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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0837話

 首相との会談の次の日からエザリアとレオンが精力的にオーストラリア政府と色々と交渉をし、そして数日後。俺達の姿はゲートの近くにあった。
 ゲートを中心とした5km四方では、現在急速に基地が作られていっている。
 この辺に関しては、ミュートスでシャドウミラーとしての都市でもあるタンタシオンを建設した経験が役立っていると言えるだろう。
 タンタシオンの時と違うのは、建設しているのがメギロートとシャドウだけではなく、イルメヤが混ざっている事か。メギロートと違って空を飛べないという問題があり、蜘蛛型という形の関係上、基本的には地上部分で働いて貰っている。
 ともあれ、そんな風に基地の建設をしているゲートの近くには俺とレモン、エザリアの3人に、一応護衛として量産型Wが10人程が待っていると、やがて20台近い車両の姿見えてきた。
 その全てがかなり広い荷台を持っているトレーラーであり、その目的は言うまでも無く戦術機の輸送に使われる車両だ。
 ……まぁ、今こっちに向かっているのは全てその荷台が空の輸送車両だが。

「随分と多いわね?」

 その輸送車両を見ながら呟くレモン。
 ちなみに、いつもはこの手の仕事を面倒くさがってマリューに押しつけるレモンだが、現在は急ぎの仕事も特にないという事で俺についてきていた。
 いや、実際現在の技術班は真面目にやるべき事はないんだよな。ここ最近で最大の仕事でもあったニヴルヘイムに関しては既に完成しているし、ダガーLについても数機程手に入れて解析を完了したし、後はゲート前での戦いで入手したF-15とF-18に関しても既に解析は完了しているし。
 現在は技術班の皆が好き勝手に自分のやりたい研究をしている。……色々と不安だが、エキドナとセシルがいるから何とかなるだろう。
 そんな風に考えながら見ていると、こちらに近づいてくる輸送トレーラーは徐々に大きくなり……そして、俺達の目の前で停止する。
 輸送トレーラー以外にも、数台の乗用車が――正確には乗用車に見えるように偽装された車――存在し、やがてその車から数人が降りてきた。
 真っ先に目に付いたのは、50代程の軍人。少将という立場にいながら、俺達と一番最初に接触した為にいいように使われている感じのジョンだ。
 その護衛の軍人にも見覚えはあるが……何だ? もう1人、スーツを着ており、とても護衛には見えない30代程の男が1人降りてきた。

「アクセル代表、その……ここは本当にゲートを設置した場所か? まさかたった数日でここまで基地化が進むとは……正直な話、目を疑ったよ」

 そう言いつつも、ジョンの顔に驚いた様子は無い。
 いや、当然この光景を見て驚いてはいたのだろうが、ここまで来るまでの間に落ち着いたのだろう。

「それ程に驚くべき事じゃない。他の世界では都市そのものをこの早さで作り上げたりもしたからな」

 より正確には、現在進行形で作り上げているといったところだが。
 タンタシオンに関しては、未だ完全に完成している訳ではない。仮の社屋の類は既に全て完成しているが、正式な社屋はまだまだの所もそれなりに多いのだから。

「ほう、さすがシャドウミラーだな。私達には信じられないような真似をやってのける」

 口先だけではなく本心から感心しているのは、軍事行動を行う時に素早く前線基地やら何やらを作り出せるという思いがあるからか。

「ふふっ、それはそうよ。高い技術力こそがシャドウミラー最大の特徴だもの」

 ジョンの言葉に、レモンが笑みを浮かべてそう告げる。
 その言葉に、改めてレモンの方へと視線を向けたジョンは、エザリアへと軽く目礼してから口を開く。

「アクセル代表、こちらの方は?」
「レモン・ブロウニング。シャドウミラーの技術班を率いている。実働班を率いているコーネリア共々、実質的なNo.2と考えて貰ってもいい」
「ほう、それは……」

 向こうにしてみれば、シャドウミラーの技術力に関してはかなりの興味があるだろう。レモンの美しさに対してだけではなく、それ以外の意味も込めた視線が向けられる。
 レモン自身はそんな視線を受けつつも、特に気にした様子も無く輸送トレーラーへと視線を向けていたのだが。

「それより、そっちにも初めて見る顔がいるようだな」

 そう口にした瞬間、ほんの一瞬ではあるが間違いなくジョンの顔に苦々しげな表情が浮かぶ。
 出来れば触れて欲しくなかった。そんなところか。
 だが、その張本人は笑みを浮かべながら1歩前に出る。

