闇を祓う者~他人の恋愛見てニヤニヤし隊~
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原作開始
クラス代表決定戦
再会
前書き
とうとう原作開始ですよ。では、どうぞ
「全員揃ってますねー。それじゃあSHR始めますよー」
皆ご存知巨ny……ゲフンゲフン。副担任の山田真耶先生が始まりの合図をする。……が、反応は返ってこない
それはそうだろう。何故ならクラスの中二人を除く全員がその二人に注目しているのだから。まあ、その二人は俺と一夏のことなんだけどね。
体感してみてよくわかる。なるほど、原作一夏はこういう気分だったのか。結構キツいものがあるな。そんなことをIS学園一年一組の教室で考えていた。
「か、彼方、キツいんだけど……」
「分かってるけど我慢しろ。キツいのは俺も一緒だからさ」
少なくとも原作よりはマシだろ? 俺がいる分だけさ。なんて、この世界の一夏に言ってもしょうがないことだけどな。
一夏はその後何か考えてるみたいだけど、前をちゃんと見ような、前をさ。真耶ちゃんがめっちゃ必死に呼びかけてるんだから気づいてやれよ。
「織斑くん。織斑一夏くんっ」
「は、はい!?」
あ、やっと気づいた。その一夏の返事に驚いて真耶ちゃんが謝っていた。怒濤の勢いだな。読んでた時も思ってたけど、忙しい人だな。
お、立ち上がった。自己紹介するか?
「えーっと、織斑一夏です。これからよろしくお願いします」
ああ、なるほど。こういう視線を一夏(原作)は浴びてたわけね。周りからの無責任な期待がスゴいわ。
あ、一夏が話しかけてきた。
(なあ、何言えばいい!?)
(そうだなぁ、特技でも言ってみたらどうだ?)
(ナイスだ、彼方!)
「特技は姉の面倒を見ることです」
あ、バカ! そんなこと言ったら!
「こんな所で何を言っている」
パァンッ!! ほーら、叩かれた。
「げえっ、関羽!?」
パァンッ!! はい、二回目ー。
「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」
俺と一夏の姉、皆大好き織斑千冬教諭の参上である。
「あ、織斑先生。会議はもう終わられたんですか?」
「ああ、山田先生。代わりをありがとうございます」
「いえ、副担任ですから。これ位はしないと……」
やっぱり真耶ちゃんは姉さんのこと大好きだな。おっと、姉さんが前に立ち、挨拶をする。
「諸君、私が織斑千冬だ。私の仕事は、君たち新人を使い物になる操縦者に育てることだ。分からないことも多々あるだろう。それは私たちに聞け。悩んでるくらいならな。そのために我々教師がいる。最後に一つだけ。私の言うことは必ず聞け。以上だ」
おお、原作とは違ってまだ優しいな。それでもやはり歓声が上がる。俺は一人だけ耳を塞いだ。
「キャーーーーーーーー! 千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっと前からファンでした!」
「お姉さまのためなら私……死ねます!」
「お姉さま……」
おい、なんか一人ヤバイ奴いなかったか?
「ああ、分かった。分かったから貴様ら一度黙れ」
千冬姉さんが明らかに生徒に使ってはいけない言葉遣いをして黙らせる。いいのか?
「それで、お前は自己紹介で何を言っているのだ」
「本当のことだろう。な? 彼方」
同意を求めてきた一夏に一言物申す。
「一夏、お前は間違っている」
「え? 何がだ?」
「千冬姉さんは関羽じゃない。呂布だ」
「誰が飛将軍か」
パシィンッ!! ……一夏と音が違うよ?
