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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二十二章
  鬼とドウター退治(地上編)

「さて。下山が見えてき来やがりましたよ!」

先頭を進んでいた夕霧が指したのは、こんもりと茂る森でした。下山城も躑躅ヶ崎館と同じように、平地に立てられた城なのですね。

「駿府との国境近く、ですか。・・・・この道の先に駿府屋形があるということですね」

「鞠様の故郷なのです」

「隊長もそうですが、早めに家に帰してほしいですね」

「そのために私たちも出来る限りのことはしたいですね、沙紀さん」

「そうですね」

とそう言った直後でした。通信機からの報告と小波さんからの報告が同時に来ましたが、まずは小波さんのを聞きました。

「(・・・・沙紀さん)」

「(どうかなさいましたか?)」

「どうしたでやがりますか?」

「きっと小波からの連絡なのです。シーッですよ」

「小波・・・・?辺りにはいやがらんようですが」

「秘密の連絡手段がございましてね(何かありましたか?一応船からも通信はありましたが)」

「(それが、鬼の一団とドウターらしき一団を発見いたしまして・・・・)」

「(やはりそうですか。それでどちらですか?)」

「(もう知っているとは思いますが、甲府から身延道をはるかに下った先、恐らくは下山の東側だと思うのですが・・・・。はるか左手に富士の山、近くには何条かの湯煙が見えます)」

「夕霧。下山の東側に温泉はありますか?そこで小波さんが鬼とドウターの群れを発見したと」

「その辺りの温泉なら、下部でやがりますな。ここからすぐ近くでやがりますよ。ですが、なぜドウターまでいるでやがりますか?それと行くでやがりますね?」

「当然です。それとなぜいるかは鬼と結託でもしたのか、それとも鬼の一団辺りにゲートを開けてから鬼と合流し、そのまま進んでいるかですね。先ほど船からの連絡がありました。それと未確認情報ですが、空中で戦闘中ですのに一部のドウターが地上に降りていくを見えたと。それと2体くらいは大型で、あの木よりも高いそうですから。綾那、歌夜。大丈夫と思いますが、鬼の相手を頼みます。私はドウターの相手をしますので」

「もちろんです!」

「そのための備えですから。それにドウターには私たちの攻撃が効かないことも知っています」

「(場所は分かりました。私たちもすぐ近くなので、このまま向かいますが。敵の数は?)」

「(鬼とドウター合せて、十匹から二十匹の集団が湯煙の方へ向かっています。こちらに気付いていないようですから、このまま追跡し、必要であれば足止めを行います)」

「(分かりました。ですが、鬼の足止めなら可能ですがドウターの足止めはしなくていいですから。無茶だけはしないように)」

「下部はまだ使われている湯治場でやがります。先導するでやがりますよ!」

「頼みます!」

そして私も小波さんとの連絡を切ると今度は船から通信が来ました。地上に降りている大型を追って隊長が降りている模様。そして夕霧に続くようにとゼロに最速でと頼み走り出しました。一方小波はというと。

「・・・・・ふぅ。これでよし。鬼はいいとして、ドウターというのは我々の武器は一切効かないのは本当のようですね(確かに鬼が多い。駿河が鬼の源となっているのは間違いないのだろうな・・・・)必要であれば、自分も調査に・・・・」

「今行くのは危ないと思うがね」

「なっ!?(背後を取られた・・・・・っ!?)」

「・・・・その装束、三河の服部家かな?」

「・・・・・・っ!」

「ああ。別に敵ではないよ。・・・・むしろ、味方さ。それにしても鬼とは違うのはいったい?」

「貴公!自分で言っておいて、一人で鬼とドウターの群れに向かうなど・・・・!」

「だ、大丈夫ですー!」

「あ・・・・貴女は・・・・?」

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・」

「・・・・・・・・。す」

「・・・・・・・・す?」

「・・・・すみません。お水持っていませんか・・・・・っ?」

川を渡って木立を抜けて。整いすぎるほどに整った主要な街道を離れると、足元の道は途端に悪くなりました。ですが、私たちは馬の足を止めません。それで定時通信によりますと大型ドウターと小型ドウターは私たちが向かっている所に降りるとの事。それを追っている隊長専用機であるストフリとその手を掴んでいるIS隊2名。こちらが早いかあちらが早いかは分かりませんが。あとは小波さんがいる鬼とドウターの群れの事ですね。鬼なら対処は可能ですがドウターは人の手では不可能に近いです。

「夕霧、あとどのくらいですか?」

「もう目と鼻の先でやがります!」

「あ!あれを見るです!」

私たちは上を向くと大型ドウターが降り立とうとしているところが見えた。あっちの方が早かったようでしたか。そして私たちの進む先に、ゆったりと登る湯煙が見えてきました。どうやらあれが、小波さんの言っていた下部温泉らしいです。

「(沙紀さん)」

「(なんですか?小波さん)」

そんな中で頭の中に響くのは、小波さんの声。何か異変があったのか、空から来たドウターについてでしょうか?