「ええ、私は国連から派遣されてきましたマイク・サイファーと申します。オーストラリア政府からの報告を聞き、慌てて事の真実を確認する為に私が派遣された訳で……いやいや、それにしても確かに素晴らしい技術を持っていますな。これは是非1度国連に出席して貰ってお話を聞かせて貰えればと思いますが……どうでしょう?」

 チラリ、と周囲の様子を確認しつつ尋ねてくるマイク。
 国連からとは言っているが、今の国連はアメリカの下部組織に近い形になっていると聞く。そうなれば、この男がどこの息が掛かった者なのかというのは考えるまでもないだろう。
 俺としては別に国連に行くのはいいんだが、このままってのは避けたい。こちらの戦力を自分達で取り込みたいと無茶な事を言ってくる可能性は高いしな。

「そうですね、いずれは国連の方にも顔を出させて貰いたいとは思っていますが、今は地盤を固めるのに精一杯ですので、それも難しいでしょう」

 そう告げたのは、俺とレモン以外でもう1人この場に存在していたエザリア。
 シャドウミラーの外交担当らしく、笑みを浮かべてマイクへとそう告げる。

「貴方は?」
「あら、ご存じありませんでしたか。失礼しました。私はシャドウミラーの外交を担当しているエザリア・ジュールといいます」
「なるほど。貴方が……失礼しました。こちらとしてもそちらの情報を集めていたのですが、何分どうしても情報が少なかったもので」
「確かにそれはしょうがないですね。私達シャドウミラーはこの世界とは隔絶した存在なのですから、この世界の人間には色々と理解出来ない事もあるでしょうし」
「いえいえ。同じ人間なのですから、そこまで心配する必要もありませんよ」

 お互いに笑みを浮かべながら会話を交わす2人。
 そんな2人を見ながら、レモンは小さく肩を竦めて暇潰し代わりに輸送トレーラーへと視線を向け、ジョンは微かに眉を顰めている。
 エザリアとマイクの言葉の裏を理解しているからこそだろう。
 エザリアは交渉相手の情報収集能力の低さを揶揄し、マイクはシャドウミラーのような小国の情報は少なくて当然と返す。それに対してシャドウミラーの方が遙か先を行っているのだから、己の分を弁えろとエザリアが匂わせ、マイクが同じ人間なのだから技術を盾にするような真似をしないようにと釘を刺す。
 ……正直な話、こういう裏のやり取りを理解出来るようになったのは嬉しいのやら、悲しいのやら。

「ねえ、エザリア。そっちのマイクとかいう人も。ここで話していてもしょうがないし、機体の引き渡しをそろそろ始めてもいいかしら?」

 そんな2人のやり取りに飽きたのか、溜息を吐きながらそう告げるレモン。
 マイクは、そんなレモンに対して小さく頭を下げる。
 恐らく先程の実質的なNo.2だという言葉を聞いているからこそだろうが。

「それは失礼しました。確かに機体の引き渡しに来たのですから、そちらを優先して貰って構いません。……ところで、その肝心の機体はどこに?」

 ジョンを差し置きつつそう口にするマイクだが、この時点でジョンが自分よりも年下のマイクの言葉に何を言うでも無く眉を顰めているのを見れば、マイクがただの国連から派遣されてきた人物ではないというのは明らかだ。
 いや、実際に国連に所属してはいるのかもしれないが、その実マイクの忠誠心は国連では無くアメリカに捧げられているというべきか。

「ここだよ」

 ジョンとマイクの無言のやり取りをを眺めつつ、F-15Cを1機、俺の隣へと空間倉庫から取り出す。続けて空間倉庫の中に入っている機体を次々に出していく。

「これは……報告では聞いてたが、本当に……」

 何も無い空間からいきなりF-15Cが姿を現したのには、さすがに驚いたのだろう。マイクの目は見開き、俺とF-15Cを何度となく見比べる。
 その様子は、つい先程までエザリアとやり合っていた人物とはとても思えない程に間の抜けたと表現してもおかしくはない。

「ああ、俺の空間倉庫の能力だ。今の呟きから考えると、知ってはいたんだろう?」
「……ええ、まぁ。国連の方に報告は入っていましたが、それでもこうして直接見るのでは随分と違います」
「でしょうね。私も初めてこの能力を目にした時は信じられなかったもの」

