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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第十六話 笑顔

 
前書き
フェイトの正体が全員にばれる。
ユーノ「行くよツカイモン」
ツカイモン[ああ]
ユーノ、ツカイモン「[リリカルアドベンチャー、始まります]」 

 
アースラに戻った大輔達は、フェイトとアルフを連れてブリッジに向かう。
クロノの言う通り、局員達はフェイト達を拘束しようとはしなかった。
大輔はクロノに心の中で礼を言う。
賢「さあ、本宮君。ブリッジに急ごう」
遼「坊や達がお待ちかねだ」
大輔「ああ、行こう」
全員がブリッジに足早に向かった。






























リンディ「お疲れ様…」
大輔達がブリッジに入るとリンディが出迎えた。
モニターには、武装局員が突入した映像が映っている。
リンディはフェイトに視線を移す。
リンディ「それからフェイトさん。初めまして」
フェイトは何も答えず、待機状態になったバルディッシュを握り締める。
すると、念話でリンディが大輔達に伝える。
リンディ「(母親が逮捕されるシーンを見せるのは忍びないわ。皆、フェイトさんを別の部屋へ)」
大輔「フェイト…俺の部屋に来い」
フェイトがアースラで安心出来る場所は恐らく大輔の自室しかない。
大輔がフェイトの手に触れようとした瞬間。
ツカイモン[…っ!皆、あれを!!]
ツカイモンはモニターを指差す。
全員の視線がモニターに向いた。
『プレシア・テスタロッサ!!時空管理法違反、及び管理局艦船への攻撃容疑で、あなたを逮捕します!!』
『武装を解除して、こちらへ』
武装局員が、玉座に座るプレシアを取り囲みながら言った。
プレシア『……』
プレシアは無言で武装局員達を見遣る。
数人の武装局員が危険物が無いかを調べるために、玉座の後方に向かう。
すると、プレシアの目つきが変わった。
局員は扉を発見し、その扉を開ける。
『こ、これは!?』
大輔「っ!その先を映すな!!」
なのは「え!?」
ブイモン[大輔!?]
声を荒げた大輔になのはとブイモンが目を見開いた。
賢達は驚愕したように目を見開いた。
なのは達も賢達の視線を追う。
なのは「えっ!?」
モニターでその様子を見ていたなのはが思わず声を漏らした。
その扉の先には、1つのカプセル。
その中には、フェイトと瓜二つの少女…アリシアがいた。
遼「どういうことだ…?フェイトがもう一人?」
フェイト「あ…あ……」
フェイトはアリシアを見て驚愕する。
プレシア『アリシアに近付かないで!!』
プレシアがカプセルの前に立ち、武装局員に立ちはだかる。
『う、撃てえ!!』
プレシア『うるさいわ…』
プレシアが手を翳すと、魔力が集中する。
リンディ「危ない!防いで!!」
気付いたリンディがそう叫ぶ。
しかし、紫色の雷が部屋全体に降り注いだ。
全員【ぐあああああっ!!!!】
武装局員達は直撃を受け、床に倒れ伏した。
リンディ「いけない!局員達を送還して!!」
リンディがモニターを見てエイミィに指示を出す。
エイミィ「りょ、了解です!!」
エイミィは慌てて転送準備を開始する。
フェイト「アリ…シア…?」
プレシア『…フェイト…そこにいるんでしょ?』
プレシアの言葉にフェイトは肩を震わせた。
大輔「……」
プレシア『あなたはね…アリシアの代わりにしようと…私が造ったアリシアのクローンなのよ…』
フェイト「!?」
プレシアの言葉にフェイトは目を見開いた。
遼「生体クローンって奴か…」
大輔「……フェイト…プレシアは昔の事故の時に…アリシアを亡くしてる…お前の名前は当時のプロジェクトの名残…だそうだ。」
フェイト「どう…し、て…?」
大輔「…プレシア本人から…聞いた…」
フェイトの視線に耐えられなくなり、視線を逸らしながら答える。
プレシアが再び口を開いた。
プレシア『フェイト。正直に言うわ…私ね…あなたを造り出した時から…あなたを好きになれなかった…』
フェイト「……」
