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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第3巻
  臨海学校二日目

臨海学校二日目。今日は午前中から夜まで丸一日ISの各種装備試験運用とデータ取りに追われる。特に専用機持ちは大量の装備があるからまあ大変だけど。

「ようやく全員集まったか。・・・・おい、遅刻者」

「は、はいっ」

千冬に呼ばれて身をすくめたのは、珍しくラウラだった。あのラウラが寝坊をしたようだ、集合時間に五分遅れてきたようだ。

「そうだな、ISのコア・ネットワークについて説明してみろ」

「は、はい。ISのコア・ネットワークはそれぞれが相互情報交換のためのデータ通信ネットワークを持っています。これは元々広大な宇宙空間における相互情報交換のために設けられたもので、現在はオープン・チャネルとプライベート・チャネルによる操縦者会話など、通話に使われています。それ以外にも『非限定情報共有』をコア同士が各自行うことで、様々な情報を自己進化の糧として吸収しているということが近年の研究で分かりました。これらは製作者の篠ノ之束博士が自己発達の一環として無制限展開を許可したため、現在も進化の途中であり、全容は掴めていないのことです」

「さすがに優秀だな。遅刻の件はこれで許してやろう」

そう言われて、ふうと息を吐くラウラ。心なしか、胸をなで下ろしているようだ、よほどドイツ教官時代に嫌というほどの恐ろしさを味わったんだろうな。

「さて、それでは各班ごとに振り分けたISの装備試験を行うように。専用機持ちは専用パーツのテストだ。全員、迅速に行え」

はーい、と一同が返事する。さすがに一学年がずらりと並んでるからかなりの人数だけど。専用機持ちは、他の班とは離れたところに集まっていた。なぜか箒がいたけど。で、専用機持ちは俺、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、簪だ。ここは四方を崖に囲まれてるから、まわりからは見えないようにしてある。

「さてこっちもやるか。セシリア、シャル。今回は新しい武器、いやシステムをお前達のISに入れたいと思う」

「どういうのですの?」

「まあそれはインストールしてからのお楽しみだ、ISを展開してくれ」

二人はISを展開してから、ケーブルをさしてパソコンからインストールした。インストールが完了すると、二人に情報が送られてくる。

「これはシルエットシステム。前に研究所に行ったときに完成してなかった物ですか?」

「そうだ、フォース、ソード、ブラストルと三つのモードになる。それとシルエットシステムが作動中は外観は変わる。武器の位置とかな」

「なるほど、ちなみにSEはどうするの?換装してもエネルギーはそのまま?」

「いや換装ごとにエネルギーは回復する。もしエネルギー切れになったらこれを使う。デュートリオンビームが入ってる拳銃だ、これで回復できる」

なるほどと納得した二人。こっちを見る千冬だが、関係ない。こっちはこっちでやるさ。

「ところで箒は専用機持ちじゃないでしょ」

「それはだな」

「ちーちゃ~~~~~~~~~~~ん!!」

ずどどどど・・・・!と砂煙を上げながら人影が走ってくる。あれは、昨日会った束だな。

「やあやあ!会いたかったよ、ちーちゃん!さあ、ハグハグしよう!・・・・ぶへっ」

飛びかかってきた束は見事に千冬のアイアンクローにはまった束。

「うるさいぞ、束」

「ぐぬぬぬぬ・・・相変わらず容赦のないアイアンクローだねっ」

そしてその拘束から抜け出す束。俺だったら絶対逃がさないけどね。よっ、と着地した束は今度は箒の方に向く。

「やあ!」

「・・・・どうも」

「えへへ、久しぶりだね。こうして会うのは何年ぶりかなぁ。おっきくなったよね、箒ちゃん。特におっぱいが」

がんっ!