 マイクに同意するように頷くレモンだが、それを気にしないようにしてジョンの方へと視線を向ける。

「って事で、取りあえずここにどんどんと出していくが構わないか?」
「ああ、運ぶのはこちらでやらせて貰うから、どんどんと出してくれ。おい」

 ジョンが呼びかけると、輸送トレーラーから次々にパイロットが降りてくる。降りてくるんだが……

「うわぁ……この世界の技術者って正気?」

 俺の隣でレモンが思わずと言った様子でそう口にする。
 正直、俺もレモンの言葉にもの凄く同意だ。
 ゲートを巡るやり取りで男のパイロットスーツ姿は見た。だが、まさか女のパイロットスーツも同じだったとは……正直、色々な意味で予想外でしかない。
 身体のラインがこれ以上無い程くっきりと出ているそのパイロットスーツは、女のパイロットが着ているのを見れば、色々な意味で危険だろう。
 いや、ムウ辺りならこのパイロットスーツを着ている女パイロットと一緒に行動するとなれば、間違いなく士気は上がるだろうが。
 S.M.Sのミハエルも同様に。
 ……ただ、その代わりにそれを知られた場合、ナタルとクランにより怒りの鉄拳が飛ぶのは間違いない。

「あー……ジョン。これは、何だ? もしかして俺に対するサービスか何かのつもりだったりするのか?」
「サービス? いや、別にそのようなつもりは……ああ、なるほど」

 そこまで告げ、ようやく俺の言いたい事を理解したのだろう。その厳めしい顔つきに苦笑を浮かべる。

「あのパイロットスーツは、別にそういう目的で作られた訳では無い。ああ見えて色々な機能を併せ持っているのだ」
「まぁ、部外者の俺がどうこう言える事ではないから、これ以上は何も言わないが」

 あるいは、このマブラヴ世界にこそEX-ギアは必要なのかもしれない。
 もっとも、EX-ギアの操縦システムに戦術機を合わせるとなると色々と改修が必要だろうし、全世界的に行うとなれば膨大な金額が必要になるだろう。
 それを思えば、パイロットの羞恥心だけが理由でパイロットスーツをEX-ギアに替えるような真似はしないか。
 それ以前に、EX-ギアはマクロス世界でもようやく普及してきた代物だ。もしマブラヴ世界で採用するとすれば、自分達で作る事は出来ず、輸入するしかない。
 あるいは、少数の精鋭部隊辺りにならあるかもしれないが。
 そんな風に思っている中で、パイロット達がどんどん機体へと乗り込むが、F-15CとF-18を2種類2機ずつシャドウミラーに譲渡されている上に、取り押さえる時に機体の方で激しく暴れて手足が破損している機体や、あるいは四肢全てが欠損している機体もある。
 それらに関しては、パイロットの乗った機体がパーツを持ち上げては輸送トレーラーの上へと乗せていく。
 ……やっぱりこうして見る限りでは機体の動きに違和感があるな。いや、これはシャドウミラーの機体を見ているからこそか。
 そんな風に黙々と作業をしている様子を見ていると、不意にマイクがエザリアとの話を切り上げてこちらへと近づいてくる。

「こうして見ると、F-15CもF-18も随分とやられていますね。ちなみに、そちらの被害がどの程度だったのかを聞いてもいいですか?」
「いや、特に被害は無い。機体性能が圧倒的だったからな。……国連辺りにはオーストラリアの方から映像データとかが渡らなかったのか?」
「勿論見ましたが、残っているデータは貴方達が指揮車も破壊したので、復旧するのに手間取っていたんですよ。それも、完全に復旧するというのは難しくて」
「なるほどな」

 さて、これは嘘か本当か。
 ともあれ、向こうが何かこちらの様子を探っているのは間違いないだろう。

「そう言えば、アクセル代表率いるシャドウミラーは、今まで幾つもの世界と交流してきたとか。その世界にも、やはりBETAのような存在はいるのですか?」
「いる世界もあれば、いない世界もある。中には人間同士で争いを起こしているような世界もあるな。特に俺の出身世界には、幾つもの世界を滅ぼしてきたような存在が現れたこともある」
「……ご冗談でしょう?」

 何故かそう問い返してきたマイクの表情には、冷たい汗が滲んでいる。
 BETA以上の脅威と聞き、もしそんな存在が現れたらこの世界の戦力では手も足も出ないと判断したのか?
 ともあれ、何故か急に黙り込んで何かを考え始めたマイクを余所に、機体の受け渡しについては無事に終了するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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