プレシア『私はつい最近まであなたが嫌いだった…。でもそれは私が運命に、そして未来を恐れて過去に逃げていたから…。フェイトをフェイトとして見ていなかったから…。大輔のある言葉で私は…あまりにも遅すぎたけれど変わることが出来た…。自分の運命は変えられる…自分の選択で変えられる。そしてそれによって守れる未来がある。そしてフェイトに対する感情にも変化があったわ…。私はもう許される人間じゃないって分かってるわ…でもこれだけは、フェイト。あなたに…あなたとして伝えたいの…フェイト、あなたが大好きよ…。愛してるわ…私の…可愛い娘…』
フェイト「か、母さん…っ…」
プレシアから初めて受けた愛情の言葉にフェイトは涙を流した。
プレシアは次にアルフを見遣る。
プレシア『アルフ…今までフェイトに酷いことをして本当にごめんなさい…。そしてこれからもフェイトをお願い…』
アルフ「プレ…シア…」
次にプレシアは賢と遼となのはに。
プレシア『…そしてフェイトと本気でぶつかり合った魔導師さんとフェイトを助けてくれた魔導師さん達。』
なのは「え…私…?」
賢「プレシア…さん…」
遼「………」
プレシア『アルフ、フェイトを…大輔と共に支えて頂戴。』
プレシアは最後に拳を強く握り締めている大輔を見遣る。
プレシア『大輔…ありがとう。あなたのおかげで私は変わることが出来た…娘を…フェイトをお願い…』
大輔「待てよ…」
大輔は今にも泣きそうな顔をしながらモニターに詰め寄る。
大輔「俺はこんなことの為にあんたに言った訳じゃない!!俺はただ、フェイトとあんたに幸せになって欲しかっただけだ!!」
ブイモン[大輔…]
プレシア『…分かってる……あなたがこんなことを望まない子だというのは…でも…』
大輔「じゃあ何でだよ…何でそんなことするんだよ!?」
プレシア『私には…もう時間が無いから…』
大輔はそれを聞くと黙り込んでしまう。
プレシアの状態を知っている為だ。
プレシアはもう1度フェイトに向き直る。
そして、哀しそうな笑顔を浮かべながらフェイトに別れの言葉を告げる。
プレシア『フェイト…さようなら…』
プレシアが別れを告げるのと同時にモニターが途切れた。
フェイト「か、母さん!母さんっ!!…う、うわあああああ…っ!!!!」
フェイトは床に膝をつくと叫びながら泣きじゃくった。
ブイモン[フェイト…]
ブイモンが泣きじゃくるフェイトの背を摩る。
少しでもフェイトの哀しみが和らぐように。
アルフは肩を震わせながら大輔に歩み寄る。
アルフ「大輔…あんたは知ってたのかい…?フェイトの事も…あのアリシアって奴も…あの人の考えも…何もかも全部…っ!!」
大輔「……」
アルフ「答えてよ!!」
大輔「…ごめん……」
アルフ「っ…!!」
次の瞬間、アルフは大輔の頬を殴った。
口の中を切ったのか、大輔の口から血が出ていた。
なのは「大輔さん!!」
なのはがハンカチを取り出して、大輔の血を拭った。
アルフはそれを見てハッとなる。
アルフ「あっ…ご、ごめん…」
頭が冷えた今なら大輔が何故このことを黙っていたのか、容易に理解出来た。
全てはフェイトを守る為に…。
大輔「いいんだ。悪いのは俺だ…フェイト…ごめんな…」
フェイト「大輔は…悪くないよ…全部私の為にしてくれたんだよね…」
フェイトは涙を流しながら言う。
大輔がアリシアのことを黙っていたのは全て自分の為だと分かっていた。
知らない所で自分は大輔に守られていた。
大輔「ごめん…フェイト…お前の母さんは…もうすぐフェイトの目の前からいなくなろうとしている…お前はどうしたい…?」
フェイト「…私が、ジュエルシードを集めていたのは…母さんに笑顔になって欲しかったから…」
大輔「うん…」
フェイト「けど…さっきの母さんの笑顔は本当の笑顔じゃなかった。もっと心からの笑顔が見たかった…」
大輔「そっか…」
大輔はフェイトの手を引き、立ち上がらせる。
大輔「じゃあ今すぐプレシアの所に行こう。今ならまだ間に合う。」
フェイト「大輔…?」
大輔「取り戻しに行こうぜ?プレシアの本当の笑顔って奴をさ」
フェイト「うん…!!」
大輔の言葉にフェイトは力強く頷いた。
大輔は周りを見渡すと、全員が頷いた。
賢「行こう。やっと分かりあえたのにさようならなんて悲しすぎる」
遼「行こうぜ。フェイトのお袋さんを救いにさ」
フェイト「うん…次元転移。次元座標…」
フェイトの足元からあの時と同じように魔法陣が現れる。
フェイト「開け、誘いの扉。時の庭園、テスタロッサの主の所へ!!」
大輔達はプレシアを止める為に時の庭園に向かったのだった。





























