ルドガーinD×D (改)
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四話:多忙な日々です
前書き
どうもルドガーです。今年から俺も駒王学園二年生になりました。
最近は毎日が忙しくて充実した生活を送れています。
まあ、部活とかには入ってないんだけどさ。
それでもクラスのみんなと仲良くやってるし、何故か俺の料理の噂が広がったことで
学園中から『駒王学園のシェフ』って呼ばれるようにもなったしな。
………おかげでプチ商売として売っている俺特製の『トマト・ア・ラ・モード』が
飛ぶように売れる売れる。いや、お金が溜まっていくって言うのは本当にいいな!!!
前は溜めた傍からノヴァに回収されていっていたからな………
財布がいつも軽くて悲しくてしょうがなかったんだよな……。
……まあ、エルには心配をかけないようにあんまり言わなかったけどな。
でもエルは賢いから色々と気を使ってくれてたんだけどな。
エル……元気にしてるかな?
「ルドガー、どうしたのにゃ?ボーっとして。」
ソファーの上で人型の状態でゴロゴロと寝転びながら俺に声をかけてくる黒歌………
着物がはだけてかなりきわどい恰好になっているのが眼福の光景だ!!!
ゴホン!!……話が逸れたな、話を戻すか。
まあ、最近忙しい理由の一つ……と言うか半分以上が黒歌のせいなんだよな。
一年生の時に拾って以来、黒歌は事あるごとに俺の家まで訪ねて来ては俺の料理を
食べていっている。気ままに場所を移動するのは実に猫らしいんだがいきなり現れて
冷蔵庫の中身をあさったり、俺のベッドで昼寝をしたりするのはやめてもらいたい。
俺も事前に知らされていれば料理の材料を揃えたりできるんだが、
いきなり現れられるとそれも出来ない。
おまけに自分の家に勝手に人が入っていると言うのは心臓に悪い。
特にいつの間にかベッドで寝ていられたりすると二重の意味で驚いてしまう。
それと以前に俺が楽しみとっておいた『トマトシュークリーム』を食べられた時は
本気で喧嘩をしてしまった。危うく骸殻を発動しようとしたが俺は悪くないよな?
とまあ、そんな感じで俺の生活は忙しいわけだ。
まあ、別に俺の家に訪ねてくるのは構わないんだけどな。
というか最近は黒歌が来ないと何かあったのかと不安になってしまう、自分がいる。
一度そのことを言ったら心配し過ぎと呆れられたが次の日から以前よりも
来る頻度が増えたので一応俺に気を使ってくれているみたいだ。
あれ?これなんてツンデレ?
「ルドガー?もしかして無視かにゃん?」
「っ!?い、いきなり耳に息を吹きかけるなよな!!!」
うう、首筋がゾクゾクする…!!
考え事をしていて黒歌の接近に気づかなかったとは不覚…!!
「だって、ルドガーが返事してくれないんだもん、お姉さん寂しいにゃ……。」
そう言って悲しそうに猫耳をペタンと伏せる黒歌。
ふっ、俺がその程度で謝るとでも?謝るに決まっているだろ!!!
こんな仕草されたら黒歌がふざけてついた嘘でも謝るさ!!!
だって可愛いは正義だからな!!!!!
「ご、ごめん、ちょっと色々思い出してたんだ。ほら、こっちに転校してきてからの事とか黒歌に会ってからの事とかさ。」
そう言うと何やら俺を値踏みするようにジーと俺を見つめてくる黒歌。
何だ?やけに真剣そうな顔つきだな。何かあるのか?
「ねえ、ルドガー……なんでルドガーは私の事をあっさり受け入れてくれたくれたの?私の事を深く聞こうともしないし……こんな意味の分からない奴といて怖くないのかにゃ?」
何で受け入れたか?……うーん、特に考えたこともないな。
勝手に連れて来たのは俺の方だから受け入れるのは当たり前だよな?
