| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

入学編〈下〉
  対テロリスト戦(3)

表からは、俺と深雪と蒼太。裏は会頭と桐原先輩と沙紀を。それぞれ配置させてから向かった俺達。廃工場内にドウター反応があるが、どこにいるかまでは分からない。たぶん今回のは人間がドウター化したのではないのかという推測をしている。外ではレオは対ドウター戦用のナックル付きの手甲で、殴ってからのオートマトンによる一斉射撃でエリカはCBメンバーから借りた剣=量産型の聖剣エクスカリバーで次々と斬り倒していた。正直エリカがここまで簡単にやれたのも、千葉家で剣術を学んでいたからであるからかもしれないけど。こちらは遭遇するのが、早かった一真たち。遮蔽物がなく、心眼でこの先を見たら悪意のある人間と銃を構える人間?がいたけど。

「ようこそ、初めまして、織斑一真君!そしてそちらのお姫様は、妹さんの深雪君かな?」

「テメエがブランシュのリーダーか?」

大袈裟な仕草で手を広げ、歓迎のポーズをとった男に対して、一真はそんなのはいらん余興だなと思いながら問いかけた。蒼太は光学迷彩で隠れているから、ブランシュリーダーや後ろにいる人間たちには特定されていないようだ。年齢は三十前後くらいか、意外に若いなとは思った。痩せ細った身体に縁なしのメガネ。学者か法律家のような趣の外見をしていた。

「おお、これは失敬。仰せの通り、僕がブランシュ日本支部のリーダー、司一だ」

「やはりそうか」

威圧感のない感じで、インテリが入っているのかと思うくらいの男としか認識しない。自己陶酔している気のある口調と仕草、あとはテロリストのリーダーらしい人の心と命を持て遊ぶように思えた。一真はやはりと思いながらも、狂気を認識しながら眉一つ動かさずに一真は深雪を隠すようにしてからショルダーホルスターから銀色の拳銃型のを抜いた。

「ふむ、それはCADだね。拳銃くらいは持っていると思ったのだが。それと外が騒がしいようで、それに魔法師とはいえ銃で撃たれれば死ぬのだよ?」

「俺は魔法師でもあるが、テロリストを裁く権利がある。それと外の騒ぎはお前の仕業なのだろう?」

「まだ学生だからてっきり反論すると思ったが、中々に面白い発言するんだね。君は。それと外の騒ぎは何の事なのか僕にも分からない」

外の騒ぎと聞いて、白を切るようだったが俺には分かる。ここにいる人間たちは既にドウターに汚染されていると、そう思ったのは後ろに控えている人間たちの魂だ。その魂はまるで俺に向けて助けを求めているようだった。それと同時に他の者には見えないが、神仏たちが俺に話しかけてきた。神召喚するのならいつでもいいと。さすがだなと思いながら警告を言った。

「投稿の勧告をしておく。全員、武器を捨てて両手を頭の後ろに組んでうつぶせになれ」

「ハハハハハハ、君は魔法の苦手なウィードじゃなかったのかい?おっと失礼、これは差別用語だったね。でも、君のその自信の源は何だい?魔法が絶対的な力だと思っているのなら、大きな間違いだよ」

哄笑と共に狂気をいっそう色濃くにじませた司一が右手を上げた。あのサインは発泡準備のサインだ、と思うと左右に並ぶ数十人のブランシュメンバーが一斉に銃器を構えたけど。その間に蒼太にはヘッドギア応用ので、ライフルビットを展開してもらい、それぞれの銃火器を狙って撃つように指示を仰いだ。あとは深雪には光学迷彩で隠れているシールドビットを待機命令をさせているが、撃ってきたと同時にシールドビットによる防御をしながらのライフルビットで銃火器の無力化。

「交渉は、対等なものでなければならないから、こちらからも機会をあげよう。織斑一真君、我々の仲間になり給え。弟が知らせてくれた、アンティナイトを必要としないキャストジャミングよりも強力な魔法の無効化は非常に興味を持つ技術だ。まだどういうのか原理かまでは知らないが、今回の作戦には我々も随分と手間を掛けているのだよ。世間知らずの学生たちを使えるように教育するだけで、かなりの時間とコストがかかっている。それを台無しにしてくれた事は実に忌々しい事で、許しがたい事だが君が仲間になってくれるのであれば、水に流そうじゃないか」

薄笑いを浮かべたその顔は、狂気が正気を演じるその瞳は、一真や深雪といったCBメンバーで無ければ怖気を免れないだろうな。だが、ここにいるのは実戦経験豊富の三人であり、実際どんな殺気や覇気を受けたとしても俺らにとってはガキんちょが睨みつけたような感じにしかならない。それだけの実戦経験と数万体を刈ってきたドウターとの戦いによるものだと思う。

「やはりそれが狙いか。壬生先輩を使って俺に接触してきたのも、弟に俺を襲わせようとしたのも魔法の無効化について探りを入れる為なのだろう?」

「ふむ、頭のいい子供は好ましいね。だがそこまで分かっていてノコノコやって来るとは所詮、子供だ。とは言うものの、子供は強情なものである。全く勝ち目がないと分かっていても、大人しく言う事を聞かないだろう」

