戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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十八章 幕間劇
温泉デート
「・・・・申し訳ございません、ご主人様」
「気にするな。一応こちらでは掴んでいるからな、心配するな」
頭下げたままだったが、俺が掴んでいると言ったのか、頭を上げた小波。春日山の偵察から戻ってきたのはいいが、肝心の依頼主である美空の姿は行方知らず。一応掴んでるけど、発信器のおかげで。まあ、見つけるのは俺達じゃなくて、調査探索のプロフェッショナルである小波の技でもな。でも、トレミーのレーダーからは反応はあるからどこかにいるんだろ。
「ですが、消息が分からないというのは面白い話ではありませんね・・・・。一真様は把握されていると?」
「それだけ美空の用兵が凄い、ということなんだろうな。でも、船からは把握はしているが、ここで教えると小波の仕事に支障が出ると思ってのことだ」
「一真隊の用兵を預かる身としては、尚のこと面白い話ではないのですが。そうですね、小波さんがいての今の一真隊がありますからね」
「美空たちはこの辺りの地の利を完璧に把握しているんだろうさ。へこむのは尾張や美濃で同じことをされた時にへこんでいいから」
「・・・・流石にそこで負けたら立ち直りがありませんが、もしそうなったらこちらから罠にはめてやる位の気持ちでいかないと」
うむ。それでこそ詩乃だな。
「では、自分は引き続き長尾勢の消息を・・・・」
「許可しない。小波はここに戻ってきてから休んでいないだろ?」
春日山に偵察に出たころと鞠は、今日は早めに仕事を切り上げて休んでいた。けれど小波は戻ってきてからも、美空の捜索隊として加わっているらしい。
「休むのは自分の仕事ではありませんので・・・・」
「休むのも大事な仕事だ。倒れられたらこちらが困る。明日に備えて休め」
「・・・・ご命令とあらば」
「またか。まあいいや、じゃあ小波と詩乃はもう休め。これは上官命令だ。小波もだけど、詩乃は情報のまとめをしているが、もう疲れたという風に見えるぞ」
「ご命令とあらば仕方ありませんね。小波さん、今日はもう休むと致しましょう」
「・・・・・はい」
ということで、詩乃と小波は休むための所に行った。俺も寝る所に行くために行ったが森の中に何やら反応があるとのこと。反応があったところに行くと、白い影が見えるが、警戒しながらそちらに行くと気が抜けてしまった。
「・・・・・どうした、鞠」
「ふわあ・・・・・一真・・・・?」
ふわ・・・・と大きなあくびを隠す様子もなく、鞠はその場にふらふらと立っている。俺は認識できるけど、完璧に寝ぼけているなこれは。
「こんなところで何をしている?どこに行こうとしてたんだ?」
「・・・・おしっこ」
「だったらこっちじゃないだろ。ほら、おいで・・・・」
「うみゅぅ・・・・・」
とフラフラしながら歩こうとしてたから、手を繋いだ。
「疲れているなら早く寝ろよ?」
夕方にころと一緒に仕事を終わらせたはずだが、鞠はおしっこで起きたようだ。
「ふわ・・・・大丈夫なの。今は大事な時だから、疲れたなんて言ってられないの。一真の背中を守るために、鞠も頑張るのー」
「感謝はしとくが、今日はもう遅い。なのでもう寝なさい」
「うん。そうするの・・・・」
四日間の春日山への潜入でも色々あったし、鞠も疲れているはずだ。初めて民衆に見られながらの芸をしたのだから、あと舞な。ただ見ただけのを再現しちゃうのが凄いなと思ったけどな。で、鞠を厠のところに案内した。俺はトレミーからだけど、他のみんなは厠だし。
「ほら、着いたぞ」
「ありがとなのー」
と言いながら厠に向かう鞠。
