| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ソードアートオンライン~ロストシャドウ~

作者:shoogel
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

βテスターの教え

 
前書き
彼との共闘です! 

 
「βテスター…」
俺は口から言葉が零れた。
キリトは
「βテスターを嫌う……、軽蔑する奴らもいるだろう」
と短い言葉を話し、また何か言い掛けたが、
俺は「……っ、すっげぇな!確かβテスターって、千人しか受かってないんだよな!」
俺は目をキラキラ光らせ話した。
キリトは「嫌じゃないのか?」と聞くが、俺は
「んなわけないだろ、頼りにしてるぜ!キリト!」
その言葉を聞くと、キリトは少し微笑んだ
そして小さな声で「ありがとう」と呟いた。

そしてクエスト発生エリアに向かっている最中に
俺はキリトに《スキルスロット》についてに聞いてみた。
「話は変わるけど、キリトは《スキルスロット》は、なに入れた?俺は片方は《片手用直剣》で埋めたけど、もう一つが決まらなくって」
俺の言葉を聞くとキリトは
「ソロプレイヤーとして、生きるのなら必須のスキルは《索敵》と《隠蔽》だろうな。両方とも生存率を上げてくれるし、でも最初は索敵スキルを選択する事をおすすめするよ、だけど、あくまでもソロ道の場合だけどな」
キリトの最後の話は全く聞いてなかった俺。
「おお!すげー、なんか小さいカラー•カーソル出てるぞ!」
キリトは「って、もう索敵スキル取ったのか!?最後聞いてたか…?って、カラー•カーソル?」
気付いたら、もう目的地まで着いていたようだ。
「本体はまだ見えないが、モンスターを示す色が、レッドじゃなくマゼンダといったところだな」
キリトは続ける。
「モンスターは《リトルネペント》だ。リトルって、付いてるけど一メートル半ぐらいあるからな。レベルは3だから、レベル1の俺達には紫がかって見えるってわけだ」
キリトが詳しく説明してくれると、小径から逸れ、
大きな古木にに回り込むと、そいつの姿が眼に入った。
「……ハズレ」
キリトはそう呟いたが、意味がわからない。
キリトは俺の心境を察したように、説明した。
「あの口の上に大きな花を咲かせているやつが出現するんだ。ホルンカの村で受けたクエストのキーアイテム《リトルネペントの胚珠》は、花つきのネペントからしかドロップしない。そして花つきの出現率は1パーセント以下だ」
俺は聞かなきゃ良かった、という後悔をしていると
キリトは真剣な顔で俺に話した。
「普通のネペントでも、倒し続ければ花つきの出現率は上がる。戦闘する分は構わないが、花つきと同じぐらいの確率で、丸い実をつけているネペントが出現するんだ。だが、そいつは言わば《罠》で、戦闘中に実を攻撃してしまうと巨大な音とともに破裂して、広範囲から仲間のネペントを呼び寄せるんだ」
と注意を呼び掛けるとキリトは
背中の剣を抜きネペントに向かっていった。
同時にネペントもキリトに気付いたようで
「シュウウウウウ!」
という咆哮を捕食器から漏らし、
ネペントが右のツルをキリトに突き込んできた。
すると、キリトは軌道を見切り、左に跳んで回避した。
そのままネペントの側面に回り込みつつ、
剣をウツボ部分と太い茎の接合部─弱点に叩き込む。
手応えは充分のようで、ネペントのHPががくっと
二割以上も減った。
すると、キリトは俺を手招きして来いと言った。
俺がキリトのもとに行くと、
ネペントが再度怒りの声を上げ、植物はウツボを
ぷくっと膨らませた。キリトは
「腐蝕液発射の予備動作だ。射程は5メートルぐらいで長い、真後ろには下がるな、浴びたらHPと武器防具の耐久度が大きく減るし、粘着力によってしばらく動きが阻害される。だが、効果範囲は正面三十度と狭いから、ぎりぎりまでタイミングを見極めて、ウツボ部分の膨張が止まった瞬間、思い切り右にジャンプするんだ、いいな」
と言い、ネペントのウツボ部分の膨張が止まった瞬間、キリトの
「せーのっ…!」のタイミングと同時に右にジャンプした。
ぶしゅっ!と薄緑色の液体が飛沫状に発射され、
地面に落ちて白い蒸気を上げるが、一滴たりとも
浴びずに回避した俺達は無傷だ。
キリトは右足が地面に触れるや剣を振りかぶり
再度同じ弱点を痛撃。
悲鳴とともに仰け反ったネペントの捕食器を、
黄色いライトエフェクトがくるくると取り巻く。気絶状態だ。
キリトは叫んだ。
「いまだ、シュージェル!ソードスキルでトドメだ!」
俺は待ってましたと言わんばかりに
剣を大きく引き、一瞬のタメ動作によって
ソードスキルが起動し、刀身を薄水色の光が包む。
「……くらえっ!」
俺は激しく地面を蹴った。単発水平斬撃技《ホリゾンタル》。
先の二発でHPの五割以上近くを喪失していた植物Mobは、
スタンから回復する寸前に、剥き出しの茎を
俺のソードスキル《ホリゾンタル》に直撃された。
俺はもちろん、蹴り足と右腕の動作で
威力を最大限までブーストしている。
エフェクトの輝く刀身が、硬い茎に食い込み、
一瞬の手応えを残して─。
すかぁぁん!と乾いた音を響かせ、
ウツボ部分が茎から斬り離され、丸ごと宙に飛んだ。
残りのゲージ全体が真っ赤に染まり、右側から減少していく。
ゼロになると同時に、リトルネペントの巨体は青く凍り付く。
直後、爆散。
剣を前方に振り切った技後動作のまま、俺は動きを止めた。
視界には、フレンジー•ボアの二倍近い経験値が浮き上がる。
戦闘時間は約四十秒。この調子なら効率は良さそうだ。
俺達は続く十五分で十匹以上のリトルネペントを倒した。
すると、十一匹めのリトルネペントを倒したキリトに
軽やかなファンファーレが響いた。
キリトのレベルが上がったようだ。
俺は「おめでとうさん、俺も早くレベル上がりたいよ」
と声を掛け、拍手を送った。
すると、キリトは少し照れたように「サンキュー」
と笑った。だが、拍手の音は俺だけじゃなかった。
戦闘態勢を取ろうとした俺達が見たのは、
この森では出現するはずのない人型モンスター─
ではなく、人そのものだった。

 
 

 
後書き
次回も宜しくお願いします! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