「ええ!? 威力とかそうじゃん! というか、姉さんの的確な返しにビックリ何だけど」
「教師にタメ口で喋るな」
振りかぶられた出席簿を受け止める。
「残念、俺に同じ攻撃は二度通用しない」
「いや、どこの女神の聖闘士だよお前」
ナイスだ一夏。よくツッコんでくれた。
「とりあえず、俺に当てたいなら一度でも俺に勝ってからにするんだね、千冬姉さん」
「いや、明らかに規格外な千冬姉に負けたことないってお前化け物だろ」
「織斑先生と呼べ、馬鹿者共」
三度目。俺は避けて、一夏はモロで喰らう。うわ~、やっぱり痛そう……。
さて、今の一連の掛け合いで血縁関係がバレた。
「え、織斑くんって千冬様の弟なの!?」
「もしかして織斑くんがISを動かせるのってそれが関係してるのかな?」
「いいなぁ~。代わってほしいなぁ~」
「お姉さま……」
「じゃあ、賀狩くんも弟ってことなのかな?」
「でも名字が違うよね?」
うわぁ~、混乱してるなぁ。というか、確実に一人ヤバい奴がいる。何がとは言わないけど、ヤバい奴がいる。まぁ、それは横に積み上げておいて。この収拾をつけないとな。
「千冬姉さん、もとい織斑先生。この混乱を収めるのに俺の自己紹介していいですか? 丁度次は俺の番なんで」
「分かった」
俺が立つと、ざわざわしていた教室が静かになっていった。
「あー、賀狩彼方だ。一夏と同じくISを動かした男子その2だ。趣味は料理と読書。俺が織斑先生を姉さんと呼んでいるのは、昔からお世話になっているからで、別に血縁関係はない。一夏と織斑先生はれっきとした姉弟だ。
きっと皆は俺達にいろいろ聞きたいことがあるだろう。さて、この世界には知らなければいけないことと、知ってはいけないことの二つがある。俺のことは……」
ここで一度切って周りを見てみる。さっきの言葉に織斑姉弟は反応した。他はなんか固い顔してるなぁ。あれ? なんで本音ちゃんが驚いてるのかな? 分からないからパス。後ろを見ると二人の女子がやけにニコニコした顔でこっちを見ていた。勿論パス。でも俺の真後ろの子の笑顔には懐かしさを感じた。大好きだったあいつの笑顔に、そっくりだった。昨日の夜にあの夢を見て少しセンチメンタルになっているのかもしれないな……
「俺のことは勿論知らなければいけないことだ。同じクラスメートなんだからな。気になることはどんどん質問しに来てくれていい。終わりだ」
席に座る。うわっ! 皆が露骨に安心してる! すげぇ! そんな空気や俺の感動を余所に、後ろの女子が自己紹介を始めた。
「私は木南楓」
……え? 今何て言った? 思わず振り返る。そこにはさっきと変わらない笑顔があった。
「趣味と得意なことは料理」
そうだ、楓は料理が得意だった。お互いがお互いに作って食べさせ合ったこともあった。
「自分で自分を守るための力が欲しかったのでこの学園にきました」
あの世界でも自分の身は自分で守れると言って、俺達の制止を振り切って結局ついてきた。
「好きなタイプは……」
そこでチラッと俺の方を向いてウインクをしてくる。ああ、この仕草は本物だ。
「なんだかんだ言いながらも守ってくれて……そして、私が傷ついたら自分のように悲しんでしまう。そんな人です」
昨日見たあの夢はこれの予知だったのか……。座った楓に向かって話しかける。
「なあ、楓……なんだよな?」
そう聞くと楓は、
「そうよ、私以外の誰かに見える? ねえ、私の愛した人……」
俺の大好きだった……いや俺の大好きなあの笑顔で言った。なんだか目の辺りが熱くなってくる。まずい、今ここで泣いたら周りから何かあったのかと思われてしまう。決壊しそうな心の堤防をなんとか持ちこたえさせる。
「何泣きそうになってるのよ……」
「またお前に会えたことが嬉しくてな……」
「なら、しょうがないわね。私も同じだから」
よく見ると、楓の目の淵に輝くものがある。楓はそれを拭って笑いながら、
「さあ、彼方。次の娘は私の親友よ。でも彼方、あんたは驚くでしょうね」
「どういうことだ?」
「ふふ、予想外の人物だからよ」
楓の後ろに座っていた女子が立ち上がる。赤みの強い茶髪で強気そうな印象を受ける。何故か何処となくその姿には見覚えが……あれ?
「アタシの名前は劔森悠那。好きなものは仲間、嫌いなものは争いだ。よろしく」
そう言って俺を見てニヤッと笑った。劔森が言った言葉には聞き覚えがあった。それも昨日の夜だ。何故なら、あの台詞は俺自身ユーナ・ソードフォレストに対して言った言葉だ。……ん?
劔→ソード 森→フォレスト 悠那→ユーナ
……マジで? 思わず楓の顔を見た。
「あ、気づいた?」
「……多分。とりあえず、本物か?」
「本物よ。私も確かめたからね」
「なるほど。楓の言った通り驚いたな」
「この学園に来た理由はさっきの楓と同じ、楓とは幼馴染みなんだ」
小声で聞く。
(そうなのか?)
(そうなの。隣の家だったのよ)
「趣味はスポーツと、意外って言われるが料理だ。まあ、これからよろしくな」
(ホントに意外だ)
(あの娘の料理、本当に美味しいのよ。一度食べさせて貰ったけど、彼方のと遜色ないわよ)
(へえ、それは食べてみたいな)
劔森の自己紹介が終わった後も次々と自己紹介は続いていった。こうして、意外な人物と再開することになったSHRは終わった。
後書き
原作だよ、原作! 第15話にしてやっと原作突入だよ! 皆待たせたな!
あと、アンケートは今日の23:00までですよ!
最近、普通の感想が無くて寂しいですよ。いや、アンケートに参加してくれるのはスッゴいありがたいんです。でも……でもね! いや、止めましょう。しつこいのはだめですね。
それでは、次回も読んでくださいね!
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