ロックマンX~5つの希望~
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第五十九話 VAVA
前書き
VAVAの特殊武器はアクセルと共通ということで。
四天王のDNAデータを取り込んで、パワーアップしたVAVAが右肩のキャノン砲を向ける。
VAVA「さあ、これで決めようじゃねえか…俺とお前達…どっちが最強に相応しいのかをよ!!」
キャノン砲から光弾が放たれた。
ゼロがセイバーで光弾を両断する。
VAVAが背部のバーニアを吹かして、エックスに肉薄すると、キャノン砲から火炎が吹き荒れる。
エックス「!!?」
VAVA「フレイムバーナー…あのアクセルとか言う坊やも使える奴だ」
ゼロ「コケコッカーのDNAデータを兵装に適合させたのか…」
VAVA「そうだ。お前らにも出来るんだ。俺にも出来て当然だろ?他にもあるぜ?」
キャノン砲から雷を纏った竜巻が放たれた。
ルナ「ウェントスのプラズマサイクロン…!!?」
VAVA「奴らのDNAデータも兵装に適合させた。雑魚の技の癖に中々使えるな」
つまりVAVAは1人で四天王とあの8体のイレギュラーの力を使えるというのだろう。
VAVAは最も自身と因縁のあるエックスとゼロを主に狙う。
レイガンをかわしながら、ルナはルインを見遣る。
ルナ「ルイン!!こいつは俺達に任せてお前はシグマを!!」
ルイン「え!!?」
思いもよらぬ言葉にルインは目を見開く。
ゼロもルインが自分達と比べれば攻撃が少ないことに気付き、ルインに先に行くよう促す。
ゼロ「奴は俺達に任せろ。お前はシグマを」
ルイン「でも…」
エックス「VAVAの狙いは俺達だ。」
ルナ「大丈夫、ちゃんと2人を援護してやるから。早く行け!!」
ルイン「…分かった!!」
ダッシュでこの場を後にし、シグマの元に向かうルイン。
VAVAはそれを静かにただ見つめているだけ。
VAVA「これで思う存分やり合えるか?アイスガトリング!!」
キャノン砲から氷弾が連射され、エックスがスクイーズボムで無効果する。
エックスがバスター重視装備のニュートラルアーマーに切り換え、チャージショットを連射する。
VAVA「チッ…」
舌打ちすると同時に距離を取る。
エックスはドップラーの反乱時に現れたVAVAの弱点が光属性のレイスプラッシャーであることを思い出したため、シャイニングレイを繰り出す。
VAVA「俺が弱点をそのままにしておくと思ったのか?阿呆が」
エックスの顔面に強烈な右ストレートを叩き込む。
まともに喰らい、吹き飛ぶエックス。
ルナがリフレクトレーザーを放つが、キャノン砲から曼陀羅手裏剣を放ち、それを弾く。
接近するゼロにフレイムバーナーを繰り出すが、ゼロはBファンで火炎を防ぎながらKナックルの一撃を叩き込む。
VAVA「っ…なる程、あの時よりマシになったじゃねえか」
あまりの重い一撃に流石のVAVAも顔を顰めるが、スパイラルマグナムを放つ。
ゼロ「っ!!」
貫通力の高い弾丸はBファンのシールドを貫く。
咄嗟に身体を捻ったことで、右肩のアーマーが少し刔れただけで済んだ。
ルナ「くそ!!」
コケコッカーに変身すると、炎を纏った飛び蹴りを繰り出すが、VAVAはプラズマガンで迎撃する。
エックス「くそ!!」
接近するエックスにVAVAは嘲笑いながらブラストランチャーを放つが、次の瞬間エックスの姿が消えたかと思うと、エックスは背後にいた。
VAVA「!!?」
エックス「ヘルメスアーマーの能力の1つ、インビジブルダッシュだ!!レーザーチャージショット!!」
ヘルメスアーマーからイカロスアーマーに切り換え、レーザーチャージショットをVAVAに直撃させた。
VAVA「ぐっ!!」
エックス「ギガクラッシュ!!」
エックスを中心に強力なエネルギー波が炸裂した。
VAVA「チィッ!!」
あまりの威力に舌打ちすると同時に上空に移動。
全身を発光させる。
ゼロ「!!?」
VAVA「消えろっ!!!ヘキサインボリュートーーーーッッ!!!!」
VAVAの全身から雷撃が放たれた。
ギカボルト・ドクラーゲンの必殺技のサンダーダンサーと似たような技。
しかし、出力はドクラーゲンより上のように感じられた。
その威力に3人は戦慄した。
雷撃が終わると砂煙が立ち上る。
VAVA「………」
VAVAは無言でキャノン砲を構える。
VAVAの特殊武器で最も威力の高いブラストランチャーを放とうとするが、砂煙からエネルギー弾が飛び出す。
VAVAは反射的にかわしたが、エネルギー弾は壁や天井に跳ね返り、VAVAの背中を撃つ。
下を見ると、新世代型随一の防御力を持つアースロック・トリロビッチに変身してダメージを軽減しているルナと、ヘルメスアーマーのエクスドライブで能力を底上げして脱出したエックスとエックスに助けられたゼロ。
