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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二十四章 幕間劇
  川中島戦後推論

「ええ。それじゃ、私はちょっと急ぎの用事があるから。それが済んだら、買い物に付き合いなさいよ」

「へいへい、分かってますよ。それが妾による願いなら、それを叶えるのが夫の役目なもんだ」

そう言い残して、美空は、自分の部屋へと戻って行った。そういえば全兵達の夜叉化はもうまもなく術式と簡易神殿が完成するんでな、神殿には用がある人間以外は立ち入り禁止にする予定だが一つ問題が発生した。それは日数であり全兵達を夜叉化にする事については、夜だが全兵達が夜叉化になると同時に人間時のコーティングを済まさないといけないで三日間に分ける事にしたんだがな。小波には絶対にバレる気がするから、三日目は長尾衆にして調整している。一日目は畿内連合+一真隊、二日目は武田衆で三日目は長尾衆という風に全兵達に通達しといたけどな。

「まあ全兵達夜叉化プロジェクトは着々と出来上がっている」

俺は秘かなプロジェクトを進めているが、美空との買い物を約束した訳なんだがそれまでどう時間潰そうかな。そんな事を考えていたら、辺りの気配を感じたのでそこにいたのは小柄な姿。

「・・・・・・」

光璃が無言でこちらを見てきたから、バレた?と思ったら武田の精霊たちが違うというので俺は考えるとそういえば越後の塩についての話をまだしてなかった気がするな。ああいうのも話通さないといけないかもしれないな。

「そこにいる光璃、出てこい」

「・・・・・・」

光璃は俺の声にちらりとこっちを見たが、拗ねた感じで背を向けてどっかへ行ってしまった様子だった。もしかしてさっきのを見ていたのかな?俺の存在は消えていないからか、気配を消している訳でもない。普通にしていると風の精霊からも言ってくるから、拗ねたか忙しいかの二択だな。昨日話した時は、機嫌悪くしていなかったし一緒にいた夕霧や薫もいたからな。禁句とかあったら、二人が注意するはずだし。

「まあいいか、あとでもう一回声をかけてみようかな」

無視かシカトは絶対ないと思うので、もう一回かけようかなと思った時だった。

「そんな事なんぞ気にするほど、ワシらはバカではないぞ!」

「そうだそうだ!そんなもんどっちでもいいだろうがっ!」

ん?今のは桐琴と小夜叉の声だったな、で、声の主のとこに行ってみるのだった。

「おいおい、何かあったのか?」

大声での森親子の殺気を感じた俺は、行ってみる事にした。そこにいたのは・・・・。

「おお、主様か。良い所に来た」

「桐琴に小夜叉と・・・・・一葉か?」

あとは長尾勢からは柘榴がいて、武田勢からは湖衣と春日。うーん、これは滅多に見ない組み合わせのようだ。

「あ、一真さん!ちょうどよかったっす!」

「やはり一真様にはさん付けなのですか?」

「長尾も武田もあまり変わらない呼び方のようだな」

「人生の先輩なのか、最強だからなのかは分からないが、呼び捨ては一部を除いてはな」

「っす!」

「・・・・一真が最強なのは間違いないしのう」

「そうそう、未だにオレらでも勝てねえからな。でもオレらだけは呼び捨てでも構わないと言っているから、オレらは呼び捨てにしてる」

俺の呼び方については、織田も長尾も武田もあまり変わらない様子である。まあ人生の先輩だと言うのはホントだし、俺は神様の頂点としてという設定になっているので護法五神や他の神仏でも呼び捨ては禁じられている。護法五神だけは兄という呼び方になっている。

「で?こんなとこで何しているんだ」

「うむ。湖衣と話をしておったら、こやつらが絡んできてな」

そう言って、どこか嫌そうな顔をして春日の視線を追った先は柘榴にあった。

「また道場破りにしに来たのか?」

「もちろんっす!川中島では湖衣との決着をつけられなかったっすからね!」

そういえば柘榴は甲斐の右目である湖衣の事をかなり気にしていたような気がする。あと武田の諜報部である一二三や湖衣でもバレてない様子と見た。ま、湖衣は川中島に来てなかったからなのか、そういう意味では決着もつけるもなかったが。今ここで決着をつける気なのか?

