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第三章

「勉強ばかりで一日十時間以上とか他の国にはない」
「体育もないんだぞ」
「かえって不健康だ」
「塾通いも過ぎる」
「習いものは無理にさせるものじゃない」
「教育も何とかするんだ」
「教師も親からの贈りものを受け過ぎだ」
 教師の問題からだった、汚職の問題も指摘されていった。
「警官が汚職をしてどうするんだ」
「政治家もな」
「官僚もだ」
「汚職は大統領の交代ごとに言われているが」
 汚職追放キャンペーンだ、大統領も常に自分が清貧だとアピールしているがだ、常に大統領とその近辺の汚職騒動が起こる国でもあるのだ。
「それでしょっちゅう前大統領が汚職で逮捕される」
「何で終わりを全うした大統領が殆どいないんだ」
 この国の政治風土にさえなっているのだ、このことが。
「汚職も何とかしなければ」
「それが国防にも影響している」
「兵器も軍のシステムも見直さなければな」
「さもないと北の国がいつも狙っているんだぞ」
「東の超大国に頼ってばかりじゃ駄目だ」
「我が軍も何とかしなければ」
「動ける、役に立つ兵器だ」
 それが必要だというのだ。
「そして将兵の質をあげて風紀も厳正にだ」
「何でここで海軍に力を入れる」
「陸軍、そして空軍だ」
「北の国に戦力を向けろ」
「まずはあの国だ」
「あの国を意識した国防だ」
「何でここでもあの経済大国を意識するんだ」
 実は海軍の増強はその国を意識してのことなのだ、あまりにも敵視するが故に。
「やはりまず陸軍だ」
「そして空軍だ」
「この二つの軍の増強だ」
「国防も立て直さないとな」
「そしてあの国も意識しないことだ」
 経済大国のことがまた言われる。
「我が国は我が国だ」
「それでやっていくべきだ」
「すぐにあの国への敵視政策をするがな、我が国は」
「それも止めないとな」
「こうして考えてみると問題が多いな」
「山積みどころじゃないぞ」
 振り返ってみるとだ、本当にそうだった。
 それで彼等はだ、真剣に話すのだった。
「ここは我が国を根本から立て直すべきだ」
「あらゆる分野でな」
「さもないと後が大変だ」
「どうなるかわからないからな」
「今度の選挙は大きいぞ」
「まともな、いや優秀な大統領を選ばないとな」
「我が国の未来は暗い」
 このことが確信される言葉だった。
「しっかりと考えて選ばないと駄目だ」
「どうにもならない」
 こう話されるのだった、そしてだった。
 その大統領選挙だった、二人有料候補がいた。一人は元大統領の娘、そしてもう一人は運動家の様な男だった。
 その運動家の主張を見てだ、心ある者達は思った。
「あいつは駄目だ」
「ああ、絶対にな」
「よりによって北のあの国に近い」
「しかも経済大国を敵視している」
「あいつが政権に就いたら大変だぞ」
「我が国は今以上に滅茶苦茶になる」
「だからな」 
 そう見てだった。
「娘がいいな」
「ああ、選択肢は一つだな」
「元大統領の娘だ」
「あの人に投票しよう」
「それにな」
 ここでだ、その娘自身の話にもなった。 
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