「(鬼についてはもう大丈夫ですけど、ドウターはこっちに来るドウターを見ているようです)」

「(・・・・・はい?鬼は大丈夫ですか?)」

「どうしたでやがりますか?」

「小波さんによると鬼はもう大丈夫との事でした」

「大丈夫も何も、もうすぐでやがりますよ?それにあれについてはこちらでも見えますでやがりますし」

「そうなんですけど(もしかしてお家流使いました?)」

「(いえ。自分は無事ですし、鬼に効いてもドウターには効かないのであれば使いませんし。あとドウターの群れは動きが止まっていますので、お早く)」

「(分かりました。鬼は誰かがやったということですか。すぐに向かいますので、決してドウターとは相手をしないようお願いします)」

「(承知!あと水を)」

とか聞きながらドウターがいるところに行きましたけど。

「見えてきましたよ!沙紀さん!」

そんな話をしながら馬を進めていますと、道の向こうに見慣れた忍びの装束が見えてきました。そして、すぐ先にはドウターと戦っている人がいましたが。

「小波さーん!」

「沙紀さん」

「今はどういう状況ですか!というかあの人は!?」

「ドウターと戦ってはダメだと言ったのですが、鬼と同類なら勝てるといい」

とそのとき空中から降りてきたドウターが降り立ったのか、一種の地震がしましたね。で、こちらに向いた目はドウターに立ち向かう人でしたが、すぐに私は馬から降りてISを纏いその人がいるところに行きました。

「これでも喰らいなさい!」

「あなたは?」

「あなたはバカですか!小波さんの静止も聞かずにドウターに立ち向かうなど!」

と言いながら私はGNライフルを持ってからの乱れ撃ち。そしてこの人を抱えてから夕霧のところに向かいました。

「ああ・・・・なるほどでやがりますか」

「この人を頼みます!」

と言ってからドウターの集団に行ってからの乱れ撃ちをしました。そしたらちょうど隊長とIS隊の2名も到着し、私たちは戦いました。美咲と凜でしたが、近接格闘戦で行き、私は中遠距離での攻撃。そして大型ドウターは隊長がビームサーベルで倒していましたけど。そして倒したあと空の敵も倒したとのことで、私は夕霧のところへ行き、隊長機は夕霧たちの前まで歩いて行きました。そしてコックピットから降りてきましたけど。

「いったい誰なのです?」

「俺だよ、綾那」

と言ってヘルメットを取ったら素顔が見えましたけど。

「で、この鬼をやったのは誰?」

通信で聞いたけど鬼とドウター合せて十から二十はいたと聞いているが、鬼は五匹程度だったのだろうな。でその鬼はその辺に転がっていた。そして塵になった。

「こちらの方がお一人で・・・・・」

「・・・・・」

「そしてドウターに立ち向かおうとしたのも・・・・・」

なるほど。小波が指差したのは二人組の片方の奴だったけど、怪我とかはしていないようだが。

「なんだ、あの時の間諜の奴か」

「やあ、久しぶり・・・・というより見抜かれていたようだね」

「誰なのです?」

「前に春日山の町で会ったが、俺らと出会ったあとに夕霧の事を典厩と言ってたから。武田のかとね」

「・・・・どこで聞いていたのかな?」

「これでな」

といって過去のデータからのボイスを再生した。そして典厩様というところで、停止したけど。

「俺らの偵察機がお前らの真上を飛んでたわけだ・・・・」

「なるほど。ということらしいよ、湖衣」

「はぁ・・・・・」

「一二三、お勤めご苦労でやがります。と言いたいところでやがるが、ドウターとは戦ってはダメだと小波が言ってたそうでやがるが?」

「典厩様こそ、このような辺境までよくお越し下さいました。あと同じ鬼だと思ってやってみたけど、ホントに武器が効かないのは驚いたけど。そちらの武器は効果はあったようだね」

「そういえば小波さん。水がどうこうと言ってましたが?これですね」

「すみません。こちらの方が、お疲れで水をご所望でしたので・・・・。はい、お水です」

そういえば沙紀が小波との連絡中に水がどうのこうのと言っていたが、これのことだったのか。小波に渡した水筒は、湖衣という者に。

「ああ・・・・ありがとうございます。・・・・んく・・・・」

と水を飲んでいたけど。本当にこの子はラウラ似なんだな。と俺は船に戻らないと行けないのだった。美咲と凜はもう行っちゃったし。

「それじゃ俺は一度船に戻るから、沙紀は引き続き俺の代わりにいてくれ」

「はっ。承知致しました」

「では、諸君。また会う」

と言ってヘルメットをかぶってから機体に乗りコックピットのハッチをしめてから、俺はトレミーに帰還した。一方地上では。 
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