そして一方のクラナガンでは一輝はカリムに異世界について教えてもらっていた。
一輝「なるほどな、簡単に言えば。異なる次元には沢山の世界があり、俺のいた世界もその一つで、俺は次元漂流者という次元規模の迷子になっちまったと…ハアァ…」
深い溜め息を吐いた一輝にカリムは安心させるように言う。
カリム「大丈夫です。時空管理局にあなたを元の世界に戻れるように頼んでおきます。助けてもらったお礼です」
一輝「そいつは助かるけどよ…やっぱ、取り調べみてえなこと受けるんだろ?面倒くせえ…っ!!」
カリム「一輝…さん?」
一輝「カリム、気を引き締めろ。お客さんだぜ」
カリム「え!?」
建物を吹き飛ばしながら現れたのは巨大な猿のような怪物。
一輝「っ!?何だこいつ…」
カリム「ま、魔法生物です!!」
一輝「魔法生物…?この世界にはそんな厄介なのがいるのかよ。レオルモン!!」
レオルモン[任せて!!]
レオルモンが怪物に躍りかかる。
一輝「まずは遠くに逃げるぞ!!」
カリム「え?でも…」
怪物と戦っているレオルモンをチラリと見遣るカリムに一輝はニヤリと笑う。
一輝「安心しろ、あんな図体だけの奴、進化しなくても…っと、まだいたか」
竹刀を取り出し、構える。
カリム「一輝さん…」
一輝「たく、こんな怪物をのさばらせやがって。時空管理局ってのは随分と杜撰な警備だなっと!!」
怪物の攻撃を翻す。
攻撃が当たった壁が砕ける。
一輝「あっぶねえ…あんなの喰らったら死んじまう…」
竹刀で怪物に一撃を入れると、すぐに距離を取る。
怪物は大したダメージこそ受けなかったが、一輝を執拗に狙う。
一輝「そら、もっと早く動かねえと当たらねえぞ?」
竹刀をブラブラさせ、嘲笑いながら挑発する。
伊達にデジタルワールドを一人と一匹で生き残っていたわけではない。
この程度のことなら数え切れない程あった。
しかし誤算なのは、魔法生物との対戦をしたことがないこと。
レオルモン[うわっ!?]
一輝「レオルモン!?」
レオルモンの方を見遣ると、身体の半分が凍っている。
一輝「どうなってやがる…?」
カリム「あの魔法生物は凍結の魔力変換資質を持ってるんです!!」
一輝「魔力変換資質?ようするに凍らせるような技が使えるってことか?」
カリム「は、はい…危ない!!」
一輝「っ!!」
咄嗟に竹刀を盾にして受け流すが、受け流し切れずに吹き飛ばされる。
一輝「痛…っ、やべえ…」
竹刀が粉々になってしまっていた。
まともに受けていたら自分がああなっていたのかと思い、ぞっとする。
一輝「(あまりしたかねえけど、レオルモンを進化させねえと…)」
デジヴァイスに触れようとした瞬間、いつもの感触と違うことに気づく。
視線を遣ると、デジヴァイスの形状が変わっていた。
大輔達のデジヴァイスと同タイプ。
カリム「一輝さん!!」
一輝「っ!?」
顔を上げると、怪物が目の前にいた。
ここまでかと諦めかけた瞬間。
脳裏にある言葉が過ぎる。
一か八かで声を張り上げる。
一輝「D-3、セットアップ!!」
光が一輝を纏う、光により弾き飛ばされた怪物は警戒するように唸る。
光が収まった時には、レオモンを彷彿とさせる獅子の甲冑を纏う一輝がいた。
レオルモン[一輝!!]
一輝「レオルモン、進化して一気にカタをつけろ」
D-3をレオルモンに翳す。
レオルモン[レオルモン進化!レオモン!!]
成熟期へと進化し、二人は武器である獅子王丸を抜き放つ。
一輝「こいつはいい。戦い方が頭の中に流れ込んで来やがる」
短刀を構えて突撃する。
一輝「百獣拳!!」
魔力を拳に一点集中し、凄まじいスピードで怪物に拳を叩き込む。
そして最後の一撃で魔力を解放する。
魔力弾を受けて怪物が僅かに吹き飛ぶ。
一輝「破砕蹴り!!」
強烈な回し蹴りが怪物の脇腹に炸裂する。
怪物から骨が砕ける音が聞こえた。
一輝「獣王斬!!」
獅子王丸に収束させ、一気に振り下ろす。
怪物は真っ二つに両断され、消滅した。
一輝がレオモンを見遣ると、レオモンも怪物を倒していた。
安全を確認した一輝はカリムに手を伸ばす。
一輝「立てるか?」
カリム「は、はい…」
少しした後、足音が聞こえて来る。
一輝「やべえな。一旦こっから離れるぞ。」
カリムの手を引いて、この場から二人と一匹は撤退した。 
 

 
後書き
リリカルなのは勢のパートナーデジモンを更に変更しようかなと考えています。
ダスクモン出しましたが、リインフォースのパートナーとしては考え、リインフォースははやて繋がりでメデューバルデュークモンにします。
ダスクモンはしばらく、単体で頑張ってもらいます。
 
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