ソードアート・オンライン～狩人と黒の剣士～

予告をずらします。後一話ライトサイドやったら予告通りにします。 

「おい、ミヤビ」
「何」
「幾ら何でもやり過ぎでは無いですかい？」
現在、ダーク達の周りに有るのは、プレイヤー達の残骸、つまりミヤビが積極的に殺ったプレイヤー達の死体である。
因みにダークが殺ったのは二人、ミヤビが三人だ。
そもそもの話、＜瞬間神速＞を使った戦闘きょu……もといミヤビに勝てると思ったプレイヤーもプレイヤーだ。
口では到底説明すら出来ないが、敢えて簡潔に言うなら、串刺しと針鼠である。これでわかった人は後で何かしてやろう。
「何、その目」
「いや、相変わらずのチートスペックで呆れてるだけ」
「ダークこそ、チートスペック過(すぎる)」
いや、俺の場合は神速すら使ってねぇからな？
「でも、＜ドローステップ＞使(つかった)。これがチートスペックで無かったら何？」
……本当に相変わらず反撃得意な奴だ。今度ハロウィーンに招待してぶちのめしてやりたい位だが、今はそれを言うときではない。
先程のプレイヤー達で、残るプレイヤーは十六人。すでに十四人がリタイアしている。
ライトやキリトも生き残ってたから、恐らくはあいつらもそこそこ撃退してる筈だ。まぁ、今回は恋愛フラグは建ちそうにも無いからな。何せ、俺の隣に居るミヤビは女だが、恋愛には無関係そうだし。
「……何か心で言(いった)？」
「言ってねぇよ？」
考えるとすぐこれなのでここから先は考えるのを止めよう。
と、ダークが思っていたその時だ。
「っ！」
ダークが咄嗟にミヤビの前に出てコンバットナイフを振るう。
ギィンギィン！と音がし、何かが弾かれた。
「弾丸！？」
「有り得なく無(ない)。私達、目立ち過(すぎ)」
いやいや、周りを気にして話してたから、気付かれずに接近するのはほぼ不可能だろ、と言いたいがすぐに弾丸が飛んでくるので、ミヤビの首根っこを付かんで瞬間神速を発動する。
「ダーク、苦(くるしい)」
「無表情で言うな！！つーか、選ばせてやるよ、姫さん抱っこかこのまま首根っこ掴まれるか！！」
「……このままで良い」
何故即答かは聞かないで置くが、ダークはそれよりも弾丸の出所を調べていた。
（風は微風……射程は恐らく十から十五……そして、俺達の位置を解ってて撃ったって事は……！）
ダークは頭の脳細胞をトップギアに入れ、瞬間神速を更に加速させる。
「ミヤビ、今一度聞くぞ？首根っこか、首抱き付きか！！」
「……首抱き付き」
ミヤビはそう言うと、すぐにダークの首に両手を回し、固定すると、ダークは嫌～な笑みを溢した。
「落ちるなよ……＜神・速＞！」
途端、ダークとミヤビの姿がかき消えた。いや、消えたのでは無く、瞬間神速以上の速度で、射撃者の元に走り出したのだ。
瞬間神速派生技、＜神速＞。
原理的にはミヤビの瞬間神速と同じような物だが、少し違うのは、神速は瞬間神速以上の速度と攻撃判定が出る。
即ち、システム以上の移動速度を使っているので、使用者に常に一ドットずつダメージがあるわけだ。
単に使わなかったのではなく、使えなかっただけである。そこのところを理解して頂きたい。
HPがゼロになるとアウトになるこの大会で、出来ればこれだけは使わずにクリアしたかったが。
「そこか、無茶苦茶な銃撃者はぁああああああ！！」
神速状態でその相手にドロップキックを放つと、ミヤビと頭をぶつけ、相手の顔面にヒットして少し高く飛んでから地面に落ちた。
「……ダーク、痛(いたい)」
「済まん、今度から後先考えて使うわ」
「もう二度と乗りたく無(ない)」
ですよねー、と思っていると、
「お前……人の顔に蹴り入れといて何イチャイチャしてるんだよ！！」
さっきのプレイヤーが戻って来て銃を乱射する。
「あ、二挺拳銃なのな」
ダークは感心しつコンバットナイフ二刀流で易々と弾く。
「……私を怪物呼ばわりしてた割には、ダークも怪物に近(ちかい)」
ん、何の事か解らんよ、HaHaHa。
「ウザイ」
「顔で読むなよ！！」
ミヤビに叫ぶと、プレイヤーの方を見る。
白い長髪に、赤紫の瞳、そして、白い肌。そして、胸のげふんげふん。
兎に角、それはダークが愛読してるノゲのキャラクター（妹）に似ていた。但し、似ているのは髪と瞳だけ。
「お前……絶対俺が殺す」
「おいおい、女が男口調で言うなよ」
ダークがそう言った時、ビギッ、と何か音がした。
「男口調？ふざけるな………」
と、銃をダークに向けて言う。
「俺は男だ！！」
………はい？
「……ああ、確か、性別逆転とかそう言うのあった。確か、キリトが例」
ああ、あの男の娘な。って、待て。
「ミヤビ、よく見ろ。彼奴には出てる所が出てる」
「……ダーク、喧嘩売(うってる)？」
わぁ、清々しいまでに笑ってるよミヤビ。
「じゃなくて！彼奴にはあるだろ！？男の娘じゃなくね？」