「殴りますよ」

「な、殴ってから言ったぁ・・・・ねえどう思ういっくん」

「なんだ、またやりたいのか?また今度な」

と俺と束以外は何の事だろう思ってたに違いない。

「おい束。自己紹介くらいしろ」

「えーめんどくさいなぁ。私が天才の束だよ、はろー。終わり」

「俺が改めて紹介させるとISを開発した篠ノ之束だ、それであれはあるのか?」

「もっちろん、それは既に準備済みだよ。さあ、大空をご覧あれ!」

真上を見た、その指図を見て全員上を見た。激しい衝撃で降ってきたのは、金属の塊が落下してきた。銀色をした物は、一瞬にして消えて中の物がでてきた。

「じゃじゃーん!これぞ箒ちゃん専用機こと『紅椿』!全スペックが現行ISを上回る束さんお手製ISだよ!」

真紅の装甲に身を包んだその機体は、束の言葉に応えるかのように動作アームによって外へ出てくる。あと現行ISを上回るとか言ったが、上回るはこちらの方だ。俺のIS黒鐵は全スペック最強になってるからな。

「さあ!箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズを始めようか。ついでにいっくんも手伝ってよ」

「はいはい、ちゃっちゃっとやっちまうか」

ぴ、とリモコンのボタンを押す束。刹那、紅椿の装甲が割れて、操縦者を受け入れる状態に移る。

パソコンをケーブルにさしてからのタイピング。同じく束もコンソール開いて空中投影のキーボード打った。

「箒ちゃんのデータはある程度先行して入れてあるから、あとは最新データに更新するだけだね」

と言いながらもやっているが、俺は主に箒のデータを紅椿に入れてる。俺と束の作業を見ていた専用機持ちは、とんでもない速さだから驚いていた。

「近接格闘を基礎に万能型に調整してあるから、すぐに馴染むと思うよ。あとは自動支援装備もつけておいたからね!お姉ちゃんが!」

「そこ強く強調すんな、束」

「まあまあいいじゃないか、いっくん。はい、フィッティング終了~。超速いね。いっくんも終わったみたいだね」

まあなと思って俺も終わらせてケーブルを引っこ抜いた。ちなみにIS『紅椿』は、あらかじめデータを入っていたから形態変化はしない。

「あとは自動処理に任せてっと、いっくん。いっくんのIS見せて。私いっくんのISに興味津々だよ」

「断る。例え調べようとしてもプロテクトかかってるから駄目だ」

「ぶう、いっくんのケチ。とか言って見せてくれるんでしょ?」

「はいはい見せますよー。来い!黒鐵ISモード!」

俺はISを展開したので、さっそくケーブルさそうとしてもさせるところがない。どう差そうとしてもどこにもないのか、諦めたようなので解除した。

「こっちは終わらないのですか?」

「んー、もう終わるよー。はい三分経った~。ところでいっくん、なんでIS名言ったあとにモード名言うの?」

「それより紅椿は第四世代なんだろう」

「第四世代!?」

「各国が未だ第三世代機の実験段階のはずなのに」

「そうだよー、ちなみにいっくんのISは何世代なの?それだけは知りたいな」

とか言ってきた。まあいうことは一つだが。

「俺のより箒を無視するな、なんか言ってるぞ」

「そうです、もう終わったのなら飛んでもいいのでは」

「そうだね~、んじゃ、試運転もかねて飛んでみてよ。箒ちゃんのイメージ通りに動くはずだよ」

紅椿が飛んで行った。そのとき俺のケータイが鳴ったので出たら国連軍ブラック・シャーク隊からだった。俺は岩陰から電話を出た。

「どうした?」

『ハワイ沖に試験稼働していたISが暴走をしたようで』

「なるほど、ではただちに俺らの出番だな。それと空域と海域を封鎖したあと偵察を派遣しろ。一個小隊を準備させろ、空間切断でこちらに来させよう」

『すでに準備済みですのでいつでも、それに軍服着せてますので。あと偵察はすでにさせました。近接格闘戦のデータを送りますので』

「では、今から来させよう。偵察ご苦労、またかける」

と言ってから空間切断で四名を呼んだ。マリア、ミーア、ルナ、ソフィアが軍服姿で現れた。そしたらちょうど山田先生がこちらに来て何やら話してた。

「特命任務レベルA、現時刻より対策をはじめられたし、専用機持ち。テストは終了だ。織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰!。それと篠ノ之も来い」

「はい!」

俺は既に旅館の方に戻って、オーナー室にいた。量子変換機で軍服に着替えて、旅館の一番奥の設けられた宴会用の大座敷・風花の間に行った。マリア、ミーア、ルナ、ソフィアを連れて。 
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