「おや、一真様。どうなさいましたか?このような所で」
「用足しに出た鞠が寝ぼけていたから、連れてきた」
「左様ですか」
本来なら幽が何かを言ってきたような気がするが、俺は蕩しではないし。あと本来なら誑しはこれなのではと思った。
「ただいま、一真。・・・・ふわぁ」
「では、送って行くから」
「おや。鞠殿も随分とお疲れのようで・・・・」
「んぅ・・・・・大丈夫なの。まだ鞠、頑張れるのー」
「そうそう。辺りに調査に出した足利衆の草から聞いたのですが、この近くに温泉があるそうですぞ」
「温泉か」
確かトレミーの情報からもこの近くに温泉があるというのは知っていたが。トレミーの風呂は温泉並みだから、一応頭の片隅に入れといたのだが。
「どうやら疲れや万病に効くとか。船での風呂もよろしいですが、天然の温泉はいかがです?お疲れなら、足など伸ばしてみては」
「すごいの。行ってみたいの・・・・」
「でも美空との合流があるから、一真隊全員で行くのは難しいな」
「うぅ・・・・そうなの。だったらいいの」
たまには鞠をゆっくりさせたいのだが、疲れているだろうし。いつも似たような感じで我慢させているから、発散させた方がいいかな。
「では、明日は俺と一緒にゆっくりしよう。一日くらい大丈夫だろうし、鞠が元気になってくれた方が俺としては嬉しいよ」
「ホントなの!?」
「美空と連絡が取れるまでな」
「それでもいいの!鞠、一真と一緒にゆっくりしたいのー!」
「ふむ・・・。でしたら、温泉に行かれればよろしい」
「え?いいの?」
「幽・・・・?」
「美空殿との連絡は未だ付いておりませぬ。仮に明日繋がりが付いたとしても、隊の撤収もありますゆえ、明日すぐという事にはなりますまい。その間にお二人は、温泉でゆっくりして来ればよろしい」
まあ、そういう考えもありかもな。
「じゃあ、鞠。行ってみようか?」
「うんっ!」
そして一夜が明けた。
「では一真様。弁当はすでに準備されたとのことですので、草に記された地図でございます」
弁当は、まあおにぎりだけど、いろんな味のだから楽しみだ。鞠は先に俺の馬に乗っているけど。
「悪いな、幽」
「いえいえ。これも我が主の未来の御夫君と鞠殿のためなりますれば」
未来の御夫君とは、いずれ久遠や一葉たち愛妾も、側室に上がり妻として迎えるという事だ。それは拠点に戻れば、ここでいうなら婚礼の儀かな。結婚式をしたいし一人一人に指輪を買うのもいいな。
「それにそれがしも、たまにはこのようなお膳立てもしてみたくなるのですよ」
幽の気まぐれにしても感謝だな。
「それでは、楽しんでいらっしゃいませ。・・・・他の恋人の皆様につきましては、それがしにお任せを」
「ああ・・・。任せる」
「それじゃ、幽!行ってくるのー!」
俺達は幽に見送られを受け、ゆっくりと馬を走らせる。ちなみに温泉の場所はゼロにナビゲートしてもらうために、通信機をつけている。ゼロが馬のまま喋ると、妖かと思われてしまうな。なので、通信機を付けながら地図を見て乗っている。
「一真ー」
「何?」
「今日はお馬さん、ゆっくりでいいの?」
「いいのいいの。別に急ぎの用ではないからな」
山道だし、急ぎの旅ではない。地図とトレミーからの情報を照らし合わせると、一致したのでな。それに距離的には1時間くらいかかるそうだけど、ゆっくり行けば昼前には着くだろうな。
「鞠は急いだ方がいい?」
「ううん。一真とこうやってのんびりなの、初めてだから嬉しいのー」
鞠はにっこり微笑んで、そのまま俺の胸元に後ろ頭を預ける。早馬なら危険だけど、このくらいのスピードなら問題はない。それに鞠も馬には慣れているから問題はないだろうな。こんなにゆったりとするのは久々かもな。
「一真ー」
「どうした?」
「手綱、鞠が持つの」