「……ああ、そう言うこと。でも、後でお仕置(しおき)」
……死なない程度でお願いします、ミヤビさん。
「だから！！この世界に来たらこのアバターになってたんだよ！！つーか、今のはミヤビか！！またお前か！？」
ミヤビの名前を知ってる。つまりｰｰｰｰ
「知り合い？」
「知らない」
「知り合いだろ！？」
埒があかない。何これ漫才か何か？
「ともかく……お前だけは殺すっ！！」
すると、背の腰部分から長い黒い棒を取り出すと、スイッチを入れる。
途端、それはでかい鎌となった。
「光鎌(フォトンサイス)、アスカは鎌使い」
やっぱり知り合いじゃねぇか。
「殺すぅううううう！！」
「物騒な事言ってんじゃねぇよ、この……」
と、ダークは脚を上に構えて、
「女の男がぁああああああ！！」
光鎌を踵落としで思いっきり打ち払った。
「わお」
「なっ！？」
「天城流・体術ニノ型＜雷光・一閃＞。体術ならテメェ一人でも勝てる」
「抜かすなっ！！」
「ミヤビ、離れてろ」
「了承」
ミヤビが離れると同時に、鎌を振り回すアスカ。しかし、全ての斬撃を見れるダークに取っては、避けやすく、また止めやすい攻撃でしかない。
「甘い甘い♪三ノ型＜雷閃・閃撃＞ッ！」
左脚を軸に、右脚で鎌を次々と弾き返す。天城流を本格的にライトに習わせといて正解だったな。
「このっ！！」
アスカが苛立ち、大振りになった所で、
「＜千打撃・阿修羅＞！！」
六本の腕になった(様に見せた)腕がその隙のある身体を殴り付ける。
「うぁっ！！」
地面に思いっきり叩き付けられ、アスカは転がっていく。
「……本当に化物？」
うん、言わんとする事は解る。だが、これが元滅殺者の実力だとしか言いようが無い。いや、マジで。
「つーか、彼奴どうする？」
「説得して、連れていく。説得、願(ねがう)」
「何時ものように毒舌かまして連れてこいよ。得意だろ、そう言うの」
「是、しかし、多分無理」
「え、なんｰｰｰｰ」
言い掛けた時、弾丸がダークの頬をかすった。
その先を見ると、怒りのアスカが立っていた。その手には、光剣二刀流。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すｰｰｰｰｰ」
「なぁ、物騒な事を言いまくってるんだけど！？」
「ほら、切(きれた)。ダークのせい。とっとと討伐」
「モンハンみたいに言うなよ！！」
「殺すっ！！」
すると、瞬間神速らしき物を発動して近付いてくる。
「……ああくそ、面倒だ」
ダークは声を低くすると、向かってくるアスカを見る。
「殺すって言うなら………」
と、ダークは構え、ダッシュする。
「現実(リアル)でプレイヤー殺してから言えやこの似非殺人鬼！！」
そして、蹴りをぶちこむ。
が、光剣二刀流によって防がれる。ただ、それが本当にダークの狙いならば、だが。
「おらっ！！」
ガードしたアスカの頭上に、拳を一発放つと、アスカは光剣でダークを飛ばす。
「ハァアアアア………」
「おー、怖い怖い。が、二刀じゃなきゃそれほど驚異でないな」
と、ダークがアスカの持っていた光剣を一つ、回収して立ち上がる。
「だけど、光剣ってあまり好かねぇから、こっちも奪わせて貰ったぜ」
ダークはそう言うと、光剣をアスカの足下に投げると、光鎌を展開する。
「さぁ、終わりだ！！」
そして、アスカが足下に投げられた光剣を取ろうとする、その時に瞬間神速を使い、加速する。
「滅殺剣上位スキル………」
そして、鎌で菱形の形の剣撃を幾つも放ち、最後に一閃する。
「＜ブラッティ・デス・ブレイド＞」
途端、アスカがそのまま倒れ込み、動かなくなった。
そこに、拍手が。
「見事」
「厄介なら厄介と言っとけ馬鹿！！」
「言ったら、面白く無」
「解ってたよ、解ってましたよ。お前がそう言う奴だってことは！！」
ダークはそう言うと、アスカを肩に背負った。
「んまぁ、取り合えず近くの廃墟らしき所行こうぜ。コイツも倒れたし」
「是、但し、倒したのダーク」
「手伝ってくれても良かっただろ！！」
ダークはそう言うと、自分の武器を右手に持ち、ミヤビの後を追い掛けて行った。 

えーと、済みません、キャラクター崩壊させたかも知れません。今晩は、恭夜です。
今回は神崎さんキャラクター二号、アスカさんとの戦いでした。
相変わらずチートスペックなダークですが、これが基本仕様です。滅殺剣を使わせた日にはもう全てのプレイヤーがダークによって殺されます。
例え1VS100000でも楽に勝てちゃうかも。
そんな力を持つダークですが、やはり螺旋を持たないダークはただのダークです。スキル無効を持たなくても本気で強い。
ライトとはいい勝負ですよ、大体五割程度です。タッグだと六割少々。
と、長くなりましたが、次回はライトサイドです。キリト&シノンペアとの交流です。戦闘も……多分あるかも？お楽しみに！！
トリオ「今回俺ら出番なし！？」