VAVA「そうだ…そうこなくてはな!!」
フレイムバーナーがエックス達に迫る。
エックス「ドリフトダイヤモンド!!」
VAVAの火炎をエックスが極低温の冷気弾で応戦する。
火炎と冷気がぶつかり合い、水蒸気となる。
ゼロは感覚を研ぎ澄ませ、VAVAの位置を特定するのと同時に勢いよく跳躍した。
ゼロ「氷龍昇!!」
対空技の氷龍昇でVAVAを切り裂く。
今までと同じように大したダメージは与えないだろうと思っていたのだが…。
VAVA「ぐっ!!?」
斬られた箇所から徐々に凍りついていく。
エックス「効いた…」
ルナ「あれが弱点か!!」
動きが止まったVAVAにルナはショットを連射する。
まるでアクセルのように凄まじい連射のショットは全弾VAVAに命中する。
エックス「エクスドライブ…スプレッドチャージショット!!」
ヘルメスアーマーに切り換え、零距離でVAVAにエクスドライブで強化したスプレッドチャージショットを喰らわせる。
まともに受けたVAVAは吹き飛び、壁に叩きつけられた。
ゼロ「お前はまだやるんだろう?」
VAVA「当たり前だ…お前達を倒し…そして、ルインもシグマも倒す!!そして最強のレプリロイドとなる!!」
攻撃範囲の広いプラズマガンで牽制し、ホーミング弾を放つ。
ゼロはBファンでホーミング弾を受け止めながら前進し、Kナックルを装備する。
ゼロ「雷迅拳!!」
VAVA「ぐっ…おおおおおおおお!!!!」
強烈なアッパーがVAVAに炸裂するが、VAVAも負けじとブラストランチャーをゼロに喰らわせる。
ゼロ「ぐああああ!!」
強化形態“ブラックゼロ”は、攻撃力と機動力と引き替えに装甲を極限まで減らしたもの。
イレギュラーの中でも随一のパワーを秘めるパンデモニウムの特殊武器はゼロに痛烈なダメージを与える。
それだけではなく、フレイムバーナーとアイスガトリングを喰らわせ、レイガンで狙い撃つ。
ルナ「ゼロ!!」
VAVA「消えろっ!!」
キャノン砲から巨大な火炎弾が放たれた。
ルナはそれを回避するが、火炎弾は壁にぶつかるのと同時に分裂し、エックスとルナに当たる。
エックス「これは…!!?」
ルナ「イグニスのブラストボム…!!?」
VAVA「フリージングドラゴン!!」
キャノン砲から氷龍が放たれ、ルナを極低温の冷気で凍結させる。
エックス「ルナ!!」
VAVA「微塵に砕けろ!!」
ブラストランチャーを連射する。
エックスはメルトクリーパーで氷を溶かし、エクスドライブでルナを救出すると、ゼロを連れて壁際に移動させる。
ルナ「エックス…」
エックス「VAVAは俺が倒す。ルナはゼロと一緒に休んでいてくれ」
仲間を傷つけられた怒りもあり、エックスから放たれる威圧感は凄まじい。
エックス「言っておくがVAVA。お前を倒すのに時間を掛ける気はない。一気に行かせて貰うぞ」
それが身の程を弁えない大言壮語で無い事はVAVAの目から見ても一目瞭然だ。
数々の強敵との戦いを経て、ルーキーであった頃のエックスとは見違えるほどに強くなっている。
VAVA「面白い…見せてみろ。お前の力をな!!」
VAVAの特殊武器で最も連射性能の高いレイガンがエックスに向けて放たれた。
エックス「くっ!!」
エックスはインビジブルダッシュを駆使して回避し、かわしきれないレーザーはスクイーズボムで無効果する。
そのために動きが止まったのをVAVAは見逃さない。
鋭く繰り出された強烈な蹴りがエックスの腹部を抉っていった。
エックス「がはぁっっ!!」
幾度もVAVAには苦杯を舐めさせられているだけに、その戦闘スタイルは熟知しているつもりだが、しかし今のVAVAは四天王のDNAを取り込んだことにより、今までの敵とは比較にならないくらいに速い。
VAVAの攻撃に対してエックスが張るヤマは基本的に外れてはいないが、そのスピードが故に対応がし辛いのだ。
VAVA「バウンドブラスター!!」
しかしエックスとて負けてはいない。
バスター重視装備のニュートラルアーマーに切り換え、チャージショットを放つ。
チャージショットはバウンドブラスターを飲み込んで、VAVAに直撃する。
VAVA「っ…」
咄嗟にガードしたが、それでもかなりのダメージを喰らった。
恐らく身体に負担がかからない程度のレイジングエクスチャージを併用しているのだろう。
今のエックスには殆どチャージ無しで通常時のチャージショットが連続で撃てる。
それはもう通常弾と殆ど変わらない速度で。
VAVA「調子に乗るな!!」
キャノン砲からブラストボムを放つが、それすらチャージショットに飲まれ、VAVAは直撃を受ける。
エックス「………」
バスターを構えたまま、エックスは倒れたVAVAを見つめる。
少しの間を置いて、VAVAは立ち上がる。