「手綱?ああ、そういうことか」
と言いながら、手綱を鞠に持たせてから、そっと抱きしめる。小さくて柔らかな身体は、俺の両腕の中にすっぽりと収まる。
「一真、とってもあったかいの」
腕の中で、鞠は幸せそうに笑みを浮かべる。
「温泉は、もっと暖かいよ」
「うん。すっごく楽しみなのー!一真は楽しみ?」
「まあな」
この笑顔が鞠本来の笑顔なんだろうな。この笑顔が消えない様に頑張らないとな。そんなことを考えていながら、のんびりと進ませる。そんな調子でゆるゆると馬を進ませると、あと少しで目的地であった。
「一真ー。道、合っているの?」
「合ってるよ。もう少ししたら、着くと船からの知らせだ」
「そうなの。じゃあ、行ってみるの」
迷うのも楽しみだけど、ナビのおかげで迷わないで進む。
「あ、一真!あれ!」
「ああ。あったな」
やがて見えてきたのは、ゆったりと昇る湯気であった。
「ここは温泉なのか?」
そう、ただの河原だったけど。
「でも、湯気が立っているの」
俺はお湯を計測すると、温泉特有のがあったから間違いなく温泉のようだ。そういえば川にも温泉があると聞いたことがある。あの辺りを掘って自作の露天風呂を作るとかがあったな。
「わ、お猿さんなの!」
「人の気配はないな」
辺りの湯だまりは石を囲んで作ってあるみたいだから、地元の人がたまに入るところなのかな。それ目当てに来ていた猿が何匹か気持ち良く温泉に浸かっていた。俺は猿に俺達も入っていいか?と聞くと入ってもいいらしい。
「わーい!」
「っておい!」
いきなり服脱いで、飛び込むのかよ。
「一真は来ないのー?」
「行くからちょっと待ってろ」
と言ってから、量子変換機で裸になって腰にタオルを巻いた。かけ湯をしてから入ったけどね。
「ふー、気持ちいい」
「ふふっ。一真も気持ちよさそうなの」
俺が即席の湯船の中に入ったあとに、腰のタオルは頭に置いた。足を伸ばして入ったら、鞠はその懐にするりと入ってきた。
「えへへー。一真とおふろなのー」
「気持ちいいな、鞠」
風呂にタオルを付けるのはルール違反だからな。鞠もそうだけど。(原作では鞠はタオルを巻いて入ってた気がする)
「お風呂も一真もあったかいの・・・・・。一真は気持ちいい・・・?」
「もちろんだ」
背中の岩にゆったりと身体を預けている。落ち着いてるし、何かあれば風は敵の探査を、水は防御にするしな。全身に染み渡る湯の温もりも、乗っている鞠の重みも、たまらないな。
「ふわぁ・・・・」
「あ、一真ー。変な声出してるのー」
「気持ちいいと出ちまうんだよ。鞠はならないの?」
「鞠、そんな声出さないの!・・・・・・・・ふぁあ・・・・・・・ひゃっ」
鞠も気持ちよかったのか、俺から移っただけなのか・・・・大きなあくびを一つして、慌ててその口を閉じる。
「鞠も出してるじゃないか。変な声」
「さっきのは声じゃないの!あくびしただけなのー!一真のいじわるー」
「ははは、ごめんごめん」
「じゃあ、一真。髪の毛、洗って欲しいの」
「髪?」
「うん。本来はさいかちの粉だけど、今回はいつも船の皆が使っている物で洗って欲しいの」
さいかちって、シャンプーの代わりに使う豆のさやのお化けみたいなのか。俺は一応男女使えるシャンプーを用意してある。旅行用とかの小さいのを。
「わかったよ。じゃ、ちょっと上がろうか」
「うん!」
上がったあとに、俺と鞠は簡易の風呂の椅子に座ってから鞠の頭を洗った。ついでに体もな。泡立ててから洗ってやったけど、俺も洗ってから背中を洗ってもらった。
「ふぁあ・・・・」
身体と頭を洗ったあとに湯船に入る。鞠はさっきと同じ指定席で。洗う前よりリラックスしているな。
「一真、髪洗うの、すっごく上手だったのー。気持ち良かったのぉ・・・・」
「まあな。俺の妻たちをよく洗っていたからな。上手になるさ」