それに確かに黒歌は自分の事を余り話そうとしないけど
何か理由があるなら無理に聞く必要もないしな。
それに隠し事なら兄さんの方がたくさんしてたからな、慣れてるよ。
意味の分からない奴って言ったら俺もこの世界においては意味の分からない奴だから
お互い様だろ?という事で―――
「俺、よくお人好しって言われるからさ、困っている人が居たら助けたいんだよ。それに俺は黒歌のことはもう家族だと思っているからさ、家族を怖がる奴なんていないだろ?」
「家族…!!」
そう言って黒歌に向かって笑って見せると、目を見開いて驚く黒歌。
まあ、俺はこんな感じの奴だからさ、理由なんてそれぐらいしかないんだよ。
そのまま黒歌を見ていると少し悲しげな表情をしながら再び口を開いた。
「家族なのに……言えないことがあってもいいのかにゃ?」
「家族だからこそ言えないこともあるし、嘘をつくこともある。」
俺を一族の宿命に関わらせないために決して『オリジンの審判』『カナンの地』
について語ろうとしなかった兄さん……。
俺を守る為に約束なんかどうでもいいと嘘をついて
一人で『カナンの地』まで行ったエル……。
家族だからこそ―――家族を守る為に言えないこともある、嘘をつくことだってある。
でも―――それでこそ家族なんだ。
お互いがお互いを想い合っているからこそすれ違いが生まれてくる。
それが普通なんだ、だからどんなすれ違いがあっても家族は家族なんだ。
俺はそう信じている。
「……私には分からないにゃ……ねえ、もし家族が人殺しだったらルドガーはそれでも家族って呼べる?」
まるで獲物を狩る獣ような目つきで真っ直ぐに俺を射抜いてくる黒歌。
俺を試そうとしているのか?残念だけど俺には“人殺し”なんて比じゃない程の命を
殺してきた前科があるんだ……そしてそれでも“俺達”は家族であり続けた。
だから―――
「その罪も含めて丸ごと愛して見せるさ。」
かつて兄さんが自分の世界を壊してでも俺を愛してくれたようにな。
「にゃっ!?もう、お姉さんに面と向かって愛すなんて言うなんて悪い子にゃ♪」
「はあ!?」
俺の腕に抱き着きつきながら頬をツンツンとつついてくる黒歌……
いや!?俺は別に黒歌に対していったわけじゃないんだけど!!?
あれ?でも家族に対してだから黒歌も愛すってことになるのか?
でもそれは家族愛って意味合いだしなあ……
ということは、やっぱり黒歌が俺をからかいたいだけか!!?
「からかうのはやめてくれよな……」
「えー、お姉さん嬉しかったんだけどにゃあ♪」
今度は俺の背中に回ってからかうような口調でそう言ってくる黒歌。
はあ……俺は本当に人にいじられるタイプなんだな……と言うか反抗できないしな。
まあ、気にしても仕方がないか。
「じゃ、私は散歩に行ってくるにゃ。」
突如、俺から離れてそんなことを言いだす黒歌。
可笑しいな?今日は俺をいじるのが少なめなような気が……あれ?
俺もしかしていじられるのが習慣化してきていて
いじられないと落ち着かなくなっているのか!!?
「じゃあ、夕飯までには戻ってくるにゃ。」
「あ、ああ、分かった。」
それだけ言い残して黒歌は猫の姿になり窓から颯爽と飛び降りていく……。
そう言えば買い出しに行っておかないとな、トマトが少なくなってきたしな。
Side黒歌
ああ……不味いにゃ顔が火照ってるにゃ。さっきルドガーに言われた言葉を思い出す。
『その罪も含めて丸ごと愛して見せるさ。』
もう……いきなりあんなこと言われたら照れちゃうにゃ。
まあルドガーはそう言う意味で言ったんじゃないんだろうけど。
照れている顔を見られるのが恥ずかしかったから顔を見せないように抱き着いたりして
顔を隠したりしてたけど普段は意識しないのに急に抱き着いてることも意識しちゃって
結局恥ずかしくなったから適当な理由をつけて出てきちゃったにゃ。
にゃー……年下をからかうつもりが逆にこっちがこんな気分になるなんて……不覚にゃ。
それにしても何であんなことを聞いちゃたんだろうな?
どうして見ず知らずの私を当たり前のように受け入れてくれているのか?
私の過去を聞かずに家に来ることを許してくれるのか
ずっと知りたかったのも事実だけどね……普通にルドガーが嫌がるようなら
私も訪ねるのはやめるんだけどにゃ。
でも、何も言わずにただ受け入れてくれるからその優しさに甘えちゃうのも事実。
一回このままだとルドガーに迷惑をかけると思って訪ねるのを控えめにしたんだけど
そうしたらルドガーに訪ねてこないと不安になるなんて言われたのにゃ。
その時は心配し過ぎと呆れてみせたけど内心は結構嬉しかったりしたので
以前よりもルドガーに甘えてしまうようになったのも事実。
最近は『禍の団』よりもこっちに多くいる気がするし。
でも黒猫は甘えたがりだから仕方がないんだにゃー。
それにしても人の事は言えないんだけどルドガーも過去に何か隠しているにゃ。
『家族だからこそ言えないこともあるし、嘘をつくこともある。』
そう言った時のルドガーの表情はどこか寂しそうだった……。
まるで…ううん、間違いなくあれは過去にそう言った事があったんだにゃ。
だからこそルドガーの言葉には重みがあったし、私の心に響いた。
白音には何も言えずじまいだけど……ルドガーなら許してくれるかにゃ?
……だめにゃ、結局は白音がどう思うかだからこれだけは甘えたらだめ。
いつになるかは分からないけどいつかは白音と一緒に普通の家族をしたいにゃ。
その時はルドガーにも協力してもらおうかにゃ?
料理とか作ってもらってさ、料理の腕はプロ並みなんだし。
でもいつもトマトを使っているのはちょっと減点にゃ。
いつも、美味しいし飽きもこない味なんだけど、
毎食、食卓が赤く彩られるのは流石に見ていて飽きてくるにゃ。
女の子はそういうのにうるさいのにゃ、だからたまには別のものが食べたいにゃー。
まあ、いつも食べさせてもらっている身だから面と向かって文句は言わないけどね?
