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ブルージーンズメモリー

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第二章


第二章

「明日な」
「頑張れよ」
「ああ、後悔だけはしないさ」
 こう言ってだった。俺はその戦いの場に向かった。行く場所はだ。本能的にわかっていた。あそこだ、あそこしかなかった。
 次の日朝早くだ。朝だってのにもう暑い。俺は青いジーンズを穿いてそれでバイクを飛ばして駅に向かった。高校の時から乗ってるバイクだ。
 それに乗って駅に入った。すぐにホームまで駆ける。あいつはそこにいた。
「えっ・・・・・・」
「どうしてって言いたいのか?」
 驚くあいつに言ってやった。
「そうなんだな」
「何でなの?」
「おい、それは今言ったぜ」
 驚くこいつに言ってやった。
「話聞いたんだよ」
「そうだったの」
「何で東京なんだよ」
 俺は怒った顔で尋ねた。
「何でここじゃないんだよ」
「御免なさい」
 こいつは俺に謝ってきた。
「東京で。働きたいから」
「別に湘南でもいいだろ」
 俺はありのままの心をぶつけた。
「この街でもな。そうじゃないのか」
「けれど東京なの」
「何でだよ」
「去年東京に行ってね」
「ああ」
「何もかもがとても奇麗だったから」
 こう言ってきた。
「それでなの」
「ここより奇麗なのか」
「ええ」
 俺の言葉にだ。こくりと頷いて返してきた。
「私にとってはね」
「どうしてもだっていうのか」
「行くわ」
 今にも涙が溢れそうな目で俺に言ってくる。
「これから」
「くそっ、それじゃあな」
 俺はその言葉に観念した訳じゃなかった。けれどそれでもだ。こう言わずにはいられなかった。それで言ってやった。この言葉をだ。
 
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