ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~
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GGO
誘い
前書き
GGO編突入!!よっしゃ行くぞー!!
ライト「俺の武装は?」
………あ。
「ガンシューティングゲー?」
「そう。ガンゲイル・オンラインって言うゲーム」
ロードが俺と銃剣を交えながら言う。
ここは俺が作った特殊なVRフィールド。時折ここで俺とロードが戦うためだけに創られた空間だ。
「ほいっ!」
「セェッ!!」
ロードの<ビートサウンド>の散弾を弾き、肉薄する。
「終わりだ!!」
そのまま神聖剣剣技<ユニコーン・チャージ>で突貫し、ロードは手をあげた。
「で、何で急に」
「だって、ここでしか銃剣スキル使えないもん」
そう。現在のアルヴヘイム・オンラインの中では、俺の狩人、ダークの滅殺剣、茅場先生の神聖剣、もう一人獣王拳の四つ以外、発現不可なエクストラスキルは排除されている。勿論、ロードの銃剣もその中に入る。
従って、活躍の場の無いロードは、居場所が無いのだ。
「とは言ってもなぁ……買ったとしてもコンバート面倒なんだよなぁ……」
「コンバート面倒って……じゃあ僕は何処で活躍すれば良いのさ!!」
突然、銃を乱射するロード。俺は慌ててスピニング・シールドで弾く。
「わーった!!わーったから!!落ち着けロード!!」
すると、ロードは顔を綻ばせ、にっこりと笑った。
「じゃあ早速買いにいこうそうしよう!!」
すると、ロードはログアウトし、現実世界の俺の体に戻る。
「………早まったかなぁ」
俺は頭を掻きながら、頭の中で給料からガンゲイル・オンラインの料金を引いた。………パソコンのアップグレートはどうやら諦めるしか無さそうだった。
電車に揺れ揺られ、俺は遠くのゲーム屋まで足を運んでいた。近くのゲーム屋がガンゲイル・オンラインを切らしていたからである。
「つーか、ガンゲイル・オンラインって何がヒットの決め手になったんだ?」
すると、その疑問を娘のストレアが説明する。
『全VRMMOの中で唯一、<ゲームコイン現実還元システム>を採用してるからだよ、マスター』
「何それ?」
『簡単に言うと、ゲーム内で稼いだお金を、現実世界のお金としてペイバックすることだよ。正しくは日本円じゃなくて電子マネーだけど。今じゃあれで買えないもの無いし』
すると、俺……と言うかロードが疑問を感じた。
『ねぇ、スーちゃん。それじゃあビジネス成り立たなくない?運営業者はボランティアじゃ無いじゃん』
すると、ストレアはおもむろに眼鏡を掛けると、キランと輝かせた。
『ロード、貴方馬鹿っぽいですが良いところに気が付きましたね。勿論、全てのプレイヤーが稼げる訳じゃありません。パチスロや競馬と同じギャンブルゲームなんです。月の接続料金が、確か三千円、これはVRMMOとしてはかなり高い方です。そして、平均的プレイヤーが一ヶ月で還元出来る金額は精々その十分の一……数百円と言うことです。ですが、これはギャンブルゲームとしての要素が高く、極稀ではありますが、とてもレアなアイテムを手にするプレイヤーが出ます。それをゲーム内のオークションで処分して、売り上げを電子マネーに両替すれば、数万、数十万と言う金額に成りうる事があります。そんな話を聞かされれば何時か自分も……って言う気になるプレイヤーが出てくるわけです。ゲーム内でカジノが有るくらいですし』
「『へぇー』」
俺とロードは同時に感心する。
『で、その中にプロと言うプレイヤーが存在します。それは、ガンゲイル・オンライン内で毎月コンスタントに稼ぐトッププレイヤーの通称で、月に稼ぐ金額がおよそ二十万から三十万円。現実基準では大した事では有りませんが、贅沢さえしなければ十分に暮らせるらしいです。つまり、そのプレイヤー達にボリュームゾーンのプレイヤーが払う接続料金から収入を得ていることになりますね。銃器メインの世界だからこそ、簡単に稼ぐことは出来ない、そう踏んだ上で還元システムを採用している物と思われます』
すると、眼鏡を外し、元のにこやかなストレアに戻る。