俺の妻たちで、たまに髪を洗って?や髪を乾かしてほしいというのはしょっちゅうである。ロングからショートまで、髪の長さで洗い方も違う。洗い方は元美容師に習ったんだけどな。洗い方で気持ち良くなれるそうだから。
「そうなのー?どうりで上手だったのー。また洗って欲しいんのー」
「機会があったらな」
「ふぁ・・・・」
言いながら、鞠の小さな身体をそっと抱きしめてみる。
「鞠はこうされるのは嫌?」
「嫌じゃないの。一真に抱っこしてもらうの、好きぃ・・・・さっきよりももっとあったかいの・・・・一真は気持ちいいの・・・・?」
「うむ。先ほどより、幸せな感じだ。この感じは久々な気分だ」
まるで、鈴々や璃々ちゃんや唯、真留、はじめを抱いてる気分のようにな。黒の駒によって身長やスタイルも変わるがなぜかちびっ子から変わったのは朱里と雛里のみ。その二人は身長もスタイルも変わったけどな。ちびっ子のほうがよかった気もするけど、黒の駒は本人自身が変わりたいと思う姿になれるらしい。なぜ変わるまでは分かっていないけど。でも、身長やスタイルが変わっても口癖は変わらないから可愛いんだよな。
「んぅぅー」
抱き寄せた小さな頭に、そっと顔を埋めれば・・・・お湯の匂いの中にほんのりと香るのは、洗い立ての鞠の髪のいい匂い。
「ふふっ。一真ぁ・・・・。くすぐったいのー」
「あれだなぁ・・・。もうずっとこのお湯の中に居たい気分だなー」
「なのー」
はぁー。温泉は人の疲れや心を癒される。こんなのが戦国時代にもあるんだなー。まぁ、ないわけではないもんな。
「ふむ。こうやって風呂に入っちまえば、世界は平和になる気がするんだなー」
「それいいの。鞠も一真とずっとこうしてたいの。きもちーの・・・・」
ザビエルと信虎とかの邪悪な計画なんか吹っ飛ばすくらいだしな。でも俺の使命は変わらないな。この外史は終幕になれば、崩壊するだろうし。それも傀儡と呼ぶ白装束ではなくてドウターによる襲撃。それもドウターは鬼より厄介な生物だしな。倒せるのは大きさにもよるが、ISかMSと拠点にいる眷属たち。今どうしてるかなー。
「ん?何か音が聞こえたが殺気はないな」
「ふぇえ・・・・・」
俺もだけど鞠もリラックス状態だけど、殺気とかはないから安心はしている。
「あ、お猿さん!」
「ここら辺にいるのかな?」
茂みの中から現れた影は、俺らの予想通り人ではなく動物であった。それも数匹の猿だった。俺達が入ったときは入れ替わりでいなくなったと思ったが戻ってきたようだった。
「おいで、おいでなのー!」
数匹の猿は、鞠の声に従うかのように、俺達の湯船の隅に沈めている。鞠の声というより俺の存在によって安心しているようだ。何か俺が寝ていて起きたらたくさんの動物がいたんだよな。なぜかは知らんがそのときは熊もいたような気がする。
「わーい!お猿さんとお風呂なのー」
「まあ大丈夫だろうな。俺らが入ってもいいよな?」
と言ったら猿はどうぞどうぞ的な感じで聞こえてきたからまあいいのか。ニホンザルは凶暴という話を聞くが、さっき聞いたからまあいいか。
「お猿さーん。気持ちいいのー?そっかー。ふーん、へぇー。ほうほう・・・・なるほどなるほど・・・・」
鞠は俺に抱っこされたまま、こちらを向いている猿数匹と真剣に会話をしているようだった。
「一真。この辺りのお風呂、みんなこのお猿さん達が作ったって言ってるの」
「んー。そうは言ってないみたいだぞ。ここは自然で出来たと言っているが」
「一真はお猿さんの言ってることが分かるのー?鞠はお馬さんの気持ちなら分かるのー」
「まあな。俺は何を言ってるかだいたい把握している」
「凄いの。ところで鞠のお尻の下に何か固いのが当たっているの。これは何なの?」
「うーんとな。鞠は子供の作り方とか知っているか?」