「うぅ・・・・そういうの、勘弁して欲しいんですけど」

柘榴のテンションと対象的に、湖衣は嫌そうな様子で春日の後ろに引っ込んでいる様子だった。

「その様子だとやってないようだな」

「湖衣がこの様子だからな。それで、先日の川中島で普通にぶつかっておればどうなるかという話になった訳だが・・・・」

よく見るとそこに置いてあったのは、川中島の地図データで見た事のあるもんだった。幾つかある将棋の駒が、それぞれの部隊を示しているんだろうというのは理解しているつもりだ。

「何で一葉達はここにいんの?」

「武田、長尾だけではどうしても不公平感が否めませんからな・・・・中立な意見として」

「たまたま通りかかっただけだというに、迷惑な話じゃ」

一葉がいれば不公平はないだろうけど、この様子を見るにきちんとしたジャッジをしていないようだな。

「で?どっちが勝ちそうな訳」

「もちろん長尾っす!武田は妻女山に挟撃を掛けてくるのは分かってたっすから、それを裏読みする形でこの辺から先制攻撃を仕掛けるっすよ!」

そう柘榴が言うと、妻女山の上で待機させていた自軍の駒を正面へ進ませる。挟撃前提の武田本隊は、背後からの部隊が攻撃を仕掛けるまでは待機していたはずだから不意打ちの裏の裏をかかれる形とはなっていたな。指揮官は美空だからか、柘榴の言う通り長尾が圧倒的有利な条件というのは理解できる。

「私は戦に参加していませんでしたので・・・・」

だが、その駒に横からぶつかったのは、一つの駒である湖衣の部隊のようだ。

「そ、その状況で私がいたなら、それも利用価値があると思います。・・・・故に、武田が負ける理由などありません」

裏の裏の裏だから、確かにそういう展開もありそうな気がする。

「この通りでな。湖衣が戦場におらなんだゆえ、ややこしい事になっておる」

「・・・・で、審判はどう見ている」

「別にどちらでもよいわ」

まあそうだな、というかジャッジ役としては合っていないと思う。審判依頼するなら、この俺の仕事だと思うけど。で、森の親子はグチグチ言い合っても仕方が無いと言い、コイツでカタを付ければいいだろうとの桐琴と小夜叉だった。以前よりかは落ち着いていると思うが、基本は変わらずと言う事で力強く握り拳を握りしめる二人だった。俺はため息を一つした。

「一真がため息するくらいだから、ワシらは生き残っていた方が勝ちでいいだろうに」

「それに最終的に戦を終わらせたのは、一真の夜叉達が終わらせたようなもんに。生き残っていた方が勝ちでいいだろう」

森親子の言い分も分かるし、今更川中島で戦の事を聞かれても困る訳だし。湖衣はそれがイヤだからお願いしたそうだけど、ジャッジする相手を間違えている気がするぞ。湖衣よ、あとは面倒だから間をとって海津城は森親子がもらってやると言ったので更に混乱した。そこは間じゃねえだろうと言いたいけど、言い合いで決着付かないってので桐琴と小夜叉が相手をしてやろうという話まで進んでいた。

