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少年少女の戦極時代Ⅱ

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後日談
  第141話 vs邪武! 「ラストステージ」


『こ、うた、くん?』
「やり残したことがあってな。――コウガネ。お前を倒すことだ」

 紘汰が手の平をコウガネに向けた。いつかロシュオが見せたものと同じ、青いソニックブームがコウガネを襲う。
 やがてコウガネが無数の黒いイナゴと化し、分離するように少女が道に倒れて気を失った。

 黒いイナゴの群れは再び、たったさっきまで戦っていた黒紫のアーマードライダーの形を成した。
 紘汰の力が、少女からコウガネだけを引きずり出して実体化させたのだ。

「前にも言ったろ。お前なんかただの金メッキだ。――行けるか、咲ちゃん」

 紘汰の声が、萎えかけていた闘志に火を点ける。月花は立ち上がって紘汰に並んだ。

「変身」

 紘汰の体が白い光に包まれる。光が晴れると、紘汰は白銀の甲冑をまとった鎧武に変身を終えていた。

『ここからは俺たちのステージだ』

 月花は鎧武と同時に走り出した。

 鎧武が走りながら極の鍵を回した。現れたのはDFロッド。鎧武はそれを月花に投げ、月花はDFロッドをキャッチした。

(うん。やっぱり剣よりこっちのがしっくり来るや)

 紘汰がいないから、戒斗に戦わせてはいけないから、と気を張っていた。けれど、そんなことはしなくてよかったのだ。こうして、ありのままの自分として戦えばよかったのだ。

 鎧武と月花は並んで、それぞれに無双セイバーを、DFロッドを、寸分の狂いなくコウガネにくり出した。

(ふしぎ。紘汰くんの呼吸、心音、ぜんぶとリンクしてるみたい。今ならコドモだってことも関係ない。紘汰くんがどんな戦い方をしても、付いて行ける)

 マゼンタの大橙丸と無双セイバーを繋げたダブルセイバーに、左右から、鎧武と全く同じタイミングで攻撃をくり出す。
 鎧武が無双セイバーから弾丸を発射すれば、月花はDFロッドから剣閃を投げつけた。

『なぜ黄金の果実である私が、貴様らごときに――!』

 コウガネは落としたダブルセイバーを蹴り上げて持ち直し、カッティングブレードを切った。

《 ダークネススカッシュ 》

 バスケットボール大の、腐れかけのリンゴがいくつも空中に浮かんだ。コウガネはそれらのリンゴの山を放った。
 しかしリンゴの投擲は、鎧武が挙げた手の平の前に壁があるかのように、静止し、消えた。

『最後だ。行くぜ、咲ちゃん』
『ええ。紘汰くん』

 二人はカッティングブレードを1回切り、高くジャンプして、空中で一回転した。

 コウガネもまたカッティングブレードを2回切った。

《 ダークネスオーレ 》

 巨大な、腐ったリンゴ型のソニックブームが放たれる。

『『セイハーッ!!!!』』

 月花と鎧武のキックは、そのリンゴをも跳ね返して推力とし、コウガネに最後のWライダーキックを叩き込んだ。

 二人のライダーキックは、コウガネの怨霊を燃やし尽くした。 
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