「うん。知っているの。泰能に教えてもらったけど、やり方は教えてもらってないの。こういうことは夫婦の営みというの!」
傅役の人、さすがだな。いつかこうなると思って教えておいたのかな。でもさすがにやり方は教えないだろうな。例えで言うな朱里や雛里だったけど。知識だけは知っていますよ的な感じだったけど。
「じゃあ、俺が教えるけど、痛いかもしれないけど、気持ち良くなるもんだから我慢してほしいな」
「教えてほしいの。鞠はもう一真の未来のお嫁さんで妻なの。一真のせーよくを発散させるのも妻の役目と教えてもらったの」
といって、一度上がり、簡易布団を創ってから情事を開始した。まだ身長は小さいが、歳はたぶん鈴々ぐらいだろうなと思いながら。あと俺の息子は、サイズを変えられるので少し小さくしてから入れた。初めてだから最初は痛かったらしいが我慢をした鞠だった。で、だんだん気持ち良くなってきてから鞠もイきそうだったから俺と同時にイった。中出しはしたけど、行為を終えたあとに浄化をしてからまた身体を洗ってから湯船に入った。簡易布団は消滅させた。
「ふぅー。相変わらず疲れるな」
「鞠もこれでおんなになれたのー」
「痛かったが、よく我慢したな。偉いぞー」
「これで子供生まれるのー?」
「本来ならな。でも、俺にはもう息子がいるし、子供は作らないけどな。さっき神の力の一つである浄化によって鞠の中にあった液体も消えたからな」
「子供作らなくてもこういうのやるって、泰能が言ってたの」
「それはだな。男の生理現象とも言うな、発散させないと色々とまずいというか何とも言えないけどな」
鞠はあまり分かっていないみたいだけど今はいいだろう。で、そのあとゆっくり入っていたら夕方になりそうだったので、湯船から出てから鞠の身体を拭いた。あと髪もドライヤーで乾かしてあげたけど。ドライヤーはトレミーの脱衣所から持ってきたもんだからコンセントは繋がっている。音で驚いた鞠であったが、暖かい風をあてながら髪をとかした。俺はさっさと身体を拭いてから、量子変換機で着替えた。で、ドライヤーで乾かすのを終えたら戻してからコーヒー牛乳を飲んでから、帰路についた。
「ふぁあ・・・・。もうふにゃふにゃなのー」
「あれだけ入っていれば、そうなるなー」
行為後に湯船に浸かったあとに、鞠がお腹空いたといったので、お風呂に入りながらご飯を食べた。トレミーで作った物で、船の模型を浮かしてから食べていた。食後に、のんびりと話していたしな。今は行きと同じように鞍の上で鞠を抱えて、馬を進めさせてたけど。俺の指も若干しわしわになっていた。
「でも、温泉も楽しかったの。一真、また来るの!」
「行けたらな。自然の温泉もいいが、俺が乗ってきた風呂も格別だしな。あとは鞠がヤりたいのなら、行為もしてもいいけどな」
そういうと顔を真っ赤にする鞠。まああれはいい経験だろーな。知識だけ知っていても、やり方知らないんじゃな。まあ、そういう楽しみ方もあるようだけど。あとは、お風呂で髪を洗ったときに相当気持ち良かったらしいから、また入ろうって言ってきたけどな。
「一真は気持ち良かったの?」
「ああ。また一緒に入りたいな」
「抱っこや髪も洗ってくれるの?」
「んー。それは船の大浴場なら可能かなー」
「お猿さんも一緒なの?」
「自然の温泉ならいるかもなー。でも今度はいないかもよ」
「うぅ・・・・。帰るときにお願いし忘れたの」
まぁ、猿もいいけどみんなと一緒に入りたいなとは思ったけどな。俺も楽しかったし、久々に疲れがとれてよかったと思っている。俺も働き過ぎなのかなと思いながら、鞠とゆったり話していながら馬を進めていくと、向こうから一騎の騎馬がやってきた。
「ああ、一真様。おーい、おーい!」
「あれ?幽・・・・」
「これは良い所に・・・・」