「り、理解出来ません・・・・。一真様、織田の武人というのは皆さんこのような・・・・・?」

「ちょい待った!?」

綾那が三河スタンダードというならともかく、森親子が織田スタンダードとかはないわぁ。

「何でこんなのに仲裁頼んだんすか!」

「その辺りにおったから、だな」

「迷惑な話じゃて」

一葉は一葉で他人のように言っているけど、実際美空のとこにいたじゃん。しかも戦を楽しみながら進んでいたのを見えていたような気がする。

「そうだ。そういえば、良人殿は先の世から来たのだろう?未来ではあの戦、どうなっておったのだ?」

「そういえばそのような話もあったの」

「それっす!先の事が分かってるんだったら、もちろん長尾の勝ちっすよね、一真さん!」

「武田ですよね?一真様」

「確かに俺らのところでは歴史として本にされている、川中島の戦いそのものも伝わっているから詳細な部分も俺らは大抵の事なら知っている」

川中島の戦いは、日本の戦国時代に甲斐国(現在の山梨県)の戦国大名である武田信玄(武田晴信)と越後国(現在の新潟県)の戦国大名である上杉謙信(長尾景虎)との間で、北信濃の支配権を巡って行われた数次の戦いをいう。最大の激戦となった第四次の戦いが千曲川と犀川が合流する三角状の平坦地である川中島(現在の長野県長野市南郊)を中心に行われたことから、その他の場所で行われた戦いも総称として川中島の戦いと呼ばれる。計5回12年余りに及ぶとされているし、実際に「川中島」で戦闘が行われたのは、第二次の犀川の戦いと第四次のみであり、一般に「川中島の戦い」と言った場合、最大の激戦であった第4次合戦(永禄4年9月9日(1561年10月17日)から10日(18日))を指す事だと船で語っていた八雲だった。そんでこの世界に来てから萌えオタクとして開花したから、あまり戦場には出していない。

「それなら一真で語られている川中島の戦はどうだったんだ?」

「基本的にこの世界の歴史を口にする訳にはいかないんでね、空論ばっかじゃ決着付かない様子と見て将棋で決着つけたらどうなの?」

「そういえば一真の世界に連れてかれると教えてくれるんだったな、ワシらの今現在の状況から見て一真は本来の歴史から外れているとワシは思う」

と言うと殴り合いをするんだったら、俺が相手するが勝てるのか?と聞いたら矢で貫かれたような感じで全員無理と言った感じだった。なので、空論ばかりで決着つかないのであれば、将棋で勝負したらどうなんだと提案してみた。

「将棋っすかー」

「湖衣は将棋なら文句ないだろう?」

「まあ。そのくらいでしたら・・・・」

「柘榴は?」

「望む所っすよ!で、中将棋っすか、小将棋っすか」

中将棋・小将棋・・・・・将棋の一種。中将棋は現代の将棋の二倍ぐらいの駒を使って遊ぶ将棋の事で、小将棋は現代の将棋とほぼ同じ。

「小将棋は先手必勝ではありませんか」

「だったら中将棋っすね!」

本来なら源平合戦の事を言うが、ここは過去とはいえ正史と外史の境目と言ったところなんで武将たち全員基本だと思ったからだ。それに俺らより詳細に語られると思われるからだ。

「何だその中小ってのは?」

「・・・・主様の時代にはないのか?」

「俺らの時代の将棋は、一種類しかなかった気がする。俺はあまりやらないけど、決まり事ぐらいは知っている」

とりあえずメジャーな本将棋だけだとあるけど、他ではどうやら中将棋とかがあるそうだ。

「ほほう。ならば、一つ聞くが・・・・象は結局残ったのか?」

「・・・・・・・・・象?」

象は動物の象か?東南アジアやアフリカにいるあの象か?

「残っておらぬようじゃな」

「そうか。象は消えたか・・・・」

戦国時代に象っていたのかなと思ったが、俺も疑問符として残る。そんで結局森親子は将棋には興味がないからもう行くぞと言って行ってしまったが、将棋なら一葉が審判出来るからだと思ったのだろう。湖衣も柘榴も将棋ならで一応言い合いは無くなった。

「そういえば春日・・・・」

「何か気になる事でも?」

「この件とは一切関係ないが、先程光璃に声をかけられたのだが無視られて背を向けたんだが何か知らんか?」

「さあ?お屋形様からは特に何も聞いておらぬが」

「何かしたって事じゃないっすか?一真さん『何か言ったか?』いいえ何も言ってないっす!」

柘榴にそう言われたので、素早く銃を抜いた俺に対しては何でもないかのように答えたのでそう言った。なので、銃をホルスターにしまったが、一葉はなぜせんのか聞きたいようだったけど。そんで結局戦が起きる方向に焚きつけようとした室町将軍である一葉だった。

「とりあえず光璃に関しては俺に任せてお前らは将棋で決着つけろ、春日に一葉は将棋に審判を頼む」

「相分かった、という事で一葉様は拙と一緒に湖衣と柘榴の勝負の立ち会いをお願いしたい」

「むぅぅ・・・・・・。なら、さっさと決着をつけい。余はあまり待たんぞ?」

という事で何とかなったので、俺は光璃探し再開となった。まあ接し方に問題あれば、本妻からの喝を受ける事になるからな。探すと言ってもとりあえず光璃の部屋に来てみた。いたらいいんだけど。

「光璃ー。いるか?」

「一真?」

「入っていいか?」

「・・・・・・・」

俺の問いに光璃からの言葉が返って来ない、いつもならすぐに入室許可出るはずなんだけどやっぱ先ほどの美空での会話かな?

