雪は終りを告げる

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雪は終りを告げる

前書き

１話は短いです。
２話はまだ普通の長さになると思います。

第１話【兄貴】

彼奴が死んだと俺の携帯に連絡がきていた。
初めは何かの冗談だろうと思い放置をしていたが、冗談じゃないのか昨日『葬式に来て』と書かれたメールが送られていた。

☆☆

久しぶりに家族に会った気がする。
俺は家を出て、ボロアパートに一人暮らしをしている。
そのせいか、知り合いに会うこと自体が久しい。

「あ、りと……」

あのメールの後に電話してどこで葬式をするのかと尋ねると、泣きながら今俺がいる場所を言った人物＿＿六条道りとせが目の前に居る。

喪服を身に纏って、必死に笑顔を作りながら俺に声をかけてきた。

「来て、くれたんだ……」

どこか悲しそうな、嬉しそうな、曖昧な表情を浮かべている姉。

辺りを見渡しても普通の葬式会場と言うのか分からないが、特にこれと言った変化はない。
辺り、と言っても入り口から数歩しか進んでないが。

「来いって言っただろ、お前」

電話で泣きながら来て欲しい、と何度も繰り返していた。
思い出しながら目の前に居るりとせに上記を言えば、俯いて頷いているのが分かる。

――泣きてぇんだな。

直感的にそう思った。

後書き

冬のずっしり感が難しいですね

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