それにしてもルドガーのトマト好きには恐れ入るにゃ。
以前冷蔵庫に入っていた『トマトシュークリーム』を勝手に食べた時は酷かったにゃ…
いつもは温厚なルドガーがキレて襲い掛かってきたんだもん。
まあ、私が全面的に悪いから謝ったら許してくれたんだけど許してくれるまでは
神器で創り出した双剣でずっと私を狙ってたにゃ……
ルドガーがかなり強いというのが分かったのは収穫だったんだけど……
もう二度とルドガーの『トマトシュークリーム』に手は出さないと固く心に誓った。
まあ、それはともかくとしてルドガーがかなり強いのが分かったんだから折角だし
『禍の団』に連れて行っちゃおうかなあ?
あっちにいっても話し相手とかがまだあんまりいないからルドガーが来たら
きっと楽しくなるにゃ、ついて来ないかもしれないけどその時は
お姉さんが誘惑して連れて行ってあげるにゃん♪
まあ、無理やりはあんまりしたくないんだけどね。
Sideout黒歌
「ハックシュン!!……風邪でも引いたか?」
買い出しに行った帰り道、原因不明のくしゃみに首を傾げながらそんなことを呟く。
季節の変わり目だから風邪でも引いてしまったのだろうか?
そう言えばエルは風とかは引いてないかな?
まあ、そうなったらジュード辺りがすぐに治してくれるか?
でも健康の面で言ったらジュードの方が危なそうだな。
……また寝ずに研究とかやってないよな?
「まあ、みんななら大丈夫だよな。エルにはルルがついてるし。」
ルルならエルを守ってくれるはずだ、頼んだぞ猫皇帝!!
どこからか『ナァー』といった頼もしい声が聞こえてきた気がするが気のせいだろうな
さて、そろそろ黒歌も散歩から帰ってるだろうし俺も急いで帰らないとな。
そう思いながら公園のそばを通りがかる。
「ん?あれは……イッセー?」
ふと公園の中に黒髪の女の子と立つ俺のことを転校初日にぼろ糞に言ってくれた
クラスメートの茶髪の変態―――兵藤一誠がいた。
隣にいるのは……まさか彼女か!!?
あの変態に彼女がいるなんて……俺は夢でも見ているのか?
余りの出来事に自分の目が信じられなくなったので良く見ようと公園の中に入って行く
そして、全体像が良く見えてきたその時―――
「っ!!?」
イッセーが女の子の出した光の槍によって貫かれた。
「イッセー!!?」
慌ててイッセーの元に駆け寄り呼びかけるが返事がない。
まさか……死んだのか?
「あら、この子の友達?ちょうど良かった、この子に付き添ってあげてよ、あの世までね。」
そう言ってばさりと黒色の翼を広げる女の子いや―――堕天使!!!
一端イッセーの傍から離れて『武器創造』を使い双剣創り出してから構える。
「へー、あなたも神器を持ってるの?今日は運がいいわ。二つも一気に神器持ちを殺せるんですもの。それと冥途の土産に私の名前を教えてあげるわ。私はレイナーレ、短い間だけどよろしくね。」
「ああ、覚えておくよ。正し死ぬ気はないけどな。」
「減らず口を!!!」
レイナーレが俺に向けて光の槍を飛ばして来るが―――遅い!!!
素早く横に飛んで避けると同時に銃に持ち替え素早く連射する。
「くらえ!!!」
「ちっ!!人間風情がちょこまかと!!!」
俺が撃った銃弾の何発かが当たりそう悪態をつくレイナーレ、急所は外したのか……。
それにしても銃弾が当たっても余り効いてないのか?
人間とは体の強さが違うのか……やっかいだな。今度はもっと大技でいくか。
ハンマーに持ち替えレイナーレの懐に飛び込む。
そして飛び込んだ反動を利用して思いっきり腹に叩きこむ!!!
「はあっ!!!」
「がっ!!!??」
ハンマーを腹に叩きこまれたレイナーレは転がるように吹き飛んでいく。
よし、追撃だ!!!
双剣に持ち替え、倒れ込んで血を吐いているレイナーレに一気に詰め寄り
大きく剣を振りかぶる。
「これで終わりだ!!!」
「くっ!?て、転移!!!」
剣の切っ先がレイナーレの頸動脈に届く刹那、レイナーレは光と共に消えて行った。
「……逃がしたみたいだな」
空しく空を斬った剣を見ながらそう呟く。
仕方ない、今はイッセーの方だ………もう助かる見込みはないだろうけどな。
イッセーの元に近寄り脈と瞳孔を調べる………ダメか。
もう少し、早くこの事に気づいていれば助けられたかもしれないのに……くそ…!!
悔しさで手をギリギリと握り締めているとふとイッセーのすぐそばに落ちていたチラシが
光輝いていることに気づく。そして、次の瞬間―――
「あなたね、私を呼んだのは?」
目の前に紅色の髪をした女性―――リアス・グレモリーが現れた。
後書き
改になって黒歌の性格が少し変わったけどどうかな?
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