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ガラクタ街

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第四章

「建物だけでなくね」
「わかりました、それじゃあ」 
 リンデンもロートの言葉に頷き今度は街の通りを歩いてみた、建物と建物は立体的に様々な高さと幅の橋によっては段差になっている場所だったが。
 通りはだ、曲がりくねり。
 幅も様々で縦横に入り組んでいてだった、ここも複雑だった。
 そして様々な人々が行き交い店も多くあった。そして犬や猫もだ。
 普通に歩いていた、中にはイグアナさえいる。その犬猫達を見てリンデンはロートにこんなことを言った。
「野良犬、野良猫でしょうか」
「そうみたいだね」
「通りに一杯いますけれど」
「建物にもいたね」
「橋も渡っていて」
 人間と同じ様にだ。
「そうしていましたね」
「そうだったね」
「何かこれも」
「他の場所とは違うね」
「道は整然としていないですね」
 かなり入り組んでいてだ。
「まるで迷路です、いや」
「ここ自体が」
「迷路ですね」
「混沌としたね」
 そうした迷路だった、まさに。
「そこに皆がいて」
「何がどうかわからないね」
「先生はこうした場所は」
「入ったことがないよ」
 これまでだ、一度もだというのだ。
「迷路はあってもね」
「レジャーの迷路ですよね」
「そうした場所は結構好きだけれど」
 それでもだというのだ。
「こうした場所はね」
「一度もですね」
「混沌としていて」
 まさにというのだ。
「何が何だからね」
「わからない場所ですね」
「色々な人がいて色々なお店があって」
「複雑に入り組んでいて」
 二人は地下にも入った、街の地下もだった。
 通路と部屋が複雑に混ざっている、しかもそれが一階だけでなくだ。
 何層にも何やらそれぞれが入り組んである、それはまるでモグラの家だ。そうしたかなり複雑な場所であった。
 その中にも人々が行き交い商いをして住んでいてだ、動物達まで歩いている。ペットショップもあってそこでも鳥や魚がいる。
 リンデンはそのペットショップの熱帯魚を見つつだ、ロートにこうも言った。
「何か不思議と」
「不思議と?」
「この街落ち着かないですか?」
 こう言うのだった。
「どうにも」
「そういえばそうだね」
 ロートもこうリンデンに答える。
「妙に」
「不思議ですよね、こんなに入り組んでいるのに」
「何もかもがね」
「全く秩序立っていない場所なのに」
「ここにいるとね」
「はい、滅茶苦茶な場所なのに」
 それでだというのだ。
「何か不思議と」
「食べるものも美味しくてね」
 ロートは地下の店で買ったフランクフルトを食べつつ答えた。 
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