『……スーちゃんって、眼鏡掛けると僕らのように多重人格になるの?』
「……いや、多分アレだ。業務用連絡に近い物に切り替わるんだろう。俺は少なくともそんなデータは組み込んでない」
俺とロードは現在何でも御座れ状態のスーちゃんことストレアに改めてAIって凄いと思わされた瞬間だった。
ストレアの予想通り、隣町のゲーム屋ではまだ在庫が残っており、何とかガンゲイル・オンラインは購入できた。しかし、パソコンのアップグレートが来月まで引き延ばさなくてはならないのが残念無念。
「さて、とっとと帰ってコンバート♪」
『おい、何げに俺の体を取るな』
「何を言われても気にしなーい♪」
『明らかに調子乗ってますね』
『だな』
俺とストレアは同時に溜め息を付くと、ロードの見ている目線の中に、数人の女の子が一人の女の子を囲んで路地に入る所を発見した。端から見れば友達のように見えるが、数人の女の子の方が柄が悪い。
『ロード!』
「ほいほーい♪」
すると、おもむろにモデルガン<純白の雷>と<漆黒の闇>を取り出す。
『何であんの!?』
「リンちゃんの手作り」
『リンちゃん!?』
『リンドウの事です』
ストレアが言うと、ロードは走って路地に行く。そこには……
「………」
フードを被った男が、少女を助けていた所だった。
「……」
男が少し言うと、壁を使って消えていった。
「……どう言うこと?」
『ロード、それより物騒だから仕舞え』
ロードに言うと、少女が近寄ってくる。
「……あの、つかぬことをお聞きするんですが……」
「……?はい、何ですか?」
すると、少女の口から思いもよらぬ名前が出た。
「……黒鉄、翔夜さんの体の人ですか?」
すると、俺は押し退け表に出る。
そして、少女の肩を掴み、言う。
「あんた、ダークの……翔夜の事を知ってるのか!?」
「し、知ってるも何も……私は、あの人に助けてもらった事があるんです。……所で、黒鉄さんは中に……?」
俺は顔をうつ向かせると、やがて顔をあげ、少女に事情を話す。すると、少女は驚き、顔をうつ向かせる。
「そう……ですか……黒鉄さん、死んじゃったんですね……」
「でも、あいつはきっとあんたの事を思ってるよ。……ああ、そう言えば名前は?」
「あ、はい。朝田……詩乃です。済みません、来人さん」
「来人で良いよ。さて、またさっきの連中に捕まったら行けないから家まで送るよ」
「あ、ありがとうございます……」
俺は少女ーーーーー朝田さんを連れて、彼女のアパートまで行くこととなった。
???Saibo
「いやぁ~見事な手さばきだったねぇ~」
黒髪の男が少女を連れていくのを見届けると、後ろから奴が現れる。
「……何のようだ、お前はもう此方に来なくて良いのによ」
「冷たいねぇ……ま、君が冷たいのは当たり前か。此方にも此方なりの事情があったものでね」
決まったように言う言葉に、俺は呆れてそいつの方へ向く。
「……で、今回は何だ?」
「住みかだよ。家がないとやはり生活が成り立たない。そこで、我々は君に住居を用意した。是非使ってくれたまえ。必需品も買い揃えておいたよ」
そいつが言うと、俺に鍵を渡す。
「……何処までも律儀だな、あんたらは」
「何、君には迷惑を掛けたからね。これくらいは此方の負担だ。では、これから先は我々も接触はしない。精々頑張ってくれたまえ?」
すると、そいつは虚空に消え、そこには風が通り抜けた。
「……さぁて、俺は俺の仕事を始めますか」
俺は漆黒のコートをなびかせて、言う。
「イッツ、ショータイム」、と
後書き
はい!!GGO編始まりましたー!!
今回のゲストはこの方!!最後の人格、ゲンさんでーす!!
ゲン「こんにちは。ゲンです」
何処かで出そう出そう思ってて……忘れ去られたキャラクターです。
ゲン「まぁ、扱いには慣れてる」
ゲンさん、あの謎の男について感想を。
ゲン「フム……身体能力が高く、ライトにもひけを取らないポテンシャルを持つと予想する」
あ、予想なんですね。
では次回、依頼。遂に正規ルート突入!!はてさて、どんな風になるのか!?
ゲン「次回もお楽しみにな」
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