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旧エクリプス(ゼロの使い魔編)

作者:cipher
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第15話 破壊の杖

ブリミル暦6212年 アンスールの月 ティワズの週 虚無の曜日
皇紀2770年 7月25日 トリステイン王国 トリステイン魔法学院近郊の森

Side オールド・オスマン

トリステイン魔法学院院長のオールド・オスマンは、近くの森を散策していた。学院は、夏休みである。

『光輝、魔法センサーが反応しています。監視衛生で確認したところ、異世界人が転移しています。トリステイン魔法学院の近くの森へ向かっています。』

マザーが光輝へ電脳通信で、知らせてきた。

『近くにいるタチコマを向かわせろ。熱光学迷彩の状態で、護衛させろ。エクリプス商会に連絡して、異世界人を保護させろ。』

光輝がマザーに指示する。

『それですが、オールド・オスマンの監視者が近くに居ます。』

『原作の破壊の杖のイベントか。それなら、保護は様子を見る。監視者を先行させろ。』

『了解です。佐々木武雄さんの例もあります。異世界人は、戦争中の場合があります。保護する場合の人種は、他数用意して置きましょう。敵国人種の場合、攻撃してくる事も考えられます。』

『救難部隊の新設を、検討しよう。各地に、救護の為の拠点を設けた方が良いだろう。救急車の代わりに、救急フネの開発も検討する必要がある。』

『しかし、本体は何故こうも原作情報に、詳しいのでしょう。』

『本体の趣味みたいな物だ。SFからファンタジーまで、ありとあらゆる小説やコミック、映画やアニメまで集めていたよ。科学的に再現出来ないか検討していた。その頃、香月夕呼先生にあった。因果律量子論に出会って、平行世界に興味を持った。それからは、スーパーコンピュータを使って、ありとあらゆるデータを集めた。電子化されていない書物まで、バイオロイドやアンドロイドを使って大図書館から骨董屋まで、電子化していった。
本体は、それをこう呼んでいた。無限電子書庫と。』

マザーと光輝は、そんなやり取りをしていた。

・・・・・

一時程経った。

『先行していたタチコマから、光学映像が入りました。転移者は、旧アメリカ軍の軍服を着ています。装備も、アメリカ軍の正式装備です。肩に、アメリカ製の携帯式対戦車ロケットランチャー、M72 LAWを2基ぶら下げています。装備から類推して、1960年代から転移したものと、思われます。確率的に、ベトナム戦争の戦場から転移したものと、判断します。疲弊していますが、怪我をしていません。』

『原作では、ワイバーンからオールド・オスマンを助けた時に、重傷で魔法学院運び込んで、介護したが亡くなっている。タチコマに連絡して、護衛最小限にする様に伝えろ。危険性物が接近しても、襲わせて構わない、怪我を負わない程度で援護させろ、上手く足止めして、タイミング良く、オスマンと接触させろ。また、オスマンの近くにいるワイバーンを監視しろ。』

『了解しました。』

・・・・・

そして、2〜3時程、時間が経過した。

オスマンが森を散策していると、突然に森の影からワイバーンが現れた。
オスマンが魔法で対処しているが、後手に廻っいる。回避するのがやっとだ。本来なら、オスマン程の実力があればワイバーン等、一人で対処出来るのだが、突然接近されると歩が悪い。魔法は、詠唱や精神の集中力がいるのだ。オスマンは、中長距離得意とするのだ。そうこうしていると、突然爆発音がして、ワイバーンが倒れた。
オスマンは、あ然として辺りを見廻した。そうすると、一人の男が立っている。肩には筒状の物を担いでいる。
何が起こったのか分からないが、その男が助けてくれたのだろう。オスマンは、近くに歩み寄り男に礼を言う。しかし、その男が何を話しいるのか分からない。
其処へ別の男が現れて、オスマンに話して掛けてきた。

「大きな音がしたので、来てみればワイバーンに襲われたのですね。」

男は、倒れているワイバーンを見ながら、話している。

「そうだ。そこで、その男が助けてくれたのだ。お礼を言おうとしたのだが、言葉が通じない。困って追ったところじゃ。」

オスマンが答える。
そうすると、二人の男が暫く話しをしていた。

「私は、エクリプス商会のジョン・スミスと言います。この男性は、ここが何処だと話しています。遠い異国の地より、迷い込んだようです。酷く焦燥している様なので、エクリプス商会で保護します。私は、近くまで馬車で来ています。これから、トリスタニアに戻るところですので、一緒に連れて行きます。お礼は、私の方から伝えておきます。」

「よろしく頼む、(わし)はトリステイン魔法学院院長のオールド・オスマンじゃ。困った事があれば、儂が出来る限り力になる。その男の事は、頼む。命の恩人じゃ。」

二人は、オスマンと別れて元来た方へ帰っていった。
その場には、使い捨てられた、ロケットランチャーが残っていた。
オスマンは、ロケットランチャーを拾うと、魔法学院へ帰って行った。

Sideout

『マザー、男は無事保護しました。』

ジョン・スミスは、マザーに報告を入れた。

『後のケアは、任せます。』

後日談。
ロケットランチャーを知らないオスマンは、破壊の杖として学院に宝物庫へ保管した。
 
 

 
後書き
破壊の杖の話でした。原作と違って男は、無事でした。男は、ベトナム戦争とその後の歴史を聞き元の世界へ戻らず、この世界で幸せに、生きました。
原作開始まで、後30年です。 
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