「光璃?入っても構わんなら勝手に入るが?」

「・・・・・・・」

もう一度聞くが返ってきたのは沈黙あるのみなので、俺は許可なく開けてから光璃の部屋に入る。そんで真正面から聞くと沈黙が続くが、その顔はまるで拗ねたような顔をしている光璃の姿だった。で、何か怒っている感じではなかったので話をするが、あぐらをしている俺のとこにちょこんと座りこむ。何か悪い事でもしたのか?と聞いても違うと言うからやはり美空の事かなと思ったら美空がこの部屋に入ってきそうな気配を読み取った。あとは抱き着いてイチャイチャはしている。

「ねえ、光璃・・・・って、何やっているのよ二人して!」

「・・・・いちゃいちゃ」

「いちゃいちゃじゃないわよ。人の未来の良人に何やっているのかって聞いてるの!」

「一真は、光璃の未来の良人でもある」

「それくらい分かってるわよ」

あーあ、俺何となくだけど光璃が何で拗ねているのか何となくだけど理解してきたような気がした。

「美空のお陰。ありがとう」

「・・・・・まさか」

「何がまさか何だよ?さっきから光璃がそっぽ向いたりしているから、全然口聞いてくれないんだが何か心当たりがありそうだな」

「ああ・・・・失敗だったわ。まさかこんな事になるなんて・・・・・」

何か知っているのは10割だな、犯人は美空で光璃に何を入れ知恵したのやら?

「とりあえずそこから降りなさいよ光璃」

「やだ」

「やだじゃないの。降りなさい!」

「それより美空よ、光璃が口聞かないのが美空のお陰と聞こえるがどういう事だ?」

「・・・・・・・」

そしたら美空も赤くなり黙ってしまった。俺はため息を吐きながらだったけど、美空も座るかと提案したら許可を求めてきた。美空も光璃も今は妾で愛妾でも未来の妻になるんだから、俺は当たり前だと言った。光璃は黙ってしまったので、それを了承として受け取ると言うと妥協すると答えた光璃だった。

「何か光璃に譲られたみたいで気に入らないけど・・・・まあいいわ」

そんで俺の膝上に乗っかるのは、女性の温もりが一人から二人に増えただけとなったけど。

「あら。思ったほど悪い感じじゃないわね」

「それはどうも」

「・・・・狭い」

「狭いならそっちの座布団が空いているわよ」

「・・・・我慢する」

そんで美空から光璃がなぜ口を聞いてくれないのか、それを聞いたらどうやら塩の話と繋がるようで。塩で光璃がなぜ気分悪くなるのかは分からないが、光璃抜きで甲斐の話をしたのは悪いとは思っているけどそういう不満ならちゃんと言ってくれるはずなんだけど。

「そうそう。一真がまだしてないみたいだったから、ちょっと話してみたのよ」

「あーあ、悪い。俺も慌ただしかったからすっかり忘れてた」

「それは別にいいんだけど、それなりの態度を示せって言ったら・・・・・この子なんて言ったと思う?」

「何て言ったんだ?光璃」

「お願いします」

「即答かい!」

「一真のツッコミも分かるけど、迷いなくそう答えたわ」

「塩は大事。お願いしますって言うだけで買えるなら、安いもの」

「・・・・それが美空でもか?」

「今までだったら、しない。でも・・・・今は違う」

今までの光璃というか武田勢だと、長尾とは仲が最悪に近い状態であったが今は和平をしたのかと改めて言える。美空の予想ではもっと悔しそうにお願いをしてくるかと思ったらしいのか、アテが外れたそうだ。そんで面白くない回答をしたから、俺を無視しろと言ったらどうやらツンデレの事を言ってたようだった。