何か嫌な予感しかしないのは俺だけであろうか。一応聞こうか。
「もしかしてバレた?」
「その通りでございます。一真様と鞠殿の逢い引きのよし、他の未来の奥方様にバレまして」
「にゃ?」
「やっぱりかぁー。でも俺達が出る時は、後は任せろみたいな感じだったけど」
皆に伝えると面倒だからと、伏せておいたんだけどな。しかも俺と鞠だけど温泉デートだからな。
「はい。内緒で逢い引きが楽しめるように頑張って情報を伏せていたのですが・・・・」
そう思ったけどな。
「ひとまずお逃げ・・・・・ああ、遅うございました」
向こうから騎馬軍団が見えたので、咄嗟の判断で、鞠を下ろしてから馬から降りたけど。
「主様!これはどういう事ぞ!」
「ご説明下さい、一真様っ!」
「鞠ちゃんと二人だけで温泉なんて、ズルいですー!」
「そうですわ!ハニーと・・・・ハニーと二人っきりで温泉だなんて・・・・鞠さん、なんて羨ましい!」
「わ・・・・私も、一真様と一緒に温泉・・・・・」
「一真様ー!綾那も温泉行きたかったのです!歌夜も行きたかったですよね?」
「わ、私は・・・・っ」
いったい何人いるんだか。
「というか、あの温泉は足利衆の草が見つけたと聞いたから、てっきり一葉も知っていると思ったんだよ」
「何!幽め。それを隠して主様と鞠を行かせたのか。余が知っていたら、無理やりでも主様を連れ出しておいたのにー」
幽さん。俺に報告する前に上司である一葉に報告し忘れていたのか。というかもういないけどね。
「鞠ちゃん。温泉ってどうだった?」
「とっても楽しかったのー!鞠、お風呂の中でずーっと一真に抱っこしてもらって、髪も洗ってもらったの!」
あはは、素直だなー鞠は。
「ずっと・・・・・抱っこ・・・・・・!」
「なんと・・・・髪までですか・・・・」
「ほほぅ。鞠の髪で洗い方を覚えたのなら、余の髪も大丈夫じゃな?」
「一真様、綾那も綾那もー!」
「一真様に洗って頂けるなら、私も髪、もうちょっと伸ばした方がいいでしょうか・・・・・?」
「しょうがねえなぁ。まぁ、女性の髪の洗い方なんてもう覚えているから、いつ行くー?」
「なら善は急げですわ!長尾衆と繋ぎが付く前に、さっさと行ってしまいましょう!明日にでも!」
「ああ・・・・いつもは牡丹で困る梅さんが、今日は随分と頼もしく見えます・・・・。これはどうしたことでしょう」
「ハニーへの愛の成せる技に決まっていますわ!」
詩乃はさりげなく酷い事を言った気がするが、梅は気付いていないらしい。
「うむ。誰ぞ草どもを引き留めて参れ。余は主様と共に湯に浸かるまで、この地を離れる気はないぞ」
「分かった。じゃあ明日行こう。今度は皆でな。いつ長尾衆との連絡が入るか分からんしな」
「一真様。では明日は皆で温泉に入りに行きましょう」
「詩乃。小波も引き留めておいてくれ」
「御意」
と言って、お守り袋を出す詩乃。
「わーい!今度はみんなでお風呂なのー!」
鞠も喜んでるし、まあいっか。美空の連絡が明日来たとしても俺達はスルーだな。こうして、一度神社に戻ったあとに次の日にみんなで温泉に入りに行った。一真隊の草も今日は休んでおけといってあるからな。あと俺に好意を持っていて妾または好意のある者全員で行った。もちろん森の親子もな。酒飲みながら入ろうぜと言ったら桐琴はノリノリだったし。小夜叉は桐琴が行くなら行ってやるよみたいな感じだったらしいが。あと各務もだったけどな。たまには俺と一緒に入りたいとか、いつの間にか俺に好意があるらしいけどね。行ったあとからはとりあえず入ったあとからは覚えてない。覚えているのは、髪を洗ったことだけど。全員を相手したからなのか。
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