととは?」
「彼女は料理が苦手でね、これからのためにも彼女に料理を教えてやってほしいのだが」
「わかりました。腕利きの料理長に頼んでおきましょう」
「頼む」
「では、失礼させていただきます」
ガチャリ
なんかしょぼーんとしてたな。それにしても結婚?人生の墓場である結婚?だれがするかよ。結婚するなら死んだ方がましだ。
そうだ、副官のスーンスルーズ・カリンターに押し付けよう。彼女は確かあいつみたいな性格のやつが好みだって言ってたしな。うん、そうしよう、これで俺の独身生活は守られる!
ふふ・・・ふはっ!ふははははははははっっ!!
この後秘書からうるさいと説教をされ、哀れな姿となった大統領を見たものを少なくなかったという。
後書き
大統領独身なんだね。さみしいね。大統領に励ましのメッセージを送ってね。
少しは元気になると思うよ。(露骨なコメかゲフンゲフン)
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