「何だよ、ツンデレなら対応可能だったのに。というか何でそんな言葉を知っているんだ?」

「前に一真、松葉に言ってたんでしょ。私みたいなのをそう言うって」

まあ確かにそう言った気がするけど、光璃にツンデレは似合わない。模範なツンデレは華琳だと言いたいね。

「えっと・・・・確か、ツンツンしたり、デレデレしているんだったかしら?」

「ちなみに聞くが、美空は自覚あったのか?」

「ないけど!」

「美空は、どう見てもそれ」

「だなぁ・・・・」

「うるさいわね。・・・・まあ、松葉や柘榴も言ってたくらいだし、端から見たらそうなんでしょうよ。で、面白そうだったから、塩を送るのを認める代わりに光璃もそれをやってみろって言ったの。それだけよ」

何かしょうもない事だったのか、俺らの歴史書には武田信玄に塩の対価としてツンデレスタイル要求なんて無論書いていないし書くとしても書く必要のないどうでもいい情報ではある。さっきから黙っていたのも「ツン」であり俺の膝に乗ってきたり手を握ってきたのは「デレ」だそうで、光璃曰くそう言ってた。だけど、ツンデレの固定概念からはどうも違う気がする。

「やっぱり光璃からやってきたんじゃない!」

「一真と話したいの、我慢してた。だから、正当な対価」

ただ我慢していたから、別に怒っている訳でもなく美空と話してただけで拗ねていた訳ではなかったようだ。

「・・・・・よかった?」

「うーんとだな、光璃は良くないと思うぞ」

「一真は、ツンデレ・・・・嫌い」

「ちょっとそれって・・・・」

「別にそう言う事ではないぞ、美空に光璃。ツンデレが嫌いな訳ではない、二人とも好きな方だぞ」

「ちょ・・・・・」

「一真・・・・・」

「そういう好き嫌いとかじゃなくてだな、無理してそういうのされるのが嫌な訳さ。光璃がツンデレをいきなり始めたりしたら、俺でも対応に困るぞ」

そう言うと、膝の上に座る美空と光璃の肩を抱き寄せた。光璃は俺と話をしたかったけど、話したいのを我慢して無理して話さないのは困る方だ。美空の場合はただの照れ屋なだけだ。そう言うと本場のツンだと言うけど、美空と光璃では一味違うと思うし美空をからかうのは楽しいとも言うけど言葉としては無理をしている方。で、美空に礼を言いだしたけど、これについては美空のお陰だと言うらしいがどうなんだろうか?

「文句はさらさらないけど、今の内ならそうやって文句言えるかもしれん。だがな、俺の側室の仲間入りとなった感じになるとそういう文句とかを俺に言うと先輩である妻達からお説教されるぞ?」

「それはそれで今だけ限定みたいな感じね」

「役得だけど、今だけはいい。そうだ、一真声かけてきたけど何か用?」

「それは最初の時か?光璃に塩の話をしようと思ったが、どうやらもう終わっているようであるな?」

「ええ。光璃も条件を飲んだしね。・・・・何だか納得いかないけど、約束は約束だから、流通は許可してあげるわよ。これがその書状」

言っては一枚の包みに入った書状を取り出す美空であるが、光璃もそれを俺の膝上で受け取り中を確かめた。

「ありがとう。助かる」

「そうだ。そういえばさっき、ここに来る途中で柘榴達が騒いでたみたいだけど・・・・あれ何だったの?」

「あああれな、川中島がもし普通に戦いをしていたらどうなってどっちが勝ってたかという話だ。柘榴は長尾と言うが、湖衣は自分が参戦してたら武田が負けるような事はないと」

「まあ、それはそうね」

「・・・・・・」

「そういえば川中島もあのままだったわね・・・・。どうする、光璃」

まさかまた交渉でもするのか?手打ちにしたのは互いの関係だけであって、あの土地に関しては美空もどうこうするつもりはなさそうだけど、光璃の考えも聞いておきたい様子だった。そしたら光璃は今のままでいいと言った。俺と美空は意外であると答えた、信州統一は武田家の悲願だと考えていたけど。悲願ではあるが戦を起こす意味はもう無くなったようだ。これ以上ないのであれば、長尾と武田は戦う事は無い訳となる。

