旧エクリプス(ゼロの使い魔編)
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第23話 ルイズ(5歳)
ブリミル暦6231年 ウルの月 ティワズの週 虚無の曜日
皇紀2789年 5月25日 トリステイン王国 ラ・ヴァリエール公爵領 本邸
Side ラ・ヴァリエール公爵
広間にて、接客をしている男性がいた。彼こそがトリステインの重鎮であるラ・ヴァリエール公爵である。金髪に口髭をはやしているが、今は左眼に片眼鏡をはめてはいない、トリステイン中央病院で、視力矯正手術を行い、視力が回復しているのだ。この世界の手術は、安全である。元の世界の技術と魔法の技術を融合して、大きな手術でも1日で退院できるのだ。
そんな公爵は、普段の威厳ある様子と違い、頬が緩みぱっなしであった。
次女のカトレアの病が治り、三女のルイズが5歳の誕生日を迎え、本日はルイズのお披露目パーティーが開かれている。その上で去年、待望の長男が生まれたのだ。
光輝もパーティーの招待状を貰って、出席しているのだ。
「おぉ光輝殿、本日は良く来てくれた。」
公爵は、光輝を見つけると、自ら話し掛けてきた。本来なら公爵から話し掛けたりしないのだが、光輝は公爵にとってそれ程、特別であった。
「公爵自ら、挨拶痛み入ります。挨拶が遅れましたが、本日の招待ありがとうございます。また、ルイズ様の5歳の誕生日、おめでとうございます。」
「いや、ありがとう。子供たちを紹介しよう。」
公爵は、満面な笑顔で答え、子供たち方へ歩いて行く。光輝もその後に続きながら孫達へ手招きをする。
公爵が一人の婦人前に立つと光輝の方へ振り返った。
「光輝殿、紹介しよう。妻のカリーヌだ。」
どう見ても20代にしか見えない。原作知識を持つ光輝には、信じられない程、穏やかな表情に見える。原作のカリーヌは、冷静で威圧感を感じていたのだ。こんなたおやかな表情を想像できない。
「カリーヌ・デジレ・ド・マイヤールです。」
カリーヌは、優雅にお辞儀をする。光輝は、原作と違うと突込みを押さえて、極めて冷静な態度を取っている。
「光輝・一条です。公爵様には、お世話になっています。」
「何を言う、世話になっているのは、こちらの方だ。」
「そうですわ、カトレアの病も治して頂いたし、今のトリステインの開発やこのラ・ヴァリエールの領地開発も、家臣の方々を派遣して頂いているのを夫より聞き及んでいますわ。」
「いえいえ、全ては両国の繁栄のためです。気にしないで下さい。」
「そう言って貰うとありがたい。娘達も紹介しよう。長女のエレオノールだ。」
「エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールです。」
赤いドレスを着たエレオノールが挨拶する。今年16歳になり、魔法学院に入学したばかりだ。この年で土系統のスクェアになっている。入学時点でスクェアメイジだ、学院では天才と評判である。原作とは違い刺々しさが消えている。一人前のレディと成っている。晃がカトレアの為、コックに栄養指導したかいもあって、胸も少し膨らんでいる。
「次女のカトレアだ。」
「カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールです。」
薄緑のドレスを着たカトレアが挨拶する。今年13歳になる。原作と違い病が治ったので、フォンティーヌの名は継いでいない。この年で土と風系統のトライアングルになる。穏やかな表情と巨乳は、原作通りだが、穏やかな表情の中に活発さを感じる。」
「三女のルイズだ。」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールでしゅ。」
髪の色に合わせて、ピンク色のドレスを着ている。噛んだのは、ご愛嬌だろう。今年5歳になったばかりだ。
公爵も目の中に入れても痛くないといった、表情をしている。
「長男のロランは、去年生まれたばかりで、部屋で寝かしている。アンリエッタ様の弟君のフィリップ殿下と同じ年になる。」
ここでも原作とは違い、トリステイン国王とラ・ヴァリエール公爵に男児が生まれている。
「私も孫達を紹介します。
一番上が、長男の晃です。」
「晃・一条です。宜しくお願いします。」
晃は、今年20歳になる。15歳で医師免許を取得している。現在、遺伝子と免疫学を研究している。5年前、カトレアの遺伝病を治している。
「二番目は、長女の望です。」
「望・一条です。宜しくお願いね。」
望は、膝を付いてルイズと目線を合わせて、自己紹介した。
望は、今年17歳になる。15歳で大学を卒業して、大学院には、行かず母の香月未来博士の研究助手をしている。専攻は、素粒子物理学である。
「三番目は、次男の司です。」
「司・一条です。宜しくお願いします。」
司は、今年13歳になる。飛び級で大学に入った。専攻は、物理学だが機械工学の授業も受けている。
「最後は、次女の夢です。」
「夢・一条です。よろしくね。ルイズちゃん。おないどしだからともだちになってね。」
夢は、今年5歳になる。ルイズと同じ年だが、ルイズより誕生日は遅いが早熟で見た感じは、ルイズよりお姉さんである。
ルイズも年上ばかり相手していたので、おないどしの友だちがデキて、うれしくてパーティー会場を案内したり、庭にでて池のボートに乗ったり楽しげである。大人たちは、そんな二人を温かい目で眺めて談笑していた。
その後、光輝達は、公爵の勧めで一泊する事になった。
夜更け前、公爵と光輝は、ワインを片手に話し合っていた。
「ルイズ様は、特別な魔法の才能がありますね。」
「ほぅ、特別な才能とは何かな?」
「虚無魔法の使い手です。」
「きょっ虚無の・・・。」
公爵は、驚いて最後まで言葉が出ない。
「別に不思議では、ありません。ラ・ヴァリエール家は、王家の血筋を引いており虚無魔法の適性を持った子供が生まれてもおかしくありません。
実際、ガリア王国とアルビオン王国では、王家の血筋を引くものに、虚無の使い手が生まれています。
ここだけの話にしておいて欲しいのですが、勿論、奥様と国王様には話して結構ですが、ガリアのジョセフ殿下が虚無の使い手です。アルビオンはまだ家族にも伝えていませんので、この場では名前を控えさせて貰います。」
「そうか・・・。」
「別に不安になる必要はありません。ガリアのジョセフ様に虚無魔法を教えたのは、学術研究都市で校長を務めている。ダンブルドア先生とその弟子あたるものです。」
「今のハルケギニアには、正確に虚無魔法の記録が残っていません。
多分、ルイズ様が魔法を習得しようしても、コモンマジックですら失敗するでしょう。」
「その時は、連絡を下さい。喜んで力になりましょう。」
「それが聞けただけでも、心強い。」
Sideout
その後、二人は夜更けまで、色々な話をした。
後書き
ルイズ(5歳)の話でした。
ルイズのコンプレックスフラグを折りました。
原作開始まで、後11年です。
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