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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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試験開始は唐突に

さて、俺達が波の国から帰ってきて数週間の時間が流れた。
連れ帰った再不斬と白は俺の処で過ごし、時に修行等をしていた。
始めた頃は酸欠か?と言うほどにバテバテで、
「テメェは人間か!?」
と言われた事は印象に残っている。

数週間の間、任務のランクはDばかりだったが、それでもそこそこ充実していたと思う。
そんな中、今日も任務に取り組む今日この頃。

「はよーっす」「オーッス」

「……」「あ、来た」

今日の任務に行くための待ち合わせ場所に到着。
既に時惚れとピンクは来ていた。

「……………」

波の国から帰ってきてからと言うもの、何か知らんが時惚れから睨み付けられる毎日。
少しは改善して貰いたいんだがどうにも努力的な雰囲気が見られない。

「諸君、おはよー!」

まぁ毎日遅刻してくるカカシもそうなのだが…。

「さて、今日は雨漏れする屋根の修理に、野犬の退治だな。
今日も一日ガンバロー」











take1.屋根の修理。

「こんなもん錬成すりゃ早ぇだろ」

「いつ見ても凄いってばよ…」


take2.野犬の退治。

「はぁっ!」

キャイ~ン!?ワン!ワン!

「うわー…もっと穏便に事を進めようとは思わんのかね?」

「橋を消し飛ばしたお前が言うな!」

「そうよそうよ!」

「ワン公!餌やるからもう来ちゃダメだってばよ?」

「ほら、あんな風に」

「「………」」






「いやー、今日も働いたねぇ~」

「やりたりないってばよ…。
兄ちゃん、帰ったら修行しようぜ」

「はいはい」

「……くそ!」

「…はぁ……」

またまた何時もの集合場所。
任務から帰り、各々に話す。

「んー、何か最近チームワークが乱れてるなぁ…」

「そうよ!特にアンタ等二人よ!」

カカシの呟きに便乗してピンクが喚く。

「え?そうなの?」

「いやー、全っ然気がつかなかった」

コレもまた何時ものこと。
こいつの話は肯定して流すに限る。

「!………さーてと!そろそろ解散するか。
オレはこれから今回の任務の報告書を提出せにゃならん」

ん…さっきの鳥か?
となるとあれは召集の合図ってとこか。

「…なら帰るぜ」

「!ねぇーサスケ君!
これから二人でチームワーク深めるってのはどう?」

きびすを返して帰ろうとする時惚れを呼び止め、ピンクは媚びを売る形で話しかける。

「お前に構っている暇はない。
そんなにチームワークが大事なら、もっと強くなれるよう努力しろよ。
はっきり言ってお前が一番弱いぞ」

その次にお前だけどな。

ガーンと言う文字がピンクの頭上にのし掛かる。
時惚れは去った。

「ユウジの兄ちゃん、ナルトの兄ちゃん!」

「ん?おお、お前らか。どした?」

声をあげて手を降り、走ってくるのは木の葉丸。
その後ろに男の子と女の子が追いかける形で付いてきている。

「新しい術を作ってみたんだな!コレ!」

「ほお、じゃあ早速見せてもらおう」

「よぉーし!見てて……兄ちゃん、あの姉ちゃん誰?」

木の葉丸は印を組むのを中断し、先程誘いを降られたピンクをさす。
件のピンクはぶつぶつと呟いており、こちらを睨んでいる。

「あ!分かったんだな、コレ!
あの姉ちゃんはぁ…どっちかのコ・レ」

小指をピンと立ててジェスチャーをする木の葉丸。

「おっとぉ…その発想はなかった…」

「流石にそれだけは勘弁…」

「ふざけんじゃ無いわよこの糞ガキぃ!」

「わーーー!」

そのジェスチャーの意味を理解した俺とナルトはげんなりし、
それに反応し、激怒したピンクが木の葉丸を追いかけ始めた。

「痛っ」

その拍子に誰かとぶつかった木の葉丸。

「いてーじゃんクソガキ」

黒い装束に少し丸い体型の男。
そしてそのとなりには髪質の荒そうな女。

「やめときなって!後でどやされるよ!」

「あいつが来る前にちょっと遊んでみたいじゃん」

「やーやー、ここは平和的に解決を…」

「…!」

ピィィィンッ

黒い奴が木の葉丸をつか見上げている状態で、
空いている方の手を動かした。

ブチィッ

「なっ!?」

「ん?何かしたか?」

俺の足に巻き付いてきた糸のようなものを
気で引きちぎってやった。

「おいガキ、少しはやるじゃん。
…ちょっと遊んでやるよ」

やれやれ、何処に行ってもガキガキガキと…。
コイツらは見た目が年下なら全員ガキに分類するのかよ?

「ま、別に良いけど…遊びで怪我しても知らないぞ?…ナルトが」

「オレかよ!」

「お前らムカつくじゃん」

黒い奴はその背中に背負った変な物体を降ろし、手にかけた。

「ちょ!カラスまで使う気かよ!」

カラス?流石に鳥には見えないんだが…ネーミングセンスなくね?

「カンクロウやめろ。里の面汚しめ…」

「そうだそうだ!やめろキンタロウ!」

「っ!?」

ナルト…知らないやつにはついていっちゃだめなんだぞ?
つーか急に出てきたこいつは何だ?
ナルトが隣にいたのに気づかないほど経験薄そうだけど。

「……(気がつかなかった!このオレが?
面白い。物凄い手練れだ)…君、名前は?」

「うずまきナルト!お前は?」

「我愛羅。砂漠の我愛羅」

我愛羅と名乗った少年は背中に瓢箪を背負い、額には愛の文字。
…成る程、蒼也が言っていたのはこいつか。

「じーーー」

「?何かな?」

「んー、何か我愛羅の眼、昔の俺に似てるってばよ」

アラホント、そっくりさんですか?
近間いますねごめんなさい。

「……ふっ。君とは良い友達になれそうだ」

「おう!よろしくな!」

「「(我愛羅が笑った…)」」

「行くぞ二人とも。
俺達がここへ来たのは喧嘩を売るためじゃない」

「あ、ああ……」

「分かったよ…」

んー、何かよくわからんがまぁいいか。
あれ?糞ピンクがいない?……逃げたか。
さっきまでチームワークがどうのと言ってる割には逃げ足早いな。













さて、翌日。
今日は任務は無かった筈だが、カカシから召集を受け、
その待ち合わせ場所まで来ている。

既に全員がこの場にいて、来ていないのは例によってカカシだ。

「やあ!お早う諸君!今日は人生と言う道に迷って…」

……こんなこと言う奴がまだこの世界に居たんだな…。

「ま!なんだ……いかなりだが、お前たちを中忍選抜試験に推薦しちゃったから」

「は?」

「え?」

「ほう……」

「!」

「これが志願書になる。
推薦と言っても強制じゃない。
受けたい奴はこの志願書にサインして、
明日の午後4時までにアカデミーの301に来るように。
以上!」

シュバッ!

渡すだけ渡して去っていくカカシ。
確かにいきなりだし、受けない理由もないが……と言うよりも受けなきゃいけなさそうな雰囲気。
だって俺の隣でウキウキワクワクしてる奴がいるんだもん…。

「なぁなぁユウジの兄ちゃん!コレ受けるよな!」

「はぁ……あーあー、受けるよ受けてやるよ」

「よっしゃあ!」

あーあー、明日めんどくせぇ…。


俺達は解散し、翌日に備えて準備を始めるのだった。
と言っても…サインするだけなんだけどね? 
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