VAVA「ウォーミングアップはこれで終わりだ。そろそろ本気で行かせてもらう!!」
エックスがチャージショットを放つが、VAVAはバーニアを吹かし、回避すると一気にエックスに肉薄すると顔面に拳を叩き込む。
思わず背後に仰け反るエックスにVAVAは追い討ちを掛けるように拳を乱打する。
エックス「ぐっ!!」
VAVAの拳を受け止め、腹部に膝蹴りを叩き込み、グリーンスピナーを喰らわせる。
VAVA「クックック…パンデモニウムのミサイルか。そのシステムの扱いにも慣れたようだな。あの時のメカニロイド1匹まともに処分出来なかった甘ちゃんがよくここまで…」
歓喜の笑みを浮かべるVAVAにエックスは口を開く。
エックス「この戦いで最後だ。俺とお前のな」
VAVA「そうだエックス…これが…」
互いのバスターとキャノン砲から光弾が放たれ、相殺し合う。
VAVA「俺達の最後の戦い!!」
エックス「決着をつけるぞVAVA!!」
VAVA「望むところだ!!」
VAVAがアイスガトリングを繰り出す。
エックスはメルトクリーパーで相殺し、クリスタルウォールをVAVAの目前に出現させる。
VAVA「邪魔だ!!」
スパイラルマグナムでクリスタルウォールを破壊する。
しかしエックスの姿はどこにもない。
エックス「だあああ!!」
インビジブルダッシュでVAVAの背後に回ると、タックルを喰らわせ、VAVAの体勢を崩す。
VAVA「ぐっ!!?」
エックス「レーザーチャージショット!!」
体勢を崩したVAVAに間髪入れずにレーザーチャージショットを喰らわせる。
しかしVAVAはレーザーから脱出すると、レイガンをエックスに喰らわせた。
レーザーチャージショットはしばらくエネルギーを放出しなければならないために、放出している間は完全に無防備となる。
エックス「うわあああああああああっっ!!!!」
レーザーチャージショットの硬直の隙を突かれたエックスはマシンガンのように乱射されるレーザーを全身に受け、絶叫するエックス。
VAVA「どうしたエックス!!お前の力を見せてみろ!!」
言われるまでもない。
VAVAだけじゃない。
エックスはこの後更にシグマパレス最深部に鎮座するシグマをも打ち倒さねばならないのだ。
こんな所で足止めを食っている場合ではない。
エックス「スクイーズボム!!」
VAVAがブラストランチャー、アイスガトリング、レイガンを放つが、エックスはチャージスクイーズボムで一斉に無効果。
チャージスクイーズボムの闇に紛れてエックスはVAVAに肉薄するとヘルメスアーマーに切り換え、スプレッドチャージショットを零距離で喰らわせた。
エックス「一気にカタをつける!!」
エクスドライブとレイジングエクスチャージの同時使用。
神々しい蒼い光を身に纏うエックス。
エクスドライブとレイジングエクスチャージで強化されたエックスの動きはもはやVAVAの目にすら映らない。
連続してVAVAを打ち据えるエックスの蹴りや拳はより鋭さを増している。
しかしVAVAもまた負けてなどいない。
VAVA「まだ…まだだ!!」
リミッターを解除し、エックスが拳を繰り出した隙を突き、カウンターで回し蹴りを繰り出し、ブラストランチャーで吹き飛ばす。
エックス「っ…負けてたまるか!!」
VAVA「俺は…俺は負けん!!」
互いに拳を繰り出し合う。
エクスドライブとレイジングエクスチャージで強化したエックスと四天王のDNAで強化し、全てのリミッターを外したVAVAの拳の威力は凄まじい。
エックス「(まずい…レイジングエクスチャージの限界が…)」
レイジングエクスチャージの過度の使用のために、エックスの身体が悲鳴を上げている。
しかしそれはVAVAも同じ。
四天王のDNAを取り込み、リミッターを解除して限界を超えた出力を引き出しているためにVAVAの身体も悲鳴を上げていた。
エックスの拳がVAVAの顔面に突き刺さる。
頭に、亀裂が走っている。
まるでガラス細工のように繊細になったその頭。
その中で、1つの記憶が渦巻いていた。
…認められたかった……。
世界がどうなろうと、自身の知ったことではない。
ただ、最強のレプリロイドとなることで、自身の存在が認められればよかった。
たったそれだけ。
意識が朦朧とする中、エックスが白と青を基調にしたアーマーから白と赤を基調としたアーマーに切り換えたのを見た。
エックス「…ギガクラッシュ!!!!」
凄まじいエネルギー波に飲まれたVAVA。
理性が、その強靭な四肢が、凄まじいエネルギー波により、消えていく。
VAVA「(俺の名は…VAVA…俺は…お…れ……は…)」
胸中で呟いた言葉は誰にも解されずに光に飲まれて消えた。
後書き
VAVA撃破。
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