子供と言っているが、残念ながらそれは違うと言っておこう。深雪はともかく俺は、そちらにいるリーダーよりも年上だ。それに俺はただの人間ではない、神としてだけど。そちらは数十年生きてきた子供に過ぎない、俺は何千何万と生きてきたからだ。

「じゃあ、どうする?」

「そうだね・・・・では、こうしよう」

その仕草は、学者というより手品師のようだったがメガネを投げ捨てて、前髪をかき上げて正面から目を合わせる。

「織斑一真、我が同志となるがいい!」

司一の両眼が、妖しい光を放つと同時に無効化を目に向けられたのを無効化させる。で、芝居のようにしてからわざと技がかかったように見せかけてから、脱力したように顔を下にしてから右手で持つCADを下がる。

「ハハハハハハハ、君はもう、我々の仲間だ!」

内に秘めた狂気を隠すことをやめた司一の姿は、畏怖も尊敬も呼び起こすものではない。まあある種のカリスマ性ではあったが。

「では手始めに、ここまで共に歩んで来た君の妹を、その手で始末してもらおう!妹さんも最愛の兄上の手に掛かるなら、本望だろう!」

付け焼き刃ではない、命令することを慣れた口調ではあった。一真も部下の前では命令口調ではあるが、無実な人間を殺すほどの愚者ではない。歪んだ笑顔ぬに浮かぶ、己が権威を疑わない表情であったけど無駄な悪あがきだな。

「・・・・三流芝居は止しな。見ている方が恥ずかしくなる芝居だな。その表情から見て、凍りついたか。そりゃそうだろうな、まあお前がしたのを解説すると。意識干渉型系統外魔法、邪眼と呼んでイビル・アイ。と、称しているが正体は催眠効果を持つパターンの光信号を、人間の知覚速度の限界を超えた間隔で明滅させて、指向性を持たせて相手の網膜に投射する光波振動系魔法。洗脳技術から派生した、映像機器でも再現可能な、ただの催眠術だ。大袈裟な機械を使わずに済まないから、相手の意表を突くことが出来るというメリットもあるが、所詮はそれだけのことだ。これは新ソビエト連邦成立前にベラルーシが熱心に開発した子供の戯言に過ぎないというか手品だな。壬生先輩の記憶もそれで書き換えたのだろう、いやすり替えたというのが言葉としてはそれに当てはまるか」

「お兄様、では・・・・?」

冷静ではあるが、その目はテロリストを見る目というよりかは、敵を見る目と変わった。

「壬生先輩の記憶違いはあまりにも、不自然すぎて激しいもんだった。記憶を見たときに映像に乱れた後のを見ただろう?聞き間違いはよくある事だが、あの時の壬生先輩は直後に動揺しながら極端に思い込みに捉われていたのだろ。恐らく今ので、本来聞いたのとは違うのを聞かせるようにしてそうさせたのだろうよ」

「・・・・テロリストは下種ですね、お兄様」

深雪の見る目と共に発したのは、戦闘モードも深雪になっていた事だった。

「・・・・貴様、何故・・・・」

喘ぐように、司一が呻く。その顔は狂気の笑みはもう無いし、狂気が去った後に残ったのは自らの手を汚さずにただ命じるだけのインテリ指導者となっていた。

「お前はバカなのかは知らんが、俺の魔法無効化をただの技術だと思ったら大間違いだ。それにメガネを投げ捨てたあとに、CADでの起動している時点でもう分かっていた。それに俺の無効化は技術によってではなく、俺の能力の一つだということを。照射される前に目だけを無効化能力にすればそれはただの光信号だけだ」

「そんな・・・・バカな。技術ではなく能力だと!そんなのはまるで、貴様は超能力者ではないのか」

「おいおい。そんなに動揺しているのか、気付いていないから言っておくが二人称は君ではなく貴様になっているぞ?大物かと思ったら、とんだ小物だな」

ここに至り、司一はここでやっと気付いた。この少年の表情が消えたのと、右手が脱力したのは司一の魔法を確認してから無効化させてからの芝居にすぎない。そしてこの後の事についても、一瞬にして悟ったのだった。ここにいる者たちを葬り去るという策にハマったのだと。

「撃て、こいつらを亡き者にしろ!」

威厳も無くなった者が言ったのは、後ろに控えている銃を構えている者たちだった。そして銃を発砲する命が下ったので撃ちまくるブランシュメンバーたち。射殺をしようとしたが、ここで謎の浮かぶ盾によって防がれてしまう。シールドビットという兵器を知らない者たちにとっては、ただの盾だと思い照準を盾の右にいる者たちを撃とうとすると何枚かのシールドが浮かぶ事により銃の乱射は全て防がれてしまう形となったのだった。撃ち終えたあとに真上からのライフルビットにより、無力化されたブランシュメンバーを見る司一。そして蒼太は姿を現すようにしてから、俺の一歩後ろに立つ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