「信濃はもういいから、代わりに一真をもらう」

「ちょっと待ちなさいよ!それとこれとは話が別でしょ!」

「美空は武田の北上を止められる。なら、こちらも対価が必要」

「塩の流通で手を打ちなさいよ」

「その対価は、ちゃんと払った」

「って言うか一真はみんなのものだってアンタ散々言ってたでしょうに・・・・!」

「だから、美空の所だけ光璃がもらう。久遠やみんなの所は、目をつぶる。これで公平」

そしたらもう一回川中島起こした方がマシだと答えた美空だったが、戦うなら俺が相手になっても構わないと言ったら二人ともしゅんとなってた。まあ俺の強さはここにいる武将達とは次元が違うからな、俺とぶつかる覚悟あればの話となるがな。で、結局のところ俺半分で左右の腕に手を重ねた二人とも。あとは美空から俺の手が胸に当たってんのはあえて言えないフリをしていた。

「光璃にはこういう事できるかしら?」

「・・・・女の価値は、おっぱいじゃない」

光璃は美空の挑発に乗らずに答えるだけ、あと胸があまりない方が好きだと勝手に解釈されているけど、俺はどっちも好きなんだが。あとは一真隊のと言われてハッとするが、それに関しては禁句なので皆の前では言うなと言っといた。そして二人ともこうしていると悪くないといい、この戦が終われば温泉だとか言われてとりあえず返事しといたけど戦が終わればこの外史が消滅する事を忘れているのかな?と思った。そうして俺達だけの空気となったがいいが、どうやらこの態勢が終わりが来たのだった。

「お屋形様ー!」

「御大将ー!」

勢いよく部屋に入ってきたのは、粉雪と柘榴がほぼ同時に入室してきた。

「・・・・・・」←美空

「・・・・・・」←光璃

「あ・・・・・」←粉雪

「その・・・・」←柘榴

「な・・・・・」

「何?」

「か、川中島の将棋合戦、勝負が付かないからお屋形様達に出て欲しかったんだぜ・・・・」

何時の間にやら、粉雪も将棋合戦に加わった様子だ。

「でも・・・・なんか柘榴達、お邪魔みたいっすね・・・・」

「あ・・・・当たり前でしょ!何よいきなり人の部屋に入ってきて!」

「美空の部屋じゃない」

「それは分かってるけど!でもあんたも恥ずかしいでしょ!」

「未来での夫婦の営みは当然の事」

そう呟いていたが、光璃は寧ろ見せつける感じで俺の腕にしがみついている。

「あんたは少し恥ずかしがりなさい!」

「・・・・・・・?」

「なんでよく知りませんみたいな顔をするのよそこで・・・・」

呆れる美空であったけど、それは光璃なりに恥ずかしがっていると俺は思っていたけど感情が乏しいだけのようであった。呆れる美空であったけど、視線を光璃から俺に移してから恥ずかしいか?と聞かれるとそりゃ当たり前だと答えた後に少し怒気を入れた視線を粉雪と柘榴に向ける俺。

「で、二人は将棋勝負やんの?やらないなら、光璃の不戦勝になると思うが」

「それならそれでいいんだぜ」

「ぐぐぐ・・・・御大将!」

「もぅ・・・・っ。仕方ないわね!出るわよ。出るに決まってるでしょ!行くわよ、光璃、一真!」

不機嫌そうになるけど、重みが消えた。

「望む所」

そして二人分の重さがなくなった。

「はいはい、俺も見に行きますか」

あとはこの将棋勝負が終わったら、約束していた買い物を行く事になったけど。美空の用事は光璃への書状だったらしい事が判明。それとどっちかが勝ったら俺の半分だからと大声で言ったらいつの間にかいた一葉がいた。

「あいや待たれい!」

「やっぱりこういう展開になると思ったわ・・・・・」

「主様と出かける権利を掛けて争うというなら、余も黙ってなどおれぬわ!余もその川中島に参戦させてもらう!」

「ちょっと一葉様は関係ないでしょ!」

「余も主様の未来の妻じゃぞ!関係おおありじゃ!」

「あーあ、これで久遠や皆が来たら勢揃いするな」

「ん?久遠や他の皆も既に将棋を見物しておるぞ」

「まさかの予感的中!」

って事は四人だけではなく、愛妾である者全員が対決する事になるという事なのかな?こりゃもう一騒ぎはありそうだな、そんで俺と美空と光璃が行くと何やら将棋盤が増えている事と勝者と敗者に分かれていた。 
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